Azure SQL DatabaseのvCore購入モデルでは、コンピュート(CPU)、メモリ、ストレージを独立してスケール可能で、オンプレミスのパフォーマンスに合わせた構成やコスト最適化が可能です。この記事では、vCoreモデルの特徴、変更点、影響範囲、管理者・開発者が確認すべき設定や移行上の注意点を具体的に整理します。
vCore購入モデルの概要
vCore(仮想コア)は論理CPUを表し、メモリやストレージサイズといったハードウェア特性を選択可能です。vCoreモデルの利点は以下です。
- コンピュートとストレージを独立してスケール可能
- オンプレミスワークロードをクラウドに移行する際のパフォーマンス調整が容易
- Azure Hybrid Benefit(AHB)や予約インスタンスによる価格最適化
- DTUモデルより高い透明性と拡張性
コストはサービス層、ハードウェア構成、vCore数、メモリ、予約ストレージ、バックアップストレージに依存します。
vCoreとDTUモデルの比較
| 項目 | vCoreモデル | DTUモデル |
|---|---|---|
| コンピュート上限 | 高い | 低め |
| メモリ上限 | 高い | 制限あり |
| ストレージ上限 | 高い | 制限あり |
| ハードウェア選択 | 可能 | 不可 |
| 予約インスタンス | あり | なし |
| ハイブリッド特典 | 適用可能 | 不可 |
| スケール粒度 | 高い | 粗い |
vCoreモデルはより柔軟にリソースを選択・調整でき、特に大規模データベースやオンプレミス移行時に有利です。
コンピュートの選択
vCoreモデルは以下のコンピュート層を提供します。
- Provisioned(常時プロビジョニング)
指定したvCoreとメモリが常時確保され、固定価格で課金されます。 - Serverless(自動スケーリング)
ワークロードに応じて自動でスケールし、使用量に応じて秒単位で課金。標準シリーズGen5ハードウェアでのみ利用可能。
注意点
- Business Criticalでは高可用性のために追加レプリカが自動割当され、費用はGeneral Purposeの約2.7倍。
- Hyperscaleではレプリカ数を0〜4で調整可能。
データ・ログストレージ
- 各コンピュートサイズは最大データサイズをサポート(デフォルト32GB)。
- 最大データサイズ設定に対して30%のログ用ストレージが自動追加。
- Hyperscaleは最大128TBで、使用量課金。ログ課金なし。
- tempdbはローカルSSDを利用し、vCore価格に含まれる。
注意点
- データ使用量が減った場合、データベース縮小で未使用領域を解放可能。
- ストレージ課金は最大サイズ設定に基づくため、余裕を持った設定がコスト最適化につながります。
バックアップストレージ
バックアップはPITR(ポイントインタイム復元)とLTR(長期保存)で別課金。
- PITRは1〜35日間の保持、最大データサイズ分は無償。
- LTRは最大10年間保存可能。保存間隔の設定でコストを管理可能。
サービス層の選択
| サービス層 | 特徴 | 推奨用途 |
|---|---|---|
| General Purpose | バランス型、予算重視 | 一般業務ワークロード |
| Business Critical | 高可用性、低レイテンシ | ミッションクリティカルな業務 |
| Hyperscale | 最大128TB、スケール柔軟 | 大規模データ、高速読取り/書込み |
移行・展開時の確認ポイント
- オンプレミスと同等のパフォーマンスが必要か → vCore数とメモリを調整
- 高可用性が必要か → Business CriticalかHyperscaleを検討
- コスト最適化 → Serverlessや予約インスタンス、AHB活用
- ストレージ成長予測 → 最大データサイズとバックアップポリシー設定
- バックアップ保持ポリシー → コンプライアンス要件に応じてPITR/LTRを設定
まとめ
vCoreモデルはAzure SQL Databaseでの柔軟なリソース管理とコスト最適化を可能にします。管理者や開発者は、ワークロードに応じたvCore数・メモリ・ストレージの選択、サービス層の判断、バックアップ設定の確認を行い、必要に応じてServerlessやHyperscaleでスケール調整を行うことが推奨されます。次のステップとして、自社ワークロードをもとに最適構成を試算し、移行計画を策定してください。

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