Windows 10で勝手にダウンロードされたBIOSアップデートを停止する方法~HP Pavilion x360の対処策~

PCを起動するたびにBIOS更新の通知が表示されると、つい面倒に感じてしまいますよね。とくにHP Pavilion x360など特定の機種では、Windows Update経由でダウンロード済みのBIOSがしつこくインストールを試みることがあります。ここでは、その対処方法を詳しく解説していきます。

Windowsがダウンロード済みのBIOSアップデートをインストールしようとする問題とは

Windows 10環境では、従来のドライバーやセキュリティパッチだけでなく、BIOSやUEFIといったファームウェアの更新がWindows Updateを通じて配信されることがあります。これは、ユーザーに対して最新かつ安全なバージョンを自動的に提供する意図があるのですが、まれに「必要のないBIOSアップデートを強制的に適用しようとする」「一度ダウンロードしたものをずっと通知してくる」などのトラブルが生じる場合もあります。特にHP Pavilion x360などのメーカー製PCでは、付属の管理ソフトやWindows Updateが重複してBIOS更新をダウンロードしてしまい、起動のたびに「今すぐアップデートしますか?」という通知が出続けて煩わしいという声が多く聞かれます。BIOS更新は失敗するとPCが起動しなくなるリスクもあるため、必要性が感じられない場合には通知そのものを止めたいと考えるユーザーも少なくありません。

問題の背景

Windowsはシステムを最新かつ安全な状態に保つため、デバイスドライバーやOSのビルドアップデートだけでなく、ファームウェアアップデートも自動的に検出・配信するよう設計されています。これは便利な半面、「ユーザーが望んでいないファームウェア更新」まで提示してしまう場合があるのです。HPのPCでは、HP Support AssistantやPC Managerといったソフトウェアが個別にBIOSアップデートを管理しようとするケースもあるため、結果的にWindows Updateと二重でアップデートがキューに入り、通知が止まらなくなる状況が起こります。

Windows UpdateとBIOSアップデートの関係

Windows UpdateはOSの更新に限らず、PC各社のファームウェアやドライバー情報を収集して、自動的にユーザーへ配信してくれる仕組みがあります。これ自体は非常に助かる機能ではあるのですが、作業用PCなどで安定した環境を保ちたい場合、勝手にBIOSが書き換わることを嫌う人も多いです。万が一、BIOS更新中に電源が落ちると修復が難しく、PC自体を起動できなくなる可能性もあるため、注意が必要です。今の環境にまったく不満がない、あるいは独自の事情でBIOSアップデートを行いたくないユーザーには、このような自動的なアップデートはストレスを引き起こす原因となります。

解決策1: Windows Updateのキャッシュを削除する

「どうしても一度ダウンロードされたBIOSアップデートの通知が消えない」という場合に、まず試してほしいのがWindows Updateのキャッシュを削除する方法です。キャッシュを削除すると、Windows Updateが新たにアップデート一覧を取得し直すため、過去にダウンロードされた更新情報がリセットされることがあります。以下ではキャッシュ削除の具体的な手順を表を交えて説明します。

ステップ操作内容
1Windowsキー+Rで「ファイル名を指定して実行」を開き、「services.msc」と入力してサービス管理画面を開く
2一覧の中から「Windows Update」を探し、右クリック→「停止」をクリック
3エクスプローラーでC:\Windows\SoftwareDistributionフォルダーを開き、中身をすべて削除する
4再びサービス管理画面に戻り「Windows Update」を右クリック→「開始」を選択
5PCを再起動して、通知が消えているか確認する

この方法によって、ダウンロード済みのアップデート情報がリセットされるため、しばらくはBIOS更新通知が出なくなる可能性があります。ただし、再度Windows UpdateがBIOS更新を検出してしまう場合もあるため、他の対策との組み合わせをおすすめします。

解決策2: Show or Hide Updatesツールで非表示にする

Microsoftが過去に提供していた「Show or Hide Updates」というトラブルシューティングツールを使うと、特定の更新プログラムを非表示に設定できます。非表示にした更新プログラムは、Windows Updateが自動インストールを行わなくなるため、不要なドライバーやファームウェアのアップデートをブロックする手段として有効です。公式サイトからのダウンロードページが見つからないこともありますが、検索エンジンで「Show or Hide Updates troubleshooter」と入力して探すと入手先が表示されることがあります。

解決策3: デバイスマネージャーでファームウェアを無効化

BIOSやUEFIはデバイスマネージャー上で「ファームウェア」として表示される場合があります。そこから右クリックで無効化を行うと、Windows Updateがそのデバイスの更新を認識しない可能性があります。ただし、ファームウェアの無効化はPCによっては予期せぬ不具合が発生することもあり、慎重に検討する必要があります。もしデバイスマネージャーを使って無効化する場合は、作業前にデータのバックアップを取り、最悪の場合はすぐに復旧できるよう体制を整えておきましょう。

解決策4: メーカーサイトからBIOS更新を判断する

HPをはじめとするメーカー各社の公式サポートサイトには、BIOSアップデートに関する情報やダウンロードページが用意されています。Windows Updateやメーカーの付属ソフトによる通知が常に正しいとは限らず、ユーザー自身の利用状況に応じて「アップデートが本当に必要かどうか」を判断するのも一つの手です。具体的には以下のような流れで検討することをおすすめします。

アップデートのバージョン確認

メーカーサイトにアクセスして、自分のPC型番にあったBIOSアップデートが何種類あるのか、最新バージョンはどれか、そして現在のバージョンとの差異はどの程度あるのかを確かめましょう。大きな不具合修正やセキュリティ脆弱性の解消が含まれている場合は、アップデートを検討した方が安心です。

現状の運用上の問題点を整理

普段のPC利用でトラブルがない場合、無理にBIOSを更新しなくても良いケースはあります。ただし、メーカーが推奨している更新や大幅な改善が見込まれる更新が含まれる場合、アップデートするメリットも大きいです。

メーカーサイトで公式のリリースノートを読んでから更新の必要性を判断できる点は安心感があります。

BIOS更新を見送るメリット・デメリット

BIOSアップデートを見送るかどうかは、一概に決められません。ここでは見送った場合の主なメリットとデメリットを紹介します。

メリット

1. 現在のシステムが安定していれば、大きなリスクを取らずに済む
2. 無用なBIOS更新失敗のリスクを避けられる
3. 自分で認識していない新機能の追加や変更による混乱を防げる

デメリット

1. セキュリティ上の脆弱性が残る可能性がある
2. メーカーが提供する機能向上やバグ修正の恩恵を受けられない
3. 将来的に必要なドライバーやソフトウェアとの互換性が損なわれる場合がある

重要なセキュリティ修正を含んだBIOSアップデートまで無視してしまうと、思わぬセキュリティリスクが高まるかもしれません。

ユーザー事例: 実際に通知を止められた体験談

HP Pavilion x360を使用しているAさん(仮名)は、Windowsの起動時に毎回「BIOSアップデートを今すぐ適用してください」という画面が表示される状態に悩んでいました。そこで、まず「Windows Updateのキャッシュ削除」を試したものの、しばらくすると再度通知が表示されてしまったそうです。次に「Show or Hide Updatesツール」を入手して該当するBIOSアップデートを非表示設定にしたところ、その後はBIOSアップデートの通知が再び現れることはなく、快適にパソコンを使えているとのことです。

私自身も過去にWindows Updateが勝手にBIOS更新を進めようとして苦労したことがありました。あのときは、作業中に突然再起動が始まったりして冷や汗をかきましたね。今は「Show or Hide Updates」ツールのおかげでずいぶん穏やかに過ごせています。

トラブルを避けるための注意点

BIOS更新を止めたい気持ちは理解できますが、以下の点に注意しておくと、後々のトラブルを避けやすくなります。

バックアップを忘れずに

万が一、ファームウェアの設定を無効化している間に不具合が出ても戻せるよう、重要データは常にバックアップを取っておきましょう。外付けHDDやクラウドサービスなどを活用すると安心です。

メーカーの推奨事項を確認する

HPなどメーカーが「必須」としている更新プログラムの場合は、無効化してしまうと予期せぬ不具合が起こる可能性があります。メーカーのリリースノートに目を通し、どうしても必要な場合は、ある程度のリスクを覚悟してアップデートするか、代替手段を検討した方が良いかもしれません。

定期的にWindows Updateの一覧をチェック

「Show or Hide Updates」で一度は非表示にしても、別のバージョンとして配信される場合があります。定期的に「Windows Update」画面を開いて、どのようなアップデートが来ているのかをチェックし、必要なものだけ適用することを心がけましょう。

バージョン管理を行う

BIOSのバージョンを含む主要なシステム情報は、メモや管理ソフトで記録しておくと便利です。自分の環境がどのバージョンなのかを把握しておくと、アップデートの通知が来たときに「今のバージョンは何か」「新しいバージョンの更新内容は何か」を調べやすくなります。

まとめ

Windows 10で勝手にダウンロードされたBIOSアップデートを停止したい場合は、まずWindows Updateのキャッシュを削除し、しつこく通知が来るようであれば「Show or Hide Updates」ツールで非表示に設定するのが効果的です。また、デバイスマネージャーでファームウェアを無効化する方法もありますが、安定性に影響が出る可能性もあるため自己責任で行う必要があります。メーカーサポートサイトを確認しながら、本当に必要なBIOS更新かどうかを判断することも大切です。万一に備え、バックアップを取った上で作業するようにしましょう。通知を止めることでストレスが減り、快適にPCを使えるようになるはずです。

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