Word 365で「Ctrl+Shift+F9」が効かないときの解決策:一括ハイパーリンク解除のポイント

Word 365を使っていて、文章内に存在する多数のハイパーリンクを一括で削除しようとしても「Ctrl+Shift+F9」がうまく機能せず、テキストごと削除されてしまったり何も起こらなかったりと困った経験はありませんか。本記事では、その原因や対処方法を分かりやすく解説します。

Word 365でハイパーリンクが解除できない理由とは?

Word 365で「Ctrl+Shift+F9」を使った一括ハイパーリンク解除がうまく動作しないのには、いくつかの原因が考えられます。代表的なケースとしては、以下のようなものが挙げられます。

  • キーボードショートカットの割り当てが他のコマンドと重複している
  • ノートパソコンのFnキー設定が原因で、正しく「F9」キー入力ができていない
  • Wordの内部設定や、Windows側の特殊設定によってショートカットが上書きされている
  • 別のアプリケーションや外部ツールがショートカットを奪っている

こうした要因を一つひとつ確認しながら、最適な解決策を探していくことが重要です。

原因1:ショートカットキーの割り当てが重複している

Wordのショートカットキーは、カスタマイズが容易である一方、他の機能や外部ツールで同じキーが割り当てられていると正常に動作しません。特に「Ctrl+Shift+F9」というショートカットは「UnlinkFields」という機能に紐づいているため、ほかの操作が優先されるとハイパーリンク解除が反映されません。

原因2:Fnキーの影響

ノートパソコンでは、ファンクションキー(Fキー)の入力にFnキーが絡むことが多いです。たとえば、「F9」キーを押したつもりでも、実は画面の明るさ調整や音量調整などに割り当てられていて、Wordに対して正しく「F9」が送れていない場合があります。特にFnLockがオン・オフになっているかどうかは確認が必須です。

原因3:別のアプリ・ツールによる割り当て

外部のクリップボード管理ソフトやキーボードユーティリティなどが「Ctrl+Shift+F9」を独自に使っていると、Wordでのショートカット操作がブロックされてしまうことがあります。セキュリティソフトのショートカット設定や、他のMicrosoftアプリでのショートカットカスタマイズも原因となり得ます。

対処法1:ショートカットの割り当てを再確認する

まずはWord 365のショートカットキー設定を洗い出してみましょう。手順は以下のとおりです。

  1. Word画面左上の「ファイル」をクリック
  2. メニューから「オプション」を選択
  3. 「リボンのユーザー設定」をクリックし、右下にある「キーボードのユーザー設定」をクリック
  4. 「分類」一覧から「すべてのコマンド」を選び、その中から「UnlinkFields」を探す
  5. 割り当てられているショートカットが「Ctrl+Shift+F9」かどうか確認

もし「Ctrl+Shift+F9」がほかのコマンドに割り当てられていたり、「UnlinkFields」に割り当てが存在しない場合は、ここで再度「Ctrl+Shift+F9」を割り当ててください。

ショートカット再割り当ての具体的な手順

1つ上の手順4~5で「UnlinkFields」を選択した状態で、割り当てたいショートカットを入力する欄に「Ctrl+Shift+F9」を押し込みます。そして「割り当て」ボタンをクリックして確定しましょう。これで、Word側のショートカット設定は完了です。

もし他の操作にも「Ctrl+Shift+F9」が設定されている場合

ほかの操作にも同じショートカットが割り当てられている場合は、混乱を避けるために一度クリアするか、別のショートカットを割り当てると良いでしょう。Word標準のショートカットを上書きすると、のちにトラブルの原因になることがあるため、注意してください。

対処法2:ノートパソコンのFnキー設定を見直す

ノートパソコンをお使いの場合は、Fnキーの設定を確認することが重要です。機種によっては、Fnキーを押しながらでないと「F9」キーの機能を呼び出せないことがあります。また、Lenovo製など一部メーカーでは「Fn + Esc」でFnキーの動作モードを切り替えられます。

Fnキーのオン・オフを切り替える方法の例

メーカーFnロック切り替えキー例特徴
LenovoFn + EscEscキーの左上に「FnLock」アイコンがある場合も
DellF2 or F10BIOS設定からFnの初期動作を変更可能な場合が多い
HPBIOS設定起動時にBIOS画面へ入り、詳細設定で変更
その他Fn + ファンクションキー機種ごとにマニュアルを要確認

Fnキーのモードを切り替えたら、一度Word 365で「Ctrl+Shift+F9」を試してみてください。うまくいく場合は、今後の作業効率を考えて、必要に応じてFnキーの設定を固定することをおすすめします。

対処法3:代替ショートカット「Ctrl+6」の活用

一部の環境やバージョンでは「Ctrl+6」でハイパーリンク解除を実行できるとの報告があります。これはMicrosoftの公式ドキュメントに明確に記載されていないため、非公式の挙動と捉えられていますが、知っておくと便利です。もし「Ctrl+Shift+F9」がどうしても動作しない場合は、試してみる価値があります。

「Ctrl+6」を試す際の注意点

  • すべてのバージョンで動作する保証はない
  • キーボードの配置や日本語入力モードの状態によっては反応しない可能性がある
  • Word以外のソフトウェアが「Ctrl+6」を使用している場合は競合する

もし「Ctrl+6」でハイパーリンク解除が可能だった場合でも、他のショートカットとの兼ね合いに注意しましょう。今後Wordをアップデートすると使用できなくなる可能性も考えられます。

応用:VBAマクロでハイパーリンクを一括削除する方法

ショートカットキーに依存しない方法として、VBAマクロを使う手段もあります。Word VBAマクロで、ドキュメント内のすべてのハイパーリンクを探し出し、一括で削除するコードを仕込むことが可能です。以下はサンプルコードの例です。

Sub RemoveAllHyperlinks()
    Dim hLink As Hyperlink
    For Each hLink In ActiveDocument.Hyperlinks
        hLink.Delete
    Next hLink
End Sub

このマクロを使うと、ドキュメント内のハイパーリンクオブジェクトを順番に走査し、見つけ次第削除してくれます。文書上のテキストはそのまま残り、ハイパーリンク部分だけがきれいに削除されるため、大量のハイパーリンクを含むドキュメントを扱う際には非常に便利です。

VBAマクロの設定手順

  1. Word上部のリボンから「開発」タブ(ない場合は「オプション」から表示を有効化)を開く
  2. 「Visual Basic」をクリックし、VBAエディタを立ち上げる
  3. プロジェクト内の「標準モジュール」または「ThisDocument」をダブルクリック
  4. 上記のサンプルコードを貼り付けて保存
  5. Wordに戻り、マクロを実行

マクロ実行後、すべてのハイパーリンクが自動的に削除されるはずです。ショートカットキーが使えない環境や、細かいコントロールが必要な場合にはマクロアプローチがおすすめです。

さらにトラブルを回避するためのポイント

Word 365のハイパーリンク問題を最小限にするためには、以下のような点に留意すると良いでしょう。

  • 文書を作成する段階で、不要なハイパーリンクは極力作らない
  • 貼り付け時に「テキストのみを保持」機能を使って、ハイパーリンクを含まない形でペーストする
  • 共有ドキュメントを扱う場合は、ほかのユーザーがどのようなショートカット設定をしているか把握しておく
  • Officeの定期アップデートやWindows Updateの後は、ショートカット設定が初期化されていないか確認する

ショートカット設定が初期化された場合のチェックリスト

確認項目対処方法
「Ctrl+Shift+F9」が有効か「Wordオプション」→「リボンのユーザー設定」から再設定
Fnキーのモードノートパソコンの場合はFnLockを再確認
外部ツールの影響クリップボード管理ソフトやセキュリティソフトの設定を見直す

こうしたポイントを押さえておくだけでも、トラブル時にすぐ原因を特定しやすくなります。

まとめ:原因を特定し、最適な方法を選択しよう

Word 365でのハイパーリンク一括解除がうまくいかないときは、まずショートカットキーの競合やFnキー設定を疑うのが近道です。それらで解決できない場合は、代替手段として「Ctrl+6」やVBAマクロの活用も視野に入れましょう。大事なのは、自分の環境に合わせた最適な方法を見つけることです。ショートカット設定やノートPCのFnキーの挙動は、機種やバージョンによって微妙に異なるため、いくつかのアプローチを試してみることをおすすめします。

最終的に、Wordの一括操作機能は時間短縮や作業効率の向上に大いに役立ちます。ぜひ本記事で紹介した方法を参考に、ハイパーリンク解除のトラブルを解消して、快適な文書作成環境を整えてください。

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