Windows 10のアカウント本人確認やネットワーク探索などの問題をまとめて解決する方法

日々使うWindows 10の環境がアップデート後にトラブル続きになってしまうと、仕事や学習にも支障が出て悩んでしまいますよね。今回はMicrosoftアカウントの本人確認ができない問題やネットワーク探索、ユーザープロファイル、検索機能などの不具合に着目し、それぞれの解決策や注意点を詳しく解説します。

Windowsアカウントの「本人確認」ができない問題

現象の概要

Windows 10 Pro (Version 22H2) などの最新アップデート適用後、Microsoftアカウントの本人確認を求められたときに灰色の画面が消えてしまい、手続きが進まないことがあります。さらに、家族アカウントや新規ユーザー追加の画面も同様に灰色ウィンドウのまま消えてしまうため、アカウント関連の操作が全般的に難しくなってしまう場合があります。とくに仕事で複数アカウントを使い分けたいときや、家族用に端末を共用している環境では大きな支障につながります。

Windowsストアアプリのトラブルシューティング

Windowsストアアプリに関連するサインインの不具合が原因で、アカウント関連の確認画面が正常に動作しないケースがあります。まずはWindowsの設定に用意されているトラブルシューティング機能を試してみるとよいでしょう。設定画面の「更新とセキュリティ」から「トラブルシューティング」を選び、「追加のトラブルシューティング」一覧にある「Windowsストアアプリ」を実行すると、ストアアプリ周りの設定を自動的に検出・修正してくれます。

ただし、サインイン自体がうまくいっていない場合は、そのトラブルシューティング機能そのものがエラーとなる可能性があります。そういった場合は、次に紹介するシステムファイル修復などの別の手段を先に試したうえで、再度Windowsストアアプリのトラブルシューティングに挑戦するのがよいでしょう。

システムファイルの修復 (SFC / DISM の実行)

Windowsが標準搭載しているコマンドを使うことで、システムファイルの破損やWindowsイメージの問題を自動的に修復できます。必要な手順は以下のようになります。

SFCの実行

コマンドプロンプトを管理者権限で開き、sfc /scannowを実行します。ここで修復不可能なファイルがあると表示される場合がありますが、すぐに諦めず次のステップに進んでください。

DISMの実行

sfcで修復しきれなかった場合は、DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealthを実行します。これにより破損したWindowsイメージを修復します。完了まで時間がかかることがありますが、途中で中断せず最後まで処理を待ちましょう。

再度SFCを実行

イメージ修復を終えたら、もう一度sfc /scannowを行います。DISMでの修復後は、以前修復できなかったファイルが直っていることが多いです。修復が完了したら、改めて再起動し本人確認の画面が正常に表示されるかを確認すると良いでしょう。

システムファイルの修復はWindows標準機能だけで実行できるため、追加ソフトを用意する手間がないのが助かります。

新しいローカルユーザーの作成

アカウント周りの不具合が解消しない場合は、ローカルユーザーの新規作成を試すことで問題の切り分けが可能になります。手順は以下の通りです。

ローカルアカウント作成の流れ

1. 設定を開き、「アカウント」→「家族とその他のユーザー」→「その他のユーザーを追加」を選びます
2. 「この人のサインイン情報がありません」をクリック
3. 「Microsoftアカウントを持たないユーザーを追加する」を選択
4. ユーザー名やパスワードなどを入力してアカウントを作成し、「次へ」をクリック
5. 作成したアカウントが標準アカウントの場合は、「アカウントの種類の変更」から「管理者」に変更

こうして新規ローカルアカウントを用意し、実際にログインして本人確認や家族アカウントの設定が正常に動作するかをチェックします。もし新しいアカウントでは問題が発生しないのであれば、元のアカウントが破損している可能性が高いです。その場合は、旧アカウントのユーザーフォルダから必要なデータをコピーし、今後は新しいアカウントをメインで運用することを検討してみてください。

実は、以前私もMicrosoftアカウントがどうしてもサインインできない状態に陥り、丸一日格闘したことがあります。最終的に新規アカウントの作成であっさり解決できて、もっと早く試しておけばよかったと感じました。

ネットワーク探索がオフに戻ってしまう問題

現象の概要

NAS(ネットワーク接続ストレージ)にアクセスしたり、別PCの共有フォルダに簡単に接続したりする際に重要な機能がネットワーク探索です。これをオンに設定しても、気付くとオフに戻ってしまい、ネットワーク上の機器が見えなくなるトラブルがあります。原因としては、サービスの不具合やネットワークプロファイルの破損などが考えられます。

必要なWindowsサービスが起動しているか確認

ネットワーク探索は、複数のWindowsサービスが正常に動作していることが前提になります。services.mscを開き、以下のサービスが「自動」で起動しているか、実行状態かどうかを確認してみましょう。

主に確認すべきサービス

1. DNS Client
2. Function Discovery Resource Publication
3. SSDP Discovery
4. UPnP Device Host

これらが停止していると、ネットワーク探索の設定を有効にしても正しく機能しない場合があります。設定を変更したあとは、念のため再起動してからネットワーク探索のオンオフを再確認してください。

プロファイル破損の修復

もしサービスの起動状態に問題がなく、それでもネットワーク探索がオフに戻ってしまう場合は、ユーザープロファイルやシステムファイルに破損があるかもしれません。先述したSFCとDISMをもう一度実行し、システムイメージやファイルを修復してからネットワーク探索をオンに設定し直してみましょう。

レジストリ修正には注意

ネットワーク関連の設定で悩んでいると、インターネット上の情報を頼りに「レジストリキーを削除・編集する」といった操作に行き着くかもしれません。実際に古いネットワークプロファイルなどをレジストリから削除することで問題を解消できるケースもあります。しかしレジストリ操作には高いリスクが伴いますので、必ずバックアップを取ったうえで細心の注意を払ってください。

レジストリを誤って書き換えると、最悪の場合システムが起動しなくなるリスクがあります。

新しいユーザープロファイルが再起動のたびに勝手に作成される問題

現象の概要

再起動のたびに新しいユーザープロファイルが作られてしまい、既存のユーザープロファイルではログインできなくなるトラブルも存在します。ユーザーフォルダの名前に末尾が増えていく(User、User.000、User.001 など)現象として気付くことも多いです。こうなると、デスクトップやドキュメントに配置したファイルが行方不明になりかねないため、早めに対処したいところです。

破損したユーザープロファイルの疑い

原因の多くは既存のアカウントプロファイルが破損してしまっていることにあると考えられます。Windowsのアップデート中に予期せぬシャットダウンが起きたり、ソフトウェアが強制終了したりすると、ユーザープロファイル関連のファイルに損傷が生じることがあります。

新規ユーザーアカウント作成による検証

この問題でも、新規アカウントを作ってログインし、しばらく再起動やシャットダウンを繰り返しても同現象が出ないかを確認します。もし新アカウントでは何の問題も起きない場合、やはり旧アカウントの破損が疑われます。重要なデータは旧アカウントのフォルダ(C:\Users\旧ユーザー名)から新アカウントのフォルダにコピーしておくのがおすすめです。

バックアップの徹底

こうしたユーザープロファイルの破損が疑われるケースでは、システム全体やユーザーデータのバックアップが非常に重要になります。特にレジストリからProfileListキーを削除して対処するといった方法はリスクが高いため、何かあっても元に戻せるようイメージバックアップや重要フォルダのコピーは確実に行いましょう。

バックアップをしっかり取っておけば、最悪の場合でもクリーンインストール後に大切なファイルを復旧できるので安心感があります。

Windows検索(タスクバーまたはスタートメニュー検索)が機能しない問題

現象の概要

Windowsキーを押してすぐにキーワードを入力しても検索ボックスが反応しない、あるいはタスクバーに表示される検索ボックスが入力を受け付けないトラブルが起こることがあります。普段よく利用する機能なだけに、突然使えなくなると業務効率が落ちたり、アプリを探す時間が増えたりしてストレスになります。

Windows Searchサービスの確認

まずはservices.mscを開いて、Windows Searchサービスが起動状態かどうかをチェックしてください。スタートアップの種類が「自動」になっているか、状態が実行中になっているかを確かめることが大切です。もし停止していたり、スタートアップが手動になっていたりすると、検索機能が正しく働きません。

SFC / DISMの再実行

ここでもやはりSFCとDISMによるシステムファイルやWindowsイメージの修復が効果的な場合があります。検索機能はWindowsのコアサービスとの連動が深いため、何らかの破損が検索エンジンにも影響している可能性があります。特に最近のWindowsアップデートでは細かなファイルやパラメータが変更されることが多いため、アップデート後に検索が効かなくなったときはSFCとDISMを試してみてください。

環境の再起動・アップデート

意外と見落としがちなのが、単純な再起動や累積更新プログラムの適用です。Windows Updateを確認し、未適用の更新プログラムがあればインストールしてシステムを最新の状態に保ちましょう。更新プログラムがPendingになっていると、部分的に機能が中途半端な状態に陥ることがあり、それが不具合の原因となる場合もあります。

トラブルシューティングの手順まとめ

下記に主なポイントを表形式でまとめました。各問題に遭遇した場合の優先度や対処手法を一目で把握できるようにしています。

トラブル種別 優先すべき対処 補足事項
本人確認ができない 1. Windowsストアアプリのトラブルシューティング
2. SFC / DISM
3. 新規ローカルアカウント
Microsoftアカウントのサインイン状態を再確認
ネットワーク探索がオフに戻る 1. 必要サービスの起動確認
2. SFC / DISM
3. レジストリ編集 (要注意)
プロファイル破損の疑いが強い場合は新規アカウントも検討
新しいプロファイルが勝手に作成 1. SFC / DISM
2. 新規ローカルアカウント
3. レジストリから不要キー削除
旧アカウントからのデータ移行時は慎重に
Windows検索が動作しない 1. Windows Searchサービス確認
2. SFC / DISM
3. 再起動やアップデート
特に累積更新プログラムの適用状態を確認

補足・注意点

バックアップを忘れない

トラブルシューティングを行う際は、必ずバックアップを取っておくことを習慣づけると安心です。必要に応じて外付けHDDやクラウドストレージを使って、重要データを確実に退避させておいてください。

ローカルアカウントを推奨

Microsoftアカウントでのサインインがうまくいかない時、ローカルアカウントを作成して問題の切り分けを行うと、原因を特定しやすくなります。どうしてもMicrosoftアカウントが必須な機能を使いたい場合は、ローカルアカウントでシステム自体の安定を確認してから再度Microsoftアカウントを関連付けると良いでしょう。

修復不可の場合は再インストールを検討

SFCやDISMを行っても直らないほど深刻な破損がある場合は、最終的にクリーンインストールやWindowsのリセットを検討する必要があります。手間はかかりますが、根本的にシステムの不調をリフレッシュできる手段でもあるため、長期的に見ると早期解決につながるかもしれません。

私も過去にどんな方法を試してもエラーが解決しない状況に追い込まれたことがあります。そのときは思い切ってシステムを再インストールしました。結果的に環境がクリーンになって動作が軽快になり、面倒に感じた作業が意外な副産物をもたらすこともありました。

まとめ

Windowsのアップデート後に起きるアカウント周りの問題やネットワーク探索、検索機能の不具合などは、多くの場合SFCやDISMによる修復、あるいは新規ローカルアカウントの作成で解決へ近づけます。原因が深刻な場合は再インストールが視野に入りますが、その前にバックアップを十分に取り、レジストリ操作の際は慎重に行動することが重要です。少しでも困ったら、まずはSFCとDISMを実行してみたり、新しいアカウントを作って動作を確認してみるのが近道になるでしょう。自分の大切なデータを守りながら、最適なトラブルシューティングを進めてください。

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