Windows 11で「Windows cannot find file」が表示される場合の対処法と実践的なヒント

普段愛用しているパソコンを新しい環境へ移行した直後に、画像ファイルを開こうとすると「Windows cannot find file」のエラーが出てしまうことがあります。私もWindows 10からWindows 11へ乗り換えた際、このエラーに戸惑った経験があります。この記事では実際の事例を踏まえ、様々な対処法とポイントを分かりやすくまとめました。

問題の概要

Windows 11へ移行した後、特定の画像ファイルをエクスプローラーで直接ダブルクリックして開こうとすると「Windows cannot find file (ファイルが見つかりません)」というエラーが表示されるケースがあります。実はファイル自体は正常に存在しているのに、なぜかエクスプローラーからは正常に呼び出せなくなるのです。しかもペイントソフトなど、他のプログラムで開こうとすると普通に開ける場合もあります。

原因として考えられる主な要素

パソコンを新しい環境へ移行した際に考えられる原因はいくつかあります。

1. アプリの関連付けや設定ファイルの不整合

Windows 10からWindows 11にデータを移行するとき、フォトアプリ(写真アプリ)の設定情報やレジストリ情報がうまく引き継がれず、エクスプローラーからの呼び出しに問題が生じることがあります。

2. サムネイルキャッシュの不具合

キャッシュデータが破損している場合、エクスプローラー上でファイルを認識する際にエラーが発生し、結果としてファイルが見つからないと誤認識されることがあります。

3. ファイルの所有権・アクセス権限の問題

ファイルシステムの所有者やアクセス権限が移行時に正しく設定されず、エクスプローラーがファイルを参照できないケースも考えられます。

実際のトラブル事例

新しいWindows 11搭載のPCへデータを移した直後に、ダウンロードフォルダ内にあるPNG画像をダブルクリックすると、エラーが出て開けないという例が多く報告されています。しかし、ペイントソフトで「ファイルを開く」から同じPNGを選ぶと正常に表示できるという現象が確認されています。これはフォトアプリやWindowsのシステム側に何らかの不一致や設定不備が生じている可能性が高いです。

私自身も最初はファイルが壊れたのかと焦りました。しかし、ペイントソフトでは問題なく表示できたため「ファイル自体は無事」とわかり、どうにかシステムの設定を疑うことで解決に近づけました。

主な解決策

ここではエクスプローラーから正常に画像を開くために有効とされる対処法を順番にご紹介します。中にはすぐに効果が出るものもあるので、ぜひ試してみてください。

1. フォトアプリ(写真アプリ)の修復・リセット

Windows標準の写真アプリに問題があると、画像ファイルの関連付けが誤ってエラーになりやすいです。以下の手順でアプリを修復し、必要に応じてリセットすることで状況が改善することがあります。

1.1 フォトアプリを修復する方法

1. Windowsの設定を開きます(Winキー + I)。
2. 「アプリ」→「アプリと機能」を選択します。
3. 一覧の中から「フォト(Photos)」を見つけ、「詳細オプション」をクリック。
4. 表示された画面で「修復」ボタンをクリックしてプロセスを完了させます。
5. パソコンを再起動して、問題の画像ファイルをダブルクリックしてみましょう。

1.2 フォトアプリをリセットする方法

上記の「修復」で効果がない場合、同じ場所にある「リセット」ボタンを使って初期状態に戻すことができます。リセット後は設定が初期状態になるため、再度パソコンを再起動してからファイルを開けるか確認してください。

フォトアプリの修復またはリセットだけで問題が解消し、再びエクスプローラーからファイルを開けたという成功例が多くあります。

リセットするとアプリの一部設定が消える場合があります。例えばフォトアプリで作成していたアルバムなどのデータが再度読み込み直しになることもあるので注意が必要です。

2. サムネイルキャッシュのクリア

Windowsのエクスプローラーでは表示を高速化するため、サムネイル(縮小画像)をキャッシュに保存しています。このキャッシュが破損すると、ファイルが正しく認識されなくなるケースがあります。キャッシュを削除すると再度読み込みが行われるので、問題が解決する場合があります。

2.1 ファイル エクスプローラー オプションで設定をリセット

1. 検索ボックスから「ファイル エクスプローラー オプション」を開きます。
2. 「表示」タブで「フォルダーのリセット」→「既定値に戻す」の順にクリックし、「適用」→「OK」を押します。

2.2 コマンドプロンプトからサムネイルキャッシュを削除

1. コマンドプロンプトを管理者権限で起動します。
2. 以下のコマンドを一つずつ入力してEnterキーを押します。

“`
taskkill /f /im explorer.exe
del /f /s /q /a %LocalAppData%\Microsoft\Windows\Explorer\thumbcache_*.db
start explorer.exe
“`
3. これによりエクスプローラーが一旦終了し、サムネイルキャッシュが削除された後、自動でエクスプローラーが再起動します。

3. ファイルの所有権とアクセス権限を確認

古いPCから新しいPCへファイルをコピーする際、ユーザーアカウントや所有権の整合性が崩れてしまうことがあります。特にダウンロードフォルダなどはアクセス権限が複雑になりやすいので要チェックです。

3.1 セキュリティタブから所有権を確認

1. 開けないファイルを右クリックし、「プロパティ」を選択。
2. 「セキュリティ」タブ→「詳細設定」を開き、所有者に自分のユーザーが正しく設定されているか確認します。
3. 必要に応じて「変更」ボタンを押し、自分のユーザーアカウントを所有者に設定。
4. 「子オブジェクトのアクセス許可を引き継ぐ」などのチェックボックスがある場合も確認・適用します。

3.2 フォルダ全体のアクセス権を再設定

1. ダウンロードフォルダ(または該当フォルダ)を右クリックし、「プロパティ」→「セキュリティ」→「詳細設定」。
2. 自分のユーザーアカウントに「フルコントロール」が付与されていることを確認。
3. 階層化されたサブフォルダやファイルにも適用するオプションを選び、一括で権限を再設定します。

所有権の再設定が意外と大切です。私の場合、フォルダごとに権限を見直したところ、一部のファイルだけ権限がオフになっていたことが原因でした。すべてのファイルのアクセス権が整合性を持つようにすると、エラーが解消されました。

4. 新しいユーザーアカウントを作成して試す

上記の方法を試しても改善しない場合、Windowsのユーザープロファイル自体に何かしらの問題が生じている可能性があります。新しいローカルアカウント(あるいは別のMicrosoftアカウント)を作り、同じファイルを開いてみましょう。

4.1 新しいアカウントの作成手順

1. 設定を開き「アカウント」を選択。
2. 「家族とその他のユーザー」を開き、「アカウントを追加」からユーザーを追加。
3. Microsoftアカウントを使わずにローカルアカウントを作成する場合は、「この人のサインイン情報がありません」→「Microsoftアカウントを使わずにユーザーを追加」を選びます。
4. 作成した新しいアカウントに切り替え、画像ファイルを同じフォルダへコピーして開いてみてください。

その他のチェックポイント

上記の対処法以外にも、次のような点を確認しておくとさらに安心です。

ファイルパスの長さ

Windowsには通常、260文字を超える長いパスが問題になるケースがあります。ダウンロードフォルダの深い階層に保存している場合などは、ファイルをルートディレクトリ(C:\Testなど)に移して試してみることをおすすめします。

システムファイルの整合性チェック

Windowsのシステムに異常があると、アプリケーションの動作にも影響が及ぶかもしれません。以下のコマンドを使ってシステムファイルを修復してみましょう。

SFCとDISMコマンド

1. 管理者権限でコマンドプロンプトを開きます。
2. sfc /scannow を実行してシステムファイルをスキャンし、破損を修復。
3. DISM /Online /Cleanup-Image /ScanHealth と DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth を順に実行し、Windowsイメージの健全性を回復。
4. 完了したら再起動し、問題が解消しているか確認します。

解決策の対照表

HTMLのテーブルを活用して、解決策と期待される効果を整理してみました。自分の状況に合わせてどれを優先的に試すか検討してください。

対処法 具体的な手順の例 期待できる効果
フォトアプリの修復・リセット 設定 → アプリ → 「フォト」 → 詳細オプション → 修復またはリセット 画像を正しく表示するための関連付けを再構築
サムネイルキャッシュのクリア エクスプローラーオプションのリセット → コマンドラインでthumbcache_*を削除 キャッシュの破損で起きる表示エラーを防ぐ
ファイル所有権・アクセス権確認 ファイルのセキュリティタブ → 詳細設定 → 所有者と権限を再設定 新環境移行時の権限不一致を解消
新しいユーザーアカウント作成 設定 → アカウント → 家族とその他のユーザー → 新規ユーザーを追加 ユーザープロファイル固有の不具合を回避
ファイルパスを短くする 深い階層からC:\直下などに移動し再度開く Windowsが長いパスを扱えずに起こるエラーを回避
SFC / DISM sfc /scannow と DISMコマンド システム全体のファイル破損やイメージ不良を修復

エクスプローラー特有のエラーは、フォルダ内のキャッシュやアプリの関連付けなど、一見すると地味な設定が大きく影響していることが多いです。すべて試しても解決しない場合は、Windows Updateの状況やストレージの状態など、システム全般の確認を進めてみましょう。

まとめ

Windows 10からWindows 11にデータを移行した際、特に画像ファイルの取り扱いで「Windows cannot find file」エラーが起きることは珍しくありません。ですが、多くの場合はフォトアプリやサムネイルキャッシュ、あるいはファイルのアクセス権限の問題が原因になっています。フォトアプリの修復やリセットといった簡単な方法で即座に問題が解決することもよくあるので、まずはそこから取り組んでみてください。もしそれでも解決しないときは、サムネイルキャッシュの削除やアクセス権の見直し、新しいユーザーアカウントの作成など、順番にチェックしていくのがおすすめです。

私が同じ問題に直面したときは、まずフォトアプリの修復を行い、サムネイルキャッシュをクリアすることで無事にエクスプローラーから画像をダブルクリックできるようになりました。エラーの原因は必ずしも一つではありませんが、順を追って試せば案外すぐに解決すると思います。

最終的なヒント

Windowsのエラー対処には、システムファイルの修復やキャッシュの削除のほかにも、普段からのメンテナンスが重要です。定期的なWindows Updateと不要なファイルの整理、アンチウイルスソフトの更新などを怠らないようにしましょう。また、今回ご紹介した方法は画像ファイルに限らず、他のファイルで起こりうる「Windows cannot find file」エラーでも応用できます。快適なパソコンライフのために、ぜひ活用してみてください。

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