パソコンを使っていて、「更新プログラムを適用したいのに一向にエラーで止まってしまう…」そんな経験をした方は多いのではないでしょうか。私も以前、Windows 10のアップデートで苦戦し、色々と試行錯誤したことがあります。この記事では、トラブルの原因から具体的な解決策までじっくり解説していきますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
Windows Updateエラーの概要
Windows 10のアップデートがうまくいかず、エラーコードが表示される場合があります。特にKB5036979やKB5037768、KB5034441などが失敗するケースでは、原因がさまざまで特定しにくいことも多いです。ここでは、代表的なエラー内容やその背景を整理してみます。
よくあるエラーコードと原因
下記の表に、Windows Updateが失敗した際によく見られるエラーコードと考えられる原因をまとめました。
エラーコード | 原因の例 |
---|---|
0x8007000d | 更新プログラムが破損している、コンポーネントストアに不整合があるなど |
0x8007000e | メモリ不足エラー(実際にはメモリに余裕があっても起こる) |
0x800f081f | .NET Frameworkのコンポーネントが見つからないなど、依存関係が欠落している |

私が体験した例では、エラーコード0x8007000eが頻出していました。メモリ自体は余裕があるのにアップデートが進まず、一時は本当にストレスでした。いくつかの対処法を根気よく試すうちに解決できたので、あきらめずにトライしてみるのが大事だと痛感しました。
Windows Updateに失敗する原因の詳細
エラーコードが同じでも、原因が一つとは限りません。複数の要因が重なって発生しているケースもあります。ここからは、代表的なトラブルの背景と解決策のヒントをくわしく見ていきましょう。
Windows Updateのキャッシュ破損
Windows Updateのキャッシュが破損すると、正常に更新プログラムを取得できず、エラーが頻発しがちです。特に大きな更新プログラムやプレビュー版アップデートを繰り返し適用している環境では、キャッシュが混乱しやすいと言われています。
コンポーネントストアの不整合
Windowsには「コンポーネントストア」という仕組みがあり、各種システムファイルを管理しています。ここが壊れていると、正しいファイルを取得できずにエラーとなることが多いです。
回復領域(WinREパーティション)の容量不足
最近のWindows Updateでは、Windows RE(回復領域)の容量を大きく使うものがあります。更新プログラムによっては回復領域に容量を確保できない場合、インストールが失敗する可能性が高まります。特にKB5034441などで顕著です。
セキュリティソフトや外部デバイスとの干渉
Nortonなどのセキュリティソフトがリアルタイム保護する際、Windows Updateの動作をブロックしてしまう例があります。また、不要なUSBデバイスが接続されているとアップデートプロセスが混乱するケースも報告されています。
Windows Updateに失敗したときの対処法
では、具体的にどのような手順を踏めばエラーを解消できるのでしょうか。いくつかのステップに分けて解説していきます。どれも定番ではありますが、組み合わせることで解決率が上がる方法ばかりです。
Windows Updateトラブルシューティングツールの実行
まずは手軽に試せる方法として、Windowsに標準搭載されている「トラブルシューティングツール」を使ってみましょう。設定画面から「更新とセキュリティ」→「トラブルシューティング」→「追加のトラブルシューティング」→「Windows Update」の順に進み、指示に従って実行します。
トラブルシューティングのメリット
Windows Updateキャッシュのクリア
キャッシュ破損が疑われる場合は、更新関連フォルダのリネームを行う方法が有効です。管理者権限のコマンドプロンプト、またはPowerShellを開いて以下のコマンドを順に実行します。
net stop wuauserv
net stop cryptSvc
net stop bits
net stop msiserver
ren C:\Windows\SoftwareDistribution SoftwareDistribution.old
ren C:\Windows\System32\catroot2 catroot2.old
net start wuauserv
net start cryptSvc
net start bits
net start msiserver
これにより古い更新データをリセットし、新たにダウンロードし直す形になります。実践してみると、意外なほど簡単にアップデートが成功することもあります。



私の場合も、「キャッシュが怪しいかも?」と疑ったら最初にこれを試すようにしています。面倒そうに見えますが、コマンドの順番を守れば数分で完了する作業なので、トライする価値は大いにあると思います。
システムファイルのチェック(SFC・DISM)
コンポーネントストアの不整合を直すには、SFC(System File Checker)やDISM(Deployment Image Servicing and Management)を活用します。下記の2つのコマンドを管理者権限のコマンドプロンプトで実行し、OSのファイルを修復してみてください。
sfc /scannow
DISM /Online /Cleanup-image /RestoreHealth
SFC・DISMの注意点
SFCとDISMを併用することで、より包括的にシステムの破損部分を修復できます。SFCがうまく働かない場合は先にDISMを実行し、再度SFCを実行するといったアプローチが有効です。
WinREパーティションのサイズ確認・拡張
KB5034441など、一部の更新プログラムではWindows RE領域にある程度の空きが必要とされています。以下の手順で回復領域の確認・拡張を行うことで、アップデートがスムーズに進む可能性があります。
回復領域の確認方法
Windowsの「ディスクの管理」ツールを開き、回復パーティションがどの程度のサイズかを確認します。通常は数百MB~1GB程度ですが、アップデートによっては750MB以上の空きが必要とされることもあるため注意してください。
回復領域拡張の具体的ステップ
サードパーティ製のパーティション管理ソフトを使うことで、システムドライブ側の容量を少し縮めて回復領域に割り当てる方法があります。ただし、誤ってパーティションを削除してしまうと起動できなくなるリスクがあるので、事前のバックアップがおすすめです。



私が利用しているのはフリーのパーティション管理ツールです。操作自体はわかりやすいですが、うっかり別のパーティションを削ると怖いので慎重に進めています。最初にシステムイメージを作成してから作業すると安心感が違いますね。
セキュリティソフトの無効化・USB機器の取り外し
アップデート時にファイアウォールなどで通信がブロックされると、ダウンロードやインストールに支障が出ます。セキュリティソフトのリアルタイム保護を一時的に停止する、あるいはUSBメモリ・外付けHDDなど不要な周辺機器を外した上でアップデートを再試行してみましょう。
オフラインインストーラ(Standalone Installer)の利用
Windows Updateカタログから対象の更新プログラム(.msuファイル)を直接ダウンロードして、手動で適用する方法です。Microsoft Updateカタログにアクセスし、バージョンやアーキテクチャ(32ビットか64ビットか)を確認してからファイルを取得してください。入手したmsuファイルをダブルクリックすると、Windows Update Standalone Installerが起動し、更新を適用してくれます。
オフラインインストールの利点
インプレースアップグレード(修復インストール)の実施
上記の方法でどうしても解決しない場合は、Media Creation Toolを使って同じバージョンのWindows 10を上書きインストールする、いわゆる「インプレースアップグレード」が有効です。
インプレースアップグレードの手順
Microsoft公式サイトからMedia Creation Toolをダウンロードし、ツールを起動します。画面の指示に従って進めると、「個人用ファイルとアプリを引き継ぐ」というオプションが選択可能です。これを選べば、データを失うことなくシステムのコア部分を再構築でき、Windows Updateの問題が解決する可能性が高いです。



私も最終的に行き着いたのがこのインプレースアップグレードでした。時間は少しかかりますが、根本的にシステムをリフレッシュできるので、頻発していたエラーが嘘のようになくなりました。
プレビュー版アップデートは慎重に
KB5036979などのプレビュー版アップデートは、正式リリース前のテスト要素が含まれるため、環境によっては不具合が起きやすい側面があります。安定性を最優先したい場合は、プレビュー版はスキップして次の品質更新プログラム(通称パッチチューズデー後の更新)を待つのも手です。
トラブル解決後のおすすめ対策
やっとアップデートが完了して一安心…と思いきや、再度似たようなエラーに遭遇する可能性もゼロではありません。Windows Updateに限らず、普段から予防的なメンテナンスをしておくと、より快適にパソコンを使い続けられます。
定期的なバックアップ・回復ドライブの作成
OSやアプリの状態をまるごと保存しておけるバックアップ体制を整えておけば、万が一アップデートが失敗しても素早く元の環境に戻せます。専用のバックアップソフトやWindows標準の回復ドライブ作成機能を活用しましょう。
バックアップ先の選択
外付けHDDやNAS(ネットワーク接続ストレージ)など、ローカルPC以外の場所にバックアップを取ると、ハードウェア障害のリスクを軽減できます。また、重要データはクラウドストレージ(OneDriveやGoogleドライブなど)にも二重で置いておくと安心です。
不要なプログラムやサービスの整理
常駐プログラムが多い環境では、アップデートの妨げになる可能性が高まります。特にスタートアップで自動起動するソフトが多い人は、一度不要なものを整理してみると良いでしょう。Windows Updateの動作が軽くなるかもしれません。
ハードウェアの検証・クリーニング
メモリやストレージに不良セクタなど物理的な問題があると、いくらソフトウェア面を整えてもエラーが出続ける場合があります。メモリテスト(Windowsメモリ診断ツール)やストレージ診断(chkdskコマンドなど)を実行し、問題がないか確認しておきましょう。
トラブルが解消しない場合
もし、ここまで紹介した対策をすべて試してもエラーが直らない場合は、さらなる診断が必要かもしれません。
ログの確認と専門家への相談
Windows Update関連のログは主にC:\Windows\Logs\CBS\フォルダ内に保存されています。特にCBS.logなどを詳しく調べると、何が原因でアップデートが失敗しているかヒントが得られることも多いです。ただし、内容が難解な場合は専門家やコミュニティフォーラムで相談してみましょう。



私も過去にCBS.logを見てもよくわからず、コミュニティにログを貼り付けたら詳しい方が解析して原因を特定してくれました。エラーコードだけを頼りにするより効率がいいかもしれません。
クリーンインストールの検討
システム全体が複雑に壊れている場合や、クリーンインストールしたほうが早いケースもあります。データのバックアップは必須ですが、一度OSをまっさらな状態に戻すことで、Windows Updateを含む諸問題が一挙に解決することがあります。
まとめ
Windows 10のアップデートで、KB5036979やKB5037768などがインストールできない問題は、キャッシュ破損やコンポーネントストアの不整合、回復領域の不足など多種多様な原因によって生じる可能性があります。実際のところ、複数の対策を根気よく試すことで意外とあっさり解決するケースも珍しくありません。
もしトラブルに直面している方は、トラブルシューティングツールの実行やWindows Updateキャッシュのリセット、SFC・DISMを活用したシステム修復など、基本的なところから順にアプローチしてみてください。それでもダメなら回復領域の拡張やオフラインインストーラでの適用、インプレースアップグレード、最終手段としてクリーンインストールの検討を行うと良いでしょう。パソコンの安定性を高めるためにも、普段からバックアップやメンテナンスを意識しておくのがおすすめです。
コメント