Mac版Wordを使っていて、「これまで問題なく使えていたショートカットキーが突然効かなくなった」となると驚いてしまいますよね。特に編集業務や論文作成などで非改行ハイフンを多用している方にとっては大変不便です。今回は、MacBook ProのMicrosoft 365(デスクトップ版)Wordで「Shift + Command + -」が機能しなくなった原因と、その解決策を中心にご紹介します。設定画面がグレーアウトしているときの対処方法や、代替ショートカットの活用術まで、詳しく解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。
Mac版Wordのショートカットが突然使えなくなる原因
ショートカットキーが突然使えなくなってしまう場合、その原因はさまざま考えられます。Wordそのもののバージョンアップによる変更だけでなく、OS側のキーボード設定や他のアプリとの競合なども影響しているかもしれません。ここでは代表的な原因を整理してみましょう。
バージョンアップによる割り当て変更
Microsoftは定期的にOffice製品のアップデートを行っています。Mac版Wordにおいては、以前は「Shift + Command + -」に割り当てられていた非改行ハイフンの挿入が、あるバージョンを境に「Shift + Option + Command + -」へ変更されたとの報告があります。アップデートによってキーボードショートカットの初期設定が見直され、従来のショートカットが別の機能(下付き文字など)に置き換えられてしまうケースがあります。
OSのキーボード設定や干渉の可能性
Macではシステム環境設定からキーボードのショートカットや入力ソースを切り替えることができます。例えば、SpotlightやMission Controlなど、macOS側のショートカットがWordとバッティングすることもあり得ます。もし同じキー操作がOS機能に割り当てられている場合、Word側では意図した通りに動作しないことがあります。
非改行ハイフンとは
非改行ハイフン(ノンブレーキングハイフン)は、単語の途中にハイフンを入れたいときや、数字と単位を分断したくないときなどに役立つものです。改行してほしくない場所で強制的に行を分けないようにするため、文章レイアウトを整える上で非常に便利です。
文章校正で必須となる非改行ハイフンの役割
論文や長文資料を作成していると、単語が中途半端な場所で改行されてしまうのは好ましくありません。例えば「word-processor」のような言葉は途中でハイフンが入っていますが、改行地点によっては「word-」と次行に「processor」が分かれてしまうことがあります。非改行ハイフンを使うと、ハイフンを含む単語を行末で勝手に分割されるのを防ぐことができます。
入力例
日本語文章でも、たとえば「30-km」のように数字と単位をハイフンでつなげたいときなどに重宝します。Wordの標準機能で入力するときは、本来であれば「Shift + Command + -」または「Shift + Option + Command + -」を押すだけで挿入できますが、アップデートの影響でこれが機能しなくなることがあります。
ショートカットが使えないときの解決策
ショートカットキーが突然使えなくなった場合、以下のステップで原因を切り分けるとスムーズに対応できます。
Step1: Wordのバージョンを確認・アップデート
最初にチェックすべきなのはWordのバージョンです。古いバージョンを使っている場合、Office 365(Microsoft 365)の自動更新がオフになっていたり、何らかの理由で更新が止まっている可能性があります。
Word上部の「ヘルプ」メニューや「Wordについて」からバージョン番号を確認し、最新版にアップデートしてください。
アップデート方法は以下の手順が一般的です。
- Wordを起動し、メニューから「ヘルプ」を選択
- 「更新プログラムのチェック」を選択
- 「更新プログラムをインストール」する
Step2: Macのキーボード設定を見直す
Wordが最新バージョンになっていてもショートカットが有効にならない場合、macOS自体のキーボードショートカットを確認してみましょう。
システム環境設定からショートカット確認
- Appleメニュー(左上のリンゴマーク)から「システム設定」を開く
- 「キーボード」をクリック
- ショートカットタブを開き、SpotlightやMission Controlなどのショートカットが「Shift + Command + -」と競合していないか確認
もし競合している場合は、macOS側の設定を別のキーに変更するか、Word側のショートカット設定を変更することで回避できます。
Step3: Wordのキーボードショートカットのカスタマイズ
Mac版Wordでは、リボンとツールバーのカスタマイズ画面からショートカット割り当てを変更できます。
- Word上部のメニューから「Word」を選択し、「環境設定」をクリック
- 「リボンとツールバー」をクリック
- 「キーボードショートカットのユーザー設定」を開く
- 「カテゴリ」から目的の機能(共通の記号や特殊文字など)を探し、ショートカットを確認・変更する
ただし、バージョンによってはショートカット欄がグレーアウトしており、変更できない場合があります。この場合は、ほかのタブを開いて確認したり、Office全体の修復インストールや再インストールを行うと解決することがあります。
Step4: 代替手段として「Shift + Option + Command + -」を利用
最近のバージョンでは、「Shift + Option + Command + -」で非改行ハイフンを挿入できるケースが多く報告されています。従来の「Shift + Command + -」では反応しなくても、この代替ショートカットなら動作することもあります。
ショートカットをカスタマイズせずに素早く対処したいときは、まず試してみるとよいでしょう。
ショートカットを再割り当てする方法
もし現在の初期設定のままで不便を感じるのであれば、自分好みのキーに再割り当てしてしまうのも一つの方法です。非改行ハイフンの入力は作業効率に直結するので、使用頻度に応じてカスタマイズすると非常に便利です。
設定画面がグレーアウトして変更できない場合
先ほど述べたように、バージョンや個々の環境によってはショートカット欄がグレーアウトしていることがあります。以下のような対処法を試してみてください。
- WordやOfficeのアップデートを最新化する
- 「リボンとツールバー」以外に該当の機能がないか別カテゴリーを探してみる
- Office全体の修復インストールやサインアウト→サインインを行い、設定ファイルを再読み込みする
これらを試してもダメな場合は、Microsoftの公式サポートやコミュニティフォーラムで同様の報告がないか確認するのもおすすめです。
Normal.dotmにマクロを仕込む裏技
Wordの「Normal.dotm」テンプレートは、新しい文書に共通するデフォルト設定を保持しているファイルです。ここに独自のマクロを仕込んでおき、ショートカットと結びつける方法もあります。
以下は簡単な例です。Word VBAマクロを使って、非改行ハイフンを挿入するコードを作成し、「Shift + Command + -」など任意のキーに紐づけます。
Sub InsertNonBreakingHyphen()
Selection.TypeText ChrW(&H2011) 'U+2011: ノンブレーキングハイフン
End Sub
このマクロをNormal.dotmに保存し、キーボードショートカットから「InsertNonBreakingHyphen」を選択して好きなキーに割り当てれば、OSやWordのバージョンによる変更に影響を受けにくくなります。
ただし、マクロが有効になる設定(セキュリティレベル等)や社内ポリシーなどによっては使用が制限される場合もあるので注意してください。
よくある質問(Q&A)
ここでは、非改行ハイフンのショートカットが使えなくなった際によく寄せられる質問をまとめました。
質問 | 回答 |
---|---|
Q1: ショートカットが効かないときの最初の対処は? | A1: まずはWordのバージョンが最新かどうか、macOSのショートカット競合がないかを確認してください。 |
Q2: グレーアウトして再設定できないのはなぜ? | A2: バージョン依存の不具合や権限の問題の可能性があります。OfficeやWordを最新バージョンにして再試行してください。 |
Q3: 「Shift + Command + -」は何の機能になってる? | A3: 新しいバージョンでは下付き文字(サブスクリプト)や別の機能が割り当てられているケースがあります。 |
Q4: どうしても変更できない場合は? | A4: マクロを使う裏技や、Word以外のツールで入力してコピー・貼り付けする方法も検討してください。 |
その他の便利なショートカット例
最後に、Wordでよく使われるショートカットの一覧を簡単にまとめておきます。Mac版ではWindows版と大きく異なることがありますので、一度把握しておくと効率が上がります。
機能 | Windows版のショートカット | Mac版のショートカット |
---|---|---|
非改行ハイフン挿入 | Ctrl + Shift + – | Shift + Option + Command + – |
下付き文字 | Ctrl + = | Command + Shift + – (一部環境) |
上付き文字 | Ctrl + Shift + = | Command + Shift + = (一部環境) |
特定文字の検索 | Ctrl + F | Command + F |
置換 | Ctrl + H | Command + Shift + H |
まとめ
Mac版Wordで非改行ハイフンを挿入するショートカットが突然使えなくなった場合、原因は大きく分けて「Microsoft 365(Office)のバージョン差によるキーボード割り当ての変更」や「macOS側とのショートカット競合」が考えられます。
対処法としては、まずOfficeを最新化し、Macのシステム設定を確認した上で、代替ショートカット(Shift + Option + Command + -)を使ってみるとよいでしょう。もし操作の自由度を高めたい場合は、Wordのキーボードショートカットのカスタマイズ機能を活用して好きなキーに再割り当てが可能です。
グレーアウトなどで変更ができない場合は、ほかのカテゴリーで該当する機能を探したり、Officeの修復・再インストールを試す方法もあります。また、どうしても修正できないときには、マクロを使った裏技を検討するのも有効です。
一度覚えてしまえば作業効率を大幅に向上させるのがショートカットキーの魅力。今回のトラブルを機に、Wordのキーボードショートカットを見直して、作業効率をさらにアップさせてみてはいかがでしょうか。
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