Windows 11 環境で「EZ Drummer 3」をインストールしたのに、アクティベーションエラーが繰り返し出て先に進めない……。しかも EZ Drummer 1 / 2 は普通に動いている。このパターンは、ライセンスや設定ファイルの「衝突」と残存ファイルが原因であることが多いです。本記事では、実際の問い合わせ事例を踏まえつつ、誰でも再現しやすい手順で「認証ループ」から抜け出す方法を詳しく解説します。
EZ Drummer 3 が Windows 11 でアクティベーションできないときの典型症状
まずは、どのような症状が「よくあるパターン」なのかを整理しておきます。ご自身の環境と近い行をチェックしてみてください。
| 症状 | 考えられる原因 | ポイント |
|---|---|---|
| アクティベーション画面が 3種類くらいループして先に進めない | 旧版(EZD1/2)のライセンス情報と EZD3 の情報が衝突/残存設定ファイル | EZD1/2 を一時的に外し、EZD3 単体で認証すると解消するケースが多い |
| Toontrack Product Manager からも認証に失敗する | Product Manager のバージョンが古い/管理者権限不足/通信ブロック | 最新版に更新し、右クリック「管理者として実行」でサインインし直す |
| エラー文に「インターネット接続」「証明書」などの語句が出る | VPN・プロキシ・セキュリティソフト・Windows 時刻ズレ | 別回線やテザリングで試すと一気に進むことも多い |
| 認証自体は終わるが、DAW が EZD3 を認識しない | 古い EZD プラグインを読み込んでいる/VST フォルダ未スキャン | DAW 側で VST フォルダの再スキャン、プラグイン一覧更新が必要 |
特に、EZ Drummer 1 / 2 がすでに入っている Windows 11 環境でだけ EZD3 がアクティベーションループを起こす場合は、ほぼ間違いなく「旧版との設定やライセンス情報の衝突」を疑ってよい状況です。
最初に試したい「最短ルート」の解決手順(5ステップ)
ややこしい作業に入る前に、以下の 5ステップを上から順に試してみてください。多くのケースはこの段階で解消します。
- Windows を再起動する
まずはシンプルですが効果的なリセットです。
再起動後、以降の作業(Product Manager やインストーラーの起動)はなるべく 右クリック → 「管理者として実行」 で行いましょう。 - Toontrack Product Manager を最新版に更新
既存の Product Manager を起動し、アップデート通知があれば必ず適用します。通知が出ない場合でも、一度アンインストールしてから最新のインストーラーを入れ直すと安定しやすくなります。
更新後、サインアウト → サインインし直しを行い、アカウント情報をリフレッシュします。 - EZ Drummer 1 / 2 を一時的にアンインストール
「アプリと機能」から EZ Drummer 1 / 2 のスタンドアロン・プラグイン(VST3・AAX など)をすべてアンインストール します。
この時点ではあくまで「切り分け」が目的なので、後で再インストールする前提で大丈夫です。
作業後、もう一度 Windows を再起動します。 - EZ Drummer 3 を単体でインストールし、Product Manager からアクティベーション
EZD1/2 がない「クリーンな状態」で EZD3 をインストールします。
インストール完了後、Product Manager を管理者権限で起動し、EZ Drummer 3 のみをアクティベーションします。
ここでエラーなく通るかどうかが重要なチェックポイントです。 - 問題なく認証できたら、必要に応じて EZD1 / 2 を再インストール
EZD3 のアクティベーションが無事完了し、スタンドアロン/DAW 内で起動確認ができたら、最後に EZD1/2 を再インストールします。
ライブラリや MIDI 拡張は別フォルダにあることが多いため基本的には保持されますが、念のためユーザープリセットやカスタム MIDI は事前にバックアップしておくと安心です。
この一連の流れだけで、「3種類のエラー画面がループする」「Product Manager からも有効化できない」といった症状が解決したという報告が多数あります。
旧バージョンとのライセンス/設定ファイルの衝突を疑う理由
なぜ、EZ Drummer 1 / 2 をアンインストールするだけで EZ Drummer 3 のアクティベーションループが直ることがあるのでしょうか。その理由を簡単に整理します。
- ライセンスや認証情報が共通フォルダに保存されている
多くのオーディオプラグインと同様に、Toontrack 製品もライセンス情報を OS 共通の場所(例:C:\ProgramDataやユーザープロファイル配下)に保存しています。 - 旧バージョンの形式で保存された情報が、EZD3 のフォーマットと合わない
EZD1/2 時代のライセンス情報や設定ファイルが残っていると、EZD3 の認証処理がそれを「壊れた情報」と誤認し、エラーやループを起こすことがあります。 - 途中でキャンセルしたインストール・認証が中途半端に残っている
ネットワークエラーなどで認証作業が中断されると、内部的に中途半端な状態のファイルが残り、その後の再試行でも同じエラーを引き起こすことがあります。
これらの問題を一度リセットするために、旧 EZD のアンインストール → EZD3 単体でのクリーンインストール&認証が有効なわけです。
アンインストール前に必ずバックアップしておきたいもの
EZD1/2 を一時的に外す前に、次のフォルダ・データはバックアップしておきましょう。
| 項目 | 例 | 備考 |
|---|---|---|
| ユーザープリセット | カスタムドラムセット、ミキサー設定 | 保存場所は環境によって異なるため、EZD 内の「プリセット保存」ダイアログなどでパスを確認しておくと安心 |
| ユーザー MIDI / ループ | 自作のグルーブ、追加で購入した MIDI パック | 専用ライブラリフォルダや独自フォルダにまとめている場合は、フォルダごとコピーしておく |
| 音源ライブラリのパス情報 | 例:D:\Toontrack\EZDrummer | 大容量ライブラリを別ドライブに置いている場合、再インストール時にパスを指定しやすくなる |
ライブラリそのものを削除する必要は通常ありません。プログラム本体とプラグインだけを一時的に外す、というイメージで進めてください。
それでも直らない場合の「残存ファイルクリーンアップ」手順
ここからは少し踏み込んだ内容です。作業前には必ずバックアップを取得し、自己責任で慎重に進めてください。
よく問題を起こす「残存フォルダ」の例
以下はあくまで一例ですが、Toontrack 関連のファイルが残りやすい場所です(環境によってパスは異なります)。
C:\ProgramData\ToontrackC:\Users\(ユーザー名)\AppData\Roaming\ToontrackC:\Users\(ユーザー名)\AppData\Local\ToontrackC:\Program Files\Common Files\VST3内の EZDrummer / Toontrack 関連ファイル- DAW ごとの VST2 フォルダ(指定している場合)
いきなり削除するのではなく、次のような手順をおすすめします。
- 上記フォルダをエクスプローラーで開く(表示されない場合は「隠しファイル」を表示に切り替え)
- 対象のフォルダを 削除ではなく、まずリネーム(例:
Toontrack_old) - Windows を再起動
- Product Manager を管理者として起動し、EZ Drummer 3 のインストールとアクティベーションを再試行
- 問題が解消されたら、
Toontrack_oldフォルダ内で不要なファイルだけを後から削除
こうしておけば、「何かおかしくなったら元に戻す」という保険が効きます。無闇に削除してしまうと、ほかの Toontrack 製品まで動かなくなるリスクがあるので要注意です。
ネットワーク・セキュリティ設定を見直す(認証系の前提条件)
認証エラーのログやエラーメッセージに「インターネット接続」「証明書」「サーバーに接続できません」などが含まれている場合は、ライセンス情報よりもネットワークやセキュリティ周りを疑った方が早いこともあります。
VPN・プロキシ・ゼロトラスト系セキュリティの一時停止
- 仕事用 PC や企業ネットワーク下の PC では、ゼロトラスト系のセキュリティ製品がライセンスサーバーへの通信をブロックしていることがあります。
- 個人用 VPN クライアントを常時オンにしている場合も、一時的にオフにしてから認証を試してみてください。
- 可能であれば、スマホのテザリングなど別回線で接続し直し、Product Manager からログイン&アクティベーションを試すと原因切り分けになります。
セキュリティソフト・ファイアウォールの例外設定
- 市販のウイルス対策ソフトや、Windows Defender ファイアウォールが Toontrack Product Manager の通信をブロックしているケースがあります。
- Product Manager の実行ファイル(インストール先フォルダにある
.exe)を、「例外」「信頼済みアプリ」として登録します。 - 一時的にリアルタイム保護をオフにして試す方法もありますが、その間は怪しいサイトやメールを開かないように注意してください。
Windows の日付・時刻・証明書のチェック
- Windows の時計が実際の時刻から大きくズレていると、SSL/TLS 証明書が「無効」と判断され、ライセンスサーバーとの通信に失敗することがあります。
- 「日付と時刻」を開き、「時刻を自動的に設定する」「NTP サーバーと同期」を有効にして、正しい時間に修正してください。
- 長期間 Windows Update を適用していないと、証明書ストアや TLS の更新がされず、認証に失敗する要因になります。後述の Windows Update と合わせて確認しておきましょう。
Windows Update とランタイム(Visual C++ / .NET)を最新にする
意外なようでいて、OS やランタイムが古いせいでインストーラー自体が正しく動かないというケースも少なくありません。
- Windows Update を最新状態まで適用
再起動を挟みながら「更新プログラムのチェック」を繰り返し、更新がなくなるまで実施します。 - Microsoft Visual C++ 再頒布可能パッケージ
多くのオーディオプラグインは VC++ ランタイムに依存しています。各バージョン(2015-2022 など)の x64 版がインストールされているか確認し、不足があれば導入します。 - .NET ランタイム
Toontrack Product Manager や関連ツールが .NET を利用している場合、古いランタイムが原因で起動や通信に失敗することもあります。
これらを最新にしておくことは、EZ Drummer 3 以外のソフトの安定動作にもつながるので、DTM 環境全体のメンテナンスという意味でも有効です。
クリーンブートで常駐アプリとの相性を切り分ける
セキュリティソフトや常駐系ユーティリティ、チューニングツールなどが Product Manager の動作を邪魔している場合、通常の手順では原因を見つけづらいことがあります。そこで役立つのがクリーンブートです。
ざっくりとした流れは次の通りです。
msconfig(システム構成)を開く- 「サービス」タブで「Microsoft のサービスをすべて隠す」にチェック → 残りのサービスをすべて無効化
- 「スタートアップ」はタスクマネージャーから不要なものを無効化
- PC を再起動し、最小限の常駐アプリだけが動いている状態で Product Manager を起動して認証を試す
この状態で問題なく認証できるようなら、クリーンブート前に動いていたアプリのどれかが原因です。元の設定に戻しつつ、怪しそうなものから順番に常駐をオフにして切り分けましょう。クリーンブートは元の設定に戻すことを忘れないよう注意してください。
オフライン認証の検討(ネットワーク制限が厳しい環境向け)
職場 PC やスタジオ PC など、そもそもインターネットに直接つなげない環境では、オフライン認証を利用できる場合があります。
- 基本的には「オフライン PC でライセンスリクエストを生成」→「オンライン PC で Toontrack アカウントにログインしてライセンスファイルを発行」→「オフライン PC に持ち帰って適用」といった流れになります。
- 製品やバージョンによって手順が異なるため、公式マニュアルやサポートページの手順に従うことが重要です。
- ネットワーク制限のルール(ポリシー)が厳しい企業環境では、IT 管理者に相談してもらう方がスムーズな場合もあります。
オンライン認証がどうしても通らない場合の「最後のカード」として覚えておくと安心です。
ログと情報を整理してベンダーサポートに伝えるコツ
ここまで試しても解決しない場合は、Toontrack サポートや購入元の販売店サポートに連絡しましょう。その際、次の情報をまとめておくと回答までがスムーズです。
送っておきたい情報リスト
- エラー画面のスクリーンショット
・ループしている 3種類のエラー画面を「1 / 2 / 3」と番号を振って画像にしておくと、現象を正確に伝えられます。 - Windows と EZD3 / Product Manager のバージョン
・Windows 11 のエディション(Home / Pro など)、バージョン、ビルド番号
・EZ Drummer 3 のバージョン
・Toontrack Product Manager のバージョン - インストール先・ライブラリ保存先パス
・プログラムのインストール先(例:C:\Program Files\Toontrack)
・ライブラリの保存先(例:D:\Toontrack\EZDrummer) - セキュリティソフト・VPN の有無
・製品名、バージョン、常駐かどうか
・企業ネットワークか個人回線か - 試した手順と結果を時系列で箇条書き
・「○月○日 ○時:EZD1/2 をアンインストール → 再起動 → 認証失敗(エラー1)」
・「○月○日 ○時:テザリングで接続して認証 → エラー内容が変化(エラー2)」
のように、日時とともに記録しておくと解析しやすくなります。
加えて、Product Manager のログや Windows の「イベント ビューアー」→「アプリケーション」ログを添付できれば、より深い調査につながります。
DAW から EZ Drummer 3 が見えない/古いバージョンしか出てこない場合
アクティベーション自体は完了しているのに、DAW 内で EZ Drummer 3 が見つからない、または EZ Drummer 2 しか表示されない、といったトラブルもよくあります。
よくある原因
- DAW が古い VST フォルダのみをスキャンしている
- EZ Drummer 3 の VST3 がデフォルトフォルダに入っていない
- DAW の「プラグインリスト」が更新されていない
対処のチェックリスト
| 項目 | 確認内容 |
|---|---|
| VST3 フォルダ設定 | DAW の環境設定で C:\Program Files\Common Files\VST3 がスキャン対象になっているか確認 |
| VST2 フォルダ | もし VST2 を使用している場合、インストール時に指定した VST2 フォルダが DAW のスキャン対象に含まれているか確認 |
| プラグインリストの再スキャン | DAW の「プラグインマネージャー」から再スキャン/キャッシュクリアを実行 |
| 32bit/64bit の混在 | Windows 11 の DAW では基本的に 64bit プラグインのみ対応。古い 32bit 版 EZD が残っていないか確認 |
「DAW では EZD2 しか出てこないのに、スタンドアロンでは EZD3 が動く」といった場合は、ほぼ DAW 側のプラグインパス設定・キャッシュが原因です。
よくある質問(FAQ)
Q. EZ Drummer 1 / 2 をアンインストールするとライブラリも消えてしまいませんか?
A. 通常、ライブラリ(サウンドデータ)は別フォルダとして管理されているため、プログラム本体のアンインストールでは消えません。ただし、インストール時に「プログラムと同じ場所」にライブラリを置いている場合などは例外もあり得るので、事前にフォルダ構成を確認し、念のためバックアップを取っておくと安全です。
Q. EZ Drummer 1 / 2 と 3 は最終的に共存できますか?
A. 多くの環境で共存自体は可能です。ただし、本記事で扱ったように、インストールや認証のタイミングで旧版との衝突が起きやすいことがあるため、まずは EZD3 単体で認証を通し、その後に EZD1/2 を戻すという順番を推奨します。
Q. 何度やっても同じエラーが出るので、PC を初期化した方が早いでしょうか?
A. いきなり OS の初期化に踏み切るのはおすすめしません。旧版の一時的アンインストール → 残存ファイルのリネーム退避 → ネットワーク・セキュリティの見直し → クリーンブート → サポートへの問い合わせまで試して、それでも解決しない場合の最終手段と考えるのが現実的です。
Q. 複数台の Windows 11 PC にインストールしたいのですが、ライセンス的に問題ありませんか?
A. Toontrack 製品の利用条件はライセンス契約(EULA)で定められています。インストール可能台数や同時利用の制限などは契約内容に依存するため、公式のライセンス条項を確認するか、必要に応じて Toontrack サポートへ問い合わせてください。
トラブルを防ぐための「今後の運用」チェックポイント
一度認証ループを抜け出したら、同じトラブルを繰り返さないための運用も意識しておきたいところです。
- Product Manager を定期的にアップデートする
新しい OS バージョンへの対応や不具合修正が行われているため、プラグイン本体だけでなく Product Manager 自体の更新も重要です。 - 大きな Windows アップデートの前後で動作確認
Windows の大型アップデート後は、一度 EZD3 をスタンドアロン起動して認証状態を確認しておくと安心です。 - ライブラリとユーザーデータは OS とは別ドライブにまとめておく
OS の再インストールや PC 買い替えの際に、ライブラリの移行が格段に楽になります。 - インストール・認証作業は、なるべく常駐ソフトを減らした状態で行う
初回セットアップ時だけでも、セキュリティソフトや常駐ツールを一部オフにしておくとトラブルが減ります。
まとめ:EZ Drummer 3 のアクティベーションループを抜け出すコツ
Windows 11 上で EZ Drummer 3 のインストール・アクティベーションがうまくいかない原因の多くは、
- 既存の EZ Drummer 1 / 2 とのライセンス/設定ファイルの衝突
- Toontrack Product Manager のバージョンや権限不足
- VPN やセキュリティソフト、時刻ズレなどの認証系の前提条件不備
に集約されます。
対処の基本ラインは、
- Windows を再起動し、Product Manager を管理者として実行
- Product Manager を最新版に更新し、サインインし直す
- EZ Drummer 1 / 2 を一時的にアンインストール → 再起動
- EZ Drummer 3 を単体でクリーンインストール&アクティベーション
- 必要であれば EZD1/2 を再インストールし、DAW 側で VST を再スキャン
という流れです。これでも解決しない場合は、残存ファイルのリネーム退避やクリーンブート、オフライン認証の検討、詳細情報を添えてのサポート問い合わせへと進みましょう。
少し手順は多いですが、一つひとつ落ち着いて確認していけば、「3種類のエラー画面がぐるぐる回るだけで使えない」状態から脱出できる可能性は高いです。この記事を参考に、安心して EZ Drummer 3 を Windows 11 の制作環境で活用してみてください。

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