Windows 10/11 で「設定」アプリを開いたときに 「更新とセキュリティ」が真っ白で何も表示されない、あるいはサイドバーから 項目自体が消えてしまった──そんなトラブルが 2024 年後半から急増しています。原因は Windows Update コンポーネントの破損やグループポリシーの誤設定など多岐にわたりますが、実は ユーザー自身で完結できる解決策が少なくとも 7 通り あります。本記事では「軽症なら 3 分で直す応急処置」から「どうしても開けないときの最終手段」まで、ステップバイステップで徹底解説します。
「更新とセキュリティ」が開かない・消える主な症状
- 設定アプリ左ペインに「更新とセキュリティ」が表示されない
- クリックすると真っ白な画面のままカーソルがクルクル回る
- ms-settings:windowsupdate URI を直接実行しても無反応
- サービスの異常で Windows Update 自体が停止している
Microsoft Community では “Blank screen in Windows Update” と題する報告が多数上がっており、Windows 11 23H2/24H2 Insider でも再現しています。
原因は大きく 3 カテゴリ
カテゴリ | 具体例 | 発生頻度 |
---|---|---|
設定アプリの破損 | ストアアプリとして動く Settings がキャッシュ破損 | ★★★ |
Windows Update コンポーネントの不整合 | サービス停止、SoftwareDistribution フォルダー破損 | ★★★ |
ポリシー/レジストリによる非表示 | Remove Windows Update page GPO を誤設定 | ★★☆ |
複数の要因が絡むケースが多いので、以下の解決策を“上から順に”試していくとスムーズです。
解決策 1:設定アプリ自体をリセット・再登録
① GUI からワンクリック修復
- スタート ➜ 設定 を右クリック ➜ アプリの設定
- スクロールして 修復 → 効果がなければ リセット をクリック
Windows 11 22H2 以降では Store アプリ同様に Settings も個別リセットでき、公式コミュニティ回答でも推奨されています。
② PowerShell で再登録
Get-AppxPackage windows.immersivecontrolpanel |
Foreach {Add-AppxPackage -DisableDevelopmentMode -Register "$($_.InstallLocation)\AppxManifest.xml"}
コピペ後に Enter。完了したら PC を再起動し、「更新とセキュリティ」が復活しているか確認してください。
解決策 2:Windows Update トラブルシューティング ツール
- 設定 ➜ システム ➜ トラブルシューティング ➜ その他のトラブルシューティングツール
- Windows Update ➜ 実行 をクリック
- 指示に従いサービスやレジストリを自動修復
Microsoft 公式サポートはまずこの手順を案内しています。
ポイント
- エラーコード 0x80070422/0x8007000d が出る場合でも自動で修復されることが多い。
- 修復後は必ず再起動してキャッシュを再構築する。
解決策 3:SFC & DISM でシステムファイルを修復
手順 A:システムファイルチェッカー
sfc /scannow
手順 B:Deployment Image Servicing and Management
DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth
DISM /Online /Cleanup-Image /StartComponentCleanup
コミュニティ報告によると、SFC で壊れたファイルを検出 ➜ DISM で Windows イメージを修復する 2 段階が効果的とのことです。
解決策 4:Windows Update コンポーネントをリセット
スクリプトで一括初期化
net stop wuauserv
net stop cryptSvc
net stop bits
net stop msiserver
ren %systemroot%\SoftwareDistribution SoftwareDistribution.old
ren %systemroot%\System32\catroot2 catroot2.old
net start wuauserv & net start cryptSvc & net start bits & net start msiserver
Microsoft Answers では 「真っ白画面は SoftwareDistribution フォルダ破損が原因の場合が多い」 と説明されています。
解決策 5:グループポリシー/レジストリで非表示を解除
Windows 10 Pro/Enterprise では誤設定により Update ページの可視性がブロック されることがあります。MajorGeeks は以下のポリシーを無効にするよう指摘しています。
ローカルグループポリシー エディター
コンピューターの構成 ➜ 管理用テンプレート ➜ コントロール パネル ➜ 設定ページの表示
- “Remove Windows Update page” を 未構成 または 無効 に設定
Home エディションでも レジストリHKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Settings\SettingsPageVisibility
を削除すると表示が戻るケースがあります。
解決策 6:新しいユーザープロファイルを作成
設定アプリはユーザープロファイルに依存するため、プロファイル破損で特定項目だけ開けないことがあります。Reddit でも「新しいローカルアカウントで即解決した」との報告あり。
- 設定 ➜ アカウント ➜ 家族とその他ユーザー
- その他ユーザーを追加 ➜ ローカルアカウントを作成
- サインアウトして新アカウントへログインし、症状が出ないか確認
解決策 7:メディア作成ツールで上書きインストール (In-place Upgrade)
どうしても復旧しない場合は、個人ファイルやアプリを保持したまま OS を再構築する「上書きインストール」が最終手段です。Microsoft Community の“blank page”スレッドでも推奨手順として紹介されています。
- Media Creation Tool をダウンロード(https://www.microsoft.com/software-download/windows11)
- “この PC を今すぐアップグレード” を選択 ➜ セットアップが開始
- 「個人ファイルとアプリを引き継ぐ」を確認し次へ
- インストール完了後、「更新とセキュリティ」が正常に表示されるかチェック
FAQ:よくある質問
Q1. 企業 PC で Update ページが常にグレーアウトする
A. IT 管理者がモバイルデバイス管理 (MDM) または Intune でUpdate ページの UI を制御している可能性があります。ポリシー未適用の別ネットワークで再ログインしても同症状なら管理者へ連絡を。
Q2. 「サービスにアクセスできません」エラーが出る
A. Windows Modules Installer (TrustedInstaller) が停止していると設定画面がロードできず空白になります。services.msc で手動起動後、スタートアップの種類を 自動 に変更してください。
Q3. Windows 11 24H2 Insider でのみ発生?
A. Insider ビルド特有のバグ報告もありますが、安定版 23H2 でも同様の事例が上がっています。まずは本記事の 7 手順を試し、改善しない場合は フィードバック Hub へ報告しましょう。
まとめ:7 ステップで 95 % 以上は解決できる
- Step 1~3 で「設定アプリ」やシステムファイルを速攻修復
- Step 4 で Windows Update コンポーネントをリフレッシュ
- Step 5 で ポリシー/レジストリの誤設定をリセット
- Step 6 で プロファイル破損を切り分け
- Step 7 でもダメなら In-place Upgrade で OS 再構築
これらを順に試せば、多くのケースで 「更新とセキュリティ」が元通り表示されるはずです。アップデートはセキュリティの生命線──放置せず、早めに復旧して安全な環境を取り戻しましょう。
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