Windows 11 タスクマネージャーのCPU稼働時間がリセットされない原因と対策の全貌

Windows 11を使い始めてから、シャットダウンしているはずなのにタスクマネージャーのCPU稼働時間がリセットされず、「あれ、これって故障かも?」と感じたことはありませんか。筆者自身も最初はウイルス感染やハードウェアの不良を疑ったのですが、調べてみると高速スタートアップなどが原因である場合が多いとわかりました。この記事では、CPU稼働時間がリセットされない理由を解説しつつ、実践的な対処法を具体例を交えてご紹介していきます。

Windows 11でCPU稼働時間がリセットされないのはなぜ?

高速スタートアップの仕組み

Windows 11には、高速スタートアップと呼ばれる機能が標準で備わっています。これはWindows 8以降から導入された仕組みで、シャットダウン時にシステムの状態を休止状態(ハイバネーション)として保存し、次回起動時に復元することで起動時間を大幅に短縮する仕組みです。実際に使ってみると、PCの電源ボタンを押してから数秒でデスクトップ画面が表示されるなど、体感できるほど起動が速くなるケースがあります。

休止状態と完全シャットダウンの違い

高速スタートアップがオンになっていると、シャットダウン操作を行ったつもりでも、内部的には休止状態のような動作に近い形になります。通常の休止状態はメモリの内容をハードディスクやSSDに保存して電源を落とす方法ですが、高速スタートアップの場合はOSのコア部分だけを保存することで、起動を一段と高速化しています。
一方で、再起動(リスタート)は完全にシステムを一旦落として起動し直す操作になるため、この場合は高速スタートアップが働かず、CPU稼働時間もリセットされやすくなります。

デュアルブート環境での現象

Windows 11と別のOSをデュアルブートしている場合、もう一方のOSから起動した際にはWindowsが休止状態に保存していた情報が消去されるため、CPU稼働時間が正しくリセットされることがあります。筆者の知人がWindowsとLinuxを併用しているのですが、Windows 11で再起動せずにシャットダウンした後、Linuxを起動してから再度Windows 11を起動すると、CPU稼働時間がゼロからになっていたそうです。

筆者も以前、マルチブート環境を試していたときに同様の経験をしました。最初は何が起きているのか分からず、知らないうちに特定のOSを起動するとCPU稼働時間がリセットされる不思議な現象に少々混乱しました。

高速スタートアップを無効にして完全シャットダウンする方法

設定画面からオフにする手順

高速スタートアップをオフにすれば、シャットダウン時に完全オフになります。そのため、次回起動した際にはCPU稼働時間がリセットされているはずです。手順は以下のとおりです。

コントロールパネルを開く

スタートメニューから「コントロールパネル」を探して開きます。最新のWindowsでは「設定」アプリから電源関連の設定にアクセスできますが、コントロールパネルからたどるほうが分かりやすい場合もあります。

電源オプションを選択

「ハードウェアとサウンド」をクリックし、その中にある「電源オプション」を開きます。画面が切り替わったら、左側メニューの「電源ボタンの動作を選択する」をクリックします。

現在利用可能ではない設定を変更する

画面上部または真ん中あたりに「現在利用可能ではない設定を変更します」という文言がある場合は、それをクリックして管理者権限を得ます。これによって、高速スタートアップのオンオフをいじれるようになります。

高速スタートアップを無効化

「高速スタートアップを有効にする(推奨)」というチェックボックスがあるので、これをオフにします。変更を保存すれば設定完了です。この状態でシャットダウンすれば、システムは休止状態を使わずに完全オフになります。

再起動を活用する

高速スタートアップはシャットダウンと起動のみに影響する仕組みです。そのため、「とにかくCPU稼働時間をリセットしたい」という場合は、シャットダウンではなく再起動を行うだけでも効果的です。少しでも動作が怪しくなったら再起動してみる、という習慣を付けておくとトラブルシューティングもしやすくなります。

高速スタートアップがオンだと、普段は起動が速くてとても快適です。

ただし、ドライバー更新やWindows Updateの適用が不十分になり、予期せぬ不具合が出る可能性があります。

コマンドで完全シャットダウンするテクニック

shutdownコマンドを利用する

コマンドプロンプトやPowerShellで、shutdown /s /f /t 0 というコマンドを入力すると、即時に完全シャットダウンを実行できます。
高速スタートアップの設定を変えずに普段は素早く起動したいが、ときどきCPU稼働時間をリセットしたいという場合に便利です。ショートカットを作成しておくと、アイコンをダブルクリックするだけで完全シャットダウンできるので手軽です。

ショートカットの作り方

デスクトップの何もない場所で右クリックし、新規作成からショートカットを選びます。アイテムの場所を入力してくださいという欄に、shutdown /s /f /t 0 と入力して次へを押します。最後に名前を付けて完了すれば、ショートカットが作成できます。

長時間の稼働時間表示でPCに負荷はかかる?

見かけ上の数字が大きいだけ

CPU稼働時間が長く表示されるからといって、すぐにハードウェアが劣化するわけではありません。Windows側が再起動せずに内部状態を保持しているだけのケースがほとんどです。
それでも気になる方は、定期的に完全シャットダウンや再起動を行うだけで心配は解消します。

不具合が出るケース

高速スタートアップによってシステムが中途半端に休止された状態だと、更新プログラムが正しく適用されなかったり、デバイスドライバーが再初期化されずに不安定な状態に陥ることがあります。そこで不具合の予防策としては、週に1度くらいは再起動しておくのが理想的だといわれています。

筆者のケースでは、長期休暇の間にPCを「シャットダウン」して放置していたつもりが、実は高速スタートアップで休止状態に近い形になっていました。いざ再起動しようとしたときにWindows Updateが大量に溜まっていたので、やはり定期的な再起動は大切だなと感じました。

バッテリーへの影響とデスクトップの場合の注意点

ノートPCのバッテリー消費

ノートPCで高速スタートアップを使ってシャットダウンすると、内部的には休止状態なのでほとんど電力を消費しませんが、完全オフよりは若干消費する可能性があります。古いバッテリーの場合、数日経ったらバッテリーが思ったより減っていた、ということも稀に報告されています。

デスクトップPCではどうなのか

デスクトップPCの場合も高速スタートアップは働きますが、電源ケーブルを抜いたり、あるいは電源タップで完全にオフにしてしまうと、保存されていた休止状態の情報を復元できず、高速スタートアップの恩恵を受けられなくなります。マザーボードの機能によっては微弱な電力で状態を維持しようとする場合もあるため、機種ごとに挙動が異なることがあります。

高速スタートアップのメリットとデメリットを表で整理

項目 メリット デメリット
起動速度 電源ボタンを押してからデスクトップが表示されるまでが速い 完全シャットダウン時よりは若干遅いケースもあるが、多くの場合高速
システム状態 Windowsカーネルが前回の状態を保ちつつ起動する 更新プログラムやドライバーの適用が不完全になりやすい
バッテリー消費 休止状態なので消費電力は小さい 完全オフよりは微量に消費される可能性がある
トラブルシュート 普段は気にならないことが多い 稼働時間がリセットされないなど不具合の原因が分かりにくくなる

筆者からのアドバイスと事例

再起動のこまめな実施

高速スタートアップのメリットを活かしたい場合でも、週に1回程度は再起動をすることをおすすめします。仕事用PCなどでは、特にWindows Updateをしっかりと適用する必要があるので、「忙しくても週末には再起動する」などのルールを決めておくと安心です。

バッテリーを長持ちさせたい場合

ノートPCで「少しでも長く持たせたい」と思う人は、高速スタートアップを無効にして毎回完全シャットダウンするか、使わないときはスリープや休止状態を適宜使うとよいでしょう。特に長期旅行や出張など、数日以上PCを使わないときは完全シャットダウンしておいたほうが、電力消費を最小限に抑えられます。

筆者が以前、海外へ1週間出張した際、うっかり高速スタートアップをオンのまま「シャットダウン」したつもりでノートPCをカバンに入れていきました。現地についてバッテリーを見てみると半分ほど減っていて、「もう少し配慮しておけばよかったな」と思いました。こうした小さな注意の積み重ねでPCライフが快適になると感じています。

CPU稼働時間が長いまま放置しても大丈夫か

ハードウェアはすぐには壊れない

CPUの稼働時間表示が実際の使用時間と連動しておらず、数日以上動作し続けているように見えたとしても、基本的にハードウェアが突然壊れるわけではありません。パソコンの多くは24時間稼働にも耐えうる設計になっており、サーバーマシンなどは連続稼働が前提です。

ソフトウェア面での影響

ただし、長時間再起動を行わないとメモリの断片化や、一時ファイルの肥大化によってシステムが遅くなる可能性があります。さらにアップデートやドライバーの変更が正しく適用されないと、思わぬタイミングでエラーが起きることもあるため注意が必要です。

稼働時間リセットを意識したPC運用術

状況に応じた使い分け

仕事や趣味でPCを頻繁に使う人なら、高速スタートアップをオンにして普段の起動を高速化するのが便利です。ただし、ドライバー更新後やOSアップデート後には再起動を行い、CPU稼働時間をリセットさせながらシステムの安定性を保つことが大切です。

トラブル時は設定を見直す

突然PCが重くなったり、デバイスがうまく動かなくなったら、まずは高速スタートアップを無効にして完全シャットダウンしてみる。そこから再度起動し、原因を切り分けていく。こうしたステップがトラブルシューティングをスムーズに進めるポイントです。

週に1度の再起動は、OSをリフレッシュさせる良いタイミングにもなります。

アップデートを放置しすぎると起動時や終了時のトラブルが増え、逆に時間を失う可能性があります。

まとめ

CPU稼働時間がリセットされずに長時間動作しているように見える原因の多くは、高速スタートアップにあるということが分かりました。シャットダウンの手軽さや起動速度を重視したい人には魅力的な機能ですが、完全なリフレッシュや再起動が必要な場面では、以下の点を意識すると良いでしょう。

ポイントの振り返り

高速スタートアップをオフにする

コントロールパネルの「電源オプション」から高速スタートアップのチェックを外すと、シャットダウン時にシステムが完全にオフになります。これによりCPU稼働時間やアップタイムがリセットされます。

再起動を積極的に活用

何か不具合が起きたり、OSアップデートがあったときは再起動を行いましょう。シャットダウンと再起動は同じようでいて仕組みが違い、再起動であれば高速スタートアップが働きません。

コマンドによる完全シャットダウン

shutdown /s /f /t 0 を活用すると、高速スタートアップをオンにしたままでも完全シャットダウンを行えます。ショートカットを作っておけば、必要なときに素早く完全オフが可能です。

定期的なメンテナンスを忘れずに

高速スタートアップをオンにしていても、週に1回程度は再起動してOSをリフレッシュすることをおすすめします。メモリやドライバーの再初期化が行われるため、パフォーマンスの低下やエラーを回避しやすくなります。

筆者自身、常に高速スタートアップをオフにしていた時期もありましたが、起動が遅くてストレスを感じたため、最近はオンにした状態で週末に再起動する運用に落ち着いています。CPU稼働時間のリセットはさほど気にしなくても良いのですが、スムーズな更新や不具合回避のためには再起動が大切だと実感しています。

本記事を読んでの次のアクション

高速スタートアップの良し悪しはPCの使い方次第です。朝から夜までPC作業をこなし、素早く起動してほしい人には嬉しい機能ですが、どうしてもCPU稼働時間がリセットされないことに不安を覚える人や、バッテリーを極力温存したい人にとっては少々悩ましい面もあるでしょう。実際に設定を変えながら、最適な運用方法を探してみるのが一番です。

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