Teams会議で画面共有しながらプレゼンをしていると、音量が突然低くなってしまうことはありませんか?しっかり声を張って話しているのに相手に聞こえにくくなると、会議や発表に支障をきたす恐れがあります。この記事では、その原因と対策を詳しく解説し、スムーズなオンラインコミュニケーションをサポートします。
Teams会議でプレゼンや動画を共有すると音量が下がる問題とは
Teamsはリモートワークやオンライン授業など、様々なシーンで利用されています。しかし画面共有でPowerPointやYouTubeなどの動画を流すと、急に音量が下がり、聞き取りづらくなるという報告が多く聞かれます。なぜこうした現象が起きるのでしょうか。
大きな理由の一つとして、Windowsの「通信」機能が挙げられます。これはビデオ会議ソフトなどが「通話」を検知した際に、バックグラウンドで流れている音声を自動的に下げてしまう仕様です。Microsoft TeamsやSkypeなどを使用していると、「通話が行われている」と認識され、それ以外のメディア音量を下げるようWindowsが制御します。
この設定はWindows標準の動作であるため、一見するとTeams側の問題に見える場合でも、原因はWindows側やデバイス設定にあるかもしれません。また、使用しているヘッドセットやスピーカーのドライバによっては、独自のエコーキャンセリング機能やノイズサプレッション機能が過度に働くケースも考えられます。そこで、まずはWindowsの通信設定を見直し、それでも改善しない場合はTeamsやデバイスの設定を再度チェックし、トラブルシューティングを行うことが大切です。
問題が起きるタイミング
- Teamsで画面共有を始めたとき
- PowerPointに埋め込まれた音楽・音声を流すとき
- YouTubeなどの外部サイトを共有したとき
- Teams会議中にアプリケーションを切り替えて別の音声を流したとき
これらのタイミングで音量が急激に下がる場合には、Windowsの通信設定やデバイスドライバが原因の可能性が高いです。
問題の重要性
- プレゼンテーションの説得力が落ちる
- 動画の音声が聞こえず、相手に正しく内容が伝わらない
- ヘッドセット利用時に自分だけ音が大きく感じられ、参加者には小さい声しか届かない可能性もある
- 会議の円滑さを欠き、時間のロスにつながる
こうした理由から、オンライン会議をよく利用する方にとっては非常に重要な課題と言えます。
Windowsの「通信」設定の見直し
この問題を解決するために、まず最初に確認したいのがWindows側の「通信」設定です。Teamsなどのビデオ会議アプリが通話を開始すると、Windowsはバックグラウンドで再生される他の音声を自動的に下げる場合があります。これを回避するために、以下のステップで設定を変更しましょう。
設定を開く方法
Windows 10またはWindows 11での代表的な手順は次のとおりです。
- コントロールパネルを開く
- Windows 10の場合:「スタート」→「設定」→「システム」→「サウンド」→画面右側または下部にある「サウンドコントロールパネル」をクリック
- または「スタート」→「Windows システム ツール」→「コントロールパネル」→「ハードウェアとサウンド」→「サウンド」を開く
- 「サウンド」画面で「通信」タブを選択
- 「Windowsは通信活動が検出されたときに実行する操作」で「何もしない」を選択
- 「OK」をクリックして設定を保存
上記の設定を行うことで、Teams会議中にほかの音声(PowerPointのナレーションやYouTube動画)が自動的に下げられる現象を防ぐことができます。
コマンドからサウンド設定を開く方法
以下の手順で「ファイル名を指定して実行」や「コマンドプロンプト」から直接サウンド設定にアクセスできます。
control mmsys.cpl sounds
このコマンドを実行すると、直接「サウンド」ウィンドウが開くので、より迅速に設定画面へ進むことができます。
Windows 10とWindows 11での具体的な画面の違い
以下にWindows 10とWindows 11での設定画面の違いを簡単にまとめた表を用意しました。見た目や操作手順に若干の差があるものの、「通信タブ」へのアクセス方法は概ね同じです。
項目 | Windows 10 | Windows 11 |
---|---|---|
設定画面へのアクセス | 「スタート」→「設定」→「システム」→「サウンド」→「サウンドコントロールパネル」 | 「スタート」→「設定」→「システム」→「サウンド」→「詳細設定」→「サウンドコントロールパネル」 |
通信タブの表示 | 「サウンド」ウィンドウ上部のタブから「通信」を選択 | 同様にウィンドウ上部の「通信」タブを選択 |
設定内容 | 「何もしない」に設定し、OKをクリック | 同様に「何もしない」に設定し、OKをクリック |
反映 | すぐに反映される (再起動は不要) | すぐに反映される (再起動は不要) |
Teamsでのデバイス設定の再確認
「通信」タブを変更しても問題が改善しない場合や、別の原因が考えられるときは、Teamsアプリ内のデバイス設定を見直してみましょう。
Teamsのデバイス設定画面
- Teams会議中の場合
- 画面の下部にある「…(その他)」ボタンをクリック
- 「デバイスの設定」を選択
- 会議前に設定する場合
- Teamsの画面右上にある「設定とその他(…)」をクリック
- 「設定」→「デバイス」を選択
ここで使用しているスピーカーやマイクのデバイスが正しいか、音量が十分に上がっているかを確認します。また、「カスタム設定」や「高品質音声」を提供している場合は、そこにもチェックを入れてみてください。
特定のヘッドセット・マイクを使うときの注意点
- ヘッドセットのメーカー独自のドライバやソフトウェアが入っている可能性がある
- ノイズキャンセリング機能が過度に働き、マイク感度やスピーカー出力が下がることがある
- ゲーミングヘッドセットなどの場合、専用ソフトウェアで細かいイコライザー設定が行われていることも
こうした要因で音量が変化しているケースもあるため、Teams側のみならずヘッドセットのソフトウェアやWindowsの「サウンド」設定でマイク感度や再生音量を調整する必要があります。
PC本体の音量やドライバの更新
Windows自体のシステム音量が適正でなかったり、ドライバが古い場合も、音量トラブルを引き起こしやすくなります。定期的なドライバアップデートを行うことは、音量に限らずPC全体の安定性向上に繋がります。
音量ミキサーの確認
Windowsではアプリケーションごとに音量を制御する「音量ミキサー」が存在します。以下の手順で設定を確認してみましょう。
- タスクバーのスピーカーアイコンを右クリック
- 「音量ミキサーを開く」を選択
- アプリケーションごとの音量スライダーが表示される
ここでTeamsやPowerPointなど、対象アプリの音量スライダーが下がっていないか確認し、必要に応じて上げてください。特に長時間PCを使っていると、意図しないままスライダーが下がっているケースもまれにあります。
オーディオドライバの更新
- デバイスマネージャーの「サウンド、ビデオ、およびゲームコントローラー」項目から、使用しているオーディオデバイスを右クリックして「ドライバーの更新」を選択
- PCのメーカーサイトやヘッドセットのメーカーサイトから最新のドライバをダウンロードし、手動でインストールする
定期的にドライバをアップデートすることで、多くの不具合が解消される可能性があります。
PowerPoint側の音声設定を確認
PowerPointに音声ファイルや動画を埋め込んだプレゼンをTeamsで共有するケースでは、PowerPoint自体の再生設定にも注意が必要です。
PowerPointで音量が低くなる理由
- スライドに埋め込まれたオーディオの音量設定が低い
- PowerPointのバージョンによっては、再生方法が標準のプレーヤーと異なる可能性がある
- 外部ファイル(リンク)として音声や動画を参照している場合、ネットワーク環境が不安定だと正常に再生されず音量が下がるケースも考えられる
音声オブジェクトの設定
- 音声を埋め込んだスライドを表示
- 音声アイコンをクリックし、「再生」タブを表示
- 「ボリューム」を上げる設定があるか確認
- 「音量ミキサー」でPowerPointの音量が低くなっていないかも併せてチェック
こうした細かい調整を行うことで、PowerPointの音声が劇的に聞こえやすくなる場合があります。
複数デバイスでの動作確認と切り分け
音量の問題を解決するためには、一つのデバイスだけでなく、複数のオーディオ出力(ヘッドセット、外付けスピーカー、内蔵スピーカーなど)で試すことも大切です。同じPCでも異なるデバイスを使えば、問題の原因がどこにあるかが見えやすくなります。
切り分けの手順
- ヘッドセットで試す:Teamsで画面共有をして音量が下がるか確認
- 外付けスピーカーで試す:外付けのスピーカー、またはBluetoothスピーカーを使用
- PC内蔵スピーカーで試す:ノートPCなどの内蔵スピーカーを利用
いずれのデバイスを使用しても問題が発生する場合、TeamsやWindows設定の問題である可能性が高まります。一方、特定のヘッドセットだけ音量が下がる場合は、そのヘッドセットや専用ドライバ、あるいは接続形式(USB、Bluetoothなど)に要因があるかもしれません。
追加のヒントと応急処置
既にWindowsの「通信」タブを設定し、Teamsのデバイス設定や音量ミキサーも調整したにもかかわらず、音量が改善しないこともあります。そのような場合、以下の追加ヒントを試してみてください。
Teamsの再インストールまたはキャッシュクリア
- Teamsの動作が不安定になっているときは、一度サインアウトし、再インストールまたはクリーンアップを行う
- Teamsのキャッシュ(アプリデータ)をクリアする方法も有効
ネットワーク環境の確認
- 回線が不安定だと、Teamsの音声処理が正常に行われず、音量が下がる場合がある
- 有線LANや高速Wi-Fiを利用して、帯域を十分に確保してみる
Microsoft Teamsのバージョン切り戻し
- まれにTeamsの新バージョンでバグが発生し、特定の環境で音量トラブルが起きることがある
- 企業内のIT担当者やMicrosoftサポートに問い合わせ、バージョンを一時的に切り戻す検討も一案
瞬時の応急処置
- 会議中に音量が下がったら、いったん画面共有を停止し、もう一度共有し直す
- Teamsの画面共有では「コンピューターの音声を含める」オプションをオンにする(音声付きで共有する場合)
- 共有オプションを「ウィンドウ」でなく「デスクトップ全体」に変えてみるなど、共有方法を切り替える
こうした応急処置を組み合わせながら、原因の切り分けを行えば、より早い段階で問題を解決できる可能性があります。
まとめ
オンライン会議の品質を左右する音量問題は、Windowsの「通信」設定やTeamsのデバイス設定で解決できるケースが多くあります。特にWindowsの通信設定で「何もしない(Do nothing)」に変更しておくことは、さまざまなビデオ会議ツールを使用するうえで有効な対策です。また、ヘッドセットやスピーカーのドライバの更新、音量ミキサーの確認、PowerPointの音量設定の見直しなども重要です。最後に、Teams自体の問題やネットワーク環境が原因である可能性も忘れずに、複数の視点からアプローチするのがおすすめです。
音量トラブルが解決すれば、オンライン会議でのプレゼンテーションがスムーズになり、ビジネスの場でも効率的なコミュニケーションを取れるようになります。ぜひ本記事で紹介した方法を活用して、快適なTeams環境を手に入れてください。
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