突然の「申し訳ございません。このページに到達できません」——Microsoft Edge や Internet Explorer 系ブラウザーで出る日本語エラーは、たった一画面でもビジネスを止める大トラブル。けれども仕組みさえ押さえれば、ほとんどは10 秒〜3 分で自己復旧できます。本記事では「DNS の即席切り替え」から「ルーター再起動」まで、即効性を重視した“7 つのチェックリスト”を体系化。Edge 135 系の既知バグや Windows 11 23H2 特有の不具合もフォローし、再発防止策・企業ネットワークでの運用Tipsも網羅しました。
エラーの正体:なぜ “到達できません” になるのか?
エラーメッセージ
申し訳ございません。このページに到達できません
Hmmm… can’t reach this page
は、ブラウザーが DNS 名前解決に失敗した場合や TLS ハンドシェイク前に接続を切られた場合などに表示されます。Microsoft コミュニティには「ISP 固有 DNS が不安定」「hosts ファイルに誤エントリ」など多彩な原因報告があります。
技術的ステータス | よく出る英語コード | 主因 |
---|---|---|
DNS_PROBE_FINISHED_NXDOMAIN | “We can’t reach this page, try checking the spelling” | DNS レコード未解決・キャッシュ汚染 |
ERR_CONNECTION_TIMED_OUT | “Took too long to respond” | ルーター/ISP 側応答遅延 |
INET_E_RESOURCE_NOT_FOUND | “Couldn’t load because domain resolves to an invalid IP” | IPv6 ルーティング不備、DNSSEC 失敗 |
要点
- 90 % 以上は ローカル DNS キャッシュか ISP DNS に起因。
- Edge 135 以降は初回起動ウィザードがバグり真っ白のまま固まる既知問題あり。
10 秒チェックリスト:7 つの即効解決策
以下を 順番通りに 試せば、経験則で 95 % 以上のケースが復旧します。どれも無料・ノーリスク・10 秒〜3 分で終わる作業です。
チェック 1:アドレス欄を打ち直す
- コピペ URL 末尾の 全角スペース/改行/日本語パラメータ を削除。
- “https://” を付け直し、
www
有無を試す。
→ タイポ修正だけで即アクセスできることも。
チェック 2:Ctrl + F5 で“強制リロード”
Edge/Chrome はサービスワーカやキャッシュにより古い DNS を抱えがち。Ctrl + F5 でキャッシュ・セッションストレージを無視したリロードが走り、DNS が再解決されます。NEC LAVIE FAQ も同手順を推奨。
チェック 3:ブラウザー DNS キャッシュをクリア
edge://net-internals/#dns
➡ “Clear host cache” をクリックし再試行。Chrome / Brave 系でも同 GUI が共通。Kinsta DNS 記事でも最初に案内される方法です。
チェック 4:コマンドで OS DNS を即リフレッシュ
ipconfig /flushdns & ipconfig /release & ipconfig /renew
実行から 2〜3 秒で完了。「NXDOMAIN 表示後に即 flush で直った」という報告は多いです。Edge フォーラム – “Can’t reach this page” スレッドでも有効性が確認されています。
チェック 5:パブリック DNS(8.8.8.8, 1.1.1.1) へ切り替え
- 設定 ▸ ネットワーク ▸ アダプター ▸ DNS
- “自動” → 手動 に変更し
- 優先 DNS : 8.8.8.8(Google)
- 代替 DNS : 1.1.1.1(Cloudflare)
- 保存後、ブラウザー再読込
ISP 固有 DNS がモバイル回線や IPv6 PPPoE と相性が悪い例が多発。Yahoo!知恵袋でも「Google DNS にしたら直った」との回答が最多票を得ています。
チェック 6:VPN・セキュリティソフトを一時停止
VPN クライアントが DNS を強制トンネリングしている場合、回線切替時にオフライン DNS が残ることがあります。Lifewire “Fix Microsoft Edge Not Working” ガイドでも VPN OFF → Edge 再起動 を推奨。
チェック 7:ルーター再起動 & IPv6 を無効化
- ルーター電源を 30 秒完全オフ → 再投入(キャッシュクリア)。
- Windows NIC 詳細設定で IPv6 を一時的に無効化。
→ DNSSEC や DS-Lite 回線で IPv6 側だけ失敗する現象を回避できます。Microsoft Support KB“Edge isn’t working” も同策を提示。
ここまでで直らなければ? 追加ステップ
1. Windows ネットワークスタックのリセット
netsh int ip reset
netsh winsock reset
shutdown -r -t 0
Winsock カタログ破損や TAP デバイス衝突を初期化。失われる設定はほぼゼロ。
2. Edge プロファイルの再生成
%LOCALAPPDATA%\Microsoft\Edge\User Data
を開くDefault
をDefault_old
にリネーム- Edge 再起動で新規プロファイル生成 ➔ 症状確認
3. ファームウェアアップデート / 別ブラウザ検証
- ファームウェアが古いメッシュ Wi-Fi (AP v1.0) は DNS Relay バグを抱える場合あり。
- Chrome/Firefox でも同じエラーなら PC 側 or 回線側、Edge だけなら プロファイル破損 が濃厚。
企業ネットワークでの再発防止策
シナリオ | 推奨対策 | 備考 |
---|---|---|
Windows AD 環境で sporadic NXDOMAIN | GPO で DoH(ポート 443) DNS を強制 | Edge DoH option Built-in を有効化 |
社員 VPN 負荷時に頻発 | Split Tunnel + 内部 DNS フォワーダー | ルート全トンネルは DNS レイテンシ↑ |
WebProxy 切替で断続的障害 | PAC ファイルを HTTPS 配信 に変更 | HTTP PAC はキャッシュ汚染リスク |
FAQ
Q. Edge 起動時に毎回ホームページが “到達できません”?
A. アドオンによるリダイレクトかホーム URL 入力ミスが濃厚。拡張機能を InPrivate で無効化して再現テスト。
Q. 共有 PC で管理者のみ正常表示?
A. ユーザープロファイルごとの DNS キャッシュ差異が原因。ipconfig /flushdns
を一般ユーザーで実行し、Edge プロファイルを修復。
Q. Windows Server 2025 Preview でも発生する?
A. Insider 版 Edge がプロキシ設定を引き継げず初回通信で失敗する既知バグ。ビルド 25997 以降で改善報告あり。
まとめ:10 秒アクションで “到達できません” とサヨナラ
- URL タイポ修正 & 強制リロード
- ブラウザー DNS キャッシュ → OS DNS の 2 段階クリア
- Google / Cloudflare DNS へ即時切替
- VPN・セキュリティ OFF → ルーター再起動
この流れさえ覚えておけば、二度と焦ることはありません。原因が見極められたら、DoH 強制やルーター FW 更新で 再発ゼロの堅牢ネットワークを手に入れましょう。
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