Windows 10でBIOS設定を「非UEFIモード」から「UEFIモード」に変更する方法

パソコンの起動時に使用されるファームウェア、BIOS(Basic Input/Output System)の設定を変更することは、システムのセキュリティや起動速度の向上に直結します。特に、UEFI(Unified Extensible Firmware Interface)への変更は、セキュアブートの活用や、より現代的なハードウェア機能への対応という点で重要です。この記事では、Windows 10がインストールされたコンピュータで、BIOS設定を「非UEFIモード」から「UEFIモード」へと安全に変更する手順を詳細に解説します。

目次

UEFIとは何か?

UEFI(Unified Extensible Firmware Interface)は、従来のBIOSの機能を拡張し、現代のコンピュータハードウェアに合わせて進化したファームウェアインターフェースです。UEFIは、より高速な起動時間、大容量のハードディスクサポート、そしてセキュリティ機能の強化を提供します。特に、セキュアブートという機能を利用することで、不正なソフトウェアがシステム起動時に実行されるのを防ぐことが可能になります。また、UEFIはマルチブート環境の設定やネットワークを介したリモート診断など、多様な先進機能もサポートしています。このように、UEFIは従来のBIOSに比べて、より柔軟で安全なコンピューティング環境を実現します。

Windows 10でBIOS設定を変更する前に確認すべきこと

BIOS設定を「非UEFIモード」から「UEFIモード」へ変更する前に、いくつかの重要な点を確認しておく必要があります。まず、システムがUEFIモードをサポートしていることを確認してください。ほとんどの現代のPCはUEFIをサポートしていますが、古いモデルではこの機能がない場合があります。

次に、現在のオペレーティングシステムがUEFIモードでの起動に対応しているかを確認する必要があります。Windows 10はネイティブでUEFIをサポートしていますが、システムがMBR(Master Boot Record)ではなくGPT(GUID Partition Table)でフォーマットされている必要があります。これは、ディスク管理ツールを使用して確認できます。

また、システムの重要なデータをバックアップしておくことも忘れないでください。BIOS設定を変更するときには、予期せぬ問題が発生する可能性があり、データ損失のリスクを回避するためには事前の準備が重要です。これには、システムドライブだけでなく、重要なドキュメントやアプリケーションの設定も含まれます。

最後に、BIOSの現在の設定をメモしておくことをお勧めします。何らかの理由でUEFIモードへの切り替え後に問題が生じた場合、以前の設定に戻すことができるようにするためです。

BIOSを「非UEFIモード」から「UEFIモード」に変更する手順

BIOSの設定を「非UEFIモード」から「UEFIモード」に変更する際には、以下の手順に従って行うことが重要です。このプロセスを通じて、システムの互換性を保ちつつ、セキュリティと効率の向上を図ることができます。

  1. システムを起動し、BIOS/UEFI設定画面に入る: コンピュータを起動中に、通常は「Delete」キーか「F2」キーを押すことでBIOS/UEFI設定にアクセスできます。メーカーによって異なる場合があるため、具体的なキーはPCのマニュアルを参照してください。
  2. ブートオプションの確認: BIOSメニュー内で「Boot」タブを探し、現在のブートモードが「Legacy」または「非UEFIモード」になっていることを確認します。
  3. UEFIモードに切り替え: 「Boot Mode」選択肢を見つけ、「UEFI」を選択します。この選択は、しばしば「Boot Mode Select」などとラベル付けされています。
  4. セキュアブートの有効化(オプション): セキュリティをさらに強化するために、セキュアブートを有効にすることを検討してください。これはUEFIのセキュリティ機能で、許可されたOSのみが起動するようにするものです。これは「Security」タブまたは類似のセクションで設定できます。
  5. 設定の保存と再起動: 変更を適用するために、設定を保存してシステムを再起動します。これには通常、「Save and Exit」オプションを使用します。

このプロセスを経て、コンピュータは「UEFIモード」で再起動され、新しい設定が適用されることになります。手順を丁寧に実行し、どのステップも注意深く進めることが重要です。

変更後のトラブルシューティング

BIOSを「非UEFIモード」から「UEFIモード」に変更した後に遭遇する可能性のあるトラブルとその解決策について説明します。変更がシステムに予期しない問題を引き起こすことがありますが、以下のガイドラインに従えば、一般的な問題を解決できます。

  1. 起動不良: UEFIモードに変更後、システムが起動しない場合、ブート順序がリセットされている可能性があります。BIOS設定に再度アクセスし、ブート順序が正しく設定されているか確認してください。
  2. ドライバの互換性問題: 特に古いハードウェアの場合、UEFIモードでは互換性のないドライバが原因で問題が発生することがあります。最新のドライバへの更新または以前のバージョンに戻すことで対応できます。
  3. セキュアブートによる問題: セキュアブートが有効になっていると、信頼されていないオペレーティングシステムやドライバがブロックされることがあります。問題が解決しない場合は、セキュアブートを一時的に無効にしてみてください。
  4. システムの復元: 他のトラブルシューティング手順で問題が解決しない場合は、システムを以前の状態に復元することを検討してください。これには、BIOS設定を「非UEFIモード」に戻すか、システム復元ポイントを使用する方法があります。
  5. 専門家の支援: 問題が解決しない場合や、手順に不安がある場合は、技術サポートに連絡することをお勧めします。PCの製造元や、購入した店舗のサポートデスクが対応してくれる場合があります。

これらのトラブルシューティングのステップを踏むことで、BIOSの設定変更に伴う問題を効果的に解決し、システムを安定した状態で運用することができるようになります。

Windows 11へのアップグレードにおける注意点

Windows 11にアップグレードを考えている場合、UEFIモードへの変更はさらに重要な意味を持ちます。UEFIモードはWindows 11のシステム要件に含まれており、特にセキュアブートとTPM 2.0(Trusted Platform Module)が必須です。以下は、Windows 11へのアップグレード前に確認すべき重要なポイントです。

  1. TPM 2.0の確認: TPMはセキュリティチップで、暗号キーの保護やハードウェアの完全性検証などに使用されます。BIOS設定画面でTPMが有効であり、バージョン2.0に対応しているか確認してください。
  2. セキュアブートの有効化: Windows 11ではセキュアブートが必須です。BIOS設定でこの機能が有効になっているか確認し、有効でない場合は設定を変更してください。
  3. システム互換性の確認: MicrosoftはWindows 11の互換性をチェックするためのツールを提供しています。このツールを使用して、システムが新しいOSの要件を満たしているかを確認してください。
  4. データのバックアップ: オペレーティングシステムをアップグレードする前には、重要なデータをバックアップしておくことが不可欠です。万が一の事態に備えて、ファイルや設定を外部ドライブやクラウドストレージに保存しておきましょう。
  5. クリーンインストールの検討: アップグレードではなく、クリーンインストールを行うことで、古いシステムファイルやプログラムの残骸から解放され、最適なパフォーマンスを得ることができます。これには、Windows 11のインストールメディアを作成し、新しいインストールを行う必要があります。

これらのステップを確実に実行することで、Windows 11へのスムーズなアップグレードが可能になり、新しい機能や改善されたセキュリティを享受できるようになります。

まとめ

BIOSの「非UEFIモード」から「UEFIモード」への切り替えは、Windows 10をはじめとする現代のオペレーティングシステムの機能を最大限に活用するために重要です。この変更により、セキュアブートや大容量ドライブのサポートなど、安全性とパフォーマンスが向上します。記事で説明した手順に従い、事前の準備と確認を怠らなければ、安全に設定変更を行うことができます。また、Windows 11へのアップグレードを検討している場合は、UEFIモードへの切り替えが必須であるため、この変更がさらに重要になります。BIOS設定の変更は技術的なプロセスであるため、不明点がある場合は専門家に相談することも有効です。

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