Mac Sequoia 15.1でWord 365が起動しない原因と対処法まとめ

心地よい秋の風を感じながら、久しぶりに文書作業をしようとしたら、なんとWord 365が起動しない……。そんなときは、本当に焦ってしまいますよね。特にMacをOS Sequoia 15.1にアップデートした直後のトラブルは「一体、何が原因なの?」と頭を抱えてしまいがちです。しかし、正しく対処すれば思ったよりスムーズに問題を解決できるかもしれません。ここでは、Word 365がMac Sequoia 15.1で起動しないときに考えられる原因と、その対処法をご紹介します。

Word 365が起動しない症状の概要

Word 365(Microsoft 365のWordアプリ)を使用しているMacユーザーの中には、OSをSequoia 15.1にアップデートした途端、Wordだけが立ち上がらなくなってしまうケースが報告されています。具体的な症状としては、下記のようなものがあります。

  • 「アプリケーション“Microsoft Word.app”を開けません」というエラーが表示される
  • Wordのアイコンをクリックしても起動ログすら表示されず、全く反応しない
  • 再インストールや「アップデートの確認」を試しても現象が改善しない

一方で、ExcelやPowerPoint、Outlookなど他のOfficeアプリは正常に起動するため、「Wordだけ起動しない」という点が多くのユーザーの共通点です。

なぜWordだけ起動しなくなるのか? 原因の可能性

今回のようなWord単体での不具合には、いくつかの原因が考えられます。Mac Sequoia 15.1というOS自体が新しいバージョンである場合、アプリが互換性の問題を抱えている可能性があります。また、Wordに関連するキャッシュファイルや設定ファイルが破損していて、アップデート後に問題が顕在化することもあるでしょう。さらには、Office全体のアップデートが完全に行われていないケースや、OneDriveなどのクラウドサービスとの連携エラーなども原因として考えられます。以下、具体的な対処法をご紹介します。

解決策1:Microsoft AutoUpdateツールで最新化

Mac版のOfficeには「Microsoft AutoUpdate」という公式のアップデートツールがあります。一般的にOfficeアプリのメニューバーから「アップデートの確認」を行うだけでも最新版にできることは多いのですが、まれに正常にアップデートが当たらないケースがあります。この場合、Microsoft AutoUpdateツールを別途ダウンロードして実行すると、問題が解消される可能性があります。

AutoUpdateツールのダウンロード

下記リンクから最新のMicrosoft AutoUpdateをダウンロードしてください。
Microsoft AutoUpdate ダウンロード

ダウンロード後、インストーラを起動し、指示に従ってインストールを進めます。完了後には、Wordを含むOfficeアプリ全体のバージョン情報が更新される可能性があります。

アップデート実行の手順

  1. Microsoft AutoUpdateをインストール
  2. Officeアプリをすべて終了
  3. AutoUpdateを起動し、最新の更新プログラムをチェック
  4. アップデートを実行
  5. 完了後、Macを再起動

再起動後、Wordを起動してみてください。もしこの手順だけで直らない場合は、以下の他の対策もあわせて試してみましょう。

解決策2:ファイル保存場所の変更(回避策)

OSをアップデートしたばかりの時期に、デスクトップやドキュメントフォルダでアプリケーションがフリーズする、またはアクセスがブロックされるといった報告が一部であります。これはmacOSのアクセス権やセキュリティ機能、あるいは新バージョン特有のバグに起因する可能性があります。

ファイル保存場所の変更方法

  1. Macデスクトップやドキュメントフォルダに保存していたWordファイルを、別のフォルダ(例:ホームフォルダ直下、新規作成フォルダ、外付けドライブなど)に移動
  2. 移動したファイルをダブルクリック、またはWord上から[ファイル] → [開く]で開いてみる
  3. 正常に開く場合、原因はデスクトップやドキュメントのアクセス権限や同期にある可能性が高い

この回避策でWord自体が起動できるようになるケースがあります。もしWordがそもそも起動しない状態であれば、クラッシュレポートなどをチェックして問題箇所を特定してみるのも良いでしょう。

解決策3:OneDriveとの連携状況を確認

OneDriveでWordファイルを頻繁に扱っている場合は、クラウドとの同期トラブルがWordの起動に影響することがあります。特に、大きなファイルや複数のアカウントを同時に使用している場合などに問題が発生しやすいと報告されています。

OneDriveの問題点の洗い出し

  • OneDriveのバージョン:最新に更新されていますか?
  • 同期フォルダ:大量のデータを同期中ではありませんか?
  • アカウント:複数アカウントの同時ログインによってトークンが衝突していませんか?

OneDriveを一時的に停止して、Wordが起動するかどうかを試すのも有効です。停止方法は、メニューバーのOneDriveアイコンをクリックし、「設定」→「一時停止」と進むことで行えます。数分間停止した状態でWordを起動し、問題が再現するか確認してみましょう。

解決策4:ライブラリフォルダのMicrosoft関連ファイルを削除

普通のアンインストールや「Officeの再インストール」では、ライブラリフォルダに残っているMicrosoft関連のキャッシュファイルや設定ファイルがそのまま残ってしまうことがあります。これらが原因でWordの起動トラブルが解消されないケースも多いです。

手動でライブラリフォルダをクリーンアップする手順

  1. Finderを開き、上部メニューバーの「移動」をクリック
  2. Optionキー(⌥)を押しながら「ライブラリ(Library)」を選択
  3. ~/Library フォルダ内を検索して、MicrosoftやOfficeなどのフォルダ・ファイルを探す
  4. 見つかったフォルダをバックアップしてから削除(誤って必要なファイルを消さないよう注意)
  5. 同様に /Library フォルダにもMicrosoft関連フォルダが残っていないか確認
  6. Macを再起動し、Officeを再インストール

※ 下記のようにターミナルを利用する方法もありますが、誤操作に気を付けましょう。

# Microsoft 関連フォルダのチェック例(~/Library配下)
cd ~/Library
ls -l | grep -i microsoft

# 削除(例:Officeフォルダを削除する場合)
rm -rf ~/Library/Containers/com.microsoft.office
rm -rf ~/Library/Application\ Support/Microsoft

上記はあくまで例ですので、削除する前に必ず不要なファイルかどうかをご自身で確認してください。重要なデータや設定ファイルを消すと復旧が難しくなる場合があります。

解決策5:バージョンの互換性をチェック

Office 365(Microsoft 365)のWordといっても、実は古いバージョンからアップデートを重ねて使っている場合や、月次チャネル・半年チャネルなど更新ポリシーの違いによってバージョンがまちまちである場合があります。Sequoia 15.1自体が公開されて間もないOSの場合は、対応するOfficeバージョンが出ていない可能性も考えられます。

Officeのバージョン確認手順

  1. Finderの「アプリケーション」フォルダを開く
  2. 「Microsoft Word」アプリを選択し、右クリック
  3. 「情報を見る」をクリック
  4. 表示されるウィンドウで「バージョン」を確認

もしバージョンが14以前であれば、macOS Catalina (10.15) 以降では公式にサポートされていないため、動作が不安定またはインストールすら行えないことがあります。Wordの動作保証が切れている古いバージョンの場合は、思い切って最新バージョンにアップグレードしたり、LibreOfficeやAppleのPagesなどの代替ソフトを検討するのも選択肢となります。

解決策6:どうしても解決しない場合の最終手段

どうしても改善しない場合や、ビジネスの現場ですぐにWord文書の対応が必要な場合は、以下のような対応を検討しましょう。

  1. Microsoftサポートに連絡
    詳細な検証が必要な場合は、Microsoft公式のサポートに連絡してログを提出し、トラブルシューティングを依頼することができます。
  2. Appleサポートまたはフォーラムの活用
    macOSアップデート直後の不具合はApple公式フォーラムや各種コミュニティでも共有されている可能性が高いです。似た症例があれば対処法が見つかることがあります。
  3. 代替ソフトの利用
    当面はAppleのPagesやLibreOffice Writerなどの無料ソフトを使用してドキュメントを編集し、Word形式での保存やエクスポートができるかを試してみるのも手です。
  4. 修正パッチのリリースを待つ
    macOSの新バージョン公開後、ある程度の期間を置いてMicrosoft側が対応アップデートを公開することも多いです。急ぎでなければ、しばらく待ってから再度アップデートを試す方法も考えられます。

よくある質問

Q. 同じMicrosoft 365のExcelやPowerPointは正常に動くのに、なぜWordだけダメなの?

A. Word特有のテンプレートファイルやアドインが原因となっている可能性があります。また、Wordだけが使用しているフォントや設定ファイルが破損しているケースもあります。個別の設定データが深く絡むため、Word単体での不具合が起こりやすいのです。

Q. アンインストールしたのにまだ起動できません。何が問題ですか?

A. アンインストール時にライブラリフォルダ内のMicrosoft関連ファイルが残っている可能性があります。これらを手動で削除しないと、再インストールしても古いデータや設定が読み込まれてしまい、問題が続くケースがあります。

Q. 代替ソフトを使う場合、Wordの文書互換性は大丈夫ですか?

A. 代替ソフト(PagesやLibreOfficeなど)でもWord形式(.docx)を取り扱えますが、複雑な書式やマクロが含まれるとデザイン崩れが生じる場合があります。ビジネス文書のように書式が厳密なものは、Microsoft Wordに復帰できるよう対策を続けるほうが望ましいでしょう。

トラブルシューティング手順まとめ(表形式)

下記の表は、問題解決までに試すステップの一例です。優先度の高い順にまとめていますので、上から順に試すことをおすすめします。

手順内容メモ
1Microsoft AutoUpdateツールでアップデート通常のアップデート確認だけでは不十分な場合がある
2バージョン互換性のチェック古いバージョン(14以前)はmacOS 10.15以降非対応
3一時的にファイル保存場所を変更デスクトップやドキュメントのアクセス権問題回避
4OneDriveの同期を停止またはログアウトしてみる大量データや複数アカウントで不具合が起きやすい
5ライブラリフォルダ内のMicrosoft関連ファイルを削除 → 再インストール徹底的にクリアする必要がある
6サポートへの連絡、修正パッチのリリースを待つ業務利用なら早めの問い合わせを推奨
7代替ソフトを検討PagesやLibreOfficeなど

まとめ

Word 365がMac Sequoia 15.1で起動しないときは、まずはMicrosoft AutoUpdateツールを利用してOfficeを最新化してみることをおすすめします。標準のアップデート手順だけでは解決しない場合でも、AutoUpdateツールを使うと改善するケースが少なくありません。また、デスクトップやドキュメントフォルダの利用制限、OneDriveの同期の影響など、macOSのアップデートに伴う要因も見逃せません。ライブラリフォルダに残るキャッシュや設定ファイルを削除することで、根本的に問題が解消される可能性もあります。どうしても解決しない場合は、MicrosoftサポートやAppleのフォーラムを活用してみてください。最終的に動作保証が切れているバージョンを利用している場合は、新しいOfficeバージョンへのアップグレードや代替ソフトの導入も検討すると良いでしょう。

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