Teamsの翻訳字幕・AI音声通訳・言語通訳の違いと設定方法

Teamsで英語の会議を日本語で理解したいときは、まず「字幕を読む」のか「翻訳された音声を聞く」のかを分けましょう。ライブキャプション、翻訳キャプション、人が担当する言語通訳、AIによるInterpreterは、それぞれ仕組みと利用条件が異なります。

この記事では、主に職場・学校のアカウントで参加するTeamsの予定された会議を対象に、ライセンスの確認方法と操作手順を整理します。Microsoft公式情報の確認日は2026年10月20日です。画面名や対応範囲は更新されるため、本番前に実際のアカウントと端末で確認してください。

目次

最初に確認:字幕翻訳と音声通訳は別の機能

機能受け取るもの確認する条件
ライブキャプション発言を同じ言語の文字で表示Teamsの会議機能とライブキャプションのポリシー。翻訳字幕とは別
ライブ翻訳キャプション発言を別の言語の字幕で表示主催者または利用者本人のTeams Premium/対象のMicrosoft 365 Copilotライセンス
言語通訳(人による同時通訳)割り当てた通訳者が話す音声Teams Premiumは必須ではない。主催者による事前設定と通訳者の手配が必要
Interpreter(AI通訳)AIが生成する翻訳音声個人ユーザーは対象のMicrosoft 365・Teams・Copilotライセンスと組織の利用許可を確認

「言語通訳」をオンにしても、AIが自動的に通訳者を務めるわけではありません。また、翻訳字幕を選んでも、音声そのものが日本語に変わるわけではありません。Microsoftの会議機能の管理ガイドでも、人の言語通訳とInterpreterは別項目です。

翻訳字幕のライセンスは「誰に割り当てられているか」で確認する

翻訳字幕については、「会社がTeams Premiumを契約している」という情報だけでは判断できません。Microsoftの多言語会議ガイドは、会議の主催者と参加者を次のように区別しています。

  • 主催者に対象ライセンスがある:主催者がTeams Premiumまたは対象のMicrosoft 365 Copilotを持つ会議では、参加者は翻訳字幕・ライブ翻訳トランスクリプト用の追加ライセンスを個別に持たなくても利用できます。
  • 主催者にはなく、参加者本人にある:Teams Premiumまたは対象のMicrosoft 365 Copilotを持つ参加者本人が利用できます。その人が参加するだけで、ほかの全員にも利用権が付くわけではありません。
  • どちらにもない:まず同言語字幕で足りるかを確認し、翻訳が必要な場合は管理者に既存の契約と割り当てを確認します。表示されないことだけを理由に追加契約を決めないでください。

これは翻訳字幕の条件です。AI通訳の音声を聞く権利が、主催者のライセンスから全参加者に配られるという意味ではありません。Teams PremiumはTeams本体のライセンスを置き換えるものでもないため、「Microsoft 365 Business Standardだから必ず使える」といったプラン名だけの判断も避けます。詳しくはTeams Premiumのライセンス条件を確認してください。

ライブキャプションと翻訳字幕を表示する手順

以下はPC向けの操作です。日本語表示の名称に加えて英語名を併記します。字幕は聞き取りの補助にもなるため、翻訳を使わない会議でも、必要な人が読みやすい表示に調整できます。

  1. 会議の[その他のアクション(…)]→[キャプション(Captions)]を選びます。
  2. 字幕欄にポインターを合わせ、[キャプション設定を開く(Open caption settings)]を開きます。
  3. [会議の話し言葉(Meeting spoken language)]が実際の発言言語と一致しているか確認します。これは「翻訳先」ではなく、音声を認識するための言語です。
  4. 翻訳字幕の利用条件を満たす場合は、[翻訳先(Translate to)]から日本語など、読みたい言語を選びます。
  5. 必要に応じて[キャプション スタイル]で文字の大きさ、色、表示位置などを調整します。

公式のライブキャプション手順には、[その他のアクション]→[RTT]→[オンにする]からRTT欄の[ライブキャプション]を有効にし、字幕設定を開く経路も案内されています。画面に表示される経路を使い、RTTを翻訳専用の別契約と混同しないでください。参照:ライブキャプションの操作手順。

文字起こしが進行している場合、会議の話し言葉を変更できるのは主催者・共同主催者や文字起こしを開始した人などに限られます。変更できないときは主催者へ確認し、字幕を直すために無断で会議の文字起こしを止めないようにします。

複数の言語で話す会議は「多言語音声認識」も確認する

英語用の音声認識のまま参加者が突然フランス語を話しても、常に正しく日本語字幕になるとは限りません。必要なら主催者が予定表の会議を開き、[オプション]→[レコーディングと文字起こし]→[多言語音声認識を有効にする]→[適用]を確認します。利用可能な会議では、各参加者が自分の話す言語を設定できます。

多言語音声認識は、AI通訳の音声を使わず字幕・文字起こしのためだけに利用することもできます。反対に、対応言語やライセンスの条件は字幕翻訳と完全に同じではありません。詳細は多言語音声認識の公式手順を参照してください。

AIの翻訳音声を聞く:Interpreterの条件と手順

利用者本人のライセンス・参加アカウントを確認する

Interpreterは発言を別言語の音声にする機能です。個人ユーザー向けの管理者ガイドは、対象のMicrosoft 365基本ライセンス、Teamsライセンス、Microsoft Copilotライセンスを利用条件に挙げています。Teams Premiumを持つ主催者の会議に参加するだけで、全員がAI音声通訳を利用できるとは考えないでください。

  • 利用枠:確認日時点の案内では、対象のCopilotライセンスに1人あたり月20時間の通訳が含まれます。超過分は利用可能な容量次第で、無制限に使えるという保証ではありません。
  • 社外の参加者:有効な対象ライセンスを持つ、確認済みのMicrosoft 365アカウントで参加する必要があります。匿名参加やゲストとしての参加ではInterpreterを利用できません。
  • 言語:日本語・英語・フランス語などに対応しますが、字幕翻訳の対応言語と同じ一覧ではありません。希望する「話す言語」と「聞く言語」を実際の選択欄と公式一覧で確認します。
  • 管理者の許可:会議のAIInterpreterポリシーなどにより利用が制限されることがあります。ボタンがない場合は、契約追加より先にアカウントとポリシーの確認を依頼します。

個人向けCopilotや無料のCopilot Chatが使えることだけでは、上記のTeams用の権利を確認したことにはなりません。Microsoftの文書で使われる製品名に表記差があるため、正式な契約名と割り当て先を管理者に確認してください。なお、Teams Rooms機器にはTeams Rooms Proによる別の条件があります。個人PCの条件をそのまま適用しないでください。

PCでInterpreterをオンにする

  1. 会議の[その他のアクション(…)]→[言語と音声(Language and speech)]→[Interpreter]→[自分用にオンにする(Turn on for me)]を開きます。
  2. [Listen to meeting in]で聞きたい言語を選び、音量バランスで原音と通訳音声の聞こえ方を調整します。
  3. 自分の発言が翻訳される際の声を確認します。自分の声を模した音声と自動音声の選択があり、既定値は組織の設定の影響を受けます。
  4. [オンにする]で開始します。変更・停止は会議内のInterpreter表示から[Manage settings]または[Turn off for me]を選びます。

参照:Interpreterの公式操作ガイド。短い文で順番に話し、相手の通訳が終わってから発言すると進行しやすくなります。高速の応酬や同時発言には向かず、固有名詞や専門用語を誤る可能性もあります。

対応していない会議形式に注意する

公式ガイドでは、予定された会議やチャネル会議などが対象です。予定なしのアドホック会議、ウェビナー、タウンホール、Teams Freeなどは同じ条件では利用できません。通話の場合も、対象は1対1のTeams同士のVoIP通話で、電話番号宛てのPSTN通話とは区別されます。端末・会議室機器を含めた最新の可否は対応プラットフォーム一覧で確認してください。

人による言語通訳を設定する

人の「言語通訳」は、会議に参加した通訳者の音声を別の言語チャネルで聞く仕組みです。翻訳字幕のTeams Premium要件や、AI InterpreterのCopilot要件を、この機能にそのまま当てはめないでください。Microsoftが通訳者を派遣するわけではないので、専門分野に合う担当者を主催側で手配します。

主催者:会議を始める前に有効化する

  1. 予定されたTeams会議に通訳担当者を出席者として追加します。
  2. [オプション]→[役割(Roles)]→[言語通訳を有効にする]をオンにします。
  3. 組織内の通訳者を選択し、担当する言語の組み合わせを設定して[適用]します。主催者・共同主催者を通訳者に兼任させることはできません。
  4. 社外・ゲストの通訳者は、言語通訳を有効にした会議に参加した後、[参加者]一覧で対象者の[その他のオプション]→[通訳者にする]から割り当てます。

参加者:聞きたい通訳チャネルを選ぶ

会議中に[その他のアクション]→[言語と音声]→[言語通訳(Language interpretation)]を開き、聞く言語と原音・通訳音声のバランスを選んで保存します。AI側の[Interpreter]とは別の項目です。参照:人による言語通訳の公式手順。

本番前に確認する制限

  • PCの参加方法:通訳者はTeamsデスクトップ版で参加します。通常のPC・スマートフォンでの参加について、公式手順はWeb版・モバイル版で通訳言語を選択できないと案内しています。聴講者の端末も事前確認が必要です。
  • 会議形式:通常の予定された会議・チャネル会議が対象です。ブレークアウトルームとエンドツーエンド暗号化(E2EE)会議には対応しません。ブレークアウト開始時には通訳が止まります。
  • 人数とイベント:個別サポート記事は最大1,000人の会議を対象としていますが、契約の会議定員が増えるという意味ではありません。イベントへの対応は資料間で記載差があるため、ウェビナー等での利用は現行の会議オプションと管理者に確認してください。
  • 字幕・録画:字幕は原則として主発言者を対象とし、通訳者の発言を字幕化するものではありません。通常の会議録画にも通訳チャネルの音声は含まれません。コンプライアンス録音にも非対応です。

通訳音声が原音に埋もれる場合は音量バランスを確認します。空間オーディオが有効だと両方が同じ音量になる場合があり、公式ガイドは空間オーディオをオフにして会議へ入り直す方法を案内しています。

字幕は保存される? 録画・文字起こしとの違い

ライブキャプションを表示することと、会議の文字起こしを保存することは別です。Teamsは会議中のキャプション自体を保存しません。記録を残す必要がある場合は、組織のルール、参加者への案内、文字起こしの権限を確認したうえで、別途文字起こしを開始します。

  • ライブ字幕:会議中の閲覧用。後からそのまま議事録としてダウンロードできるとは考えないでください。
  • トランスクリプト:文字起こしを開始した場合の記録。Microsoftの管理者ガイドはOneDrive/SharePointでの保存を案内しています。閲覧・ダウンロード・保存期間は権限やポリシーに従います。
  • ライブ翻訳トランスクリプト:会議中に見た翻訳表示が、そのまま各言語の保存版になるわけではありません。会議後に別処理で生成できる翻訳トランスクリプトや翻訳された要約とは区別します。
  • 通訳音声:人の言語通訳もAI Interpreterも、通常のTeams会議録画には翻訳音声が入りません。録画で後日日本語音声を聞ける前提で運用しないようにします。

参照:文字起こしとキャプションの管理、録画・トランスクリプトの保存先と権限、多言語会議の翻訳表示と会議後の扱い。

機能が表示されないときの確認順

  1. 目的:字幕の翻訳、人の通訳、AIの音声通訳のどれかを特定する。
  2. アカウント:ライセンスを割り当てられた職場・学校アカウントで参加しているか確認する。AIの場合は匿名・ゲスト参加でないかも確認する。
  3. ライセンス:翻訳字幕は主催者と本人、AI音声は本人の条件を確認する。組織内の誰か1人に契約があるだけで判断しない。
  4. 会議と端末:予定された会議かイベントか、デスクトップ版かWeb版かなどを確認する。人の通訳では事前に有効化した会議かも確認する。
  5. ポリシー:ライブキャプション、文字起こし、AI Interpreterの利用許可を管理者へ確認する。会議URL、利用アカウント、発生時刻、表示されない項目を伝えると調査しやすい。

ここで示したのは確認の順序です。表示の問題を解決するために、組織全体の設定変更、セキュリティ制限の解除、追加ライセンス購入を独断で進めないでください。

多言語会議を進めやすくする準備と活用例

たとえば英語の説明を日本語・フランス語で理解したい会議なら、最初に各参加者が「読む」「聞く」のどちらを必要としているかを確認します。字幕で足りる人には翻訳字幕、音声が必要で要件を満たす人にはAI Interpreter、専門的なニュアンスを確認したい場面には人の通訳を検討する、という選び方ができます。

  • 事前資料:議題、製品名、人名、略語、重要な数値を共有し、通訳者がいる場合は用語の訳し方を打ち合わせます。
  • 音声環境:マイクとヘッドセットを確認し、雑音やスピーカーからの回り込みを減らします。
  • 発言ルール:一人ずつ短く話し、通訳が終わるまで待ちます。急な言語の切り替え時には字幕の認識言語も確認します。
  • アクセシビリティ:音声通訳があっても字幕を必要とする人はいます。文字サイズ・資料・必要な支援を参加者と事前に確認します。
  • 確認方法:期限、金額、担当者、合意内容はチャットや共有資料でも確認します。AIの翻訳や人の通訳だけで正確さを保証できるわけではありません。

本番前には、主催者・通訳者・参加者のそれぞれの立場で短いリハーサルを行いましょう。「字幕は出るが翻訳できない」「通訳言語を選べない」「録画に訳音声が残らない」といった問題を、当日より前に切り分けられます。

よくある質問

Teams PremiumがあればAIの日本語音声を全員が聞けますか?

そうとは限りません。翻訳字幕の主催者ライセンスと、AI Interpreterの利用者ごとの要件は別です。まず必要なのが字幕か音声かを決めて、対応するライセンス・アカウント・ポリシーを確認してください。

通訳者は社外の人でも担当できますか?

人による言語通訳では、社外・ゲスト参加者を会議中に通訳者として指定できます。会議自体は開始前に言語通訳を有効にし、当日の入室とデスクトップ版での操作を試しておきます。AI Interpreterの匿名・ゲスト制限とは別の話です。

英語とフランス語を交互に話しても、そのまま日本語字幕になりますか?

翻訳先を日本語にするだけでは、発言言語の認識まで保証されません。多言語音声認識を使う会議か、話し言葉の設定が実際の発言に合っているかを確認してください。

まとめ

Teamsの多言語対応は、同言語字幕・翻訳字幕・人の言語通訳・AI Interpreterに分けると選びやすくなります。ライセンスはテナント全体の導入有無ではなく、主催者と利用者本人への割り当てを確認します。字幕・翻訳表示・録画音声は保存の扱いも異なるため、会議の目的、参加者の端末、必要な支援、会議後に残したい記録まで含めて準備しましょう。

参考:Microsoft公式情報

この記事を書いた人

実務の現場で詰まりがちなポイントを地図にするITブログ「IT trip」を運営。Windows/Office(Teams・Excel)からSQL、サーバ運用、ガジェットまで、再現性のある手順と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ試せること、そして迷った人の次の一歩が見えることを大切にしています。

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