Excel VBAで請求書をクライアント別に整理する方法

この記事では、Excel VBAを使用して請求書をクライアント別に整理する方法について詳しく解説します。具体的なコード、その詳細な解説、そして応用例を含め、日本市場向けに最適化された情報を提供します。初心者でも理解しやすいように、一般論を避けた実践的な内容となっています。

目次

Excel VBAの基本

Excel VBA(Visual Basic for Applications)は、Microsoft Excelに組み込まれたプログラミング言語です。これを用いると、単純作業の自動化だけでなく、高度なデータ分析やレポート作成も可能になります。

そもそも、どこにVBAコードを書いて、どう実行すれば良いのか分からない場合は、以下の記事をご参照ください。

基本コード


Sub SortInvoicesByClient()
    Dim LastRow As Long

    ' シートの指定
    ThisWorkbook.Sheets("請求書").Activate

    ' 最終行の取得
    LastRow = Cells(Rows.Count, 1).End(xlUp).Row

    ' A列を基準に昇順ソート
    Range("A1:Z" & LastRow).Sort Key1:=Range("A1:A" & LastRow), Order1:=xlAscending, Header:=xlYes

End Sub

コードの解説

上記のVBAコードでは、Excelの「請求書」という名前のシート内のデータをクライアント名(A列)を基準に昇順にソートする機能を提供します。

– `Dim LastRow As Long`: 最終行の番号を格納するための変数を宣言します。
– `ThisWorkbook.Sheets(“請求書”).Activate`: 「請求書」という名前のシートをアクティブにします。
– `LastRow = Cells(Rows.Count, 1).End(xlUp).Row`: A列の最終行の番号を取得します。
– `Range(“A1:Z” & LastRow).Sort …`: A列を基準にして、データ領域全体を昇順にソートします。

応用例

1. 請求額が10万円以上の請求書のみを別シートにコピー


Sub FilterAndCopyInvoices()
    Dim LastRow As Long, i As Long

    ThisWorkbook.Sheets("請求書").Activate
    LastRow = Cells(Rows.Count, 1).End(xlUp).Row

    For i = 2 To LastRow
        If Cells(i, 3).Value >= 100000 Then
            Rows(i).Copy Destination:=ThisWorkbook.Sheets("10万以上").Range("A" & Rows.Count).End(xlUp).Offset(1, 0)
        End If
    Next i

End Sub

解説

上記のコードでは、請求額が10万円以上の請求書のみを「10万以上」という名前の別のシートにコピーします。B列に請求額が格納されていると仮定しています。

2. クライアント別に新しいシートを作成し、請求書を整理


Sub OrganizeInvoicesPerClient()
    Dim LastRow As Long, i As Long, ClientName As String

    ThisWorkbook.Sheets("請求書").Activate
    LastRow = Cells(Rows.Count, 1).End(xlUp).Row

    For i = 2 To LastRow
        ClientName = Cells(i, 1).Value
        If Not Evaluate("ISREF('" & ClientName & "'!A1)") Then
            Sheets.Add(After:=Sheets(Sheets.Count)).Name = ClientName
        End If
        Rows(i).Copy Destination:=ThisWorkbook.Sheets(ClientName).Range("A" & Rows.Count).End(xlUp).Offset(1, 0)
    Next i

End Sub

解説

このコードは、クライアント別に新しいシートを作成し、それぞれのクライアントの請求書を対応するシートにコピーします。

3. 合計請求額を計算してメッセージボックスに表示


Sub CalculateTotalInvoice()
    Dim LastRow As Long, i As Long, TotalInvoice As Double

    ThisWorkbook.Sheets("請求書").Activate
    LastRow = Cells(Rows.Count, 1).End(xlUp).Row

    For i = 2 To LastRow
        TotalInvoice = TotalInvoice + Cells(i, 3).Value
    Next i

    MsgBox "合計請求額は " & TotalInvoice & " 円です。"

End Sub

解説

このコードは、「請求書」シート内の全ての請求額を合計し、その結果をメッセージボックスで表示します。

まとめ

Excel VBAを利用することで、請求書の管理や整理作業を効率的に行うことができます。初めてVBAを学ぶ方も、上記の基本的なコードや応用例を参考にして、日々の作業を自動化してみてください。

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