Windows 11 ARM版 ISOの入手と再インストール完全ガイド

日々のパソコンライフをより快適にするためにWindowsをきちんと再インストールしてクリーンに保つことは、とても大切だと感じています。とくにSurface ProなどARMチップ搭載の端末では「ISOイメージをどこから入手すればいいのか?」と戸惑うことも少なくありません。この記事では、自分の経験談も交えながら、Windows 11 ARM版の再インストールに役立つ方法をわかりやすく解説していきます。

Windows 11 ARM版の概要と注意点

Windows 11には、従来のx86アーキテクチャ向けのバージョンと、ARMアーキテクチャ向けのバージョンがあります。Surface Pro 11のようなARMチップ搭載デバイスには、当然ARM向けのWindows 11を導入する必要があるのですが、意外にも公式サイトからはARM版のISOが入手しづらいという現状があります。

ARM版Windowsの特徴

ARM向けのWindowsは消費電力の低減や、軽量な設計であることが魅力的です。モバイルデバイスに適しており、バッテリー駆動時間が長いなどのメリットがあります。一方、従来のx86向けアプリが動かない場合があるなど注意点もあります。

ISOファイルの入手が難しい理由

Windows 11 ARM版は一般公開のISOとしては提供されておらず、Microsoft公式のダウンロードページでも基本的にはx86版のみがダウンロードできるという現状があります。そのため、標準的なメディア作成ツールを利用してインストールメディアを用意しようとしても、ARM版の選択肢が表示されない場合が多いです。

VHDXイメージとの違い

ARM版Windows 11に関してはVHDX形式のディスクイメージが見つかることがあります。しかし、VHDXは仮想ハードディスク用のファイル形式なので、これを直接USBメモリに書き込んでブートメディアにすることは容易ではありません。結果として、Windowsを再インストールしたい場合は別の手段を考える必要が出てきます。

私自身、初めてARM版Windowsのクリーンインストールを試みたとき、公式サイトにはISOがなくて驚きました。x86のようにすんなりダウンロードできると思っていたので、ちょっと苦労しましたね。

再インストールの全体像を理解する

Windows 11 ARM版を再インストールする際の大まかな流れを把握しておくと、あとで混乱しにくくなります。一般的には以下のようなステップを踏みます。

デバイスのバックアップ

再インストールに入る前に、デバイス内の重要データを外部ストレージやクラウドにバックアップしておきましょう。設定や個人ファイル、アプリなど、後から復元が難しいものを事前にコピーしておくと安心です。

公式ツールを試す

Microsoft公式のメディア作成ツールを使える場合は、それが最も安全で簡単な方法です。ただし、後述するようにARM版が含まれていない場合もあるので注意が必要です。

サードパーティツールを検討する

公式にARM版が提供されていない以上、サードパーティツールを使ってISOファイルを取得する方法を検討する必要が出てくることがあります。その代表例がUUP Dumpです。

工場出荷時の状態に戻す

デバイスを初期化し、プリインストールされていたWindows 11 ARMに戻す方法もあります。これがもっとも手軽かつ確実な場合があるので、一度試す価値は大いにあります。

メディア作成ツールでのインストールメディア作成

Windows 11をクリーンインストールする際、まず頭に浮かぶのが公式のメディア作成ツールです。実際の手順を簡単にまとめてみます。

公式ダウンロードページにアクセス

Microsoft公式のWindows 11ダウンロードページにアクセスすると、メディア作成ツールをダウンロードできるリンクが表示されます。ツールを起動し、指示に従ってUSBメモリをセットアップします。

ARM版が含まれていない問題

ただし、多くの場合、このメディア作成ツールで作成できるのはx86版またはx64版のみで、ARM版を含んでいません。Surface Pro 11などでインストールしようとしても、ブートできなかったり、エラーが発生したりすることがあります。そうなると別の方法が必要になります。

公式ツールでARM版を作成できないケースがあるので、人によっては時間を無駄にしてしまうかもしれません。

工場出荷時のリカバリを使う方法

実は、もっとも手軽で確実な方法の一つが、工場出荷時のリカバリ機能を利用することです。デバイス購入時に搭載されていたWindows 11 ARMをそのまま復元できるため、ISOファイルを探す手間を省けます。

Windows回復環境(Windows RE)を起動

Windowsが正常に起動しなくなったときでも、回復環境を利用できる場合があります。起動時にロゴや読み込みアイコンが表示されたタイミングで電源を落とす作業を数回繰り返すと、自動的に回復環境が起動することがあります。

回復環境からのリセット

回復環境に入れたら「トラブルシューティング」から「このPCを初期状態に戻す」という項目が選べる場合があります。ここを選択し、画面の指示に従うと、工場出荷時に近い状態に戻せます。

私がSurfaceを使っていたとき、回復環境からリセットしたら驚くほどあっさり元の状態に戻りました。時間もそんなにかからず、あれこれ悩まなくてよかったですね。

UUP Dumpを使ってISOを作成する

公式にARM版ISOが提供されていないため、サードパーティツールであるUUP Dumpを利用してISOイメージを作る方法があります。自己責任とはいえ、多くのユーザーが利用している実績ある手法の一つです。

UUP Dumpとは

UUP Dumpは、Microsoftの更新プログラム(いわゆるUUPファイル)をダウンロードし、ローカルでISOファイルを組み立てるための仕組みを提供してくれるサイトです。Windows 11 ARM版を含む各種バージョンを扱える点が特徴です。

手順の流れ

UUP Dumpサイトでバージョン選択

UUP Dumpのサイトにアクセスし、Windows 11 ARM版に対応したバージョンを探します。リリースビルドやプレビュービルドなどがリストされているので、自分が必要とするビルドを選択します。

スクリプトのダウンロード

選択を進めると、自動生成されたスクリプトをダウンロードできる状態になります。これはWindows Updateから必要なファイルを取得し、ISOをローカルで構築するためのものです。

スクリプトの実行

ダウンロードしたファイルを展開し、スクリプト(通常は.cmdファイル)を実行すると、必要なファイルが取得され、最終的にISOファイルが生成されます。作成が完了すれば、そのISOをUSBに書き込むなどしてARMデバイスのインストールメディアとして活用できます。

UUP Dumpを利用すると、最新のWindows 11 ARMビルドも入手しやすくなり、自分好みの設定やバージョンでISOイメージを作れる自由度の高さがあります。

VHDXを使う場合の注意点

時折、Microsoftの公式ドキュメントや開発者向けに提供されるWindows 11 ARMのVHDXイメージを見つけることがあります。しかし、通常のクリーンインストール目的で扱うには煩雑な手順が伴う場合があるので、あまり推奨されません。

VHDXイメージの特徴

VHDXはHyper-Vなどの仮想マシン環境で使う仮想ハードディスク形式です。直接USBメモリに書き込んで再インストールするわけではなく、あくまで仮想環境上で起動させるためのものとして設計されています。

変換作業の負担

VHDXをISOに変換する方法も存在しないわけではありませんが、手順が複雑であり、さらには動作保証も難しいことがあります。そのため、あえてVHDXからISOを作るよりは、前述のUUP Dumpを使ったほうが手軽に最新のISOを用意できます。

実践事例: Surface Pro 11での再インストール

Surface Pro 11などARMチップ搭載の2in1デバイスでWindows 11をクリーンインストールする場合、もっとも手軽なのは工場出荷時のリセットを利用する方法でした。以下は筆者が実際に試した流れの事例です。

バックアップの準備

まず、OneDriveに主要なドキュメントを上げ、外付けSSDに念のためファイルをコピーしておきました。万が一のインストール失敗でも重要なデータが消えないようにしました。

回復環境へのアクセス

通常起動がうまくできなくなったり、設定画面のリセットがエラーになるような状況でも、3回ほど強制終了と起動を繰り返すとWindows回復環境に入りやすくなります。そこから「トラブルシューティング」→「このPCをリセット」を選択しました。

初期状態に戻すプロセス

時間はそこそこかかりましたが、工場出荷時のイメージが復元されて、その後Windows Updateを通じて最新ビルドにアップデートするだけで、実用的な状態に戻すことができました。

ISOファイルを探して右往左往していたころが嘘のように、初期化から復旧までスムーズでした。最新ビルドに上げるのは時間がかかりましたが、最終的にクリーンな環境が得られて満足度が高いです。

よくある質問とトラブルシューティング

Windows 11 ARMの再インストールを巡って、いくつか頻出する疑問点やトラブルがあります。ここでは代表的なものを紹介し、その対処法をまとめます。

ISOファイルが起動しない

一部の非公式ISOはブート用の設定がうまくいっていない場合があります。ダウンロードしたISOが正規のものかどうか、また作成したUSBメモリがUEFIブート対応かどうかを確認しましょう。

ドライバが見つからない

再インストール後、Wi-Fiやタッチパネルなどが機能しない場合は、チップセットやデバイス固有のドライバが不足している可能性があります。デバイスメーカーの公式サイトやWindows Updateから必要なドライバを取得してインストールすることで解決しやすいです。

VHDXをISOに変換したい

特殊なツールや手順が必要になるため、公式のサポート外であることが多いです。動作保証も難しいので、どうしてもISOが必要ならばUUP Dumpを使うほうが楽です。

ライセンス認証に関して

再インストールの場合、ハードウェア構成が同じならばDigital Licenseによって自動的に認証されることが多いです。ただし、大きな変更(基板交換など)をしていると手動認証が必要になる場合があります。

メリットとデメリットを比較する

Windows 11 ARM版を再インストールするにあたって、いくつかの方法と選択肢がありました。ここでは代表的なものを一覧表にまとめ、メリットとデメリットを比較してみましょう。

方法 メリット デメリット
公式メディア作成ツール 安全かつ手軽 ARM版が含まれていないことが多い
工場出荷時のリカバリ 初心者でも簡単。プリインストール環境復元 回復領域が破損していると利用できない
UUP Dump 最新版のARM版ISOを作成可能 自己責任。手順がやや複雑
VHDXイメージ 仮想マシン向けに公式で用意されている場合あり USBブートに向いていない。変換が煩雑

工場出荷時リカバリは、最初から設定やドライバが整っている点が大きな強みです。

UUP Dumpは非公式手段なので、トラブルが発生した際に自己解決が求められます。

まとめ

Windows 11 ARM版を再インストールするうえで、公式サイトにはISOファイルが提供されていないという点が大きなハードルになります。しかし、工場出荷時のリカバリ機能を活用すれば、わざわざISOイメージを探さなくても初期状態に戻せますし、どうしてもISOファイルが必要ならUUP Dumpを使って入手するという選択肢があります。かつて私もARM版Windowsの再インストールで試行錯誤しましたが、ポイントさえ押さえれば意外とスムーズに作業を終わらせられると実感しました。みなさんのPCライフが快適になるよう、ぜひ参考にしてみてください。

自分のSurfaceを使うシーンとしては、外出先での作業が多いのですが、バッテリーの持ちも良くサクサク動いてくれるので助かっています。たまに調子が悪くなるときも、工場出荷時リカバリで一気に復活できるので手軽ですね。

お読みいただきありがとうございました。Windows 11 ARM版のクリーンインストールやアップデートに関する疑問が少しでも解消されれば幸いです。

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