Teamsはリモートワークやオンラインコラボレーションの中心として、多くの企業や個人に利用されています。しかし、着信通知がPCやスマートフォンに同時に届かない、あるいは片側だけ鳴り続けるなどの問題に直面するケースも少なくありません。こうした通知の不具合は単なる設定ミスだけでなく、ネットワークの状態やアプリのバージョン不整合など、さまざまな要因が絡んでいる可能性があります。そこでこの記事では、Teamsコールの着信通知が端末によって鳴らない・鳴り続けるといったトラブルを解決するための対策や設定見直しのポイントを、わかりやすく解説していきます。
Teamsコール時の着信通知が鳴らない・鳴り続ける問題とは
Teamsを使っていると、スマートフォンとPCで同時に着信通知が鳴るはずが、なぜか片方の端末でしか通知されない、あるいは先に通話を取った端末とは別の端末で延々と着信が続くといった現象がごく稀に発生することがあります。こうした問題は一度起こると「通知設定が間違っているのか」「アプリにバグがあるのか」と戸惑う方も多いでしょう。実は、Teamsは複数端末で同じアカウントを使用している場合でも、基本的には同時に通知が届くように作られています。しかし、アプリの内部処理や端末・ネットワークの状態が複合的に絡むことで、ごく稀に想定外の挙動が起こる可能性があるのです。
よくある状況
- スマートフォン(iOS)とPC(Windows/Mac)を同じアカウントでサインインしているが、スマートフォンのみ着信音が鳴り、PC側に通話着信の表示が全く出てこない。
- PCで通話を受けたにもかかわらず、スマートフォン側で着信通知が止まらず鳴り続けてしまう。
- 実際にはバージョンや通知設定に差異がないのに、片方だけ反応が遅れたり気まぐれに鳴らなかったりする。
- 頻発はしないが、定期的に同じ現象が起きるので業務に支障をきたす。
こうした問題の根本原因は、一時的なネットワーク障害、クライアントアプリのバグ、デバイスの設定不整合など、実にさまざまです。原因究明には時間がかかる場合もありますが、基本的な対策を確認することで、多くのケースは早期に解決できる可能性があります。
問題が生じるメカニズムの一例
Teamsは、Microsoftのクラウドサービスを介して着信を配信します。複数の端末に同じアカウントでログインしている場合、サーバー側のシグナリング(着信通知を送る仕組み)が同時に各端末へ通知を送る設定になっています。しかし、以下のような要因が絡むと通知が不達、または片方に遅延が起きる可能性があります。
- 端末間でのプッシュ通知の優先度:スマートフォン(iOS/Android)はプッシュ通知を受け取るためにAppleやGoogleのPush Notification Serviceを経由する。PCの場合はWindowsの通知システムやMacの通知センターを利用するため、OSレベルでの受信可否や優先順位設定が影響することがある。
- ネットワークの状態:Wi-Fi環境やモバイルデータ通信の速度が不安定だと、着信通知を受け取れるタイミングが端末ごとにずれる。もしくは一方だけロストするケースもある。
- アプリのバージョン差:スマートフォンとPC、あるいはWindowsとMacで別々にアップデートが行われ、微妙にバージョン差が出ていると、通知の連携に不具合が生じる可能性がある。
- キャッシュやサインイン情報の不整合:一時的なキャッシュデータの腐敗やセッションの競合が原因で、同時通知が正しく動作しないケースがある。
主な対処法と手順
ここからは実際に試してみると効果が期待できる対処法を紹介します。いずれも難しい操作は必要なく、設定画面や公式ドキュメントに沿って進めればスムーズに改善を図れます。
1. 通知設定の見直し
着信通知は、Teamsアプリだけでなく、OS側の通知許可が有効になっていないと届かない場合があります。特にiOSは「設定」→「通知」→「Teams」の順で通知がオフになっていると全く音が鳴りません。Windowsの場合は「設定」→「システム」→「通知とアクション」からTeamsの通知を有効にしておく必要があります。Macも同様に「システム環境設定」→「通知と集中モード」でTeamsが許可リストに入っているか確認します。
通知設定確認のチェックリスト
項目 | 確認内容 |
---|---|
Windows通知設定 | 「設定」→「システム」→「通知とアクション」で、Teamsアプリが通知リストに表示されているか、通知がオンになっているかを確認 |
Mac通知設定 | 「システム環境設定」→「通知と集中モード」で、Teamsが通知を許可するアプリに登録されているかを確認 |
iOS通知設定 | 「設定」→「通知」→「Teams」で、通知を許可のスイッチがオンになっているか、サウンドが有効かを確認 |
Teamsアプリ内の通知設定 | Teamsアプリの「設定」→「通知」→「チャット」「会議」「着信」など個別に通知がオフになっていないかを確認 |
2. サインアウトとサインインの試行
複数端末で同じアカウントを使用していると、セッション管理が不安定になり、一部の端末だけが正しく通知を受け取れないケースがあります。そのため、一度全端末でサインアウトし、再度サインインする方法が有効です。特に新しい端末を追加した直後や、Teamsが自動アップデートされた後は、再ログインの手順を踏むことで不具合が解消される場合があります。
サインアウト・サインイン手順の例(Windows)
- Teamsアプリを起動し、右上のプロフィールアイコンをクリックする。
- 「サインアウト」を選択してアプリを完全に終了させる。
- PCを再起動するか、少なくともTeamsアプリのプロセスが完全に終了していることをタスクマネージャーで確認する。
- 再度Teamsアプリを起動し、アカウント情報を入力してサインインする。
サインアウト・サインイン手順の例(iOS)
- Teamsアプリを開き、左上のハンバーガーメニューやプロフィールアイコンからアカウント設定を開く。
- 「サインアウト」をタップしてアプリを終了させる。
- 念のためiOSのマルチタスク画面からTeamsを終了し、アプリを完全に閉じる。
- 再度アプリを起動し、アカウント情報を入力してサインインする。
このように端末ごとにサインアウト・サインインを行うことで、一時的なキャッシュやセッションの問題がリセットされ、着信通知が正常に届くようになることが期待できます。
3. ネットワークの確認
ネットワーク環境が不安定な場合、端末ごとに着信通知を受信するタイミングがズレたり、まったく受け取れなかったりすることがあります。Wi-Fiの電波強度が極端に弱い場所にいるときや、モバイル通信が不安定なときに着信通知が途切れがちになるのは珍しくありません。以下の点を確認すると良いでしょう。
- 可能であれば、安定したWi-Fiや有線LAN環境に接続して、着信通知がちゃんと届くかテストする。
- スマートフォンのモバイル通信からWi-Fiに切り替えた直後などは、一時的にプッシュ通知の遅延が起きることがあるため、数分待ってから再度試す。
- VPNを使用している場合や、企業内のセキュリティソフト・ファイアウォールで特定の通信がブロックされていないかを確認する。
ネットワークトラブルシューティング例
確認ステップ | 具体例 | 目的 |
---|---|---|
スピードテスト | インターネットの上り/下り速度をテストサイト等で計測する | 十分な帯域幅が確保されているかを確認 |
ルーターの再起動 | 家庭用やオフィス用のルーターを一度電源OFF→ONにする | ルーターの不具合による通信障害をリセット |
VPN・Proxyの確認 | VPNを解除、またはProxy設定をオフにして再度Teamsに接続 | 経路障害やセキュリティルールが原因かをチェック |
別のネットワークで試す | スマートフォンのテザリングや他のWi-Fiに切り替えてみる | ネットワーク環境固有の問題かを切り分け |
4. キャッシュクリアや再インストール
通知不具合を含む多くの問題は、キャッシュや一時ファイルの破損、アプリの部分的なインストールエラーなどが原因で生じることがあります。これを解決するために、Teamsアプリのキャッシュクリアや再インストールを試すのも有効な手段です。
- Windows版Teamsのキャッシュクリア方法:アプリを終了し、
%appdata%\Microsoft\Teams
配下のCacheフォルダやGPUCacheフォルダなどを削除してから再度起動する。 - Mac版Teamsの再インストール:アプリを「アプリケーション」フォルダからゴミ箱に移動し、ゴミ箱を空にした後に最新バージョンをダウンロードして再インストールする。
- iOS版Teamsの再インストール:アプリを長押しして「Appを削除」を選択し、App Storeから再度ダウンロードする。
これらの方法を行う場合は、サインイン情報やローカルの一部設定がリセットされるため、再度アカウントとパスワードを入力する必要があります。事前にTeamsで使っているチームやチャネル情報はクラウド側に保管されているため、消えてしまうことはほぼありませんが、万が一のために再インストール前に重要なファイルがないかを確認しておきましょう。
さらに高度なサポートや根本的な原因調査
一般的な対策を行っても改善しない場合は、より高度なサポートを活用することを検討しましょう。
Microsoft 365管理センターでのサポートリクエスト
企業や組織でMicrosoft 365(旧Office 365)を利用している場合は、「Microsoft 365管理センター」(Office 365 Admin Center)からサポートリクエストを発行する方法があります。管理者権限を持つユーザーが以下の手順で問い合わせを行うことで、Microsoftのサポートエンジニアが詳細な調査をしてくれる可能性があります。
- Microsoft 365管理センターに管理者アカウントでサインインする。
- 左側のメニューから「サポート」→「新しいサービス リクエスト」を選択する。
- 不具合の内容や再現手順、環境情報(OS、Teamsバージョンなど)をできるだけ詳しく記入する。
- サポートチケットが発行され、エンジニアからの返信を待つ。
サポートに伝えると良い情報
問い合わせ時に不具合をより正確に伝えるため、次の情報を整理しておくとスムーズです。
- 発生日時と頻度:トラブルが起きた日時や、どのくらいの間隔で発生しているか。
- 利用している端末とOSバージョン:Windows 10 or 11 / Mac / iOS のバージョンなどを明示。
- Teamsアプリのバージョン:PCとスマートフォンのバージョンが一致しているか、またリリース日など。
- ネットワーク環境:Wi-Fi / 有線LAN / モバイルデータ通信など、どの状況で起きるか。
- 再現手順:できれば、問題が起きる直前に行った操作(通話を開始、画面共有をした、など)を詳細に書き出す。
これらの情報があると、サポートエンジニアはログ解析やサーバー側の動作状況を確認する際に原因特定をしやすくなります。
知っておきたい追加のヒント
バージョンアップのタイミングを管理する
Teamsのアプリは頻繁にアップデートが行われます。端末によってアップデートのタイミングが異なると、通知周りの機能に差異が出るリスクがあります。可能であれば、企業全体でアップデートの管理を行い、全端末で同じバージョンを使うようにすると、問題発生の確率を抑えられます。
プレビュー版やベータ版の注意点
Microsoft Teamsでは、プレビュー版やベータ版を利用していると、最新機能を試せる反面、安定性に不安が残る場合があります。業務利用でトラブルを避けたい場合は、プレビュー参加をオフにして安定版のTeamsを使うほうが良いでしょう。実験的に新機能を試す場合でも、一部の端末だけプレビュー版を利用し、他の端末は安定版のままにするといった運用を推奨します。
通知が鳴らない場合の応急処置
万が一、どうしてもスマートフォンが鳴らない・PCが着信表示しないといった状況に陥ったときは、以下のような応急処置も検討してください。
- 他の連絡手段(チャットメッセージやメール)で着信があったことを知らせる。
- チームメンバーに「着信が鳴らない可能性がある」ことを周知しておき、重要度の高い連絡には念のために他のツールも併用する。
- スマートフォンかPCのどちらかの端末で着信が鳴ることを確認できれば、通知のタイミングをずらして再度発信してもらう。
まとめ
Teamsでの通話における着信通知の不具合は、一時的なバグからネットワークの不安定、設定の見落としまで、さまざまな原因が複合的に関わって起こり得ます。まずはOSとTeamsアプリ双方の通知設定を見直し、端末のサインアウト・サインインや再インストール、ネットワーク環境の確認といった基本的なトラブルシューティングを行いましょう。多くの場合、これらのステップで問題は解消し、スマートフォン・PCの両方できちんと着信通知が受けられるようになるはずです。
ただし、それでも改善しない場合は、Microsoft 365管理センターを通じたサポート依頼や詳細なログ調査を行うことをおすすめします。稀に起こる不具合こそ原因が特定しづらいものですが、公式サポートやエンジニアの協力を得れば解消に至る可能性が高まります。Teamsはリモートコミュニケーションにおいて非常に便利なツールです。快適な連絡体制を維持するためにも、早め早めの対策とバージョン管理、定期的な環境チェックを心がけるようにしましょう。
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