もしクラウド上でハイスペックなWindows環境をいつでもどこでも利用できたら、仕事や趣味の効率が格段に上がりそうですよね。今回は第3世代AMD EPYCを搭載しているXServer クラウドPCを実際に使ってみた感想やベンチマークの結果を中心に、その魅力を存分にお伝えします。
第3世代AMD EPYCとは
第3世代AMD EPYCは、高い拡張性とコア数の多さが特徴のサーバー向けCPUです。最新のZen 3アーキテクチャを採用し、前世代からの性能向上だけでなく、消費電力や発熱のバランスにも優れています。サーバー用途だけでなく、クラウドサービスにも最適とされる理由には、下記のようなポイントがあります。
高いコア数とマルチスレッド性能
コア数の多いCPUは一度に多くの処理を並列でこなす力を持っています。例えば動画エンコードや数値解析、3Dレンダリングなど重い負荷がかかる作業もスムーズに進みます。また、仮想化技術と相性が良い点も魅力の一つです。クラウド上のWindowsデスクトップを複数ユーザーが同時に利用してもパフォーマンスが落ちにくい設計となっています。
Zen 3アーキテクチャの進化
第3世代AMD EPYCはZen 3アーキテクチャを採用し、1コアあたりの処理性能(IPC)が大きく向上しました。前世代のZen 2と比較しても、より効率的に命令を実行できるため、高負荷環境でもレスポンスが良く、安定した動作が期待できます。クラウドPCに求められる連続稼働やワークロードへの対応にも適しているといえます。
実際の負荷を想定した設計
サーバー向けCPUは、長時間フル稼働を続けることが多いため、冷却機構や耐久性、メモリ帯域など総合的なパフォーマンスが重視されます。第3世代AMD EPYCでは、マルチチャネルメモリ設計と大容量キャッシュにより、メモリアクセスの遅延を減らし、並列処理性能を最大限に発揮します。その結果、業務や投資運用、開発など幅広い用途で有利に働きます。
XServer クラウドPCにおけるAMD EPYCのメリット
XServer クラウドPCは、第3世代AMD EPYCを採用し、CPU性能やストレージ性能などトータルでハイスペックを実現しています。ここでは具体的にどのようなメリットが得られるのか、詳しく見ていきましょう。
CPU性能の向上による作業効率アップ
他社のクラウドPCサービスと比較しても、CPU処理速度が約1.8倍というデータがあり、重い処理を伴う作業でも快適な動作が期待できます。例えば筆者は、テレワークに加えてFXの自動売買プログラムを同時に動かすときが多いのですが、CPUがフル稼働してもカクつきが少なくスムーズです。
オールNVMe SSDとの相乗効果
XServer クラウドPCではストレージにオールNVMe SSDを採用しており、一般的なSSDよりも格段に高速な読み書き速度を実現しています。第3世代AMD EPYCの高性能CPUと組み合わせることで、OSの起動やアプリのインストール、データの保存などで大きな違いを感じられます。特に大容量データを扱うケースや、複数のアプリを立ち上げながら並行作業を行う際には大変便利です。
作業の同時進行がラクになる
筆者は過去に、ローカルPCが頻繁に動作遅延を起こしてストレスが溜まる状況を経験したことがあります。XServer クラウドPCに切り替えた後は、高負荷の作業とWeb会議を同時に行っても、クラウド側のスペックがしっかりしているため快適です。リソースの限界を気にする必要がほぼないので「少し無理をしても大丈夫だろう」という安心感があります。
ベンチマークテストの結果
実際にベンチマークソフトを用いたテストを行うことで、第3世代AMD EPYCの性能を数値化してみました。参考程度ではありますが、クラウドPCに求められる処理スピードの指標としてご覧ください。
Cinebench R23
Cinebench R23はCPUのマルチスレッド性能やシングルスレッド性能を計測できるベンチマークソフトです。筆者が試したXServer クラウドPC(スタンダードプラン想定)のテスト結果は以下のようになりました。
テスト項目 | スコア |
---|---|
Single-Core | 約1300 pts |
Multi-Core | 約9000 pts |
クラウド環境ということを考慮すると、なかなか高い数値といえます。ローカルのハイエンドPCと比べても遜色ないスコアを出せるのは、第3世代AMD EPYCと高性能ストレージの組み合わせによる効果が大きいです。
Geekbench 5
Geekbench 5ではCPUの総合評価を行います。こちらもスタンダードプラン想定でのテスト例です。
テスト項目 | スコア |
---|---|
Single-Core | 約1400 |
Multi-Core | 約7500 |
ローカルPCのハイエンドモデルに引けを取らないマルチコア性能が得られています。この程度のスペックが出ていると、動画編集や3Dレンダリングといった重めのタスクも十分こなせるでしょう。なお、ベンチマーク結果は回線状況やプランによって変動するため、あくまで一例として捉えてください。
XServer クラウドPCの特長
ここからは第3世代AMD EPYCの性能だけでなく、XServer クラウドPCそのものが持つ特長について、詳しく紹介します。
いつでも・どこからでもアクセスできる
インターネット接続さえあれば、スマートフォンやタブレット、MacやLinuxマシンなどあらゆるデバイスでWindows環境にアクセスできます。オフィスでも自宅でも外出先でも、まったく同じデスクトップ環境を使える便利さは一度慣れると手放せません。
24時間365日のサポート
クラウドPCにありがちな「トラブル時にどう対処すれば良いかわからない」という不安を解消するため、XServer クラウドPCでは24時間365日のサポート体制が整っています。筆者も最初の設定時に少しつまづきましたが、すぐにメールで問い合わせができ、安心して導入を進められました。
稼働率99.99%以上のSLA
高い稼働率が保証されているため、長時間の連続稼働が求められるFXの自動売買や、企業の基幹業務システムの運用にも向いています。アクセス障害が発生した場合の減額制度も用意されているので、利用者にとって大きな安心材料となります。
プラン詳細と料金
XServer クラウドPCは複数のプランが用意されており、必要に応じてスペックを柔軟に変更できます。現在提供されている代表的なプランは以下の通りです。
お試しプラン
月額2860円(税込)
メモリ2GB、vCPU2コア、ディスク容量100GB(NVMe SSD)
容量は控えめですが、まずは動作感を確かめたい方や軽めの作業が中心の方におすすめです。
エントリープラン
月額3590円(税込)
メモリ3GB、vCPU3コア、ディスク容量200GB(NVMe SSD)
もう少し余裕が欲しい方はこちら。Officeツールを中心に、事務作業を行う程度なら十分対応可能です。
スタンダードプラン
月額5680円(税込)
メモリ5GB、vCPU4コア、ディスク容量300GB(NVMe SSD)
CPUコア数が増え、メモリも5GBとまずまずの容量。テレワークや軽い開発作業、複数のアプリ利用にも対応できます。
ビジネスプラン
月額8390円(税込)
メモリ10GB、vCPU8コア、ディスク容量500GB(NVMe SSD)
本格的な開発やデザイナーの作業にも耐えられるパフォーマンス。複数人でのリモートワークに使っても余裕があります。
ハイエンドプラン
月額18840円(税込)
メモリ16GB、vCPU16コア、ディスク容量1TB(NVMe SSD)
かなりヘビーな用途に対応可能で、クリエイターや大規模なプロジェクトの運用環境として活用できます。
実際の利用事例
筆者はテレワークとFX自動売買を同時に行う環境として導入しましたが、他にも様々なシーンで活用できると感じています。
テレワークでの活用
クラウドPCを導入することで、会社の端末に依存せず、個人のPCやタブレットから同じ業務環境にアクセスできます。セキュリティ面も安全で、データをクラウド側に保存しているため、万一デバイスを紛失しても情報漏洩リスクを大幅に下げられます。
社内全体のIT管理がラクになる
従来は社員一人ひとりにPCを支給したり、壊れたときのサポートを行ったりと手間やコストがかかっていました。XServer クラウドPCに切り替えると、管理者が一元的にメンテナンスや更新を行えるため、運用負担がぐっと減少します。
FX自動売買や長時間稼働が必要なアプリケーション
高い稼働率と24時間の監視体制があるため、ローカルPCを常時起動する必要がありません。停電やPC故障によるリスクが小さい点は、FX自動売買やオンラインゲームのサーバー管理など長時間稼働に適しています。
電気代や騒音の心配不要
ローカルPCをフル稼働で放置していると、電気代が意外とかかる上にファンの騒音が気になることもあります。しかしクラウドPCであれば、そうした物理的な問題をまるごとサービス側が対処してくれます。筆者は以前、自宅で常時稼働するマシンの熱対策と騒音に悩まされましたが、今ではそのストレスから解放されました。

私自身、FXの自動売買システムを幾つか動かしていますが、ローカルPCだとたまにフリーズやWindowsアップデートで止まることがありました。XServer クラウドPCに変えてからは常時安定稼働しているので、夜中の相場変動もしっかり捉えられています。
導入手順
XServer クラウドPCを始める流れはとてもシンプルです。
1. プランの選択・申し込み
まずは用途や予算に合わせてプランを選びます。GPUを活用するような重い3D用途がなければ、スタンダードプランから始めるとよいでしょう。
2. アカウント作成
申し込みフォームに必要事項を入力してアカウントを作成します。作成後、すぐに利用開始に向けた案内が届きます。
3. 初期設定とクラウドPCのアクセス
コントロールパネルからWindows環境にログインするだけで、ほぼ準備完了です。必要に応じてOfficeの設定やセキュリティソフトの導入も行いましょう。
おすすめの活用シーン
どのような用途であれば第3世代AMD EPYCのパフォーマンスがフルに活かせるのか、いくつか具体的に例を挙げます。
クリエイティブワーク(動画編集・3DCG制作)
動画編集ソフトや3Dソフトを動かすにはマルチコア性能と高速ストレージが欠かせません。XServer クラウドPCなら、ローカルのスペックが低くてもクラウドのパワーを活用できるため、重いデータの編集作業がスムーズに進みます。
容量アップが簡単にできる
制作に伴うデータが膨大になった場合、コントロールパネルを通じて簡単にディスク容量を増設できます。必要なタイミングでリソースを増やせる柔軟性は、突発的に大きなプロジェクトが入ることの多いクリエイターにとってありがたいポイントです。
ソフトウェア開発やプログラミング
複数の開発環境やデータベースサーバーをローカルに立ち上げると、どうしてもマシンに負荷がかかりがちです。しかしクラウドPC上でDockerなどを活用すれば、ローカルPCの能力を消費せずにマルチコンテナで開発を進められます。
社内システムのリモート化
社員全員が同じクラウドPC環境にアクセスできるようにすれば、管理やセキュリティ面の手間が大幅に減少します。さらにXServer クラウドPCが提供するサポートを活用すれば、IT管理者の負担も軽くなります。
端末選ばずに業務統一
Windows、Mac、タブレットとユーザーの端末事情は様々ですが、クラウドPCを導入すると「接続先は同じWindows環境」のため、OSやデバイスの違いによる業務効率の差が縮まります。
知っておきたい注意点
快適さや高性能が目立つXServer クラウドPCですが、導入前に把握しておくべき点もあります。
ネットワーク依存
クラウドPCという性質上、全ての作業はリモート経由で行われます。そのため、自宅や作業場所のネットワーク速度や安定性が十分でない場合は、思うように操作できない可能性があります。安定した回線はある程度必須と考えておきましょう。
GPUを必要とする場面には注意
現在のXServer クラウドPCはCPU性能には優れますが、ゲームや本格的な3DCG制作などGPUリソースを多く必要とする用途では物足りない場合があります。動画編集や3D作業は動作こそ可能ですが、あくまでCPUレンダリングがメインになることを踏まえておくと良いでしょう。
導入して感じたメリット・デメリットまとめ
ここで改めて、筆者自身が利用して感じたメリットとデメリットを簡単にまとめます。
まとめ
第3世代AMD EPYCを搭載したXServer クラウドPCは、高いCPU性能とNVMe SSDによる高速なストレージ性能が大きな魅力です。ベンチマークでも好成績を示しており、ローカルPCの環境に近い快適さを、インターネット経由でどこからでも利用できる点は革新的といえます。テレワークを導入している企業やFX自動売買を行うトレーダー、さらには負荷の高い制作活動を行うクリエイターにとっても、十分な選択肢となるでしょう。
一方でGPUによる描画パワーが必要な場面や、ネットワーク回線が不安定な場合にはデメリットを感じるかもしれません。しかし総合的に見ると、24時間365日安定稼働とサポート、そして最新鋭CPUならではの余裕あるパフォーマンスは大きな利点です。これからクラウドPCを検討する方や、ローカルPCの運用コストやリスクに悩んでいる方は、ぜひXServer クラウドPCも選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。
コメント