MySQLのパフォーマンススキーマは、データベースの内部動作を詳細に観察するための非常に有用なツールです。しかし、このパワフルなツールを最大限に活用する方法が一般的にはあまり知られていません。本記事では、パフォーマンススキーマを使ってMySQLのモニタリングを行う具体的な手法について解説します。
目次
パフォーマンススキーマとは?
パフォーマンススキーマは、MySQLの内部統計を取得するためのスキーマです。SQLクエリのパフォーマンス情報や、内部の動作についての詳細なデータを提供してくれます。
主な特長
- リアルタイムでの監視が可能
- 設定が柔軟で、何を監視するかを細かく指定できる
- 影響を最小限に抑えたデータ収集
パフォーマンススキーマの設定方法
パフォーマンススキーマを使用する前に、設定を行う必要があります。
パフォーマンススキーマを有効にする
最初にパフォーマンススキーマが有効かどうかを確認し、無効な場合は有効にする必要があります。
SHOW VARIABLES LIKE 'performance_schema';
SET GLOBAL performance_schema = ON;
監視対象を設定する
監視するイベントやオブジェクトを設定します。
UPDATE performance_schema.setup_objects SET ENABLED = 'YES' WHERE OBJECT_TYPE = 'TABLE';
重要なテーブルとその用途
パフォーマンススキーマには多くのテーブルがありますが、ここでは主要なものをいくつか紹介します。
テーブル名 | 用途 |
---|---|
events_statements_summary_by_digest | SQLクエリの統計 |
events_waits_summary_by_instance | 待機イベントの情報 |
クエリパフォーマンスのモニタリング
基本的なクエリ
以下のクエリで、実行されたSQLの情報を取得できます。
SELECT * FROM performance_schema.events_statements_summary_by_digest;
高負荷なクエリの特定
以下のようにクエリを発行することで、高負荷なSQLを特定できます。
SELECT * FROM performance_schema.events_statements_summary_by_digest ORDER BY SUM_TIMER_WAIT DESC LIMIT 5;
まとめ
パフォーマンススキーマはMySQLの深層を理解し、パフォーマンスを最適化するための強力なツールです。設定方法や重要なテーブル、基本的なモニタリング方法について解説しましたが、これはほんの一例です。具体的な課題に応じて、多くのカスタマイズが可能ですので、ぜひ積極的に活用してください。
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