Microsoft Teamsでタスク管理を行う際、「Planner」や「To Do」を活用している方も多いのではないでしょうか。ところが、カレンダーの週始まりが日曜日固定で使いづらいと感じるケースがあります。今回はその対処法を詳しくご紹介し、より柔軟なタスク管理を実現するためのヒントをお伝えします。
Planner/To Doのカレンダー開始曜日が変更できない背景
PlannerとTo DoはいずれもMicrosoftが提供するタスク管理ツールであり、Teamsから直接アクセスできる便利なサービスです。しかし、標準ではカレンダーの週の始まりが日曜日に設定されており、ユーザーの地域設定や言語設定によっては変更が反映されにくい場合があります。ここでは、その背景を理解することで対処法をスムーズに選択できるようにしていきましょう。
そもそもなぜ日曜日開始なのか
日本語環境でも日曜始まりが標準設定となっている背景として、Microsoftのグローバルな設計仕様が関係しています。国や地域ごとに休日の定義は異なりますが、米国などでは週の始まりを日曜日と捉える文化が根強く、そこからPlanner/To Doがデフォルトを引き継いでいると考えられます。
ユーザーボイスによる改善要望
実際、多くの利用者が週の開始日変更の要望をMicrosoftへフィードバックとして送っています。公式フォーラムやUserVoiceといったチャネルで、「自分の好みの曜日で始まるカレンダーが欲しい」といった投稿が見受けられます。こうしたフィードバックは製品改善につながる可能性があるため、要望を出すことは有用です。
Microsoftへの要望送信とその重要性
直接的な設定項目が用意されていない現状では、開発元であるMicrosoftに要望を届けることが根本的な解決策につながります。以下に、要望送信のメリットと具体的な手順の一例をご紹介します。
要望を送るメリット
- 開発者が実際のユーザーのニーズを把握しやすくなる
- 将来的なアップデートで機能として反映される可能性が高まる
- 同じ課題を抱えるユーザーが多ければ、多いほど実装が優先される
要望送信の手順例
- Microsoft 365管理センターやTeamsなどのアプリから「Feedback(フィードバック)」機能を開く
- 「Plannerの週開始曜日の変更を希望」など、具体的な要望を短くまとめる
- 詳細を記載し、可能であればスクリーンショットを添付する
- 送信後、フォーラムやUserVoiceで他のユーザーが同様の要望を出していないかチェックし、投票やコメントを追加する
言語設定を英語(オーストラリア)に変更してみる
PlannerやTo DoのUI上でカレンダーの週始まりを切り替える設定が直接用意されていないため、一部のユーザーはWindowsやOfficeの言語設定を変更することでカレンダーの週開始曜日を操作しています。代表的な事例として挙げられるのが「English (Australia)」への切り替えです。
言語設定を切り替える理由
英語圏でも国によって週の始まりが異なります。特にオーストラリアやイギリスでは、週の開始日を月曜日とする文化が一般的です。そのため、OSやOfficeスイートを「English (Australia)」や「English (United Kingdom)」に変更すると、自動的に週の開始曜日が月曜日になる場合があります。
言語設定切り替えの手順
以下はWindows 10/11の設定変更の一例です。Office側での言語設定を変更する場合も、同様の手順で確認できます。
- Windowsの設定
「スタート」ボタン → 「設定」 → 「時刻と言語」 → 「地域と言語」を選択します。 - 言語の追加または変更
「言語を追加する」から「English (Australia)」を選びます。既に追加済みであれば、優先順位を上げるか既定に設定してください。 - スペルチェック設定
この段階で、Windows全体のUIやスペルチェックがオーストラリア英語に変わる点に注意が必要です。WordやOutlookなどでも綴りのチェックが変わるため、想定外の単語が誤字扱いされる可能性があります。 - Teams/Planner/To Doの再起動
設定を変更した後、Teamsやブラウザ版のPlannerやTo Doを再起動し、週の開始曜日が変更されているかを確認してください。
地域と言語設定の比較表
下記のように地域と言語設定によって週の始まりが異なります。実際に試す前に把握しておくと便利です。
地域選択(言語) | 週の始まり | スペルチェックの言語 |
---|---|---|
English (United States) | 日曜日 | アメリカ英語 |
English (Australia) | 月曜日 | オーストラリア英語 |
日本語 (日本) | 日曜日 | 日本語 |
English (United Kingdom) | 月曜日 | イギリス英語 |
これらを踏まえると、英語(オーストラリア)や英語(イギリス)などに切り替えることで、週の始まりが月曜日に設定される可能性があります。ただし、UIやキーボードレイアウト、スペルチェックなどの環境もまとめて変わってしまうため、利用状況に応じて判断してください。
PlannerのSharePointサイト設定で地域情報を変更
TeamsのPlannerタブは裏側でSharePointのサイト機能を利用しているため、その地域情報(Regional Settings)を変更すると週の開始曜日を切り替えられる場合があります。以下に具体的な手順をまとめました。
SharePointサイトを開く
- Teamsのチャンネル内にあるPlannerタブを開きます。
- 「+Add new item(新規追加)」ボタンの横にある「…(三点リーダー)」メニューをクリックし、「Open in SharePoint」を選択します。
- SharePointサイトが別ウィンドウまたは別タブで開きます。
地域情報(Regional Settings)の変更
- SharePointサイトの右上にある「設定(歯車アイコン)」をクリックし、「サイト情報」を選びます。
- ページ下部またはサイドメニューにある「すべてのサイト設定を表示」をクリックして、「サイトの管理」セクションに移動します。
- 「地域情報(Regional settings)」を選択し、「最初の曜日(First day of the week)」を月曜日に切り替えます。
- 設定を保存して、念のためTeamsを再起動します。
設定が正しく反映されれば、PlannerやTo Doのカレンダーにも変化がみられるはずです。ただし、管理権限がないとこの操作ができないケースがあります。その場合は、SharePointサイトの管理者やTeamsのオーナーに協力を依頼してください。
権限がない場合の対処法
- 組織の管理者に「PlannerのSharePointサイトの地域情報を変更したい」と相談する
- 必要に応じて管理者が設定を変更できる権限を付与する
- 管理者に代行してもらい、設定内容を確認する
設定が反映されない場合の考え方
以上の方法を試してもうまく週の開始曜日が切り替わらないケースもあります。特に次のような原因が考えられますので、あらためて確認してみるとよいでしょう。
Microsoft 365アプリのバージョンやキャッシュの問題
時々、TeamsやPlannerのキャッシュが原因で設定変更が即時に反映されないことがあります。時間をおいてアプリを再起動する、またはサインアウト後に再度サインインすることで解決する場合があります。ブラウザ版のPlanner/To Doを利用している場合は、ブラウザのキャッシュやCookieをクリアして再試行してみてください。
組織ポリシーによる制限
企業や組織のテナントで利用している場合、グローバルな設定が上書きされる場合があります。例えば、管理者が特定の地域情報を強制しているなどのケースが該当します。こうした制限があると、ユーザー個人が変更を加えても反映されない可能性があります。管理者に問い合わせてみましょう。
ブラウザとデスクトップアプリの挙動差
ブラウザ版のPlanner/To Doとデスクトップアプリ版のTeamsで設定が合わない場合があります。ブラウザの地域設定とWindowsの言語設定が異なると、表示に齟齬が出ることもあるので、両方を統一することを意識するとよいでしょう。
運用面での工夫: 週の開始曜日が変えられない場合
どうしても設定が反映されない、あるいは管理権限や組織ポリシーの都合で変更が難しい場合、運用でカバーする工夫も大切です。
タスク名に曜日を明記する
カレンダーの見た目上の日にちだけでなく、タスク名や説明文に「(Mon)」「(Tue)」といった曜日情報を含めて登録することで、週の始まりを意識しやすくなります。特にチームでタスクを共有している場合に効果的です。
外部カレンダーとの連携
OutlookカレンダーやGoogleカレンダーなど、週の開始曜日を柔軟に設定できるカレンダーと併用する方法もあります。PlannerやTo Doの予定をエクスポート・同期することで、週始まりを月曜日などに設定したカレンダー側で一覧管理することが可能になります。
Outlookとの連携例
以下はOutlookでカレンダーを管理する場合の手順例です。
- Outlookを開き、「ファイル」→「オプション」→「カレンダー」を選択する
- 「週の開始日」を月曜日に設定する
- Plannerからエクスポートした予定をインポートして、Outlookカレンダー上で表示する
- Plannerでタスクに日付を設定すると、Outlook側でも情報が反映されるようになる(ただし、多少のタイムラグあり)
この方法であれば、Outlookや他のカレンダーアプリ上では月曜始まりでタスク管理ができるため、視覚的な混乱を抑えられます。
複数の方法を試しながら最適解を見つける
週の開始曜日を変更するには、言語設定やSharePointの地域情報を変更する方法が有力ですが、うまくいかないケースや管理権限の問題も存在します。そのため、複数のアプローチを試してみることが大切です。
考慮すべき要素
- 利用者全員が快適に使えるようにする必要があるか
- 管理者の権限が得られるか、または別部門へ申請が必要か
- 外部ツールや別のカレンダーとの併用に抵抗がないか
- 英語環境でのUI変更やスペルチェックへの影響を受容できるか
これらの条件がそろわないと、ひとつの方法では解決が難しい場合があります。逆に、会社全体で言語設定を統一しているような環境なら、SharePointの設定を管理者権限で一括変更するだけで問題が解決するケースもあるでしょう。
まとめ: 最適な方法を選び、快適なタスク管理を
PlannerやTo Doでは標準で週の開始曜日を変更する設定が用意されていませんが、次のような方法で対処可能です。
- Microsoftへの要望を送る:根本的な機能追加を期待
- 言語設定を変更する:英語(オーストラリア/イギリスなど)で月曜日始まりを実現
- SharePointサイトの地域情報を変更する:裏側の設定を調整してPlannerの表示を変える
- 運用面の工夫:タスク名に曜日を含める、外部カレンダーと併用する
どの方法も一長一短がありますが、最適解は組織やプロジェクトチームの実情によって異なります。作業効率の向上を目指すためにも、時間をかけて複数の方法を検証してみる価値は大いにあります。カレンダーの週始まりを自由に選択できると、スケジュールの可視化も格段に向上し、タスク管理がスムーズに進むはずです。ぜひ取り入れてみてください。
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