Surface Pro 9がスリープから復帰後に遅い時の解決策!ドライバや設定で徹底対策

Surface Pro 9 は薄型で高性能な 2in1 デバイスとして人気があります。しかし、ディスプレイのオン・オフを繰り返すうちに動作がもたつき、特にスリープから復帰した直後にラグが発生する事例が報告されています。本記事では、原因や具体的な解決策を詳しく紹介します。

Surface Pro 9のスリープ復帰直後に動作が遅くなる原因

Surface Pro 9がスリープやディスプレイのオフから復帰した際に、いきなり動作が重くなる現象は、多くの場合ソフトウェアやドライバ、電源管理まわりの設定が原因とされています。特に最新のWindows Updateやドライバが適用されていない環境では、ラグやパフォーマンス低下が生じやすくなります。

1. Windows Updateの未適用による不具合

Windowsは常にアップデートが行われていますが、一部の更新プログラムはSurface固有の不具合を修正するためのパッチが含まれている場合があります。2024年4月26日以降、今回の症状(スリープからの復帰後のラグ)に対応した修正が配信された可能性があるため、最新の状態にアップデートしていない場合は注意が必要です。

2. ディスプレイドライバの設定・不具合

Intel Graphics Command Center (Beta)で設定を変更する「Panel Self Refresh」機能がオンになっている場合、表示のリフレッシュ周波数が適切に動作せず、復帰後に画面や動作が重くなるケースがあります。
また、グラフィックドライバ自体が古いと、最新のWindows Updateとの相性が悪くなることも原因の一つです。

3. タッチパッドや周辺デバイスドライバの問題

Surface Pro 9の利用シーンでは、タッチパッドや外付けマウスなどのドライバが正しく動作していないと、カーソルの動きに遅延が発生し、体感として「全体が重い」ように感じられる場合があります。
特にタッチパッドの設定やドライバはOSのアップデートによって挙動が変わる場合があるため、見直しが必要です。

改善策1: Windows Updateを実行して最新状態に保つ

Windows Updateを最新の状態にすることは、Surface Pro 9のトラブルシューティングで最初に行うべき対策です。2024年4月26日以降、MicrosoftはSurface固有のファームウェアやドライバを含む更新プログラムを配布している可能性があります。

Windows Updateの手順

  1. 「スタート」ボタンをクリックし、「設定」を開く。
  2. 「Windows Update」を選択。
  3. 「更新プログラムのチェック」をクリックし、利用可能なアップデートをすべてインストールする。
  4. 必要に応じて再起動を実施し、更新が完了するまで待機する。

注意点

  • 更新プログラム適用後、再起動を2回以上行うことで問題が解決するケースがあります。
  • Surface Pro 9専用のファームウェアアップデートは、Windows Update以外に「Surfaceアプリ」からも確認できます。

改善策2: Intel Graphics Command Center (Beta)で「Panel Self Refresh」をオフにする

Intel Graphics Command Center (Beta)を使うと、一部のディスプレイ関連の省電力機能を細かく制御できます。「Panel Self Refresh」をオフにすることで、スリープやディスプレイオフからの復帰後のラグが軽減したという報告がいくつかあります。

設定方法

  1. Microsoft Storeから「Intel Graphics Command Center (Beta)」をインストール(または更新)する。
  2. アプリを起動し、設定メニュー(DisplayやSystemなどのメニュー)を探す。
  3. 「Panel Self Refresh」という項目をオフにする。
  4. 設定変更後、PCを再起動して挙動を確認する。

見つからない場合の対処

  • グラフィックドライバやアプリのバージョンによっては「Panel Self Refresh」の項目が表示されない場合があります。
  • 最新のIntel製グラフィックドライバが適用されているか確認し、それでも項目がない場合は、Intelの公式ドライバサポートページから手動で更新を試してください。

改善策3: ドライバやデバイス設定を見直す

スリープからの復帰後に動作が遅くなるのは、グラフィックだけでなく、タッチパッドやその他周辺デバイスとの兼ね合いも考えられます。ドライバやデバイスの設定を以下の手順で再確認してみましょう。

1. タッチパッドドライバの更新・再インストール

Windowsの「デバイス マネージャー」を用いて、タッチパッドや「HID準拠デバイス」「マウスとその他のポインティング デバイス」などに警告が表示されていないか確認します。

  • ドライバを右クリックして「ドライバーの更新」を選択。
  • 「ドライバソフトウェアの検索方法」を選ぶ際、「ドライバー ソフトウェアを自動検索」を実行し、見つからない場合はデバイスメーカーのサイトで最新ドライバを探します。

2. タッチパッド感度設定

「設定」→「Bluetoothとデバイス」→「タッチパッド」の順に開き、感度を「高」や「最も高い」に調整してみましょう。反応速度が改善され、ラグが軽減されるケースもあります。

改善策4: Officeアプリの修復(使用している場合)

WordやPowerPointなどをメインで利用している場合、Officeアプリ内部の設定や不具合が、システム全体の動作不良を引き起こすことがあります。特にバックグラウンドでOfficeが動作し続けると、スリープ復帰直後にCPUやメモリを一時的に圧迫してラグを誘発する可能性があります。

Officeアプリの修復手順

  1. 「設定」→「アプリ」→ 該当のOfficeアプリ(例: Microsoft Word)を選択。
  2. 「詳細オプション」または「変更(修復)」をクリック。
  3. 「クイック修復」や「オンライン修復」を実行し、問題が解消するか確認します。
  4. 必要に応じて再インストールも検討します。

ハードウェア アクセラレーションの無効化

Officeアプリにおいて、ハードウェア アクセラレーションが原因で不具合が出ることもあります。以下の手順を試してみてください。

  1. Officeアプリを開く。
  2. 「ファイル」→「オプション」→「詳細設定」を選択。
  3. 「表示」項目にある「ハードウェア グラフィック アクセラレータを無効にする」にチェックを入れる。
  4. アプリを再起動して動作を確認する。

改善策5: MSconfigで起動設定を確認する

「msconfig」のブートオプションでCPUコアの設定を制限している場合、パフォーマンスが十分に出ないことがあります。スリープからの復帰後の動作にも影響を及ぼすケースがあるため、一度設定を見直しましょう。

設定手順

  1. 「Windowsキー + R」で「ファイル名を指定して実行」を開き、「msconfig」と入力してエンター。
  2. 「ブート」タブをクリックし、「詳細オプション」を選択。
  3. 「Number of processors」にチェックを入れ、一番大きな数値を選択して「OK」。
  4. 「OK」を押して再起動する。

この設定によって、起動時にすべてのCPUコアが活用されるようになります。ただし、環境によっては不要な場合もあるので、動作状況を確認しながら行ってください。

改善策6: システムファイルの整合性チェック

Windows自体のファイルが壊れていると、スリープ復帰後にエラーが引き金となってパフォーマンス低下を起こす可能性があります。以下のコマンドを活用してシステムファイルを修復しましょう。

sfc /scannow
DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth
  1. 「スタート」ボタンを右クリックし、「Windowsターミナル(管理者)」または「PowerShell(管理者)」を起動。
  2. sfc /scannow を入力し、ファイルの整合性チェックと修復を実行。
  3. 完了後、DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth を入力して、Windowsイメージの状態を修復。
  4. 処理が終わったら再起動し、症状が改善しているか確認する。

改善策7: 電源プランやスリープ設定の調整

スリープや休止状態からの復帰に関する設定が原因で、Surface Pro 9が正常にパフォーマンスを発揮できなくなるケースもあります。特に省電力設定が過度に働いていると、再開直後に動作が鈍くなることがあります。

電源プランの確認

  1. 「コントロール パネル」を開き、「ハードウェアとサウンド」を選択。
  2. 「電源オプション」をクリックし、現在のプランが「バランス」や「高パフォーマンス」になっているか確認する。
  3. 必要に応じて「高パフォーマンス」プランを選択し、詳細な電源設定でスリープや休止状態に関する項目を見直す。

スリープ設定の調整

  • 「設定」→「システム」→「電源とバッテリー」から、スリープに入るまでの時間を長めに設定する。
  • ディスプレイをオフにするまでの時間も余裕を持たせ、不要なオンオフを頻繁に行わないようにする。

改善策8: 最終手段としての初期化(リセット)

以上の方法を試しても改善が見られない場合、Windowsの回復オプションを使ってSurface Pro 9をリセット(工場出荷時状態への復元)することを検討してください。OSやドライバをクリーンな状態に戻すことで、不具合を根本から解消できる場合があります。

リセット手順

  1. 「設定」→「システム」→「回復」を開く。
  2. 「このPCをリセットする」をクリック。
  3. 「個人用ファイルを保持する」または「すべて削除する」を選択。
  4. 画面の指示に従って操作し、リセットを完了する。

バックアップの重要性

  • リセットを行うとアプリやカスタム設定は消去されるため、事前に重要なファイルを外部ストレージやクラウドにバックアップしておきましょう。
  • Officeアプリやその他の有料ソフトウェアのライセンスキーも忘れずに保管しておく必要があります。

補足: トラブルシューティングの手順を簡単にまとめた表

下記の表は、代表的な対策方法のメリット・デメリットを整理したものです。自身の環境や作業時間、バックアップの状況に応じて適切な選択を行ってください。

対策方法メリットデメリット
Windows Update公式パッチで問題を根本的に修正できる可能性が高い時間がかかることがある。再起動が必要
Intel Graphics Command Center (Beta)の設定変更即座にラグが改善するケースがある「Panel Self Refresh」が見つからない場合あり
タッチパッドドライバの更新・設定調整カーソル操作の改善で作業効率が上がるドライバが適合しないと新たな不具合が出ることも
Officeアプリの修復Office関連のバックグラウンド動作を最適化できる修復後に再起動や再認証が必要な場合あり
msconfigで起動設定の見直しマシンのリソースを最大限活用できる環境によっては変化が見られない場合もある
システムファイルの整合性チェック (SFC/DISM)Windows本来の安定性を取り戻すことが期待できるコマンド実行に時間がかかる場合あり
電源プランやスリープ設定の調整スリープ復帰後のラグを抑制し、パフォーマンスを向上バッテリー駆動時間が短くなる可能性
初期化(リセット)システムをクリーンな状態に戻し、不具合を一掃できるデータやアプリが失われる(バックアップ必須)

まとめ

Surface Pro 9のスリープから復帰後の遅延は、Windows Updateによる修正、Intel Graphics Command Center (Beta)の「Panel Self Refresh」設定、各種ドライバの更新や設定変更などで解消できる可能性が非常に高いです。特に2024年4月26日以降は、Microsoftから修正パッチが配信されているため、常に最新の状態を保つことが重要です。
また、Officeアプリをメインで活用している方は、Officeの修復やハードウェア アクセラレーションの無効化を試してみましょう。さらに、msconfigでの起動設定見直しやシステムファイルの整合性チェックといった基本的なメンテナンスも、パフォーマンスの安定化に役立ちます。
どうしても改善が見られない場合は、最終手段として「このPCをリセットする」を利用し、OSを初期化することで問題が解決することがあります。リセット前にはデータのバックアップとライセンス情報の管理を忘れずに行い、トラブルの再発防止のためにも定期的なアップデートとメンテナンスを心がけましょう。

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