SQLでデータ集計を行う際によく使用されるのが、`GROUP BY`句です。しかし、`GROUP BY`句は機能的な制限があるため、全ての集計処理に適しているわけではありません。この記事では、`GROUP BY`の制限とその代替手段について解説します。
目次
GROUP BYの基本的な使い方
`GROUP BY`句は、指定したカラムで行をグループ化し、各グループに対して集計関数（SUM、COUNTなど）を適用するためのSQLの構文です。
| 従業員テーブル | 名前 | 部署 | 給与 |
|---|---|---|---|
| 1 | 田中 | 営業 | 300000 |
| 2 | 佐藤 | 開発 | 400000 |
| 3 | 鈴木 | 開発 | 420000 |
SELECT 部署, COUNT(*), AVG(給与)
FROM 従業員テーブル
GROUP BY 部署;
GROUP BYの制限事項
複数の集計関数の併用
`GROUP BY`句は、一つのクエリ内で複数の集計関数を併用する場合に制限があります。
| 制限事項 | 説明 |
|---|---|
| 複数の集計関数 | 一つのクエリで複数の集計関数（SUM, AVGなど）を同時に使うことが限られる |
JOIN操作との併用
`GROUP BY`と`JOIN`を組み合わせる場合、特に`LEFT JOIN`や`RIGHT JOIN`などで注意が必要です。
| 制限事項 | 説明 |
|---|---|
| JOIN操作 | LEFT JOINやRIGHT JOINと組み合わせる場合、結果が意図しないものになる可能性がある |
代替手段
Window関数を使う
Window関数は、`GROUP BY`に代わって使用できる強力なツールです。これにより、各グループでのランキングや累積合計なども計算できます。
SELECT 部署, SUM(給与) OVER (PARTITION BY 部署)
FROM 従業員テーブル;
サブクエリを用いる
集計処理を別途行い、その結果を元のテーブルと結合する方法です。
SELECT a.部署, b.平均給与
FROM 従業員テーブル a
JOIN (
SELECT 部署, AVG(給与) as 平均給与
FROM 従業員テーブル
GROUP BY 部署
) b ON a.部署 = b.部署;
まとめ
`GROUP BY`句は非常に便利ですが、制限事項もあります。代替手段として、Window関数やサブクエリを使う方法があります。目的に応じて最適な方法を選びましょう。
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