Excel VBAを用いてSASプログラムを実行する方法

この記事では、Excel VBAを使用してSASプログラムを実行する方法について詳細に解説します。ExcelとSASの連携を深めるための基本的な手法から、実際のコード例、応用例までを網羅しています。

目次

Excel VBAの基本

Excel VBA(Visual Basic for Applications)は、Microsoft Excelに組み込まれたプログラミング言語です。これを用いると、単純作業の自動化だけでなく、高度なデータ分析やレポート作成も可能になります。

そもそも、どこにVBAコードを書いて、どう実行すれば良いのか分からない場合は、以下の記事をご参照ください。

Excel VBAとSASの連携の概要

SASは、データ分析や統計解析に利用されるソフトウェアの一つです。一方、Excelはビジネスの現場で広く使用される表計算ソフトです。VBA (Visual Basic for Applications) を使用することで、ExcelからSASプログラムを直接実行し、その結果をExcel内に取り込むことが可能になります。

基本的なSASプログラムの実行方法

以下は、Excel VBAを用いてSASプログラムを実行する基本的な手法です。

必要な準備

1. SASがインストールされていること。
2. VBAエディタを使用できるExcelのセットアップ。

コードの実装


Sub RunSASProgram()

    Dim strSASPath As String
    Dim strProgramPath As String
    Dim ShellCommand As String

    ' SASの実行ファイルのパス
    strSASPath = "C:\Program Files\SASHome\SASFoundation\9.4\sas.exe"
    ' 実行したいSASプログラムのパス
    strProgramPath = "C:\YourDirectory\YourSASProgram.sas"

    ' シェルコマンドの作成
    ShellCommand = strSASPath & " -sysin " & strProgramPath

    ' SASプログラムの実行
    Call Shell(ShellCommand, vbNormalFocus)

End Sub

コードの詳細解説

このコードは、指定したSASプログラムを実行するためのものです。
– `strSASPath`にはSASの実行ファイルのパスを指定します。
– `strProgramPath`には実行したいSASプログラムのファイルのパスを指定します。
– `ShellCommand`で実行コマンドを組み立て、`Call Shell`関数を使用してSASプログラムを実行します。

応用例

SASとExcel VBAの連携にはさまざまな応用例が考えられます。以下に3つの応用例を示します。

応用例1: 実行後のSASのログファイルをExcelに取り込む

SASプログラムの実行後のログをExcelに自動的に取り込むことで、エラーや警告をすぐに確認することができます。


Sub ImportSASLog()

    Dim LogPath As String

    ' SASログファイルのパス
    LogPath = "C:\YourDirectory\YourSASProgram.log"

    ' ログファイルをExcelシートに取り込む
    ThisWorkbook.Worksheets("Sheet1").QueryTables.Add(Connection:="TEXT;" & LogPath, Destination:=Range("A1")).Refresh

End Sub

応用例2: 複数のSASプログラムを一度に実行

複数のSASプログラムを順番に自動実行する場合のコード例です。


Sub RunMultipleSASPrograms()

    Dim Programs() As String
    Dim i As Integer

    ' 実行するSASプログラムの一覧
    Programs = Split("Program1.sas,Program2.sas,Program3.sas", ",")

    For i = LBound(Programs) To UBound(Programs)
        Call RunSASProgram("C:\YourDirectory\" & Programs(i))
    Next i

End Sub

応用例3: Excel内のデータをSASに渡す

ExcelのデータをSASプログラムに渡して、分析を行う例です。


Sub PassDataToSAS()

    ' ExcelデータをCSVファイルとして保存
    ThisWorkbook.Sheets("Sheet1").SaveAs "C:\YourDirectory\ExcelData.csv", FileFormat:=xlCSV

    ' CSVファイルをSASで読み込むコードを使用して分析

End Sub

まとめ

Excel VBAを利用してSASプログラムを実行することは、ビジネスの現場でのデータ分析作業の効率を大幅に向上させる手段となります。基本的な実行方法から応用例まで、この技術を活用してデータ解析の作業をよりスムーズに進めてみてください。

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