Surface Proで完全にタッチキーボードを無効化する方法

Surface Proをタブレットモードで利用していると、自動的にタッチキーボードが立ち上がってしまい、外付けキーボードを主に使う方にとっては邪魔に感じることがあるでしょう。そこで、設定項目やサービスの停止など、あらゆる角度からタッチキーボードを無効化する方法を網羅的に解説します。

Surface Proでタッチキーボードを無効化する重要性

タブレットとしての使い勝手が魅力のSurface Proですが、キーボードカバーを装着したり、外付けキーボードやマウスを接続している状態では、タッチキーボードが勝手に表示されるのは煩わしいと感じることがあります。特に外付けデバイスで作業を行う場合、「余計な画面のポップアップをなくしたい」「入力や操作に集中したい」という方も多いでしょう。ここでは、Windowsの設定画面からサービスの停止、そしてトラブルシューティングまで幅広く取り上げ、Surface Proでのタッチキーボード表示に関するストレスを解消する手立てを詳しくご紹介します。

Surface Proにおけるデフォルト動作

Surface Proは、タブレットとPCの両方の利便性を兼ね備える2in1デバイスです。タッチ操作を前提としているため、テキストボックスや検索フォームをタップすると、自動でタッチキーボードが表示されるように設計されています。これは、キーボードカバーを取り外して完全なタブレットモードで利用しているときには便利な機能ですが、外付けキーボードやマウスを使っている場合には不要となりがちです。

外付けキーボード派にとっての煩わしさ

外付けキーボードを利用して文章作成やプログラミング、デザイン作業などをしていると、キーボードやマウスの操作に集中することになります。しかし、タップやペン操作でテキストエリアを選択した瞬間にタッチキーボードがポップアップすると、画面が狭くなったり、ポップアップを消すひと手間が増えたりしてしまいます。そのため、作業効率を上げたい方にとってはタッチキーボードの自動表示を止めたいと思うのは当然のことでしょう。

タッチキーボードの設定を見直そう

まずは、Windowsの公式なUIを使った方法を試すのが一般的です。Windows 11のバージョンによっては設定画面の表記が多少異なる場合がありますが、基本的な手順はほぼ共通しているので、以下のステップに沿って操作してみてください。

Step1: 「時刻と言語」からのアプローチ

操作手順の詳解

  1. 画面左下(または中央下)にある「スタート」ボタンをクリック(タップ)し、「設定」を開きます。
  2. 「時刻と言語」を選択し、左側または上部にある「入力」の項目をクリックします。
  3. 表示されるオプションの中に「タッチキーボード」の設定セクションがあるはずです。「タッチキーボードを表示するタイミング」や「表示のオプション」などの項目を探しましょう。
  4. ドロップダウンリストやトグルスイッチを「Never」「表示しない」「キーボードが接続されていない場合のみ表示」などに切り替えます。ここに「表示しない」がある場合は、それを選択するとかなりの確率でタッチキーボードは自動的に起動しなくなります。

バージョンや環境によっては、タッチキーボードの設定項目が「言語と地域」や「デバイス」に配置されている場合もありますので、メニュー名が見当たらない時は関連項目を探してください。いずれにせよ「タッチキーボード」「入力」「時刻と言語」といったキーワードを探すとたどり着けます。

Step2: オンスクリーンキーボードとの違いを理解

Windowsには「オンスクリーンキーボード(OSK)」と「タッチキーボード」の2種類が存在します。似たような見た目と動きをするため混同しがちですが、厳密には下記のような違いがあります。

機能名主な用途起動タイミング
オンスクリーンキーボード(OSK)アクセシビリティ機能手動での起動やアクセシビリティ設定が有効な場合に起動
タッチキーボードタブレットモードやタッチ操作での入力テキストフィールドをタップしたときに自動で表示される

OSKを無効化してもタッチキーボードとは別機能なので、OSKをオフにしているだけではテキストボックスのタップ時にタッチキーボードは起動してしまいます。そのため、タッチキーボード用の設定項目を明示的に変更しておくことが大切です。

完全に無効化できない場合の対処法

設定画面で「表示しない(Never)」などに切り替えられれば、通常はタッチキーボードのポップアップを抑制できます。しかし、Windows 11のビルドやドライバの状態によっては、思ったように反映されないケースがあります。以下では、そうした状況に対処するための方法を解説します。

Windowsのバージョンとドライバの影響

Surface Proは独自のファームウェアやドライバを搭載しています。そのため、Windowsのアップデート状況やSurface固有のドライバ・ファームウェアのバージョンが古いと、一部の設定が反映されないことがあります。
・Windows Updateで最新の累積更新プログラムを適用しているか
・Microsoft Store経由で「Surface」関連のアップデートが出ていないか
などを確認し、念のためシステムを最新状態に保ってください。

設定画面に「表示しない」オプションがない場合

まれに、設定画面に該当するオプションが見当たらないビルドやエディション(例:Windows 11 SEなど)も存在します。この場合はWindowsのバージョンアップ(ビルドを上げる)か、後述するサービス停止やレジストリ編集といった別のアプローチを試すと良いでしょう。

レジストリ編集の可能性とリスク

レジストリを直接編集することで、タッチキーボードの動作を制御できる場合があります。ただし、レジストリの編集はシステム全体に影響を及ぼすため、十分な知識を持った上で行いましょう。誤って設定を変えたり削除してしまうと、最悪の場合Windowsが正常に起動しなくなるリスクもあります。必ずバックアップをとった上で実施してください。

具体的なレジストリパスと編集例

以下は一例であり、環境によってはキー名や値が異なる場合があります。操作は自己責任で行ってください。

レジストリエディタ(regedit)を起動
↓
HKEY_CURRENT_USER
 └ Software
    └ Microsoft
       └ Windows
          └ CurrentVersion
             └ ImmersiveShell
                └ TabletTip

ここに「EnableDesktopModeAutoInvoke」というDWORD(32bit)値がある場合は0に設定する。

値が存在しない場合、手動で新規DWORD(32bit)値として「EnableDesktopModeAutoInvoke」を作成し、データを「0」に設定する。

上記の設定はあくまで一例であり、OSのバージョンやビルドによっては効果が得られない場合もあります。また、他のキーを変更することでタッチキーボードを抑制できるケースもありますが、十分に慎重に検証を行ってください。

サービス停止で対処する

Touch Keyboard and Handwriting Panel Serviceを停止する方法

タッチキーボードの機能は「Touch Keyboard and Handwriting Panel Service」というサービスによって支えられています。これを停止・無効にすることで、理論上はタッチキーボードの起動を抑制できます。ただし、これによって手書き入力や一部のペン機能に支障をきたす場合があるため、利用環境を確認してから行いましょう。

  1. 「スタート」ボタンを右クリックし、「コンピューターの管理」を開くか、または「ファイル名を指定して実行」でservices.mscと入力して「サービス」一覧を開きます。
  2. 「Touch Keyboard and Handwriting Panel Service」を探し、ダブルクリックします。
  3. スタートアップの種類を「無効」に変更し、サービスが実行中であれば「停止」をクリックします。
  4. 適用後、再起動して動作を確認してください。

この方法は比較的強力ですが、Windowsの標準機能としてのペン入力などが使えなくなる可能性があるため、用途によっては注意が必要です。また、Windowsのアップデートや再起動のタイミングで設定が戻る場合もあるので、定期的に設定を確認するとよいでしょう。

どうしてもダメなときの追加対策

ここまでの手段を試しても、なぜかタッチキーボードが表示されてしまうというケースもまれにあります。Surface Proはデバイス固有の要因や特定のアプリとの相性も考えられるため、以下の追加対策を検討してみてください。

Windows Updateで最新状態に保つ

Windowsの更新プログラムには、OSのバグ修正や機能改善が含まれます。タッチキーボードに関する不具合が報告されている場合、その修正がアップデートに含まれる可能性が高いです。また、Surface Pro特有のファームウェアやドライバの更新も行われるため、定期的に更新プログラムをチェックしてください。

Surface Pro特有のアップデートを確認

SurfaceシリーズはMicrosoft Storeから専用のドライバパッケージが配布されることもあり、Windows標準のアップデートではカバーされないケースがあります。Microsoft Storeを開き、「ライブラリ」から「更新プログラムの取得」を選択し、最新のSurface関連アップデートがあるか確認してみてください。

周辺機器ドライバの更新

外付けのキーボードやマウスを利用している場合、それらのドライバも最新かどうかを調べてみましょう。特に、Bluetooth接続のデバイスを利用している方は、ペアリングやBluetoothスタックの不具合が原因でタッチキーボードの表示が抑制されないケースもあります。メーカー公式サイトやWindows Updateからドライバの更新を定期的に行うと、不具合が解消する可能性があります。

まとめ:自分の作業環境に合った最適解を目指そう

Surface ProはタブレットとノートPCの中間的な位置づけで、タッチキーボードはあくまでもタブレット操作を快適にするための機能です。しかし、外付けキーボードやマウスを主に利用するワークスタイルの方にとっては不要なポップアップとして扱われがちです。
まずはWindowsの設定から「タッチキーボードを表示しない(Never)」を選ぶ方法を試し、それが難しい場合にはレジストリ編集やサービス停止といったもう一歩踏み込んだ方法を検討してください。ただし、これらの方法を用いる場合、手書き入力やその他のペン機能に不具合が出る可能性もあるため、必要性と利便性のバランスを十分に考慮することをおすすめします。
最終的には、WindowsやSurface Proのアップデートをこまめにチェックし、最新の環境を維持することが、様々な不具合を回避する近道です。あなたの作業環境や使用スタイルに合った設定を探し、快適なSurface Proライフを送りましょう。

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