ふと気づくと、Surface Laptop Studioのファンが回り続けていて気になる……そんな経験はありませんか。実際に本体が熱くなるわけでもなく、ファン音も大きくないのに常時回っていると、「何かがおかしいのでは?」と不安になるものです。この記事では、Windows Update(KB5034467 & KB5034765)適用後に起こりやすいファンの常時稼働問題について、原因と対処方法をわかりやすく解説します。気になる異音や熱によるトラブルではなくても、長時間のファン稼働はPC環境に影響が出ることもあるので、ぜひ参考にしてください。
Surface Laptop Studioのファンが常時回り続ける問題の概要
Surface Laptop Studioは高いパフォーマンスと独特のヒンジ構造が魅力の2in1デバイスです。しかし、Windows Update適用後にファンが止まらなくなる現象が報告されています。ファンが回りっぱなしでも騒音が大きいわけではない場合も多いですが、ずっと稼働していると気になったり、バッテリー駆動中の消費電力や熱への不安が生じたりすることがあります。
今回の問題は主に、Windows Updateで配信されるKB5034467やKB5034765を適用した後に起きるケースが多いと報告されています。通常、Windows Update後はデバイス内部で多くの作業が行われたり、ドライバーが更新されたりするため、一時的にファンが回ることはあります。しかし「時間が経ってもファンが止まらない」という状況が持続する場合は、何らかの対策が必要です。
なぜファンが止まらないのか
ファンが常時回り続ける原因は複数考えられますが、代表的な要因をいくつか挙げてみましょう。
- CPU使用率が高止まりしている
Windows Updateや各種バックグラウンドプロセスが走っている場合、CPUやGPUに負荷がかかり、ファンが回り続けることがあります。 - 未完了のアップデートやドライバーインストール
Windows Updateのインストールが一部完了していない場合や、再起動を必要としているのに行われていない場合、バックグラウンドで作業が続き、ファンが止まらなくなることがあります。 - CPUがスロットリング状態にある
発熱リスクやパフォーマンスの影響によってCPUが極端に低速化(0.4GHzや0.8GHz程度)していると、ファン制御に不具合が生じて回りやすくなることがあります。 - ファームウェアやドライバーとの相性問題
特にSurfaceデバイスの場合、Windows Update後にファームウェアやドライバーとの整合性が崩れてしまい、ファンコントロールがうまく働かなくなるケースがあります。
Windows Updateが影響する理由
Windows Updateはセキュリティパッチや機能更新だけでなく、デバイスドライバーやファームウェアの更新も含むことがあります。Surface向けのアップデートが同時に走ると、以下のようなことが起こり得ます。
- 新しいドライバーが導入される
- 再起動後にドライバーのキャリブレーションや設定反映が行われる
- システム負荷が一時的に増大し、ファンが作動しやすくなる
本来ならば、しばらくすればファン稼働は落ち着くはずですが、何らかの理由で常時稼働が続く場合は、ドライバーやファームウェアの不整合、もしくはWindows Updateの残作業がいつまでも終わらない状態に陥っている可能性が高いです。
解決策と対処方法
ここからは、実際にファンが常に回っているときに試してみるべき具体的な解決策を紹介します。一つずつ手順を踏むことで、問題が解消することが多いです。
1. CPU使用率の確認
Surface Laptop Studioのファンが回り続ける理由の多くはCPUへの負荷に起因します。まずは以下の手順でCPU使用率をチェックしましょう。
- タスクバーを右クリックして、「タスク マネージャー」を選択
- 「プロセス」タブで「CPU」欄を確認
- CPU使用率が常に高いプロセスがないかを探す
もし、常に高いCPUリソースを占有しているアプリやプロセスがある場合は、一旦終了させる、もしくはアンインストール・再インストールなどの対応を検討してください。Windows Update関連のバックグラウンド作業なら時間をおけば落ち着くこともありますが、長時間高いままの場合は要注意です。
以下に、PowerShellを使ったプロセス確認の例を示します。タスク マネージャーではなく、コマンドラインで細かく状況を把握したい場合に便利です。
Get-Process | Sort-Object CPU -Descending | Select-Object -First 10
上記を実行すると、CPU使用量が高いトップ10のプロセスを一覧できます。もし予期せぬプロセスがリソースを食い続けているなら、原因究明のために一つずつ調べることをおすすめします。
2. CPUのスロットリング状況の確認
タスク マネージャーの「パフォーマンス」タブでCPU速度を確認してみましょう。Windowsでは、発熱リスクや省電力目的でCPUが動作周波数を落とす(スロットリングする)仕組みがあります。ところが、何かの要因で極端にクロックスピードが落ちたまま戻らなくなると、システムとしては熱を発しやすいと誤認してファンを回し続けることがあります。
- もしCPUが0.4GHzや0.8GHzなど、想定よりも著しく低い値で固定されている場合は、Windowsの電源オプションやスリープ設定の見直し、あるいは再起動によるリセットが有効な場合があります。
- 近年のSurfaceデバイスは発熱を抑えるために積極的にスロットリングを行いますが、何らかのソフトウェア的な不具合で意図せず起こっている可能性もあります。
電源オプションの見直し
もしスロットリングが極端にかかっているようであれば、以下の手順も試してみてください。
- 「スタート」ボタンをクリックし、「設定」を開く
- 「システム」→「電源とバッテリー」を選択
- 電源モードやバッテリー節約機能の設定を確認し、「最適なパフォーマンス」や「バランス」に設定する
Windows 11では、電源プランの詳細設定が少々隠れがちなので、コマンドプロンプトやPowerShellから旧来の「電源オプション」を呼び出すこともできます。
control.exe powercfg.cpl
上記コマンドを実行すると従来の電源オプション画面が表示されるので、もし「省電力」が選択されている場合は「バランス」などへ変更して、CPU周波数の上限や下限が過度に制限されていないかをチェックしてください。
3. Windows Updateの状態をチェック
Windows Update適用後にファンが止まらなくなる場合、インストールが完全に終了していないケースがよくあります。アップデートの途中ではシステムがバックグラウンドで膨大な処理を行い続けることがあります。
- 「設定」→「Windows Update」を開く
- 保留中のアップデートや再起動要求が出ていないか確認
- もし更新プログラムが残っている場合は適用後に再起動を行う
未適用のアップデートがある場合は、再起動の指示が出ていなくても手動で再起動する習慣をつけると、ファンの常時稼働などの問題を回避できることが多いです。
4. 強制的な再起動
Surfaceデバイスでは、電源ボタンを約20秒間長押しして強制的に再起動する手段が知られています。これは単なる「シャットダウン→電源オン」とは異なるレベルでデバイスをリセットするため、一時的なファームウェアやハードウェア制御の不具合を解消しやすい手法です。
- 電源ボタンを約20秒間長押し(画面は黒いままでも続けて押し続ける)
- Microsoftロゴ(Windowsロゴ)が表示されて再起動が始まるまで待つ
- 起動後、ファンの動作状況を確認
この方法で問題が改善したという報告も多く、一番手軽に試せる方法なので、ファンの常時稼働を感じたら最初にチャレンジしてみるとよいでしょう。
5. Surface Diagnostic Toolkitの実行
Microsoftが提供している「Surface Diagnostic Toolkit」は、Surfaceデバイスに特化した診断・修復ツールです。これを実行することで、ハードウェア上の問題だけでなく、ソフトウェアの不具合やWindows Updateの整合性チェックも行うことができます。
- 入手方法
Microsoft公式サイトからダウンロードするか、「Microsoft Store」から入手できます。 - 実行手順
- Surface Diagnostic Toolkitを起動
- 指示に従って各種チェックを実行
- 見つかった問題があれば自動で修復、または修復手順を案内
ツールの所要時間は場合によって異なりますが、15~30分程度かかることがあります。診断が終わったら、再度ファンの動作を確かめてみましょう。
6. ドライバー・ファームウェアの更新
Surfaceシリーズは専用のドライバーやファームウェアが頻繁に更新されます。Windows Updateでは自動的にインストールされる場合もありますが、まれに手動ダウンロードが必要なこともあります。
- Surface Laptop Studio ドライバー&ファームウェアの入手先
Microsoft公式のSurfaceサポートページにアクセスし、デバイス名を選択して最新のドライバーやファームウェアをダウンロードします。 - 更新手順
- ダウンロードしたMSI(インストーラー)ファイルを実行
- 指示に従ってインストール
- インストール完了後に再起動
最新のドライバーやファームウェアに更新することで、ファンコントロールを含むハードウェア制御系のバグが解消される可能性があります。
ファン問題に対処するときに知っておきたいポイント
ここではSurface Laptop Studioのファン問題に取り組む上で、さらに抑えておくと便利な情報をまとめます。表形式で、現象と対策を一覧にしましたのでご活用ください。
現象 | 対策 |
---|---|
Windows Update後にファンが止まらない | – 再起動を実施 – 更新が完了しているか確認 – 高負荷の常駐アプリやプロセスを停止 |
CPUスロットリングが常時かかっている | – 電源オプションを「バランス」または「最適なパフォーマンス」に変更 – 強制再起動を行う |
ドライバーのバージョンが古く、ファームウェアもアップデート未適用 | – 公式サイトから最新ドライバーを入手 – Surface Diagnostic Toolkitを使って診断&修復を実施 |
ファン音が気になり作業に集中できない | – CPU/GPU負荷を下げる(不要アプリを終了) – 冷却台を使うなど物理的な排熱対策を検討 |
ファンが回り続けるが本体は熱くない | – システム的な制御不具合の可能性大 – 強制再起動やファームウェア更新を優先して実施 |
バックグラウンドアプリやプロセスへの対処
不必要なバックグラウンドアプリがCPUやメモリを占有している場合、ファン問題を悪化させる原因になります。定期的に以下の対処をすると、不要な負荷を軽減できます。
- スタートアップの見直し
「タスク マネージャー」の「スタートアップ」タブで、不要なアプリを無効化しましょう。不要なアプリが自動起動しなくなることで、立ち上げ時の負荷を抑えられます。 - サービスの最適化
Windowsサービスの中には、普段使わないものが自動起動になっている場合があります。安易に無効化するのはトラブルの原因になりますが、明らかに使用しないサービスは「手動」に変更するなどの対策を検討してもよいでしょう。
ソフトウェア面だけでなく物理的な点検も重要
ソフトウェア的な問題だけでなく、使用環境によっては物理的な要因も考えられます。
- ホコリやゴミの詰まり
吸気口や排気口にホコリが詰まっていると、風通しが悪くなりファンが頻繁に回るようになります。Surfaceシリーズは比較的密閉性が高い設計ですが、長期使用で埃が溜まることはあり得ます。エアダスターなどで軽く掃除をするのも一手です。 - 設置環境
ベッドやクッションなど通気性の悪い場所で使っていると熱がこもりやすく、ファンが回りっぱなしになることがあります。机の上など平らな場所で、通気が良い状態で使用するのが望ましいです。
まとめ:問題解決の優先順位
Surface Laptop Studioでファンが常時回り続ける場合、まずは強制再起動やWindows Update状況の確認をしてみましょう。それでも解消しない場合は、CPU使用率の確認やドライバーの更新、Surface Diagnostic Toolkitの利用がおすすめです。下記のフローチャート風にまとめると、次のようになります。
- 強制再起動を最優先で試す
- 電源ボタン長押し(約20秒)で再起動して、ファンの状況をチェック。
- Windows Updateの確認
- 保留中の更新がないかを確認し、あれば適用して再起動。
- CPU使用率・スロットリング状態の確認
- タスク マネージャーやPowerShellで異常な負荷をかけているプロセスがないかチェック。
- Surface Diagnostic Toolkitの実行
- ソフトウェア的な不具合やドライバー不整合を自動修復。
- 最新ドライバー・ファームウェアの適用
- Microsoft公式サイトからダウンロードし、適用後に再起動。
- 物理的な状況の点検
- 排気口のホコリや設置環境を見直し、熱がこもっていないか確認。
これらを試してもファンの常時稼働が収まらない場合は、ハードウェアレベルでの故障も念頭におきましょう。その際はMicrosoftサポートに相談し、修理や交換の手続きへと進むことをおすすめします。
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