「TPM も Secure Boot も問題ないのに、Valorant だけロード画面から進まない…」という症状は、2024 年以降の Windows 11 環境、とくに Lenovo Legion 7 16IRX9 のような最新ゲーミングノートで少しずつ報告が増えています。本記事では、単に再インストールするだけでは直らないケースを想定し、Riot Vanguard と Windows/ファームウェア周りの整合性に踏み込んだ実践的な対処手順を、順番に詳しく解説します。
症状と環境の整理
まずは、この記事で扱うケースをはっきりさせておきます。
- OS:Windows 11(2024 年以降のアップデート適用済み)
- PC:Lenovo Legion 7 16IRX9(Legion 7 シリーズ共通の話としても有効)
- ゲーム:Valorant
- 症状:Valorant のロゴやロード画面までは出るが、そこから先に進まない/試合画面に移行しない
- TPM・Secure Boot:いずれも 有効
- エラーメッセージ:特になし(クラッシュやブルースクリーンも出ない)
- Riot が公式に案内する基本的なトラブルシューティングは一通り実施済み
この条件にかなり近い場合は、この記事の手順で改善する可能性が高いと考えてよいでしょう。
| 項目 | 状態の例 | ポイント |
|---|---|---|
| Windows Update | 2024 年以降の更新を適用済み | 更新後から問題が出始めるケースが多い |
| Secure Boot | 有効 | Valorant の動作条件を満たしている |
| TPM | 有効 | こちらも基本条件はクリア |
| エラー表示 | 特になし(固まったまま) | ログやイベントビューアを見ないと原因が分かりにくい |
なぜロード画面から進まないのか:原因の考え方
Valorant がロード画面から進まないとき、多くの人は「ゲームデータが壊れている?」と考えがちですが、実際には Riot のアンチチート「Vanguard」周り に原因があることがほとんどです。
とくに Windows 11 と Lenovo Legion 7 16IRX9 のような最新プラットフォームの組み合わせでは、次のような要素が絡み合って、Vanguard がうまく起動できず、結果として Valorant 本体が「ずっと待たされている状態」になることがあります。
- Windows アップデートでカーネルドライバーやセキュリティ周りの仕様が変わった
- BIOS や Intel ME Firmware、チップセットドライバーが古く、Windows と微妙に不整合
- Lenovo 独自の電源周り・GPU 切り替え機能と Vanguard の相性
- サードパーティ製アンチウイルス/VPN/OC(オーバークロック)ツールが Vanguard と衝突
- 過去バージョンの Vanguard が残骸としてシステム内に残り、正常な起動を妨げている
つまり、問題の本質は「Windows そのものの不具合」ではなく、Vanguard とファームウェア/ドライバー/常駐アプリの整合性不良 であることが多いということです。この前提を押さえたうえで、以下の手順を順番に試していきます。
対処手順の全体像
まず全体の流れを一覧で見ておきます。上から順番に進めることで、どこで改善したかも追いやすくなります。
| ステップ | 内容 | 目的 |
|---|---|---|
| 1 | Riot 関連の完全アンインストール | 古い Vanguard/Valorant の残骸をゼロにする |
| 2 | BitLocker の保護を一時停止 | システム更新時の暗号化トラブルを避ける |
| 3 | BIOS・チップセット・GPU ドライバーを最新化 | Vanguard と OS の土台を揃える |
| 4 | sfc /scannow と DISM によるシステム整合性チェック | 壊れたシステムファイルを修復する |
| 5 | クリーンブートで競合アプリを排除 | 常駐アプリとの相性問題を切り分ける |
| 6 | Valorant の再インストール(別フォルダ) | クリーンな環境で再構築する |
| 7 | 最終手段として Windows のリセット | OS 側の深い不整合を一掃する |
Riot 関連の完全アンインストール
まずは、Valorant と Riot Vanguard を完全に取り除く ところから始めます。普通の「アンインストール」だけではデータが残ることが多く、それが原因で再インストール後も症状が続くケースがあります。
アプリからのアンインストール
- Windows の「設定」を開く
- 「アプリ」 → 「インストールされているアプリ」
- 一覧から Valorant を探し、「…」 → 「アンインストール」を実行
- 同様に Riot Vanguard もアンインストール
残存フォルダを手動で削除
続いて、アンインストール後も残りやすいデータを手動で削除します。
- Win + R キーを押し、「ファイル名を指定して実行」を開く
- それぞれのパスを入力してフォルダを開き、中身を削除する(フォルダごと削除でも可)
| 場所 | 入力するパス | 補足 |
|---|---|---|
| ProgramData | %ProgramData% | 「Riot」や「Riot Games」「Riot Vanguard」などのフォルダを探す |
| AppData(ローミング) | %AppData% | 同様に Riot 関連フォルダを削除 |
| Program Files | C:\Program Files\Riot Games | 存在する場合はフォルダごと削除 |
削除が終わったら PC を再起動 しておきましょう。これで、古い Vanguard や Valorant の残骸による不具合の可能性はかなり下がります。
BitLocker の一時停止
次に、BitLocker の保護を一時的に停止 します。これは、BIOS 更新や一部ドライバー更新時に、暗号化ディスクの状態が原因でトラブルになるのを防ぐためです。
BitLocker を一時停止する手順
- 「コントロール パネル」を開く
- 「システムとセキュリティ」 → 「BitLocker ドライブ暗号化」
- システムドライブ(通常は C:)の項目で、「保護の一時停止」をクリック
- 確認メッセージが出たら、実行を許可する
この操作は 完全に暗号化を解除するわけではなく、「保護を一時的に止める」 だけです。後で BIOS やドライバーの更新が完了したら、「保護の再開」を忘れずに行ってください。
BIOS と各種ドライバーを最新に更新(Lenovo Legion 7 16IRX9)
Legion 7 16IRX9 を含む Legion シリーズでは、BIOS・チップセット・Intel ME Firmware・GPU ドライバー が古いままだと、Windows 11 の最新ビルドと Vanguard の相性が悪くなりがちです。ここを一気に更新しておきましょう。
Lenovo Vantage での更新がおすすめ
Lenovo 公式サイトから個別にダウンロードしてもよいですが、実務的には 「Lenovo Vantage」アプリの「システム アップデート」 からまとめて行うのが簡単で安全です。
- スタートメニューから「Lenovo Vantage」を起動
- 「デバイス」または「システム アップデート」の項目を開く
- 「更新プログラムの確認」を実行
- 表示された更新のうち、以下に該当するものを優先してすべて適用
- BIOS アップデート
- チップセットドライバー(Intel ME Firmware を含むもの)
- 内蔵 GPU(Intel)ドライバー
- 外部 GPU(NVIDIA GeForce)ドライバー
- 指示に従って再起動を繰り返し、すべての更新が完了するまで続ける
| 更新の種類 | 更新の重要度 | 備考 |
|---|---|---|
| BIOS | 非常に高い | Vanguard が参照する低レベル部分に影響 |
| Intel ME Firmware | 非常に高い | セキュリティと管理機能の土台。古いと不整合の原因に |
| チップセットドライバー | 高い | CPU と OS の橋渡し。Vanguard もここを通る |
| GPU ドライバー(NVIDIA/Intel) | 高い | 描画だけでなく、アンチチートとの相性にも影響 |
BIOS 更新中に電源が落ちると重大なトラブルになるため、AC アダプターを接続し、途中で操作を中断しない ように注意してください。
システム整合性チェック(sfc /scannow と DISM)
Windows のシステムファイルが一部壊れていたり、更新に失敗していると、Vanguard や Valorant が正しくロードできないことがあります。そこで、sfc /scannow と DISM を使って整合性をチェックし、必要なら自動修復を行います。
管理者権限でコマンドを実行
- スタートボタンを右クリックし、「ターミナル(管理者)」または「Windows PowerShell(管理者)」を開く
- 以下のコマンドを順番に実行
sfc /scannow
dism /online /cleanup-image /restorehealth
どちらのコマンドも完了まで数十分かかる場合があります。処理が終わったら、必ず PC を再起動 してください。
- sfc /scannow:システムファイルの整合性をチェックし、壊れているファイルがあれば自動修復
- DISM /restorehealth:Windows イメージ自体を検査・修復し、Windows Update から必要なファイルを取得
この工程で「修復されました」と表示される場合、何らかの不整合があったということなので、その後の Valorant の挙動を必ず確認してみてください。
クリーンブートで競合アプリを排除する
ここまでで OS やドライバー周りの整合性を整えたら、次は 常駐アプリとの競合 を疑います。特に次のようなアプリは Vanguard と相性が悪く、「ロード画面から進まない」原因になりがちです。
| アプリの種類 | 具体例 | なぜ問題になるか |
|---|---|---|
| サードパーティ製アンチウイルス | 有名メーカー製の常駐セキュリティソフトなど | Vanguard の挙動を「怪しい」と判断してブロックすることがある |
| VPN クライアント | 常駐型の VPN ソフト | ネットワーク経路が変わり、Vanguard の通信チェックに影響 |
| OC/チューニングツール | CPU/GPU の OC ツール、ファン制御ツールなど | カーネルレベルで挙動を変更し、Vanguard と衝突することがある |
| RGB コントロール/マクロツール | キーボード・マウス・LED の制御ソフト | 入力制御やマクロ機能が「不正な介入」と判定される場合がある |
クリーンブートの設定方法
- Win + R キー → 「ファイル名を指定して実行」から
msconfigと入力し、Enter - 「システム構成」が開いたら、「サービス」タブをクリック
- 「Microsoft のサービスをすべて隠す」にチェックを入れる
- 残ったサービス(サードパーティ製)のチェックをすべて外す
- 「スタートアップ」タブ(Windows 11 では「タスク マネージャーを開く」ボタンが表示される)を開き、不要なスタートアップアプリをすべて「無効」にする
- PC を再起動し、この状態で Valorant を起動してみる
クリーンブート状態で Valorant が正常に起動するようであれば、どれかの常駐アプリが原因 です。その場合は、サービスやスタートアップアプリを 1 つずつ有効に戻し、どれを有効にすると再発するかを確認すると、問題のアプリを特定しやすくなります。
Valorant を別フォルダに再インストール
ここまでの準備ができたら、Valorant をクリーンな状態で再インストール します。このとき、これまでとは異なるフォルダ・ドライブ にインストールするのがポイントです。
別ドライブにインストールする理由
- 旧インストール先に残っていた隠しファイル・設定ファイルの影響を避けられる
- ディスクの断片化やファイルシステムの不具合が原因の場合にも効果がある
- システムドライブ(C:)が逼迫している場合のパフォーマンス低下を防ぐ
インストール手順のポイント
- 公式ランチャーから Valorant インストーラーをダウンロードし実行
- インストール先フォルダを聞かれたら、「参照」から例として
D:\Games\Valorantなど別ドライブ・別フォルダを指定 - インストール完了後、PC を再起動
- Valorant を起動し、初回は 5〜10 分ほど余裕をもって待つ
初回起動時は Vanguard がカーネルドライバーや各種チェックを行うため、かなり時間がかかることがあります。ロード画面でしばらく止まっているように見えても、すぐに強制終了せず、数分程度は様子を見てください。2 回目以降の起動は、通常ここまで長くはなりません。
最終手段:Windows のリセット
ここまでの手順をすべて試しても改善しない場合、Windows 自体のリセット(初期化) を検討してもよい段階です。実際に、「この PC を初期状態に戻す」を実行することで Valorant が正常に起動するようになった事例も報告されています。
リセット前に必ずやるべきこと
- 重要なデータ(ドキュメント、画像、動画、ゲームの設定など)のバックアップ
- 必要なアプリ一覧の控え(スクリーンショットやメモ)
- 各種ライセンスキー/ログイン情報の確認
リセットの種類と選び方
- 個人用ファイルを保持してリセット:ユーザーデータは残しつつ、アプリや設定を初期状態に戻す
- すべてを削除してリセット:完全にクリーンな状態からやり直す(より効果的だが手間も大きい)
Valorant の起動トラブルだけが目的であれば、まずは「個人用ファイルを保持」するリセットを検討するのが現実的です。
リセット直後に Valorant をインストールし、初回起動に 5〜10 分かかる場合がある 点は覚えておきましょう。その後はログイン済みとなり、2 回目以降は起動時間が短くなる傾向があります。
補足:Vanguard サービスとイベントビューアの確認
上記の手順と並行して、Vanguard サービス(vgc)が正しく動いているか、また イベントビューアにエラーが出ていないか を確認しておくと原因の絞り込みがしやすくなります。
サービス「vgc」が実行中か確認する
- Win + R キー → 「ファイル名を指定して実行」から
services.mscと入力し、Enter - サービス一覧から 「vgc」 を探す(「Riot Vanguard」と表示されることもあります)
- 状態が「実行中」になっているかチェック
- 停止している場合は「開始」をクリック
- 既に実行中の場合は、一度「再起動」してから Valorant を起動してみる
ここで「エラー 127」などのエラーメッセージが出る場合は、Vanguard のインストールが壊れている可能性が高く、前述の完全アンインストールと再インストール をしっかりやり直すことが重要になります。
イベントビューアでエラーを確認する
- Win + R →
eventvwr.mscと入力して Enter - 左側のペインから「Windows ログ」 → 「システム」を選択
- 右側の「現在のログをフィルター」から、「レベル:エラー」「警告」などで絞り込む
- Valorant 起動タイミング付近に出ているエラーを確認
たとえば、ドライバー関連のエラー(NVLDDMKM など)や、Vanguard サービスの起動失敗ログが残っていると、「どのあたりで引っかかっているのか」のヒントになります。
Lenovo Legion 7 シリーズならではのポイント
Lenovo Legion 7 16IRX9 のようなゲーミングノートには、GPU の切り替えやパフォーマンスモードの制御機能 など、通常のノート PC にはない独自機能が搭載されています。これらの設定が Valorant/Vanguard の動作に影響することもあります。
Lenovo Vantage の設定チェック
Lenovo Vantage を開き、次のような項目を確認してみてください(名称はバージョンやモデルによって多少異なります)。
| 設定項目 | 推奨設定 | 理由 |
|---|---|---|
| 電源モード/パフォーマンスモード | 「パフォーマンス」または「バランス」 | 極端な省電力モードだと GPU や CPU が制限され、挙動が不安定になることがある |
| GPU モード(自動切り替え/専用 GPU 固定など) | 初期値(自動)または「専用 GPU 優先」 | ハイブリッド GPU 構成の切り替えに起因する不具合を避ける |
| レジオン AI エンジン関連機能 | 基本的には有効で OK | ただしトラブル切り分けのため、一時的に無効化して挙動を確認するのもあり |
設定変更後は PC を再起動し、Valorant の起動挙動が変わるかどうかを確認してみるとよいでしょう。
システム アップデートを定期的に実行する
Legion 7 シリーズ利用者は、Lenovo Vantage の「システム アップデート」 を定期的に実行することを強くおすすめします。これにより、BIOS・ファームウェア・ドライバーが最新状態に保たれ、Vanguard との整合性が崩れにくくなります。
よくある質問と細かい Tips
Secure Boot や TPM を無効にすれば動く?
おすすめできません。 Valorant は正式に Secure Boot と TPM の有効化を要求しており、これらを無効にして動作させるのは、セキュリティや今後のアップデート面で問題が出る可能性があります。本記事の方針は、Secure Boot/TPM を正しく有効に保ったまま動作させる ことです。
初回起動だけ異常に遅いのはなぜ?
初回起動時は Vanguard がカーネルドライバーや各種システムコンポーネントの検証を行っている ため、ロード画面が長時間続くことがあります。これは設計上の仕様であり、2 回目以降は検証が簡略化されるため、多くの場合は起動時間が短縮されます。
クリーンブートでしか動かない場合は?
クリーンブート状態(不要サービスをほぼ停止した状態)でのみ Valorant が起動する場合、常駐アプリのどれかが原因 です。特定するには、以下の手順が有効です。
- サービス/スタートアップアプリを大きなグループ単位で有効に戻す(例:まずは RGB 関連だけ、次に VPN 関連だけ、など)
- グループを有効にした状態で Valorant を起動し、問題が再現するかを確認
- 問題が再現したグループの中から、1 つずつ有効/無効を切り替えて細かく特定していく
原因となるアプリが判明したら、アンインストールする・代替ソフトに乗り換える・Valorant 起動時だけ終了する といった運用で回避することもできます。
Windows をリセットした後にやるべきことは?
Windows リセット後は、次の順番でセットアップするとトラブルを減らせます。
- Windows Update をすべて適用する
- Lenovo Vantage からシステム アップデートを実行(BIOS・ファームウェア・ドライバー)
- 必要最小限の常駐アプリだけインストール(まずはセキュリティソフトと周辺機器ドライバー程度)
- Valorant をインストール(できれば別ドライブ/別フォルダ)
- Valorant の動作を確認してから、その他のアプリを順次インストール
他のゲームは問題ないのに Valorant だけ起動しない
この場合でも、Vanguard とシステム環境の相性問題 であることがほとんどです。他のゲームはアンチチートの要件が違うため、問題にならずに動いているだけ、というパターンが多いです。本記事の手順(特に BIOS/ドライバー更新と Vanguard の完全再インストール)が有効なケースが多いので、順番に試してみてください。
まとめ:再発防止のためのポイント
Windows 11 + Lenovo Legion 7 16IRX9 環境で、Valorant がロード画面から進まなくなる症状は、
- 古い BIOS/ファームウェア/ドライバー
- Vanguard の残骸やインストール不整合
- 常駐アプリとの競合
といった要素が重なったときに発生しやすいトラブルです。
本記事で紹介したように、
- Riot 関連を完全アンインストールしてクリーンに再構築する
- BitLocker を一時停止しつつ BIOS/ドライバーを最新化する
- sfc /scannow と DISM でシステムファイルを整える
- クリーンブートで常駐アプリとの相性を切り分ける
- 最終手段として Windows のリセットも視野に入れる
といった流れを踏むことで、多くのケースで問題を解消できるはずです。また、Lenovo Vantage の「システム アップデート」を定期的に実行する ことで、今後のアップデート後に同じトラブルに悩まされるリスクも大きく減らせます。
Valorant は競技性の高いゲームだけに、ちょっとした不具合が「プレイできない」「ランクに追いつけない」といったストレスにつながりがちです。この記事の手順が、あなたの環境で少しでも早く「いつも通り Valorant が起動する日常」を取り戻す助けになれば幸いです。

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