ExcelのVBAを使用して、オンライン請求やインボイスフォームへの情報入力を自動化する方法について解説します。この記事では、基本的な情報入力処理のコード、その詳細解説、さらに応用例を3つ取り上げています。
Excel VBAの基本
Excel VBA(Visual Basic for Applications)は、Microsoft Excelに組み込まれたプログラミング言語です。これを用いると、単純作業の自動化だけでなく、高度なデータ分析やレポート作成も可能になります。
そもそも、どこにVBAコードを書いて、どう実行すれば良いのか分からない場合は、以下の記事をご参照ください。

基本的な情報入力処理のコード
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Sub InputInvoiceData() Dim LastRow As Long Dim ws As Worksheet Set ws = ThisWorkbook.Sheets("InvoiceData") '最後の行を取得 LastRow = ws.Cells(ws.Rows.Count, "A").End(xlUp).Row 'InternetExplorerを操作 Dim ie As Object Set ie = CreateObject("InternetExplorer.Application") 'フォームのURLを開く ie.navigate "http://www.example.com/invoice-form" ie.Visible = True Do While ie.Busy Or ie.readyState <> 4 DoEvents Loop 'データを入力 ie.document.getElementById("invoiceNumber").Value = ws.Cells(LastRow, 1).Value ie.document.getElementById("clientName").Value = ws.Cells(LastRow, 2).Value ie.document.getElementById("amount").Value = ws.Cells(LastRow, 3).Value '送信ボタンをクリック ie.document.getElementById("submitBtn").Click End Sub |
コードの詳細解説
まず、VBAでExcel内のデータを取得し、その後Internet Explorerを操作してウェブフォームにデータを入力します。
– Dim LastRow As Long
: 最後の行の番号を格納する変数を宣言します。
– Dim ws As Worksheet
: 使用するワークシートを格納する変数を宣言します。
– ie.navigate
: Internet Explorerで指定のURLを開きます。
– Do While ie.Busy...
: ページの読み込みが完了するまで待機します。
– ie.document.getElementById
: ウェブページ上の指定のIDを持つ要素を取得します。
応用例1: 複数行のデータを一度に入力
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Sub InputMultipleInvoiceData() Dim LastRow As Long, i As Long Dim ws As Worksheet Set ws = ThisWorkbook.Sheets("InvoiceData") LastRow = ws.Cells(ws.Rows.Count, "A").End(xlUp).Row Dim ie As Object Set ie = CreateObject("InternetExplorer.Application") ie.Visible = True For i = 2 To LastRow ie.navigate "http://www.example.com/invoice-form" Do While ie.Busy Or ie.readyState <> 4 DoEvents Loop ie.document.getElementById("invoiceNumber").Value = ws.Cells(i, 1).Value ie.document.getElementById("clientName").Value = ws.Cells(i, 2).Value ie.document.getElementById("amount").Value = ws.Cells(i, 3).Value ie.document.getElementById("submitBtn").Click 'ページ送信後の待機時間(秒) Application.Wait Now + TimeValue("00:00:05") Next i End Sub |
解説
この応用例では、Excelシートの複数行のデータを順番にウェブフォームに入力していきます。For i = 2 To LastRow
によって、指定の行数分繰り返し処理を行っています。
応用例2: エラーハンドリングの追加
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Sub InputInvoiceDataWithErrorHandling() On Error GoTo ErrorHandler '(前述のコードと同様の内容) ErrorHandler: MsgBox "エラーが発生しました。", vbCritical, "エラー" End Sub |
解説
この応用例では、エラーハンドリングを追加しています。もし何らかのエラーが発生した場合、エラーメッセージが表示されます。
応用例3: データの確認と修正
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Sub InputAndConfirmInvoiceData() '(前述のコードと同様の内容) '入力データの確認メッセージを表示 If MsgBox("データを送信してもよろしいですか?", vbYesNo + vbQuestion, "確認") = vbNo Then Exit Sub End If '送信ボタンをクリック ie.document.getElementById("submitBtn").Click End Sub |
解説
この応用例では、データをウェブフォームに入力した後、そのデータを送信する前に確認メッセージを表示しています。ユーザーが「いいえ」を選択した場合、データの送信はキャンセルされます。
まとめ
Excel VBAを使用して、オンラインの請求やインボイスフォームへの情報入力を自動化する方法を学びました。基本の情報入力から、複数行のデータの入力、エラーハンドリング、データの確認と修正まで、幅広い応用例を取り上げました。これを活用することで、日常の業務効率を大きく向上させることができます。
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