Excel VBAで指定期間に更新されなかったファイルを移動する方法

Excel VBAは、オフィス作業を効率化するための強力なツールとして知られています。特にファイル管理に関する業務を自動化する際に、VBAは非常に有用です。この記事では、指定した期間に更新されなかったファイルを別のフォルダに移動するVBAのスクリプトとその応用例を紹介します。

目次

Excel VBAの基本

Excel VBA(Visual Basic for Applications)は、Microsoft Excelに組み込まれたプログラミング言語です。これを用いると、単純作業の自動化だけでなく、高度なデータ分析やレポート作成も可能になります。

そもそも、どこにVBAコードを書いて、どう実行すれば良いのか分からない場合は、以下の記事をご参照ください。

基本的なコード

指定した期間に更新されなかったファイルを別のフォルダに移動するための基本的なVBAコードを以下に示します。


Sub MoveOldFiles()
    Dim SourceFolder As String, TargetFolder As String
    Dim LastModified As Date
    Dim FileItem As Object, objFSO As Object, objFolder As Object
    Dim DaysOld As Integer

    SourceFolder = "C:\YourSourceFolderPath" '変更元のフォルダパス
    TargetFolder = "C:\YourTargetFolderPath" '移動先のフォルダパス
    DaysOld = 30 '最後に更新されてからの日数

    Set objFSO = CreateObject("Scripting.FileSystemObject")
    Set objFolder = objFSO.GetFolder(SourceFolder)

    For Each FileItem In objFolder.Files
        LastModified = FileItem.DateLastModified
        If DateDiff("d", LastModified, Date) > DaysOld Then
            objFSO.MoveFile FileItem.Path, TargetFolder & "\" & FileItem.Name
        End If
    Next FileItem

    Set FileItem = Nothing
    Set objFolder = Nothing
    Set objFSO = Nothing
End Sub

コードの詳細解説

1. `SourceFolder` と `TargetFolder` で、それぞれ処理する元のフォルダと移動先のフォルダを指定します。
2. `DaysOld` は、最後に更新されてからの日数を指定します。
3. `Scripting.FileSystemObject` を使って、ファイルの移動や最終更新日の取得などの操作を行います。
4. `For Each` ループを使って、指定したフォルダ内のすべてのファイルを検査します。
5. `DateDiff` 関数を使用して、ファイルの最後の更新日と現在の日付との間の日数を計算します。指定した日数よりも古い場合、ファイルを指定したフォルダに移動します。

応用例

1. 指定の拡張子のみを対象とする

特定の拡張子(例:.txt)のファイルのみを移動する場合のコード例とその解説です。


If FileItem.Extension = ".txt" Then
    If DateDiff("d", LastModified, Date) > DaysOld Then
        objFSO.MoveFile FileItem.Path, TargetFolder & "\" & FileItem.Name
    End If
End If

このコードは、ファイルの拡張子が “.txt” である場合のみ、移動の処理を行います。

2. ログファイルの生成

移動したファイルの情報をログとして保存するコード例とその解説です。


Dim LogFile As String
LogFile = "C:\YourLogFolderPath\log.txt"

'... (他のコード)

If DateDiff("d", LastModified, Date) > DaysOld Then
    objFSO.MoveFile FileItem.Path, TargetFolder & "\" & FileItem.Name
    AppendLog LogFile, "Moved: " & FileItem.Name & " on " & Date
End If

'...

Sub AppendLog(LogPath As String, LogText As String)
    Dim f As Integer
    f = FreeFile
    Open LogPath For Append As f
    Print #f, LogText
    Close f
End Sub

このコードは、ファイルを移動するたびに、その情報をログファイルに追記します。

3. メール通知の送信

移動したファイルの情報をメールで通知するコード例とその解説です。この例では、Outlookを使用してメールを送信します。


'... (他のコード)

If DateDiff("d", LastModified, Date) > DaysOld Then
    objFSO.MoveFile FileItem.Path, TargetFolder & "\" & FileItem.Name
    SendEmailNotification "your-email@example.com", "File Moved", "Moved: " & FileItem.Name & " on " & Date
End If

'...

Sub SendEmailNotification(ToEmail As String, Subject As String, Body As String)
    Dim OutlookApp As Object
    Dim OutlookMail As Object

    Set OutlookApp = CreateObject("Outlook.Application")
    Set OutlookMail = OutlookApp.CreateItem(0)
    
    With OutlookMail
        .To = ToEmail
        .Subject = Subject
        .Body = Body
        .Send
    End With
    
    Set OutlookMail = Nothing
    Set OutlookApp = Nothing
End Sub

このコードは、ファイルを移動するたびに指定したメールアドレスに通知を送ります。

まとめ

Excel VBAを使うことで、煩雑なファイル管理作業も簡単に自動化することができます。特定の条件を満たすファイルを自動で移動したり、ログを取得したり、メールで通知したりする方法を学びました。この

知識を活かして、日常の業務をより効率的に進めてみてください。

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