エラーコード0xc0090016の原因と解決策|Teams・OneDrive・Outlookを再ログインする手順

パソコンのマザーボードを交換してから、急にTeamsやOneDrive、Outlookなどで「0xc0090016」というエラーコードが出てログインできなくなってしまうと、本当に困ってしまいますよね。私自身も過去にパソコンをアップグレードした際、似たようなエラーで長時間頭を悩ませたことがありました。今回は、そうしたトラブルの原因と解決策を、体験談も交えながら詳しくご紹介していきます。

エラーコード0xc0090016とは

エラーコード0xc0090016は、マザーボード交換後などにTeams、OneDrive、OutlookなどのMicrosoft系アプリケーションでログインに失敗するときに表示される現象として知られています。大きな特徴としては、スマートフォンやウェブブラウザ上では問題なくアカウントにアクセスできるのに、Windows上のデスクトップアプリでのみサインインが弾かれてしまうという点です。

エラー発生時の主な症状

多くのユーザーから報告される代表的な症状としては、以下のような内容が挙げられます。アプリを起動するとパスワードや認証情報を求められる画面までは進めるのに、最終的にエラーコード0xc0090016が表示され、どうしてもログインができなくなるケースがほとんどです。私も以前、マザーボード交換直後にOutlookだけサインインがどうしても通らなくて、最初はネットワーク環境の問題かと疑ってルーターを再起動してみたり、ドライバを更新したり、色々遠回りをしてしまいました。

関連する他のエラーコードとの違い

0x800704ecなどのエラー

たとえば0x800704ecなど、Windowsのセキュリティソフトやネットワーク関連の設定が原因で発生するエラーも存在します。しかし、0xc0090016の場合はログインを試みるたびに繰り返し同じ画面で弾かれる特徴があり、どちらかというとTPM(セキュリティチップ)まわりの不一致が関係しているという点がポイントになります。

0x80090016との混同

0xc0090016と似た文字列で0x80090016というエラーコードもあります。こちらはWindows Helloや暗号化関連で問題が起きたときに表示されることがありますが、原因は近いものの、具体的なフォルダの名称や対処方法が若干異なる場合があります。似た現象だからといって0xc0090016の対処法をそのまま流用すると、期待する効果が得られないケースもあるため注意が必要です。

原因とエラーの背景

認証トークンとTPMチップ情報の不一致

0xc0090016の根本的な原因は、Microsoftのアプリケーションが持つ認証トークン情報と、新しいマザーボードに搭載されたTPMチップの情報が一致しないことによるものと言われています。認証トークンは、Microsoft.AAD.BrokerPlugin_cw5n1h2txyewyというフォルダに保管される構成ファイルなどと結びついています。このフォルダが古いTPMの情報を含んでいると、マザーボード交換後には再認証がうまく通らなくなるわけです。

マザーボード交換の具体的な影響

マザーボードにはTPMというセキュリティチップが搭載されていることが多く、Windows 10以降では機能の一部として重視されています。TPMチップは暗号化やセキュリティに直結しているため、交換すると以前の情報との整合性が崩れるケースが出てくるのです。私もあるとき、マザーボードを高性能のものに交換したのですが、その直後に「どうしてもOutlookがサインインできない」という事態に陥り、このエラーを知りました。

WindowsのセキュリティにおけるTPMの役割

TPM(Trusted Platform Module)は、Windows HelloやBitLockerなどの暗号化機能、そしてMicrosoftアカウントのトークン管理にも深く関わっています。TPMが提供する安全な保管領域に認証情報が保存されるため、マザーボード交換でTPMが入れ替わると、この安全な保管領域が物理的に異なるものになり、古いトークンが有効ではなくなる仕組みです。これが0xc0090016エラーの最大の要因です。

対処方法の全体像

フォルダのリネームと再認証

エラーを解消するための基本的な手段は、古い認証情報が入っているフォルダ「Microsoft.AAD.BrokerPlugin_cw5n1h2txyewy」をリネームして、新たに認証情報を取得し直すことです。これにより、TPMチップ情報の再整合が図られます。この操作は管理者権限が必要で、通常のユーザーアカウントではフォルダのアクセスが制限されていることが多いため、内蔵Administratorアカウントを有効化して行う必要があります。

管理者アカウントを有効にする意義

Windowsには、デフォルトで無効化されている「Administrator」アカウントが存在します。これはシステム管理の最終手段として位置付けられていて、一般的にはセキュリティのために無効にされています。このAdministratorアカウントを使用すると、ファイルシステムやレジストリなどに広範なアクセスが可能となり、通常アカウントでは操作できない領域やフォルダ名の変更などを安全に実施することができます。

私自身、最初は普段使っている管理者権限付きのアカウントでもフォルダが変更できずにエラーが出て戸惑いました。そこで「Administrator」を呼び出してみたら、あっさりフォルダ名を変更できたという経験があります。

具体的な対処手順

1. Administratorアカウントの有効化

この操作によって、通常は無効化されているAdministratorアカウントを一時的に使えるようにします。まずはコマンドプロンプトを「管理者として実行」で開き、以下のコマンドを入力してEnterキーを押します。

net user administrator /active:yes

正しく入力すると「コマンドは正常に完了しました。」と表示されます。その後、現在のアカウントからサインアウトし、新たに表示されるAdministratorアカウントでログインしてください。

2. フォルダ名のリネーム

Administratorアカウントでログイン後、スタートボタンを右クリックして「ファイル名を指定して実行」を選択し、以下を入力してOKをクリックします。

%localappdata%\Packages

開いたフォルダ一覧から「Microsoft.AAD.BrokerPlugin_cw5n1h2txyewy」を探し、名前の変更で末尾に.oldを付けます。例としては「Microsoft.AAD.BrokerPlugin_cw5n1h2txyewy.old」とすると良いでしょう。この操作によって、古い認証情報が格納されたフォルダ名を変えてしまい、Windowsが再度認証情報の作成を促すようになります。

3. Administratorアカウントの無効化

再度サインアウトし、普段のユーザーアカウントに戻ったら、もう一度コマンドプロンプトを「管理者として実行」で開きます。以下のコマンドを入力してEnterキーを押すと、Administratorアカウントが再び無効化されます。

net user administrator /active:no

この手順を終えることで、常に無効になっている状態に戻り、セキュリティリスクを最小限に抑えることができます。

4. OutlookやTeamsの再起動と認証

最後に、問題の起きていたOutlookやTeamsなどのアプリを起動します。初回だけパスワードの再入力が求められたり、「このデバイスを組織で管理してもいいですか」といったダイアログが表示される可能性があります。いくつかメッセージが表示されても、指示に従い「はい」を選ぶことで、認証情報が新しいTPMチップに合った内容に更新され、再び正常にログインできるようになります。

一度この手順を終えた後は、同じエラーコードでログインできなくなることはほとんどありません。

メリットとデメリット

メリット

手順さえ正しく踏めば、比較的短時間で問題を解決でき、再度TeamsやOutlookを利用できるようになります。また、マザーボードを交換したことで、パフォーマンス向上や新機能が使える利点も得られます。

デメリット

管理者アカウントを一時的に有効にする行為は、誤操作やセキュリティリスクを高める可能性があります。また、フォルダのリネームに失敗したり、必要なデータまで誤って削除するとシステムが不安定になる恐れもあります。

執筆者のコメント

私が初めてこのエラーに出会ったときは、最初はなぜログインできないのか全く分からず、セキュリティソフトを疑ったり、Officeの再インストールなど遠回りな対処をしてしまいました。結局、古い認証情報とTPMの不整合が原因だったわけですが、知識不足って怖いですよね。もし同じように悩んでいる方がいたら、この手順でサクッと解決してしまいましょう。

トラブルシューティングの補足情報

Windows Updateやドライバの最新化

マザーボード交換後は、チップセットドライバやWindows Updateなどが未適用のままになりがちです。セキュリティ更新プログラムやドライバが原因で認証が失敗する可能性もゼロではありません。余力があれば、トラブルシューティングの一環としてWindows Updateを実施し、デバイスマネージャーでドライバの状態を確認すると安心です。

システム時刻のずれ

システム時刻が大きくずれていると、Microsoftのサーバーとの通信で認証に失敗する場合もあります。マザーボード交換後にBIOS設定がリセットされ、時刻設定もデフォルト(何年も昔の日付など)になってしまっていると、サインイン自体がはじかれてしまうことがあります。思わぬ盲点となるので、時間が合っているかもチェックしておきましょう。

表で見るMicrosoftログイン関連の代表的なエラー

エラーコード 発生原因 主な対処方法
0xc0090016 TPM情報の不一致 フォルダのリネーム+再認証
0x800704ec セキュリティソフト / Windows設定の競合 セキュリティソフトの無効化や除外設定
0x80090016 暗号化機能の衝突 / Windows Helloトラブル 暗号化設定の見直し

こうして見ると、同じような桁数や形式のエラーコードであっても、原因や対処法が微妙に異なることがわかります。自分のケースがどのエラーコードに該当するのかを正しく把握することが、迅速な問題解決の第一歩です。

まとめ

マザーボード交換後にMicrosoft系アプリがエラーコード0xc0090016を吐いてログインできない場合は、TPMチップの情報が変わったことで認証トークンに不整合が生じている可能性が高いです。フォルダのリネームと再認証作業を行うことで、ほとんどのケースが解決します。ポイントは、Administratorアカウントを活用することと、作業後にAdministratorを再び無効化することです。もしトラブルが続くようであれば、Windows Updateやシステム時刻の確認、その他セキュリティソフトの設定なども合わせて点検することで、解決の糸口が見えてくるでしょう。
日常的に使っているTeamsやOutlook、OneDriveなどが使えないと、仕事やプライベートで大きな支障をきたします。今回紹介した手順を試してみると、案外簡単にトラブルから抜け出せるはずです。ぜひパソコン環境を復旧させて、快適なWindowsライフを送ってください。

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