Excel VBAを使って特定の時間帯に自動バックアップを実施する方法について詳しく解説します。Excelのワークブックに対する操作は、VBAのスクリプトを利用することで効率的に自動化できます。この記事では、特定の時間帯にVBAを使用してExcelのワークブックを自動でバックアップする方法を中心に、その具体的なコードとその解説、さらに応用例を3つ紹介します。
Excel VBAの基本
Excel VBA(Visual Basic for Applications)は、Microsoft Excelに組み込まれたプログラミング言語です。これを用いると、単純作業の自動化だけでなく、高度なデータ分析やレポート作成も可能になります。
そもそも、どこにVBAコードを書いて、どう実行すれば良いのか分からない場合は、以下の記事をご参照ください。
基本的な自動バックアップのコード
まず、特定の時間帯にExcelのワークブックを自動でバックアップする基本的なVBAのコードを紹介します。
Sub AutoBackup()
Dim currentTime As Date
Dim backupFolder As String
Dim fileName As String
' 現在の時間を取得
currentTime = Time
backupFolder = "C:\Backup\"
' 15:00 〜 16:00 の間にバックアップを実施する
If currentTime >= TimeValue("15:00:00") And currentTime <= TimeValue("16:00:00") Then
fileName = backupFolder & ThisWorkbook.Name & Format(currentTime, "YYYYMMDD_HHMMSS") & ".xlsm"
ThisWorkbook.SaveCopyAs fileName
End If
End Sub
コードの解説
このコードでは、現在の時間が15:00〜16:00の間かどうかを判断し、その間であればバックアップを実施します。具体的には以下の手順で動作します。
1. `Dim` を使用して必要な変数を宣言します。
2. 現在の時間を `Time` 関数で取得します。
3. バックアップを保存するフォルダのパスを指定します。
4. `TimeValue` 関数を使用して、指定した時間帯であるかを判断します。
5. 指定した時間帯であれば、`SaveCopyAs` メソッドを使用してバックアップを保存します。
応用例
応用1:複数の時間帯でのバックアップ
特定の時間帯を増やして、複数の時間帯にバックアップを実施したい場合のコード例です。
If (currentTime >= TimeValue("10:00:00") And currentTime <= TimeValue("11:00:00")) Or _
(currentTime >= TimeValue("15:00:00") And currentTime <= TimeValue("16:00:00")) Then
fileName = backupFolder & ThisWorkbook.Name & Format(currentTime, "YYYYMMDD_HHMMSS") & ".xlsm"
ThisWorkbook.SaveCopyAs fileName
End If
応用2:特定の曜日にバックアップ
特定の曜日だけバックアップを実施したい場合のコード例です。
Dim dayOfWeek As Integer
dayOfWeek = Weekday(Now)
If dayOfWeek = 2 And currentTime >= TimeValue("15:00:00") And currentTime <= TimeValue("16:00:00") Then ' 2 = 月曜日
fileName = backupFolder & ThisWorkbook.Name & Format(currentTime, "YYYYMMDD_HHMMSS") & ".xlsm"
ThisWorkbook.SaveCopyAs fileName
End If
応用3:保存先フォルダを月ごとに変更
バックアップを保存するフォルダを月ごとに変更したい場合のコード例です。
backupFolder = "C:\Backup\" & Format(currentTime, "YYYYMM") & "\"
If currentTime >= TimeValue("15:00:00") And currentTime <= TimeValue("16:00:00") Then
If Dir(backupFolder, vbDirectory) = "" Then
MkDir backupFolder
End If
fileName = backupFolder & ThisWorkbook.Name & Format(currentTime, "YYYYMMDD_HHMMSS") & ".xlsm"
ThisWorkbook.SaveCopyAs fileName
End If
まとめ
Excel VBAを活用することで、特定の時間帯や条件下でのExcelファイルの自動バックアップを効率的に実装することが可能です。日常業務でのデータ喪失を防ぐため、このような自動化手法を取り入れることをおすすめします。
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