この記事では、PostgreSQLデータベースで列レベル暗号化を設定し、実践する方法について詳しく解説します。セキュリティが重要視される現代において、特定の列に格納されるデータを安全に保管するために列レベル暗号化は非常に有用です。この記事は、実際にPostgreSQLで列レベル暗号化を設定し、使用する方法を段階的に説明します。
目次
なぜ列レベル暗号化が必要なのか
データベース全体を暗号化する代わりに、列レベルで特定のデータを暗号化することで、パフォーマンスとセキュリティをバランス良く維持できます。特に個人情報や機密情報が含まれる列を対象にすることで、セキュリティを強化します。
列レベル暗号化の種類
PostgreSQLでは主に以下の2種類の列レベル暗号化があります。
- 透過的暗号化(TDE)
- アプリケーションレベル暗号化
準備作業
列レベル暗号化を行う前に、以下の準備が必要です。
必要なパッケージのインストール
PostgreSQLと関連パッケージをインストールします。
sudo apt update
sudo apt install postgresql postgresql-contrib
データベースとテーブルの作成
試しに暗号化を行うテーブルを作成します。
CREATE TABLE employees (
id SERIAL PRIMARY KEY,
name VARCHAR(100),
encrypted_ssn VARCHAR(100)
);
透過的暗号化(TDE)の設定
透過的暗号化は、データベースエンジンが自動でデータの暗号化と復号を行います。
pgcrypto拡張の追加
pgcrypto拡張をデータベースに追加します。
CREATE EXTENSION IF NOT EXISTS pgcrypto;
暗号化関数の使用
pgcryptoの暗号化関数を使用して、データを暗号化します。
INSERT INTO employees (name, encrypted_ssn) VALUES
('田中', pgp_sym_encrypt('123-45-6789', '秘密キー'));
アプリケーションレベル暗号化の設定
この方法では、アプリケーション側でデータの暗号化と復号を行います。
暗号化アルゴリズムの選定
使用する暗号化アルゴリズムを選定し、そのアルゴリズムに基づいてプログラムを作成します。
暗号化処理
アプリケーションレベルで以下のようなコードを用いて暗号化します。
// Pythonの例
from cryptography.fernet import Fernet
cipher_suite = Fernet('秘密キー')
cipher_text = cipher_suite.encrypt(b"123-45-6789")
まとめ
列レベル暗号化は、セキュリティを高めるために非常に重要な手段です。透過的暗号化とアプリケーションレベル暗号化の2種類があり、それぞれに利点と欠点があります。どちらの方法も、適切に設定と管理を行うことが重要です。
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