この記事では、データベース技術の一つであるSQLと、NoSQLの一種であるMongoDBのデータモデルについて解説します。具体的には、SQLのテーブル構造とMongoDBのドキュメントおよびコレクションの概念を比較しながら、それぞれの特長と用途について深く掘り下げます。
はじめに
SQLとMongoDBは、データベース技術の異なる2つの世界を代表するものです。SQLはリレーショナルデータベースの代表であり、MongoDBはNoSQLデータベースの一つです。これらは、データをどのように管理するかという「データモデル」において基本的な違いがあります。
SQLのデータモデル
テーブルと行、列
SQLデータモデルでは、データは「テーブル」に格納されます。テーブルは行(レコード)と列(フィールド)から成り立っています。
ユーザーID | 名前 | 年齢 |
---|---|---|
1 | 田中 | 30 |
2 | 佐藤 | 25 |
リレーションと正規化
テーブル間には「リレーション」があり、正規化によってデータの重複を避けます。
MongoDBのデータモデル
ドキュメントとフィールド
MongoDBでは、データは「ドキュメント」に格納されます。JSON形式で表現され、フィールドと値のペアによって構成されます。
{
"_id": 1,
"名前": "田中",
"年齢": 30
}
コレクション
ドキュメントは「コレクション」内に格納されます。コレクションは、SQLのテーブルに相当するものですが、スキーマが固定されていないのが特長です。
SQLとMongoDBの比較
スキーマの柔軟性
MongoDBはスキーマが固定されていないため、データの追加や変更が容易です。一方で、SQLはスキーマが固定されているため、事前に設計が必要です。
トランザクションの取扱い
SQLはACID特性が強く、厳密なトランザクションが可能です。MongoDBも最近ではACID対応を強化していますが、基本的には「結果整合性」に重点を置いています。
パフォーマンス
SQLはJOIN操作で複数テーブルのデータを結合できますが、その分処理が重くなる場合があります。MongoDBはそのような操作が基本的に不要であり、高速な読み書きが可能です。
まとめ
SQLとMongoDBはそれぞれに特長と用途があります。SQLは正規化と厳密なトランザクションが強みであり、MongoDBはスキーマの柔軟性と高速な読み書きが強みです。用途や要件に応じて、適切なデータモデルを選ぶことが重要です。
コメント