この記事では、Excel VBAを用いて、顧客別の購入履歴レポートの作成方法を詳しく説明します。初心者でも理解しやすいように具体的なコード例とその解説、応用例を含めています。
Excel VBAの基本
Excel VBA(Visual Basic for Applications)は、Microsoft Excelに組み込まれたプログラミング言語です。これを用いると、単純作業の自動化だけでなく、高度なデータ分析やレポート作成も可能になります。
そもそも、どこにVBAコードを書いて、どう実行すれば良いのか分からない場合は、以下の記事をご参照ください。

Excel VBAを使った購入履歴レポートの作成
Excel VBAを用いると、顧客別の購入履歴レポートを効率的に作成することが可能です。以下のコードは、Excelのテーブルに保存されているデータを元に、顧客別の購入履歴をまとめるものです。
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Sub 顧客別購入履歴レポート() Dim LastRow As Long Dim i As Long, j As Long Dim ws As Worksheet Set ws = ThisWorkbook.Worksheets("購入履歴") LastRow = ws.Cells(ws.Rows.Count, "A").End(xlUp).Row For i = 2 To LastRow For j = i + 1 To LastRow If ws.Cells(i, 1).Value = ws.Cells(j, 1).Value Then ws.Cells(i, 3).Value = ws.Cells(i, 3).Value + ws.Cells(j, 3).Value ws.Rows(j).Delete End If Next j Next i End Sub |
コードの解説
このコードでは、購入履歴が保存されているワークシート(”購入履歴”)のデータを使用して、顧客別に購入金額を集計しています。
– LastRow
は、データが入力されている最後の行を特定するための変数です。
– i
とj
は、ループ処理で使用する変数です。
– ws
は、”購入履歴”ワークシートを指すための変数です。
補足事項
このコードは、顧客IDや名前がA列、購入金額がC列に保存されている前提で作成されています。データの配置や構造が異なる場合は、適切にコードを調整する必要があります。
応用例
1. 購入日を指定してのレポート作成
特定の期間の購入履歴だけを対象にレポートを作成する場合に使用します。
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Sub 購入日別購入履歴レポート() ' ... (前述のコードと同じ部分) ' 購入日が2023年1月1日以降のデータだけを対象にする If ws.Cells(i, 2).Value >= DateValue("2023/01/01") Then ' ... (処理) End If ' ... End Sub |
2. 特定の商品カテゴリー別のレポート作成
商品カテゴリーを指定してレポートを作成する方法です。
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Sub 商品カテゴリ別購入履歴レポート() ' ... (前述のコードと同じ部分) ' 商品カテゴリが"家電"のデータだけを対象にする If ws.Cells(i, 4).Value = "家電" Then ' ... (処理) End If ' ... End Sub |
3. 最大購入額の顧客を特定する
購入額が最も多い顧客を特定する方法です。
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Sub 最大購入額の顧客() Dim MaxValue As Double Dim MaxValueRow As Long ' ... (前述のコードと同じ部分) For i = 2 To LastRow If ws.Cells(i, 3).Value > MaxValue Then MaxValue = ws.Cells(i, 3).Value MaxValueRow = i End If Next i MsgBox "最大購入額の顧客は" & ws.Cells(MaxValueRow, 1).Value & "です。" End Sub |
まとめ
Excel VBAを利用することで、顧客別の購入履歴レポートを効率的に作成することができます。今回紹介したコードや応用例を参考に、実際の業務でのレポート作成をよりスムーズに行ってください。
VBAも良いけどパワークエリも良い
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