Windows回復環境(WinRE)アップデートを成功させるためのパーティションリサイズ徹底ガイド

最近のWindows Updateで、回復環境(WinRE)をアップデートしようとするとパーティション容量の不足によってエラーが発生しやすくなりました。私もKB5028997を適用しようとしたときにパーティション調整の手間に戸惑い、何度も再起動を繰り返した経験があります。ここでは、初心者の方でも安心して実行できる具体的なパーティションリサイズ手順と注意点を、実例をまじえながら詳しく紹介していきます。

はじめに

Windows Updateの中には、WinRE(Windows回復環境)をアップデートするプログラムが含まれることがあり、KB5028997やKB5034441などが代表的な例として挙げられます。これらの更新プログラムは、回復環境の強化やトラブルシューティング機能の改善を目的としていますが、環境によってはディスク上に用意されているWinRE用パーティションの容量が足りず、インストールが失敗してしまう場合があります。

私自身も初めて遭遇したときは、「そもそもWinREパーティションって何だろう」「縮小や拡張でデータは消えないのか」と、不安だらけでした。しかし、基本的な操作手順を把握して慎重に進めれば、大切なデータを守りながらパーティションのサイズを調整することは難しくありません。

ディスクの基本構造について

Windowsがインストールされているディスクには、OS用のパーティション(Cドライブが割り当てられることが多い)やWinRE用パーティションなど、複数の区画が存在します。これらは以下のような構成になっていることがよくあります。

1. EFIシステムパーティション(EFI partition)

WindowsがUEFIブートで起動するために必要な小容量のパーティションです。マザーボードがBIOSではなくUEFIの場合はこのパーティションが必須となります。

2. OSパーティション

いわゆるCドライブとしてユーザーが主に使う部分です。アプリケーションやユーザーデータ、Windows本体など、システムの中核がここに入っています。

3. WinRE(回復環境)パーティション

Windowsがトラブルを検知した場合に回復オプションを提供するためのパーティションです。Windows Updateで回復関連のアップデートが行われる場合、このWinREパーティションの空き容量不足が原因でアップデートエラーが発生するケースがあります。

パーティションリサイズが必要になる背景

更新プログラムの中にはWinRE関連のモジュールのアップデートが含まれることがあります。特にKB5028997やKB5034441など、最近リリースされたアップデートでは回復機能の改善が含まれているため、既存のWinREパーティションでは容量が足りなくなることがあるのです。

「ディスクの管理」ツールでの確認

Windowsには標準で「ディスクの管理」というツールが用意されています。ここを開くことで、ディスク番号やパーティション番号、各パーティションのフォーマットや容量などを視覚的に確認できます。リサイズする際は、この画面でどれがOSパーティション(通常Cドライブ)で、どれがWinREパーティションかを正確に把握することが第一歩です。

以前、私もディスクの管理を見たときに複数の「回復パーティション」が表示されていて、どれが本当にWinREパーティションなのか判断に迷いました。実際にボリュームラベルが付いていないことも多いため、ちょっと面食らうかもしれませんが、一つひとつ容量や右クリックのプロパティ画面で確認していけば見分けがつきます。

アップデートエラーでよく見かける症状

更新プログラムのインストールが最後の段階で失敗し、「再起動を繰り返す」「エラーコード(0xc1900101や0xc0000225など)が表示される」「回復ドライブへのアクセスが拒否される」といった現象が起こる場合があります。これらは回復パーティションの容量不足や誤ったパーティション操作が原因になっている場合が少なくありません。

パーティションリサイズを実施する方法

パーティションリサイズを行うには、Windows標準のDiskpartコマンドを使う方法と、サードパーティ製のパーティション管理ツールを使う方法があります。以下ではDiskpartを使う一般的な手順を解説します。

準備: データのバックアップ

パーティション操作の際は、誤った操作や予期せぬ電源断などが起きるとデータが失われるリスクがあります。万が一に備え、重要なファイルや作業途中のドキュメントなどは別のドライブやクラウドサービスなどにバックアップしておきましょう。

事前にしっかりバックアップをとっておけば、万が一トラブルが発生しても復旧が可能になります。これだけで心の余裕が大きく変わります。

ステップ1: ディスクの状態を確認

コマンドプロンプト(管理者として実行)で以下のコマンドを入力し、ディスクが何台あるか、各パーティションがどの番号に割り当てられているかを確認します。

diskpart
list disk
select disk 0
list partition

多くの場合、OSをインストールしているメインディスクは「Disk 0」として認識され、そこに複数のパーティションが並んでいます。たとえば、パーティション3がOS用、パーティション4が回復環境用となっていることもありますが、実際の番号は環境によって異なるので必ず確認しましょう。

ステップ2: OSパーティションを縮小する

例えば「パーティション3」がCドライブ(OS)で、そこをいくらか縮小してWinREパーティションに回す領域を確保する場合、以下のように実行します。

select partition 3
shrink desired=500 minimum=200

desired=500と指定すると、できれば500MBほど縮めたいという要望を出しますが、断片化などの状況により実際に縮められる容量は変動することがあります。この操作により、ディスク上に未割り当ての空き領域が生まれます。

一度、私はshrinkコマンドでdesired=500としたのに、実際には350MBしか縮小できなかったことがありました。ディスクの断片化やシステムファイルの配置状況によっては、思い通りに縮小できない場合があります。

ステップ3: WinREパーティションを選択・拡張する

次は、WinREとして使われているパーティションを選択し、先ほど縮小して空けた未割り当て領域を結合します。たとえば「パーティション4」がWinRE用なら、以下のように実行します。

select partition 4
extend

extendコマンドだけで自動的に空き領域を結合できる場合が多いですが、環境によっては「extend size=○○○」のように明示的にサイズ指定が必要になることもあります。また、拡張先がパーティションの直後に連続していない場合は失敗することがあります。

ステップ4: Windows Updateを再試行

パーティションのリサイズ後、エクスプローラーやディスクの管理で正しく容量が変わっているか確認しましょう。問題なければ、Windows Updateを再度実行してください。多くの場合、今度はエラーなくKB5028997やKB5034441などが適用されるはずです。

以前、WinREパーティションを誤って消去してしまい、ブートエラーが発生してシステム自体が起動できなくなったケースを見聞きしました。パーティション番号を誤って選択するリスクを甘く見ず、慎重に進める必要があります。

リサイズの注意点とトラブルシューティング

移動が必要になるケース

OSパーティションとWinREパーティションの間に別のパーティションが挟まっている場合、単純なshrinkとextendだけでは対応できないケースがあります。その場合はサードパーティ製ツール(例: MiniTool Partition Wizard、EaseUS Partition Masterなど)を使い、パーティションを移動する必要があるかもしれません。

トラブルが起きたときの対処例

1. PCが起動しない

ブートセクターに影響を与えてしまった恐れがあります。回復ドライブやインストールメディアを使い、スタートアップ修復を試みるか、コマンドプロンプトから「bootrec /fixmbr」や「bootrec /fixboot」などを実行して修復を試してください。

2. どうしても拡張できない

WinREパーティションの前後に未割り当て領域が無いとextendに失敗することがあります。場合によってはWinREパーティションそのものを削除して、新しく作り直す必要があるかもしれませんが、推奨はされません。まずはサードパーティツールで間のパーティションを移動するなど、安全策を検討しましょう。

おすすめのツールとコマンドまとめ

パーティション操作に関しては、以下の一覧を参考にすると混乱を防げます。

目的主なコマンド説明
ディスク一覧表示list disk接続されているディスクをすべて表示
パーティション一覧表示list partition選択中のディスクにあるパーティションをすべて表示
パーティション縮小shrink desired=MB指定した容量(MB)でパーティションを縮小
パーティション拡張extend隣接する未割り当て領域をパーティションに結合
パーティション選択select partition N操作対象のパーティションを指定
パーティション削除delete partition選択中のパーティションを削除

サードパーティ製ツールの利点

MiniTool Partition WizardやEaseUS Partition Masterなどは、GUIでマウス操作しながらパーティションの移動や統合が行えるため、コマンド操作に慣れていない方でも比較的安全に扱えます。ただし、誤操作すると大事なデータが消えるリスクは同様にあるため、やはりバックアップは必須です。

特にGUIツールのほとんどは「プレビュー」機能があり、実際にどのようにパーティションが変わるのか視覚的に確認した上で操作を確定できるため安心感があります。

WinREアップデートがもたらすメリット

Windows回復環境のアップデートは、単にOSの安定性向上を目的としたものだけではありません。以下のようなメリットも期待できます。

より強力な回復オプション

新しいWinREでは、システムの復元やイメージ復元などの機能が強化される場合があります。トラブルが起きたときの復旧手段が充実することで、いざというときのリスクを減らす効果が見込めます。

セキュリティ向上

回復環境への不正アクセスを防止するための仕組みや暗号化関連のアップデートが含まれることもあります。特にBitLockerを使用している場合などは重要です。

私が以前勤めていた職場では、回復環境が古いままだったことでディスク暗号化設定との相性が悪く、修復をしようにもメニューが動作しないケースがありました。アップデート後には問題なく回復処理が走るようになったので、大きな安心感がありました。

よくある質問

パーティションを縮小するとCドライブが消えるのでは?

Cドライブ全体が消えるわけではなく、一部の領域を切り取って未割り当て領域として再確保するイメージです。操作後もCドライブはそのまま存在し、ただし総容量が減るため、空き領域不足にならないように事前にディスクのクリーンアップを行うのが望ましいです。

データは本当に消えない?

パーティション構成を正しく操作すれば基本的には消えませんが、誤操作のリスクはゼロではありません。特に回復パーティションを誤って削除してしまった場合は起動不能になる可能性があるため、必ずバックアップを取ってから作業を行いましょう。

パーティションを移動するには?

Windows標準のDiskpartだけでは移動の機能が用意されていないため、第三者ツールを利用する必要があります。操作が複雑になるので、より慎重な事前準備(バックアップや操作確認)をおすすめします。

まとめ

Windows Updateで提供される回復環境(WinRE)のアップデートに失敗する原因の多くは、WinREパーティションの容量不足によるものです。事前にディスク構成をしっかりと把握し、OSパーティションを適度に縮小して未割り当て領域を確保した上でWinREパーティションを拡張することで、更新の成功率を大幅に高めることができます。

また、パーティションリサイズはOSの基盤部分に手を入れる作業であるため、リスクも存在します。必ずバックアップを取り、可能であればGUIのパーティション管理ツールを利用するなど、事前準備を万全に整えてから挑むようにしてください。そして、アップデートが完了すれば、より充実した回復機能やセキュリティ強化が期待できるため、時間と手間をかける価値は十分にあるでしょう。

残念ながら、過去にはリサイズ作業の途中で停電が起きたり、誤ってOSパーティションを削除してしまうミスによって大切なデータが取り返しのつかない形で失われた事例も報告されています。慎重さは何度強調してもしきれません。

最後に

リサイズ後は必ずWindows Updateを再度実行し、KB5028997やKB5034441などの回復環境アップデートが無事にインストールできるか確認しましょう。もし再度失敗するようであれば、ディスク管理画面を見直してパーティションのサイズや配置をチェックし、場合によってはWinREパーティションをより大きめに確保することを検討してください。

私自身は、パーティションリサイズ後に一度失敗して「またか…」と思ったことがありますが、Cドライブの不要ファイルをもう少し整理して余裕を作ったところ、すんなりアップデートが通った経験があります。焦らず確認を繰り返すことが大事だと痛感しました。

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