スライド名 | 設定項目 | 設定内容 |
---|---|---|
ダミースライド | 切り替え | 自動、0秒 |
動画スライド | 動画再生 | スライド切り替え時に自動再生 |
メニュースライド | カスタムスライドショーへのリンク | ショー終了後、元のスライドに戻る(Show and Return) |
ダミースライドに関しては本当に内容が空っぽでも構いません。黒一色や白一色など目立たない背景を適用し、一瞬だけ表示してすぐに動画スライドへ移行させるようにするのがポイントです。
体験談:特別支援での実際の活用例
特別支援が必要な学生に向けて、ボタン操作を最小限にした教材を作ったときのことです。スライドのメニュー画面に動画へのリンクを設置し、動画は切り替え時に自動再生させていました。ところが動画を見終わった後に再度動画を見ようと思うと、既に動画が止まってしまっていて、操作に苦労する学生さんには非常に難しい状態でした。そこでダミースライドとカスタムスライドショーの仕組みを使ったところ、学生さんはメニュー画面から「動画を見る」のボタンを押すだけで何度も動画を楽しめるようになりました。操作が少なく、本人もストレスなく学習できたという声があり、とても有用でした。
スイッチアクセス利用時の注意点
特別支援の現場では、利用者が一度ボタンを押すと、できるだけ次のアクションなしで目的の動画再生が行われるのが理想です。スイッチアクセスを利用する学生がいる環境では、余分なクリックやエンターを強いる作り方は避けなければなりません。その点、ダミースライドとカスタムスライドショーの組み合わせは、ユーザーの操作を最低限に抑えつつ、何度でも動画を再自動再生させることができるため大きなメリットがあります。

私自身、スイッチアクセスを必要とする学生のためにたくさんの教材を作ってきましたが、最初はスライドショーの仕組みに戸惑いました。しかしダミースライドを挟むだけでこんなに簡単に自動再生がリセットできるのかと驚きました。応用が利くテクニックなので、ぜひ試してみてください。
「再生後に巻き戻す」機能の限界
PowerPointには「再生後に巻き戻す」や「停止するまでループ」などの設定も存在します。ただし、これらの設定はあくまで動画の末端フレームをどの状態にするかを制御しているにすぎません。自動再生を再度トリガーするためには、やはりスライドが読み込み直される必要があります。この点は、何度も動画を流すようなシーンではしっかり理解しておきましょう。
PowerPointへのフィードバックを送る意義
Microsoftの提供するフィードバックチャネルを使って「同じスライドでの動画を複数回自動再生できるようにしてほしい」という要望を送っておくのも一つの手です。たとえば特別支援の場面だけでなく、企業や研究機関のプレゼンテーションでも「自動リプレイ機能」が欲しいとの声は多いはずです。今後のバージョンアップで改善される可能性があるので、余力があればぜひ声を届けましょう。
まとめ
PowerPointで動画を自動再生する機能は便利ですが、同じスライドにとどまっている限り、二度目の自動再生をトリガーさせるのは難しい仕様となっています。しかしながら、ダミースライドを用いてスライドが切り替わる瞬間にアニメーションを再起動するようにしたり、カスタムスライドショーを利用してショーを表示後に元のスライドへ戻る設定を組み込むことで、複数回の自動再生を実現することができます。特別支援の場だけでなく、一般的なプレゼンでも役立つテクニックです。スライドショーに限らず、視聴者や学生にとってわかりやすい教材作りを心がけたいときに、ぜひこの手法を取り入れてみてください。
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