この記事では、Excel VBAを用いて特定のセルの値に基づいて行をフィルタリングする方法について詳細に解説します。具体的なコード例、その詳細解説、さらには応用例まで、一通りの情報を提供します。この手法は業務効率化に非常に役立つものです。
Excel VBAの基本
Excel VBA(Visual Basic for Applications)は、Microsoft Excelに組み込まれたプログラミング言語です。これを用いると、単純作業の自動化だけでなく、高度なデータ分析やレポート作成も可能になります。
そもそも、どこにVBAコードを書いて、どう実行すれば良いのか分からない場合は、以下の記事をご参照ください。
VBAを用いた行のフィルタリングの基本
特定のセルの値を基に、Excelの行をフィルタリングすることは、データ解析や報告業務において時間を大幅に節約する手法です。
基本的なコードの構造
まずは基本的なコードの構造を以下に示します。
Sub RowFilterBasedOnCellValue()
Dim targetValue As String
Dim lastRow As Long
' フィルタリング対象とするセルの値を設定
targetValue = Worksheets("Sheet1").Range("A1").Value
' 最終行を取得
lastRow = Worksheets("Sheet1").Cells(Rows.Count, 1).End(xlUp).Row
' フィルタリング実行
Worksheets("Sheet1").Range("A2:Z" & lastRow).AutoFilter Field:=1, Criteria1:=targetValue
End Sub
コードの解説
このスクリプトでは、以下のステップで行のフィルタリングを行います。
1. `targetValue` にフィルタリングする値(この場合、”Sheet1″のA1セルの値)をセット。
2. `lastRow` で対象範囲の最後の行を取得。
3. `AutoFilter` メソッドでフィルタリング実行。
応用例
応用例1: 複数のシートで同じ処理を行う
特定のセルの値で複数のシートをフィルタリングする場合のコード例と解説を以下に示します。
Sub FilterMultipleSheets()
Dim ws As Worksheet
Dim targetValue As String
' フィルタリング対象の値を設定
targetValue = Worksheets("Sheet1").Range("A1").Value
For Each ws In ThisWorkbook.Worksheets
If ws.Name <> "Summary" Then
ws.Rows(1).AutoFilter Field:=1, Criteria1:=targetValue
End If
Next ws
End Sub
応用例2: 条件を2つ以上でフィルタ
Sub MultipleConditionsFilter()
Dim targetValue1 As String, targetValue2 As String
targetValue1 = "条件1"
targetValue2 = "条件2"
Sheets("Sheet1").Rows(1).AutoFilter _
Field:=1, _
Criteria1:=Array(targetValue1, targetValue2), _
Operator:=xlFilterValues
End Sub
応用例3: フィルタリング後のデータを新規シートにコピー
Sub CopyFilteredData()
Dim wsOrigin As Worksheet, wsNew As Worksheet
Set wsOrigin = ThisWorkbook.Sheets("Sheet1")
Set wsNew = ThisWorkbook.Sheets.Add(After:=ThisWorkbook.Sheets(ThisWorkbook.Sheets.Count))
wsOrigin.UsedRange.SpecialCells(xlCellTypeVisible).Copy Destination:=wsNew.Cells(1, 1)
End Sub
まとめ
Excel VBAを使って特定のセルの値に基づいて行をフィルタリングする方法について、基本から応用まで解説しました。業務効率化に直結するこのスキルをぜひマスターしてください。
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