Windows 11で発生するGWSMOエラーの徹底解説

近頃、Windows 11でMicrosoft Outlookを利用している方の中には、Google Workspace Sync for Microsoft Outlook(GWSMO)のインストール時に予期せぬエラーが出て困っているという声が増えているようです。私自身も「原因不明のセットアップ失敗」を経験し、解決までに手間取った覚えがあります。ここでは、その原因と対処法を幅広くご紹介します。

目次

GWSMOエラーの概要

GWSMO(Google Workspace Sync for Microsoft Outlook)は、Google WorkspaceとMicrosoft Outlookの間でスケジュールやメールなどを同期するための重要なツールです。しかしながら、Windows 11環境やMicrosoft 365 Apps(64ビット版)など特定の環境でエラーが発生することが報告されています。代表的なエラーとして「There is a problem with this Windows Installer package. A program run as part of the setup did not finish as expected…」というメッセージがあります。長時間かけて原因を探った末に、Google UpdateサービスやWindows 11バージョン 24H2との互換性が影響しているケースがあるとわかってきました。

GWSMOとWindowsの相性について

GWSMOはGoogle製の同期ツールなので、Windowsの更新プログラムやMicrosoftの仕様変更に伴い、時折互換性の問題が発生します。特にWindows 11は、新しいセキュリティ機能やOSレベルでの変更点が多いため、一部のアプリケーションが従来の方法では正常に動作しなくなることがあります。GWSMOは定期的にアップデートが行われますが、それでも最新版が出るまでにタイムラグが生じることも否めません。

Windows 11バージョン 24H2の互換性

Windows 11のバージョン 24H2では、GWSMO側が当初非対応とされていた時期があります。その時期には、GWSMOをインストールしようとするとエラーが起きたり、インストール完了しても同期が実行されないなどの問題が報告されていました。2024年後半にGoogleが対応アップデートをリリースし、現在はほぼ解消されていると言われています。

Google Updateサービスの影響

GWSMOをインストールする際に、Google Updateサービスが何らかの形でインストールプロセスを阻害している事例も確認されています。通常ならGoogle UpdateサービスはChromeなどのGoogle製品の自動アップデートを担当しているだけですが、環境によってはインストーラー処理を中断させる可能性があるようです。私自身も、Google Updateサービスを止めたらあっさりインストールに成功したケースを経験しました。

インストール前に行うこと

GWSMOのセットアップに失敗してしまう方は、以下のような下準備を行うとスムーズに問題解決が進む場合があります。

再インストールの基本手順

GWSMOの再インストールを考える際には、まず既存のGoogle関連ソフトウェアを一旦アンインストールし、パソコンを再起動することが望ましいです。アンインストール後に、「C:\Program Files (x86)\Google」などのフォルダを削除し、レジストリから「HKLM\SOFTWARE\Google」「HKLM\SOFTWARE\WOW6432Node\Google」に関するキーを確認し、不要なものは削除しておくとクリーンインストールの準備が整います。

レジストリ削除の注意点

レジストリを修正する際には、誤ってシステムに必要なキーを削除しないように注意が必要です。バックアップを取った上で作業することを強くおすすめします。また、セキュリティソフトや企業で導入している端末管理ソフトなどによってはレジストリの変更が制限されている場合があります。その場合はシステム管理者の権限が必要になることもあります。

Chromeの再インストール

GWSMOエラーを解消するためにGoogle Chromeをアンインストールするというのは、最初は意外に思われるかもしれません。しかし一部のユーザーの報告では、Chromeを消してレジストリを削除したうえで再度ChromeとGWSMOの両方を入れると問題が解決することがあるようです。どうしてもGWSMOが動かないというときは、この対処も候補に入れると良いでしょう。

実際の対処手順

それでは、具体的にどのような手順で問題を解消していけばよいのかをご紹介します。手間がかかる部分もありますが、一度やってみる価値はあるはずです。

GWSMO最新版の確認

Google Workspaceの公式サイトから提供される最新のGWSMO(gsync.msi)をダウンロードし直すことは大切です。アップデートでWindows 11への互換性が改善される可能性は高く、古いインストーラーを使っているといつまでもエラーが出続ける危険があります。可能な限り最新のGWSMOを利用しましょう。

Google Updateサービスの停止

インストール作業の前にGoogle Updateサービスを停止してみる方法もあります。具体的にはコマンドプロンプトやPowerShellを管理者権限で起動して、以下のように入力してサービスを停止し、その後削除を試みます。

sc stop google update service
sc delete google update service

停止と削除が成功したら、PCを再起動し、再度GWSMOをインストールする手順を踏んでみてください。インストール成功後、必要であればGoogle Chromeを再度導入してアップデートを有効化することが可能です。

トラブルが解決しない場合

上記のステップをすべて踏んでも解決しない場合には、企業のネットワークポリシーやセキュリティソフト、または別のソフトウェアとの競合が原因になっているかもしれません。オフィス環境であればIT管理者やセキュリティチーム、個人環境であれば専門家やGoogleサポート、Microsoftコミュニティに問い合わせることも検討してみましょう。

事例・体験談

ここでは、実際に私や周囲の知人が経験したケースを挙げてみます。人によってはまったくエラーが出ない場合もあれば、想像以上に苦戦することもあります。

トラブルが続いたケース

ある友人は、エラー画面のメッセージどおりChromeをアンインストールし、Googleフォルダを全削除し、さらにレジストリからGoogleに関連する記述をすべて消し去ったのに、なぜかGWSMOのインストールエラーが出続けていました。最後にはWindows 11自体を再インストールするという荒療治に踏み切り、ようやくセットアップが完了したそうです。原因ははっきりしませんが、OSレベルのファイルが破損していたのか、あるいは企業のウイルス対策ソフトとの相性によるものだったのかもしれません。

即日解決したケース

私が経験したケースでは、まさにGoogle Updateサービスを停止・削除してから、GWSMOを再度インストールしたところ、あっけないほどすんなり成功しました。はじめはレジストリ操作やChrome削除が面倒だと思っていましたが、意外と大変な作業にはならず、その日のうちに完了し、作業環境を元に戻すことができました。

何らかの理由でGoogle Updateサービスがインストールプロセスをブロックしていたと推測されます。

私の場合は企業管理のPCではなく個人所有のPCだったので自由にサービスを停止できましたが、職場によっては管理者権限がないケースもあります。その場合は社内IT担当に協力を仰ぐのが早いかもしれません。

まとめ

GWSMOのエラーは特定バージョンのWindows 11やGoogle Updateサービスとの相性が原因であることが多く、適切なバージョンのGWSMOを使い、不要なGoogle関連ファイルやレジストリ、サービスを整理することで解決する傾向があります。特にWindows 11バージョン 24H2にアップデートしている方は、2024年12月以降にリリースされた最新版のGWSMOを試してみると良いでしょう。それでも解決しない場合は、さらに専門家への相談も検討してください。

以下はWindowsバージョンとGWSMOバージョン、そして不具合発生の有無をまとめた一例の表です。

Windowsバージョン GWSMOバージョン 不具合の有無 対処状況
Windows 10 21H2 2024年2月以前の旧バージョン 問題なし 特に対処不要
Windows 11 22H2 2024年初頭リリース版 一部エラー報告 Google Updateサービスの停止で解消
Windows 11 24H2 2024年12月最新バージョン ほぼ解消 最新版GWSMOで対処可

その他の考慮点

Windows 11 24H2以外でも、Microsoft 365 Apps(64ビット版)や企業内のセキュリティポリシーがエラー原因になっている可能性もあります。インストール作業前にグループポリシーやファイアウォール設定、セキュリティソフトの例外設定などを確認しましょう。

これらの対応をしても根本的に問題が解消しない場合は、Windows自体やOfficeの再インストールが必要になることがあるため注意が必要です。

OSやOfficeの再インストールはかなり大掛かりですが、最後の手段として効果的な場合もあります。個人的にはまずはGWSMOのバージョン確認やGoogle関連ファイル、サービスの削除が先という印象です。

最終的なアドバイス

GWSMOを利用すると、GoogleカレンダーとOutlookの予定表がシームレスに連携するようになり、作業効率が格段に上がります。ただし、インストール時のトラブルに苦しむ人も少なくありません。特にWindows 11のバージョンやGoogle Updateサービスの挙動は要チェックポイントです。

サポートへの問い合わせも検討

すべての対策を試しても解決しない場合、Google WorkspaceサポートやMicrosoftコミュニティで同様の事例がないかを探し、質問を投げかけるのも一つの方法です。GWSMOのエラーは環境依存の部分が大きいため、最新の知見を持っている担当者に直接問い合わせるのが早い可能性があります。

最新のGWSMOリリースではWindows 11関連の不具合修正が続々と行われています。定期的にバージョンアップのリリースノートをチェックすると安心です。

職場のメンバーで複数人がGWSMOを使っているなら、一斉に最新バージョンにアップデートしてみて、問題が発生するかどうかをテストするのも良いでしょう。

結論

Windows 11とGWSMOの相性問題は、時間とともに解消へ向かっているのは事実です。ただし、環境によっては根深いエラーが出ることもあり、再インストールやレジストリ削除、Chromeのアンインストールなど多少手間がかかるケースがあります。24H2以降のWindows 11であれば、2024年12月以降に提供されているGWSMOの最新版をまず試し、それでもダメならGoogle Updateサービスを停止してインストールする方法などを検討してみてください。状況に応じてはサポートにも相談して、最適な解決策を見つけてください。

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