Windows 10 Enterprise(ビルド19045)を利用するユーザーの間で、特定の問題が報告されています。具体的には、「Windows アクセサリ」と「Windows システムツール」のフォルダがスタートメニューから表示されなくなるというものです。この問題は、日常的な業務に支障をきたす可能性があり、迅速な解決が求められます。この記事では、問題の原因を特定し、実用的な解決策を段階的に解説していきます。このガイドを通じて、Windows 10のユーザーが直面するこの厄介な問題を解決し、スムーズなコンピュータ利用環境を取り戻すための手順を提供します。
ツールバーに設定する方法
スタートメニューからアクセスできない「Windows アクセサリ」と「Windows システムツール」フォルダを、タスクバーのツールバー機能を使用して解決する手順を紹介します。この方法では、直接タスクバーに必要なフォルダへのショートカットを設定し、いつでも素早くアクセスできるようにします。
設定手順
- タスクバーを右クリックします。
- ツールバー > 新しいツールバーを選択します。
- 表示されたファイルブラウザから、
C:\ProgramData\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs
に移動します。 - アクセサリやシステムツールフォルダを選択し、フォルダーの選択をクリックします。
これで、タスクバー上に新しいツールバーが追加され、いつでもこれらのプログラムにアクセスできるようになります。この方法は、スタートメニューの構成が何らかの理由で変更されたり、特定のフォルダが非表示になってしまった場合に特に有効です。タスクバーからのアクセスは、日々の作業をスムーズに進めるための迅速な解決策となります。
クリーンブートによるトラブルシューティング
Windowsのクリーンブートは、システムの不具合を解決するためにサードパーティ製のアプリケーションやサービスが原因であるかを確認する際に役立つ方法です。スタートメニューからフォルダが消失する問題も、互換性のないソフトウェアやバックグラウンドで動作するアプリが原因で起こることがあります。
クリーンブートの実行手順
- システム構成ユーティリティを開く:
Win + R
キーを同時に押し、msconfig
と入力してEnter
を押します。 - [サービス] タブを選択し、すべての Microsoft サービスを隠すチェックボックスをオンにします。
- 残りのサービスを無効にするには、すべて無効にするをクリックします。
- [スタートアップ] タブに移動し、タスクマネージャーを開くをクリックします。
- スタートアップにある各アプリケーションを右クリックし、無効にするを選択します。
- 変更を適用し、コンピュータを再起動します。
クリーンブート後、問題が解消されているかを確認します。もし問題が解消されていれば、無効にしたサービスやアプリケーションの中に原因がある可能性が高いです。それぞれを一つずつ有効にして、問題を再現させることで、具体的な原因を特定できます。この方法は、システムの安定性を損なうことなく、効果的に問題の根源を突き止める手段として有効です。
システムファイルチェッカーの使用
Windowsには、システムファイルチェッカー(SFC)というツールが内蔵されており、システムファイルの破損や不足をスキャンし、修復することができます。スタートメニューから特定のフォルダが消失してしまう問題は、システムファイルの破損が原因である可能性があります。
SFCの実行手順
- 管理者権限でコマンドプロンプトを開く:
スタートメニューを右クリックし、コマンドプロンプト(管理者)またはWindows PowerShell(管理者)を選択します - コマンドプロンプトが開いたら、以下のコマンドを入力します:
sfc /scannow
- Enterキーを押してスキャンを開始します。このプロセスは数分間かかることがあります。
- スキャンが完了すると、破損したファイルが見つかった場合は自動的に修復されます。修復が完了したら、コマンドプロンプトに結果が表示されます。
SFCのスキャンと修復を行うことで、Windowsの核心部分を構成するファイルの整合性を保ち、システムの安定性を向上させることができます。この手順は、システムの不具合を解決する際の基本的かつ強力なステップです。特に、システム更新後や不安定な動作が見られる場合に有効です。
新しいユーザーアカウントの作成
スタートメニューの問題が特定のユーザーアカウントにのみ発生している場合、新しいユーザーアカウントを作成して問題が解決するかどうかを確認するのは有効な手段です。新しいアカウントでは、設定やファイルがリセットされるため、システムの問題が個々のユーザープロファイルに関連しているかを判定できます。
新しいアカウントの作成手順
- 設定アプリを開く:
スタートメニューから設定を選択、またはWin + I
キーを押します。 - アカウントを選び、家族と他のユーザーをクリックします。
- このPCに他のユーザーを追加するセクションで、他のユーザーを追加を選択します。
- マイクロソフトアカウントの情報を持っていない場合は、この人のサインイン情報を持っていないをクリックし、ユーザーの追加を選びます。
- 新しいユーザー名とパスワードを設定し、次へをクリックしてアカウントを作成します。
新しいアカウントで問題が解消される場合、元のアカウントに何らかの問題があると判断されます。この新しいアカウントを使用して問題が発生しないか試すことで、システム全体ではなく、個々のユーザープロファイルに問題があることが示唆されます。この情報をもとに、さらなるトラブルシューティングを行うことができます。
フォルダの再配置とショートカットの再作成
スタートメニューのフォルダやショートカットが消失した場合、それらを手動で再配置または再作成することで問題を解決することができます。この手法は、ファイルの損失や誤って削除された場合に特に有効です。
ショートカットの再配置と再作成手順
ファイルエクスプローラを開く:
Win + E
キーを押すか、タスクバーのアイコンをクリックします。
ナビゲーションパネルからユーザーフォルダに移動します:
C:\Users\%username%\AppData\Roaming\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs
へアクセスします。
アクセサリまたはシステムツールフォルダを確認します:
- これらのフォルダが存在しない場合、新たにフォルダを作成し、必要なショートカットをその中に配置します。
必要なプログラムのショートカットを作成します:
- プログラムの実行ファイルを右クリックし、送る > デスクトップ (ショートカットを作成) を選択後、このショートカットを適切なフォルダに移動します。
変更を適用後、スタートメニューを再度確認します:
- 作成したショートカットが正しく表示されるかを確認します。
このプロセスにより、ユーザーはスタートメニューのカスタマイズや管理が容易になり、必要なアプリケーションに迅速にアクセスできるようになります。また、この方法は特にショートカットが誤って削除されたり、何らかの理由で失われた場合の復旧に有効です。
まとめ
この記事では、Windows 10 Enterprise(ビルド19045)で「Windows アクセサリ」と「Windows システムツール」フォルダがスタートメニューから表示されなくなる問題に対処するための複数の解決策を提供しました。具体的な手順としては、タスクバーにツールバーを設定する方法、クリーンブートを用いたトラブルシューティング、システムファイルチェッカーを使用した修復、新しいユーザーアカウントの作成、そしてフォルダの再配置とショートカットの再作成などが含まれます。これらの方法を適切に実行することで、スタートメニューの問題を解消し、より効率的な作業環境を確保することが可能です。問題解決の過程で、特に企業環境においては、IT管理者との協議を行うことが重要です。また、問題の再発を防ぐためにも、Windowsの定期的な更新と保守を忘れずに行ってください。
コメント