PowerShellを使用してシステムの現在のパワープランを確認および変更する方法について詳しく解説します。初心者から上級者まで、この記事を読むことでPowerShellでのシステム管理に必要なスキルを身につけることができます。
PowerShellとは
PowerShellは、Microsoftが開発したコマンドラインシェルとスクリプティング言語です。一般的なタスクオートメーションや構成管理、システム管理に使用されます。GUI(グラフィカルユーザーインターフェース)よりも高度な操作が可能であり、スクリプトを使って繰り返し実行できるのが特徴です。
PowerShellの特長
– 柔軟性: 多数のコマンドとオプションがあります。
– 効率性: スクリプトを用いることで一度の操作で多くのタスクを自動化できます。
– 対応OS: Windowsはもちろん、LinuxやMacでも使用可能です。
パワープランとは
パワープランとは、コンピュータの電源管理に関する設定をまとめたものです。例えば、画面の明るさやCPUの速度、ファンの速度などが含まれます。パワープランは「高性能」「省エネ」「バランス」など、いくつかのプリセットがあります。
パワープランの影響
– 電力消費: 「省エネ」設定では、当然ながら電力を節約できます。
– パフォーマンス: 「高性能」設定では、システムの性能が最大限に引き出されます。
PowerShellでのパワープランの確認・変更方法
WindowsのPowerShellを使用して、簡単にパワープランを確認・変更する方法を見ていきましょう。
環境の準備
PowerShellを管理者として起動してください。これは、システム設定を変更するための必須ステップです。
パワープランの確認
以下のコマンドを入力して、現在適用されているパワープランを確認します。
# 現在のパワープランを確認するコマンド
powercfg /list
このコマンドを実行すると、すべての利用可能なパワープランと、現在適用されているパワープランが表示されます。
パワープランの変更
以下のコマンドでパワープランを変更できます。
# パワープランを「高性能」に設定するコマンド
powercfg /setactive 8c5e7fda-e8bf-4a96-9a85-a6e23a8c635c
ここで、「8c5e7fda-e8bf-4a96-9a85-a6e23a8c635c」は「高性能」プランの一般的なGUIDです。GUIDは`powercfg /list`で確認できます。
応用例
PowerShellでのパワープラン管理は単純なものから高度なものまで幅広く行えます。以下にいくつかの応用例を示します。
応用例1: スケジュールに合わせてパワープランを変更
Task Schedulerを使用して、特定の時間にパワープランを自動的に切り替えることができます。
# Task Schedulerで指定時間に実行されるスクリプト
powercfg /setactive 381b4222-f694-41f0-9685-ff5bb260df2e
応用例2: バッテリー残量に応じてパワープランを変更
バッテリーの残量が少なくなったら「省エネ」モードに切り替えるスクリプトです。
# バッテリー残量が20%以下になったら「省エネ」に切り替えるスクリプト
if ((Get-WmiObject Win32_Battery).EstimatedChargeRemaining -le 20) {
powercfg /setactive a1841308-3541-4fab-bc81-f71556f20b4a
}
応用例3: アプリケーションの実行中は「高性能」モード
特定のアプリケーションが実行中の場合、システムを「高性能」モードに切り替えるスクリプトです。
# Adobe Photoshopが実行中の場合は「高性能」モードにするスクリプト
if (Get-Process "photoshop
" -ErrorAction SilentlyContinue) {
powercfg /setactive 8c5e7fda-e8bf-4a96-9a85-a6e23a8c635c
}
応用例4: ネットワーク速度に応じて設定を変更
インターネットの速度が遅い場合は「バランス」モードに、速い場合は「高性能」モードにするスクリプトです。
# ネットワーク速度が100Mbps以上なら「高性能」モードにする
$netSpeed = Test-Connection google.com -Count 1 | Select-Object ResponseTime
if ($netSpeed.ResponseTime -le 10) {
powercfg /setactive 8c5e7fda-e8bf-4a96-9a85-a6e23a8c635c
}
応用例5: CPU使用率に基づいてパワープランを調整
CPU使用率が高い場合は「高性能」モード、低い場合は「省エネ」モードにするスクリプトです。
# CPU使用率が70%以上なら「高性能」、それ以下なら「省エネ」に切り替える
$cpuUsage = (Get-Counter '\Processor(_Total)\% Processor Time').CounterSamples[0].CookedValue
if ($cpuUsage -ge 70) {
powercfg /setactive 8c5e7fda-e8bf-4a96-9a85-a6e23a8c635c
} else {
powercfg /setactive a1841308-3541-4fab-bc81-f71556f20b4a
}
まとめ
この記事では、PowerShellを使用してシステムのパワープランを確認・変更する方法について詳しく解説しました。これを機に、PowerShellでより高度なシステム管理を行ってみてはいかがでしょうか。
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