Surface Go 2でWi-Fiが急に使えなくなると、「外出先で作業ができない」「オンライン会議に参加できない」など、想定外のトラブルに見舞われることが多いかと思います。特にIntel(R) Wi-Fi 6 AX200 160 MHzのエラーが発生すると、ドライバーをアンインストールしても再起動しても改善しないケースが少なくありません。ここでは、こうした問題を解決するための具体的な対処法とポイントを詳しく解説していきます。快適なWi-Fi環境を取り戻し、ストレスなくSurface Go 2を活用していきましょう。
Surface Go 2のWi-Fiアダプターエラーが発生する背景
Surface Go 2には標準で「Intel(R) Wi-Fi 6 AX200 160 MHz」という高速通信に対応した無線LANモジュールが搭載されています。しかし、Windows Updateやドライバーの不具合、あるいは特定のネットワーク環境との相性問題などによって、突然エラーを起こすことがあります。
主な症状
- Wi-Fiネットワークに接続できない、または切断を繰り返す
- デバイス マネージャーでWi-Fiアダプターにエラーが表示される (黄色の「!」アイコンなど)
- トラブルシューティングを実行しても「ドライバーに問題があります」などのメッセージが表示される
こうした症状は、単純な設定ミスではなくドライバーやOS側の不具合が原因であることが多いため、根本的な対策が必要です。
エラーコードの例
デバイス マネージャーでWi-Fiアダプターがエラーを出しているときには、以下のようなエラーコードが表示される場合があります。原因や対策を特定するうえで役立ちますので、確認してみると良いでしょう。
エラーコード | 原因の可能性 | 主な対処策 |
---|---|---|
コード 10 | デバイスを開始できない、ドライバー不良 | ドライバーの更新や再インストール |
コード 45 | デバイスが接続されていない | 一時的な取り外し状態、ハード故障を疑う |
コード 52 | ドライバーの署名に問題がある | セキュリティ設定を見直す、署名付きドライバーを適用 |
強制的な電源OFF・ONによる再起動の重要性
Surfaceシリーズでは、ごくまれに通常のシャットダウンや再起動だけでは問題が解決しないケースが存在します。その際に有効なのが「強制電源OFF・ON」で、デバイスの一時的なバグがリセットされる可能性があります。
強制的な電源OFF・ONのやり方
- Surface Go 2の電源ボタンを約20秒間、指を離さずに長押しします。
- 途中で画面が暗くなったり、Windowsロゴが表示されたりしても、20秒以上は押し続けましょう。
- ボタンを離し、数秒待ってから再度電源ボタンを押し、起動させます。
この操作は「ファームウェアレベルでのリセット」に近い効果があります。通常のシャットダウンでは完全にオフにならない部分をオフにしてくれるため、Wi-Fiアダプターの動作が正常に戻る可能性が高まります。
ドライバーの更新・ロールバック・手動インストール手順
Wi-Fiアダプターの不具合の多くはドライバーが原因です。そこで、ドライバーを最新バージョンに更新するか、逆に安定版の過去バージョンへ戻してみるのが有効です。
デバイス マネージャーでのドライバー更新方法
- スタートボタンを右クリックし、「デバイス マネージャー」を選択します。
- 「ネットワーク アダプター」内の「Intel(R) Wi-Fi 6 AX200 160 MHz」を右クリックします。
- 「ドライバーの更新」を選択し、Windowsが提供する最新ドライバーを検索・適用します。
特にWindows Updateと同時に最新ドライバーを提供している場合もあるため、「自動でドライバーを検索」を選択してみるとよいでしょう。
ドライバーのロールバック方法
最新のドライバーで問題が発生し始めた場合は、以前の安定していたバージョンに戻すロールバックを試みます。
- デバイス マネージャーでWi-Fiアダプターを右クリックし、「プロパティ」を選択。
- 「ドライバー」タブを開き、「ドライバーのロールバック」ボタンを押す。
- 指示に従い、以前のバージョンに戻します。
手動インストールのポイント
特にロールバックがうまくいかない、またはWindows Updateの配布ドライバー自体に不具合がある場合は、Surface公式ドライバーを入手し、手動でインストールしてみることをおすすめします。
- Surface Go 2 Drivers and Firmware (Microsoft公式ダウンロードセンター)
- ダウンロードファイルをUSBメモリなどに保存して、Surface Go 2で実行。
- その際、読み取り専用の設定やセキュリティソフトのスキャンを外すなど、インストールがブロックされにくいようにしておきます。
Windows Updateとセキュリティソフトの注意点
Wi-Fiアダプターの問題は、意外にもセキュリティソフトやWindows Updateの状態と深く関係していることがあります。最新のWindows Updateが適用されていなかったり、セキュリティソフトがドライバーの更新をブロックしていたりするケースも少なくありません。
Windows Updateの確認
- 「設定」→「更新とセキュリティ」→「Windows Update」を開く。
- 保留中の更新プログラムがあれば、すべてインストールする。
- 再起動を促された場合は、必ず指示に従い再起動する。
Windows Updateの適用状況によって、デバイスドライバーの挙動が大きく変わることがあります。メジャーアップデート後は、特に注意深く確認しましょう。
セキュリティソフトの一時停止
- ウイルス対策ソフトがドライバーの更新やネットワーク系の設定変更をブロックしている可能性があります。
- 更新時だけ一時的に保護を停止し、終了後に再度オンにするといった手順でスムーズにドライバーを適用できる場合もあります。
ネットワーク関連のコマンド活用でトラブルシューティング
ドライバーの再インストールや更新をしても改善が見られないときは、Windowsのネットワーク関連コマンドを試してみると問題解決のヒントが得られることがあります。
netshコマンド例
Windowsにはネットワーク設定を修復・確認するコマンド「netsh」が用意されています。以下にいくつかの例を示します。
# Wi-Fiアダプター情報を表示
netsh wlan show interfaces
# ドライバー情報を表示
netsh wlan show drivers
# TCP/IP スタックを初期化
netsh int ip reset
# Winsockカタログをリセット
netsh winsock reset
これらのコマンドを実行した後は、PCを再起動することでネットワーク関連の状態がリセットされます。Wi-Fiアダプターがきちんと機能するようになったかを再度確認しましょう。
OSのリセット・初期化も視野に入れる
ドライバーの手動更新やネットワークコマンドでの対策を試しても改善しない場合、Windows自体に深刻な不具合がある可能性が高いです。その場合は、Windowsの「初期化」や「リセット」を検討する価値があります。
リセットの手順
- 「設定」→「更新とセキュリティ」→「回復」を開く。
- 「このPCをリセットする」の項目で「開始する」ボタンを押す。
- 「個人用ファイルを保持する」か「すべて削除する」かを選ぶ。
- 指示に従ってリセットを実行。
ただし、リセットや初期化を行うと、各種アプリケーションや設定が消えてしまうため、事前に必要なデータのバックアップを取っておくことを強くおすすめします。
ハードウェア故障の可能性とサポートへの問い合わせ
あらゆるソフトウェア的な対策を講じてもエラーが解消しない場合、残念ながらWi-Fiモジュールやマザーボードなどのハードウェア自体が故障している可能性を疑う必要があります。
保証期間・サポートの確認
- Surface製品は通常、1年間のメーカー保証が付属しています。購入して1年以内であれば無償修理・交換が受けられることがあります。
- 延長保証やMicrosoft Completeなどのオプションがある場合は、サポート窓口に問い合わせて修理対応が可能かどうかを確認してみましょう。
サポートに連絡する際に伝えるポイント
- デバイス マネージャーのエラーコードと状態
- 試した対処法(ドライバー更新や初期化など)
- 保証期間の有無・購入時期
- 実際にいつから不具合が発生したか
これらの情報を整理しておくとサポートへの連絡がスムーズになり、最適な解決策を案内してもらいやすくなります。
トラブルを未然に防ぐための日常管理
一度問題が解決しても、再びWi-Fiトラブルが起こる可能性はゼロではありません。日常的にPCのメンテナンスをしておくことで、余計な不具合を防ぐことができます。
ドライバー更新のタイミングに注意
- Microsoft公式サイトかWindows Updateを通じて配布されるドライバーのみを利用し、第三者サイトの配布物は極力避けましょう。
- 大きなメジャーアップデート直後は安定性に欠ける場合があるため、一時的に更新の延期を設定するのも手です。
温度管理と使用環境
- タブレット形状のSurface Go 2は熱がこもりやすい設計です。長時間の高負荷作業や高温の場所での使用は避け、放熱スペースを確保しましょう。
- 過度な熱がWi-Fiモジュールの動作を不安定にすることがあります。
より高度な対策:イベント ビューアーの活用
ドライバーのエラーに関して、Windowsの「イベント ビューアー」にはより詳細なログが記録されている場合があります。具体的なエラー原因を特定できると、対処法が明確になることがあります。
イベント ビューアーでの確認手順
- スタートボタンを右クリックし、「イベント ビューアー」を選択。
- 左ペインで「Windowsログ」→「システム」または「アプリケーション」を開く。
- エラーや警告マークの項目をダブルクリックし、詳細を確認。
- 不明なエラーコードや関連するDLLファイル、サービス名が記載されていないかをチェック。
エラーコードやメッセージをインターネットで検索することで、同様の問題を解決した事例が見つかる場合があります。
まとめ
Surface Go 2でIntel(R) Wi-Fi 6 AX200 160 MHzが正常に動作しない場合は、まずデバイス マネージャーのエラーコードを確認し、強制電源OFF・ONやドライバーの再インストール・ロールバックといった基本的な対処法を試してみましょう。さらに、Windows Updateやセキュリティソフトが原因でブロックされているケースもあるので注意が必要です。ドライバーの手動インストールやOSのリセットを行っても改善しない場合はハードウェア故障の可能性があるため、早めにサポート窓口に相談するのがおすすめです。定期的なアップデート確認や温度管理などの日常管理を心掛けることで、Wi-Fiトラブルの発生を最小限に抑えることができます。ぜひ今回の対処法を活用して、快適なSurface Go 2ライフを楽しんでください。
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