Microsoft Teamsを利用したオンライン会議で、参加者全員の映像をいっぺんに見渡せたら、コミュニケーションも取りやすくなると感じる方は多いのではないでしょうか。しかし、5人以上が参加しても自動的に全員が並んで表示されるわけではなく、やり方が分からず困ってしまうケースもあるようです。本記事では、Teamsで5~9人が同時に表示されない理由や回避策、そして今後の対処法について詳しく解説していきます。
Microsoft Teamsのギャラリー表示とは?
Microsoft Teamsでオンライン会議を行う際、多くのユーザーが利用するのが「ギャラリー表示」です。これは、複数の参加者の映像を横並びやタイル状に表示し、発言や表情を確認しやすくする機能です。ただし現状、Teamsの標準ギャラリー表示にはいくつかの制限が存在し、特に5~9人程度の少人数グループでは、参加者全員を同時に四角形に分割表示することができません。ギャラリー表示や大規模ギャラリー、Togetherモードなど、複数の表示オプションが用意されているものの、それぞれに異なる適用条件や特徴があります。
ギャラリー表示の基本仕様
ギャラリー表示は、最大9人がタイルとして並ぶパターンが用意されていると言われがちですが、実際にはTeamsのアップデートや利用条件によって挙動が異なることもあります。特に、標準ギャラリーの動作としては「参加者が4人以下のときは最大4人表示」「5人以上でも常に全員が並ぶわけではない」という制約が生じることが多いです。
実際に起こりやすい例
- 5人が参加しているのに4人しか表示されない
- 9人が参加していても、カメラがオンになっている人が少ないため全員映らない
- 一部の参加者を固定表示したいが、ピン留めやスポットライト機能だけでは満足できない
これらのケースで困っているユーザーからは「どうすれば全員を四角形に分割して表示できるのか」「デフォルトで常に同時表示してくれればいいのに」という声が上がっています。
Large Gallery(大規模ギャラリー)の利用条件
Teamsで多人数の映像を一度に表示する場合には、「Large Gallery(大規模ギャラリー)」というオプションが存在します。これは通常のギャラリー表示よりも多くの参加者の映像を同時に表示できる機能で、会議が盛り上がっているときや、個々の反応を見ながら進行したいときなどに便利です。
大規模ギャラリーが使えない理由
5~9人の少人数会議で、Large Galleryを使おうとしても選択肢が表示されず、「なぜ使えないのか?」と疑問を持つ方が多いでしょう。これは、Microsoftが大規模ギャラリーを「10人以上がカメラをオンにしている状態」で有効にすると定義しているためです。参加人数が9人以下、あるいは10人いてもカメラをオンにしている人が9人未満の場合には、大規模ギャラリーのメニュー自体がグレーアウトして利用できません。
大規模ギャラリーの特徴
- 10人以上のカメラがオンである必要がある
- 一度に最大49人まで映せる(画面の大きさなどに依存)
- 画面共有やプレゼンテーションとの併用時には、表示領域が限られることがある
上記のように、大人数向けに作られた機能であるため、5~9人といった少人数の範囲では活用しにくいのが実態です。
5~9人を同時表示する現時点での制限
5人以上9人以下という人数帯は、Microsoft Teams上で「小規模だが4人以上」という微妙なラインです。現状の標準ギャラリーでは、全員がタイル上に整然と並ぶわけではありません。そのため「誰かが話すと、その人が優先して表示される」など、動的に画面が切り替わる可能性があります。会議中に全員の表情を常時確認したい場合には、少し物足りなく感じるでしょう。
Pin(ピン留め)機能とSpotlight(スポットライト)の活用
Teamsには、任意のユーザーの映像を固定表示できるPin機能と、特定のユーザーを全員に対して大きく表示させるSpotlight機能があります。これらを使うことで「特定の人が常時表示されるようにしたい」という要望は部分的に叶います。しかし「5~9人すべてを均等に表示する」という目的には直結しません。
機能名 | 役割 | 主な利用シーン |
---|---|---|
Pin(ピン留め) | 自分の画面上で特定の人を固定表示 | 大勢の中で特定の人の表情や反応を見続けたいとき |
Spotlight(スポットライト) | 全員の画面上で特定の人を大きく表示 | スピーカー役を明確に際立たせたいとき |
ピン留めはあくまで「自分個人の画面設定」に過ぎず、他の参加者には影響しません。一方、スポットライトは会議主催者(または特定の権限を持つユーザー)が設定すると、全参加者の画面に適用されます。ただし、どちらの機能も「全員を四角形に並べる」表示方式にはならない点に留意が必要です。
Together Modeの評価
Together Mode(一緒に表示)は、仮想背景の中に参加者全員を横並びで配置する機能です。一度に多くの顔を表示する点ではメリットがありますが、見た目が特殊なため、好みや用途によっては利用をためらう場合もあります。例えば、仕事の会議などフォーマルな場で「アバターのような表示」は馴染まないと感じる人もいるかもしれません。
Together Modeの利点と課題
- 利点
- 一つの背景に全員を集められ、全員の表情を同時に把握しやすい
- 大人数でも画面が煩雑になりにくい
- 課題
- カジュアルな印象が強く、フォーマル会議には合わない可能性
- バーチャル背景の配置が苦手なユーザーがいると不満が出ることも
一方でオンライン飲み会やカジュアルなチームビルディングなど、フランクな場ではTogether Modeが好評なケースもあります。用途に合わせて使い分けることが望ましいでしょう。
「5~9人を通常表示にする方法」の現状
結論から言えば、標準のギャラリー機能だけを用いて「5~9人の全員を常時タイル表示する方法」は、現時点で用意されていません。Microsoft Teamsは常にアップデートされているため、今後のバージョンで改善される可能性はあるものの、少なくとも現状では公式の設定やワンクリックでの切り替えはできない状態です。
回避策の例
- ピン留めを複数活用する
- 自分が特に注目したい人を複数ピン留めすることで、画面に配置される人数を増やす。
- ただし、あくまで個人の画面表示設定であるため「全員を完全に並べる」わけではない。
- 会議における役割分担を明確化
- 5~9人で全員の顔が必要な場面を事前に整理し、特定のタイミングでスポットライトを切り替える。
- 一度に全員が映らなくとも、スピーカーやファシリテーターを目立たせることでスムーズに進める。
- 外部ツールを併用する
- 外部アプリや画面分割ソフトを使い、Teamsウィンドウを複数に分割・配置する。
- やや強引な手法であり、公式に推奨される方法ではない。トラブルが起きる可能性もある。
こうした回避策をとりつつ、Teamsのアップデートを待つというのが現実的な方向です。
デフォルト設定は変更できるか?
「最初から全員が並んだ画面をデフォルトにしておいてほしい」という要望もよく耳にします。ですが、Teamsの既定設定としては「会議中は話者を中心とした動的な表示」や「大人数の場合はギャラリーを拡張する」という方針に沿っているため、ユーザーが自由にデフォルト表示を細かく変更する術は現在ありません。
企業アカウントでのポリシー設定
企業や教育機関がTeamsを導入している場合、管理者は「会議ポリシー」や「ビデオ会議に関する詳細設定」を設定できます。しかし、この設定範囲は「録画の可否」「外部ユーザーの参加条件」「画面共有の制御」などが中心で、ギャラリー表示のデフォルト人数や並び順を強制変更する機能は見当たりません。仮に将来的に細かいポリシー管理が導入されても、現時点では実現されていないのが実情です。
今後の対処法とMicrosoftへのフィードバック
Microsoft Teamsはユーザーの声を取り入れながら頻繁にアップデートされているため、将来的には「少人数会議でも、さらに多くのタイルを同時表示できる」機能が追加される可能性があります。実際、多くのユーザーから「5~9人が同時に映る機能がほしい」という要望が寄せられており、MicrosoftコミュニティやUserVoice(機能提案プラットフォーム)などでも議論が続いています。
ユーザーができる具体的アクション
- フィードバックの送信
Teamsアプリ右下の「ヘルプ」→「機能を提案」から、改善要望を投稿できます。より多くのユーザーが同じ要望を出すことで、開発優先度の上昇が期待されます。 - コミュニティフォーラムへの投稿
Microsoftが運営するTeamsコミュニティやSNS上で、同様の問題を抱えているユーザーと意見交換を行う。解決策のシェアや、有志による裏技的な方法が見つかることもあります。 - バージョンアップ情報のチェック
定期的にTeamsの更新履歴を確認し、「ギャラリー表示」のアップデートがないかを追う。変更点が記載されるリリースノートを読むことで、どの機能が強化されたかを把握しやすいです。
活用アイデア:会議進行での工夫
機能の制限がある以上、現場の工夫で乗り切る姿勢も重要です。例えば、5~9人が参加する会議であっても、常に全員が顔を映す必要があるわけではない場合もあるでしょう。セキュリティやプライバシーの観点から、ビデオを常にオンにしたくない人もいるかもしれません。そういった事情を踏まえた上で、会議の進め方そのものを見直すのも一つの手です。
ミーティング前にカメラオンのルールを決める
- 重要な意思決定やブレーンストーミングのタイミングだけは全員がカメラをオンにする
- 通常の報告ミーティングでは音声だけで十分か検討する
これにより、必要なタイミングでだけ全員の表情が見られるよう工夫できます。
画面共有と参加者表示を使い分ける
- プレゼンテーション資料を共有しているときは、映像枠が小さくなる
- 発言を重視したいときは、資料共有を停止してギャラリー表示を優先する
こうしたメリハリある運用をすることで、不便を最小限に抑えられます。
5~9人表示が最適なシーンと代替手段
もちろん、場面によっては常時全員の映像を確認できたほうがスムーズなケースもあります。たとえば、小学校や中学校の少人数学級や、スタートアップ企業のチーム会議、オンラインワークショップなどでは「全員の様子を一目で把握したい」というニーズは高いでしょう。ここでは、そのようなシーンで考えられる対処や代替手段をまとめます。
シーン | ニーズ | 対処・代替手段 |
---|---|---|
学校授業や少人数クラス | 生徒全員の表情を一目で確認 | 発言のたびにスポットライトを当てる、ピン留めを駆使し臨機応変に表示を切り替える |
チームミーティング | 互いの表情を見ながら意見交換 | 資料共有を一時停止し、ギャラリーを優先表示。明確なルール作りも検討 |
オンラインワークショップ | 講師や受講者同士が視線を合わせたい | Together Modeを試すか、大人数になればLarge Galleryを検討 |
状況によってはTeams以外のオンライン会議システムを使うという選択肢も考えられますが、企業や組織の方針、セキュリティ要件、ライセンスなど多くの要素が関わるため、安易な乗り換えが難しい場合も多いと思われます。
まとめ:現状は制限を理解した上で上手に付き合う
5~9人の参加者全員を「通常の四角形表示」で映したいというニーズに対し、Microsoft Teamsは現段階では十分に対応できていません。大規模ギャラリーは10人以上のカメラオンが条件、Together Modeには独特の見え方があるなど、要件や趣向が合わないこともしばしばあります。
しかし、Teamsはクラウド基盤のサービスであり、頻繁に機能追加やアップデートが行われています。ユーザーからの強い要望があり、多くの人々がフィードバックを送ることで、将来的に5~9人向けの固定タイル表示をサポートする可能性もあります。ピン留めやスポットライト、会議の進め方の工夫などを活用しながら、現行の仕様と上手に付き合っていくことが大切です。
最終的には、Microsoft Teamsコミュニティや公式サポートにフィードバックを積極的に出し、自分たちの利用シーンに合った表示モードが増えるよう働きかけていくのが得策でしょう。既存機能だけでどうしても満たされない場面がある場合は、創意工夫で乗り切るか、あるいは運用面でフレキシブルに対処することが求められます。いずれにしても、Teamsを活用する上で5~9人表示の仕様を理解することは、オンライン会議をストレスなく進めるための重要なポイントといえます。
コメント