OutlookでMailTipsが表示されない問題を修正する方法|Build 20228.20190

OutlookでMailTips(メール ヒント)が突然表示されなくなった場合は、最初にクラシック Outlookのバージョンを確認してください。Microsoftは、Microsoft 365 AppsのCurrent Channel Version 2607 Build 20228.20190で、一部の環境においてMailTipsが表示されないことがある問題を修正しています。

該当する端末では、クラシック Outlookの[ファイル]→[Office アカウント]から更新を実行し、Build 20228.20190以降にするのが最優先の対処です。Microsoftによると、この修正版は2026年8月11日に公開されています。(Microsoft Learn)

ただし、MailTipsのクライアント設定がオフになっている場合や、Exchange Online側で対象のメール ヒントが無効になっている場合は、更新だけでは解決しません。本記事では、修正版の適用から、Outlook側・管理者側の設定確認まで順番に解説します。

目次

OutlookのMailTipsが表示されない問題はBuild 20228.20190で修正

今回Microsoftが修正した内容は、Microsoft 365 AppsのCurrent Channelで発生していたOutlookの不具合です。

項目内容
対象製品Microsoft 365 Apps
対象アプリWindows版Outlook
更新チャネルCurrent Channel
修正版Version 2607
修正ビルドBuild 20228.20190
公開日2026年8月11日
修正内容一部環境でMailTipsが表示されない問題
推奨対応Build 20228.20190以降へ更新

Build 20228.20190より新しいCurrent Channelのバージョンが配信されている場合は、最新ビルドへ更新して構いません。修正のためにVersion 2607へダウングレードしたり、Build 20228.20190へ固定したりする必要はありません。

一方、Monthly Enterprise Channelなど、Current Channel以外を利用している組織では、同じビルド番号を基準に判断できない場合があります。会社がMicrosoft 365 Appsの更新を管理している場合は、利用中のチャネルに対応した修正版の配信状況を管理者が確認してください。

MailTipsとは何か

MailTipsは、メールを送信する前に注意すべき情報をOutlookの作成画面に表示する機能です。日本語の画面では「メール ヒント」と表示されることがあります。

代表的なMailTipsには、次のようなものがあります。

MailTipsの種類表示される内容の例
自動応答受信者が不在通知を設定している
外部受信者メールが組織外へ送信される
大規模な対象ユーザー多数のメンバーを含むグループ宛てである
カスタムMailTip管理者が受信者やグループに設定した注意事項
制限付き受信者送信者が対象者へメールを送信できない
モデレート対象送信後に承認が必要になる
メールボックス容量超過受信者のメールボックスがいっぱいである
メッセージサイズ超過添付ファイルなどにより上限を超えている

MailTipsは、誤送信や大量送信、送信不能といったトラブルをメール送信前に把握するための機能です。利用にはMicrosoft Exchange ServerまたはExchange Onlineのアカウントが必要です。(マイクロソフトサポート)

なお、MailTipsとMicrosoft PurviewのDLPポリシーヒントは別の機能です。機密情報を含む添付ファイルなどに表示されるDLPポリシーヒントが出ない場合、今回のMailTips修正だけでは解決しない可能性があります。Microsoftのリリースノートでも、MailTipsとDLPポリシーヒントは別の修正項目として記載されています。(Microsoft Learn)

最初にクラシック Outlookか新しいOutlookかを確認する

Windowsには、クラシック Outlookと新しいOutlookの2種類があります。

今回のBuild 20228.20190を確認する手順は、主にMicrosoft 365 Appsに含まれるクラシック Outlookを対象とします。

見分け方は次のとおりです。

画面の特徴Outlookの種類
リボンに[ファイル]タブがあるクラシック Outlook
右上に歯車形の[設定]がある新しいOutlook

Microsoftも、[ファイル]タブや右上の[設定]ボタンの有無で両者を区別する方法を案内しています。(マイクロソフトサポート)

新しいOutlookを使用している場合は、[設定]→[全般]→[Outlookについて]からバージョンを確認します。クラシック Outlook用の[Office アカウント]や[更新オプション]は表示されません。

Outlookのバージョンとビルド番号を確認する

クラシック Outlookでは、次の手順でバージョンを確認します。

  1. Outlookを起動します。
  2. [ファイル]を選択します。
  3. [Office アカウント]を選択します。
  4. [製品情報]または[Outlookのバージョン情報]を確認します。
  5. 更新チャネル、バージョン、ビルド番号を記録します。

表示例は次のようになります。

Microsoft Outlook for Microsoft 365
Version 2607
Build 20228.20158
Current Channel

この例では、Build 20228.20190より古いため、今回の不具合に該当する可能性があります。

判断の目安は次のとおりです。

確認結果判断
Version 2607、Build 20228.20190未満更新を優先する
Version 2607、Build 20228.20190修正版が適用済み
Version 2608など、2607より新しいバージョン修正後のビルドとして、次の切り分けへ進む
Current Channel以外組織の更新方針と各チャネルのリリース情報を確認する
[Office アカウント]がない新しいOutlookまたは異なるOffice製品の可能性がある

Build 20228.20190以降へ更新する手順

クラシック Outlookを手動で更新する場合は、次の手順を実行します。

  1. Outlookを起動します。
  2. [ファイル]を選択します。
  3. [Office アカウント]を開きます。
  4. [更新オプション]を選択します。
  5. [今すぐ更新]を選択します。
  6. 更新プログラムの確認とインストールが終わるまで待ちます。
  7. Outlookを含むMicrosoft 365 Appsをすべて終了します。
  8. Outlookを再起動します。
  9. バージョンとビルド番号を再確認します。

Microsoft公式サポートでも、クラシック Outlookでは[ファイル]→[Office アカウント]→[更新オプション]→[今すぐ更新]の順に操作するよう案内されています。(マイクロソフトサポート)

[今すぐ更新]が表示されず、[更新を有効にする]が表示される場合は、先に[更新を有効にする]を選択します。

[更新オプション]が表示されない場合

[更新オプション]が表示されない場合は、次のような環境が考えられます。

  • 会社がグループポリシーでMicrosoft 365 Appsを管理している
  • Microsoft Intuneで更新チャネルや対象バージョンが指定されている
  • Microsoft Configuration Managerから更新を配布している
  • ボリュームライセンス版のOfficeを利用している
  • 管理者によってユーザーの手動更新が制限されている

この場合、レジストリを変更したり、独断でCurrent Channelへ切り替えたりするのは避けてください。組織の更新ポリシーが再適用され、設定が元に戻ることがあります。

管理者には、次の情報を伝えると調査が早くなります。

症状:クラシック OutlookでMailTipsが表示されない
現在のチャネル:Current Channel
現在のバージョン:Version 2607
現在のビルド:Build 20228.20158
修正ビルド:Build 20228.20190

更新後にMailTipsが直ったか確認する方法

更新後は、MailTipsが表示される条件を意図的に作って確認します。

確認に適しているのは、次のような受信者です。

  1. 自動応答を設定している社内ユーザー
  2. カスタムMailTipが設定された共有メールボックス
  3. カスタムMailTipが設定された配布グループ
  4. 多数のメンバーを含む配布グループ
  5. 送信制限が設定された受信者

新しいメールを作成し、対象のアドレスを[宛先]欄へ追加します。アドレスが名前解決された後、作成画面上部にメール ヒントが表示されるか確認してください。

外部メールアドレスだけでテストしない

外部受信者に対するMailTipは、Exchange Onlineの組織設定で既定では無効です。

そのため、Gmailなどの外部アドレスを入力して警告が表示されなくても、Outlookの不具合とは限りません。外部受信者のMailTipをテストする前に、管理者が次の設定を有効にしているか確認する必要があります。(Microsoft Learn)

Set-OrganizationConfig -MailTipsExternalRecipientsTipsEnabled $true

更新してもMailTipsが表示されない場合の対処

Build 20228.20190以降へ更新しても表示されない場合は、次の順番で切り分けます。

OutlookのMailTips設定を確認する

クラシック Outlookでは、ユーザーごとに表示するMailTipsの種類や、MailTipsバーの表示方法を変更できます。

  1. Outlookで[ファイル]を開きます。
  2. [オプション]を選択します。
  3. [メール]を選択します。
  4. [メール ヒント]までスクロールします。
  5. [メール ヒント オプション]を選択します。
  6. 複数のExchangeアカウントがある場合は、対象アカウントを選択します。
  7. 必要なメール ヒントにチェックが入っていることを確認します。
  8. MailTipsバーが[メール ヒントを表示しない]になっていないことを確認します。
  9. 設定を保存してOutlookを再起動します。

Microsoftによると、MailTipsは既定で有効ですが、ユーザーが表示する種類やMailTipsバーの動作を変更できます。また、対象アカウントでMailTipsを利用できない場合は、設定画面自体が表示されません。(マイクロソフトサポート)

Outlookがオフラインになっていないか確認する

MailTipsは、Outlookがオフラインモードの場合には利用できません。Microsoftの制限事項にも、Outlookのオフライン作業中はMailTipsがサポートされないと記載されています。(Microsoft Learn)

クラシック Outlookで次の点を確認してください。

  1. [送受信]タブを開きます。
  2. [オフライン作業]が有効になっていないことを確認します。
  3. Outlook下部のステータスバーを確認します。
  4. 「切断」「接続試行中」などが表示されていないか確認します。
  5. Outlookを再起動し、Exchange Onlineへ再接続します。

キャッシュExchangeモードを使用していること自体は、オフライン作業と同じではありません。問題になるのは、OutlookがExchangeサービスへ接続できていない状態です。

Exchangeアカウントを使用しているか確認する

MailTipsにはExchange ServerまたはExchange Onlineのアカウントが必要です。

POP、IMAPなどで登録した一般的なメールアカウントでは、ExchangeのMailTips機能は利用できません。Microsoft公式サポートでも、MailTipsにはMicrosoft Exchange Serverアカウントが必要とされています。(マイクロソフトサポート)

クラシック Outlookでは、次の手順でアカウントの種類を確認できます。

  1. [ファイル]を開きます。
  2. [アカウント設定]を選択します。
  3. もう一度[アカウント設定]を選択します。
  4. [電子メール]タブの[種類]を確認します。

Microsoft 365やExchangeと表示されていれば、MailTipsの対象となる可能性があります。

Outlook on the webと動作を比較する

同じアカウントをOutlook on the webで開き、同じ受信者を指定してMailTipsが表示されるか確認します。

確認結果考えられる原因
Webでは表示、クラシック Outlookでは非表示Outlookのビルド、設定、プロファイルなどクライアント側
Webでもクラシック Outlookでも非表示Exchange Online側の設定、対象受信者の設定、仕様上の制限
一部のユーザーだけ非表示ユーザー設定、端末差、更新ビルドの差
外部受信者だけ非表示外部受信者MailTipが無効な可能性
特定グループだけ非表示グループ構成やMailTipsの制限事項を確認

この比較により、Outlookの再インストールを始める前に、クライアント側とサービス側のどちらを調べるべきか判断できます。

管理者がExchange Onlineの設定を確認する

複数のユーザーでMailTipsが表示されない場合は、Exchange Online PowerShellで組織設定を確認します。

Get-OrganizationConfig | Format-List MailTipsAllTipsEnabled,MailTipsExternalRecipientsTipsEnabled,MailTipsGroupMetricsEnabled,MailTipsLargeAudienceThreshold,MailTipsMailboxSourcedTipsEnabled

主な確認項目は次のとおりです。

設定確認内容
MailTipsAllTipsEnabledMailTips全体が有効か
MailTipsExternalRecipientsTipsEnabled外部受信者への警告が有効か
MailTipsGroupMetricsEnabledグループ人数に関するMailTipsが有効か
MailTipsLargeAudienceThreshold大規模な対象ユーザーと判断する人数
MailTipsMailboxSourcedTipsEnabled不在通知やメールボックス容量などが有効か

MailTips全体を有効にするコマンドは次のとおりです。

Set-OrganizationConfig -MailTipsAllTipsEnabled $true

外部受信者に対するMailTipを有効にするコマンドは次のとおりです。

Set-OrganizationConfig -MailTipsExternalRecipientsTipsEnabled $true

Microsoftの仕様では、MailTipsAllTipsEnabledは既定で有効ですが、MailTipsExternalRecipientsTipsEnabledは既定で無効です。また、大規模な対象ユーザーの既定しきい値は25です。(Microsoft Learn)

設定変更は組織全体のメール運用に影響します。特定ユーザーの不具合調査だけを理由に、確認せず設定値を変更するのは避けてください。

特定の受信者だけ表示されない場合

特定のユーザーやグループに設定したカスタムMailTipだけが表示されない場合は、受信者側のMailTip設定を確認します。

ユーザーメールボックスの確認例は次のとおりです。

Get-Mailbox [email protected] | Format-List DisplayName,MailTip

配布グループの確認例は次のとおりです。

Get-DistributionGroup [email protected] | Format-List DisplayName,MailTip

カスタムMailTipを設定する場合は、受信者の種類に応じてSet-MailboxSet-DistributionGroupを使用します。

Set-Mailbox [email protected] -MailTip "このユーザーは長期不在です。担当部署へ連絡してください。"

Microsoftは、ユーザーメールボックス、メールユーザー、メール連絡先、配布グループ、動的配布グループなどにカスタムMailTipを設定できると案内しています。(Microsoft Learn)

「現在メール ヒントを表示できません」と表示される場合

何も表示されないのではなく、「現在メール ヒントを表示できません」「We can’t show MailTips right now」と表示される場合は、今回のBuild 20228.20190の問題とは異なる可能性があります。

Microsoftは、差出人の[From]アドレスを、現在のユーザー環境でメールボックスとして認識されないアドレスへ変更した場合に、この警告が出ることがあると説明しています。メールボックスが有効でない受信者の代理で会議出席依頼を転送した場合にも発生する可能性があります。(Microsoft Learn)

この場合は、次の点を確認します。

  1. [差出人]に設定したアドレスが実在するメールボックスか
  2. 共有メールボックスとして正しく登録されているか
  3. ユーザーに送信権限または代理送信権限があるか
  4. メール連絡先やメール有効化されていないオブジェクトを差出人にしていないか
  5. 通常の自分のメールボックスから送信した場合も再現するか

MailTipsの仕様上、表示されないケースもある

MailTipsが表示されない動作が、必ずしも不具合とは限りません。

Microsoftが案内している主な制限には、次のようなものがあります。

  • Outlookのオフラインモードでは利用できない
  • 配布グループ宛ての場合、グループ内の個々のメンバーに対するMailTipsは評価されない
  • 外部受信者向けMailTipは既定で無効
  • 入れ子になったグループでは、一部の制限付き受信者MailTipが表示されない場合がある
  • 外部配布グループでは、構成によって外部受信者MailTipが評価されない場合がある

そのため、検証時には「どの種類のMailTipを、どの受信者で確認しているか」を明確にすることが重要です。(Microsoft Learn)

よくある失敗と避けるべき対処

よくある対応問題点適切な対応
すぐにOutlookを再インストールするビルド更新だけで直る問題に時間をかけてしまう先にチャネルとビルドを確認する
外部アドレスだけで動作確認する外部受信者MailTipは既定で無効不在ユーザーやカスタムMailTipでも確認する
Build 20228.20190へダウングレードするより新しい修正版やセキュリティ更新を失う可能性がある20228.20190以降の最新ビルドを使用する
会社のPCで更新チャネルを勝手に変更するIntuneやグループポリシーと競合する管理者に修正ビルドの配信を依頼する
MailTipsとDLPポリシーヒントを同じものとして扱う調査対象の機能を誤る表示条件と管理場所を分けて確認する
組織設定をすぐ変更する全ユーザーの動作に影響するWeb版との比較や対象範囲の確認を先に行う

OutlookのMailTipsが表示されない場合の確認順序

OutlookでMailTipsが表示されない場合は、次の順番で確認すると効率的です。

  1. クラシック Outlookか新しいOutlookかを確認する
  2. Current Channelか確認する
  3. バージョンとビルド番号を確認する
  4. Build 20228.20190未満なら更新する
  5. Outlookを再起動して再テストする
  6. [メール ヒント オプション]を確認する
  7. Outlookがオフラインになっていないか確認する
  8. Exchangeアカウントであることを確認する
  9. Outlook on the webと動作を比較する
  10. 管理者がExchange Onlineの組織設定を確認する

Current Channel Version 2607 Build 20228.20190未満を利用している場合は、設定変更や再インストールより先にMicrosoft 365 Appsを更新してください。

すでにBuild 20228.20190以降であれば、外部受信者MailTipの有効化状況、Outlookの表示設定、Exchangeアカウントへの接続状態、組織側のMailTips設定を順番に確認することで、原因を絞り込めます。

この記事を書いた人

実務の現場で詰まりがちなポイントを地図にするITブログ「IT trip」を運営。Windows/Office(Teams・Excel)からSQL、サーバ運用、ガジェットまで、再現性のある手順と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ試せること、そして迷った人の次の一歩が見えることを大切にしています。

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