Windows 11で、フルスクリーンでは問題ないのに、ウィンドウ表示やボーダーレス表示にすると動きが重い、入力の反応が遅い、引っかかるように感じる場合は、まず「ウィンドウ ゲームの最適化」を確認しましょう。
この機能は、ウィンドウモードやボーダーレスウィンドウモードで動作するDirectX 10・DirectX 11対応ゲームの表示方式を、従来の方式から新しいフリップモデルへ切り替えるものです。フレームの待機時間を短縮し、対応環境ではAuto HDRや可変リフレッシュレート(VRR)も利用しやすくなります。([Microsoft サポート][1])
ただし、すべてのゲームでFPSが上昇する機能ではありません。まず全体設定をオンにしてゲームを再起動し、特定のゲームだけ挙動が悪くなる場合は、そのゲームだけ最適化をオフにするのが基本です。
「ウィンドウ ゲームの最適化」で変わること
「ウィンドウ ゲームの最適化」は、ゲーム内の画質設定を下げたり、GPUの処理能力を増やしたりする機能ではありません。
主に変わるのは、ゲームが描画したフレームをWindowsが画面へ表示するまでの経路です。Microsoftは、対応するゲームを従来の「blt-model」から新しい「フリップモデル」へ切り替えることで、フレーム遅延を抑えると説明しています。([Microsoft サポート][2])
そのため、期待できる変化は平均FPSの増加だけではありません。
- マウスやコントローラー操作に対する表示の遅れが小さくなる
- ウィンドウ表示時の動きが滑らかになる
- 対応ディスプレイでVRRを利用しやすくなる
- 対応環境でAuto HDRを利用できる
- ボーダーレス表示でも低遅延な表示方式を使える
平均FPSが同じでも、操作から画面表示までの遅れや、フレーム表示のばらつきが変われば、体感が改善することがあります。一方、ゲームとの組み合わせによっては挙動が変わらなかったり、かえって不安定に感じたりする可能性もあるため、オン・オフを同じ条件で比較することが重要です。
最適化の対象になるゲーム
Microsoftが「ウィンドウ ゲームの最適化」の対象として案内しているのは、Windows 11上でウィンドウモードまたはボーダーレスウィンドウモードを使用するDirectX 10・DirectX 11のゲームです。([Microsoft サポート][1])
| 確認項目 | 判断の目安 |
|---|---|
| OS | Windows 11 |
| グラフィックスAPI | DirectX 10またはDirectX 11 |
| 表示モード | ウィンドウまたはボーダーレスウィンドウ |
| 排他フルスクリーン | この機能の主な対象ではない |
| DirectX 12、Vulkan、OpenGL | Microsoftの説明上、対象として明記されていない |
| Auto HDR | オンにすると最適化も自動的にオンになる |
| VRR | 対応ディスプレイで利用可能 |
ゲーム内で「フルスクリーン」と表示されていても、実際にはボーダーレスウィンドウとして動作している場合があります。「排他フルスクリーン」「ボーダーレス」「フルスクリーンウィンドウ」など、ゲームごとの表記を確認してください。
DirectXのバージョンが分からない場合は、ゲーム内のグラフィックス設定、ゲーム公式サイトの仕様、起動オプションなどを確認します。DirectX 12へ切り替えられるゲームでも、設定によってDirectX 11で起動していることがあります。
Windows 11でウィンドウゲームの最適化をオンにする方法
最初に、対応するゲーム全体へ「ウィンドウ ゲームの最適化」を適用します。
Windowsキー + Iを押して「設定」を開く- 「システム」を選択する
- 「ディスプレイ」を選択する
- 「グラフィックス」を開く
- 「既定のグラフィックス設定」または「既定の設定」を開く
- 「ウィンドウ ゲームの最適化」をオンにする
- 対象のゲームを終了し、もう一度起動する
Microsoftの案内でも、設定変更後にゲームを再起動する手順が示されています。設定を切り替えただけで判断せず、必ずゲームを完全に終了してから起動し直してください。([Microsoft サポート][2])
Windows 11の更新状況によっては、「既定のグラフィックス設定」が「既定の設定」と表示されるなど、項目名や配置が若干異なる場合があります。
オンにした後の比較方法
最適化の効果を確認するときは、設定以外の条件をできるだけそろえます。
変更前の状態を記録する
少なくとも、次の項目を控えておきましょう。
- ウィンドウ、ボーダーレス、フルスクリーンのどれを使用したか
- 解像度
- レンダリング解像度
- 画質プリセット
- FPS上限
- ゲーム内の垂直同期設定
- Auto HDRのオン・オフ
- 比較に使用した場所や場面
設定画面をスマートフォンで撮影するか、スクリーンショットを保存しておくと、元の状態へ戻しやすくなります。
同じ場面で比較する
比較に適しているのは、ゲーム内ベンチマークや、毎回同じ場所から開始できる場面です。
次の点を確認します。
- カメラを動かしたときの滑らかさ
- 急に視点を変えたときの引っかかり
- マウスやコントローラー入力への反応
- 平均FPS
- 瞬間的なFPS低下
- フレームタイムグラフが利用できる場合は、そのばらつき
一度の確認だけで判断せず、同じ場面を複数回試してください。ゲームのロード状況やバックグラウンド処理によって、一時的に結果が変わることがあるためです。
「最適化をオンにすれば何FPS上がる」といった共通の改善値はありません。PC構成、ゲーム、表示モード、GPUドライバー、ディスプレイ環境が異なるため、実際の環境で比較して判断します。
特定のゲームだけ最適化をオフにする方法
全体設定をオンにした後、特定のゲームだけ次のような問題が出る場合があります。
- 以前よりカクつくようになった
- 映像が一瞬止まる
- 画面表示が乱れる
- ゲームの起動や表示切り替えが不安定になった
- Auto HDRの表示が合わない
- オンにしても改善がなく、オフの方が安定する
この場合、全体設定を一律にオフにする必要はありません。問題が出るゲームだけ、個別に最適化を無効化できます。
- 「設定」を開く
- 「システム」を選択する
- 「ディスプレイ」を選択する
- 「グラフィックス」を開く
- 「アプリのカスタムオプション」から対象ゲームを選択する
- 「オプション」を選択する
- 「ウィンドウ ゲームの最適化」をオフにする
- 「保存」を選択する
- ゲームを終了し、もう一度起動する
Microsoftの公式手順でも、アプリやゲームごとに最適化をオフにし、保存後にゲームを再起動する方法が案内されています。([Microsoft サポート][1])
この方法なら、相性の良いゲームでは最適化を利用しながら、問題が起きるゲームだけ従来の動作へ戻せます。
ゲームが一覧に表示されない場合
対象ゲームが「アプリのカスタムオプション」に表示されない場合は、グラフィックス設定画面からゲームの実行ファイルを追加します。
Windowsのグラフィックス設定では、対象ゲームを検索するだけでなく、ゲームの.exeファイルを追加して個別設定を行える構成があります。([Microsoft サポート][3])
ランチャーを使用するゲームでは、ランチャー本体と実際のゲーム本体が別の実行ファイルになっている場合があります。個別設定が反映されないときは、ゲーム起動中にタスクマネージャーを開き、実際に動作しているゲームの実行ファイルを確認してください。
Microsoft Store版など、配布形式によって登録方法や表示項目が異なる場合があります。
最適化をオフにできないときはAuto HDRを確認する
「ウィンドウ ゲームの最適化」をオフにしたいのに、設定がオンへ戻る、スイッチを変更できないといった場合は、Auto HDRを確認してください。
Windows 11では、Auto HDRをオンにすると「ウィンドウ ゲームの最適化」も自動的にオンになります。Microsoftは、最適化をオフにする場合、先にAuto HDRをオフにする必要があると案内しています。([Microsoft サポート][2])
全体のAuto HDRを確認する
- 「設定」を開く
- 「システム」を選択する
- 「ディスプレイ」を開く
- 「HDR」を選択する
- Auto HDRの設定を確認する
- 必要に応じてAuto HDRをオフにする
- 「グラフィックス」へ戻る
- 「ウィンドウ ゲームの最適化」をオフにする
- ゲームを再起動する
ゲーム別にAuto HDRを無効化する
ゲームごとのグラフィックス設定には、対象アプリでAuto HDRを使用しないための項目も用意されています。
- 「設定」→「システム」→「ディスプレイ」→「グラフィックス」と進む
- 「アプリのカスタムオプション」で対象ゲームを選ぶ
- 「オプション」を開く
- 「自動 HDR を使用しない」を有効にする
- 「ウィンドウ ゲームの最適化」をオフにする
- 「保存」を選択する
- ゲームを再起動する
ゲーム別の設定画面では、ウィンドウゲームの最適化とAuto HDRの両方を個別に変更できます。([Microsoft サポート][1])
HDR対応ディスプレイを使用している場合は、Auto HDRを全体で無効化する前に、問題があるゲームだけ「自動 HDR を使用しない」に設定すると、影響範囲を小さくできます。
ゲーム別設定とGPU設定を混同しない
「アプリのカスタムオプション」では、ウィンドウゲームの最適化だけでなく、使用するGPUも選択できます。
PCに複数のGPUがある場合、次のような項目が表示されます。
- Windowsで決定する
- 省電力
- 高パフォーマンス
これらは、ゲームに使用するGPUを指定する設定です。「ウィンドウ ゲームの最適化」とは役割が異なります。Microsoftの公式手順でも、GPUの選択とウィンドウゲームの最適化は別の項目として案内されています。([Microsoft サポート][2])
ノートPCなどでゲームが内蔵GPU側へ割り当てられている場合は、最適化のオン・オフだけでなく、GPU設定も確認します。ただし、一度に複数の設定を変更すると原因を判断できなくなるため、次の順番で試すと切り分けやすくなります。
- 現在の設定を記録する
- ウィンドウゲームの最適化だけを変更する
- ゲームを再起動して比較する
- 元へ戻して再確認する
- 必要な場合だけGPU設定を変更する
よくある失敗と対処方法
| 失敗しやすい点 | 対処方法 |
|---|---|
| 設定変更後にゲームを再起動していない | ゲームを完全終了して起動し直す |
| 一つのゲームで問題が出ただけで全体設定をオフにする | 先にゲーム別設定で無効化する |
| Auto HDRがオンのまま最適化をオフにしようとする | Auto HDRを先に無効化する |
| 平均FPSだけで効果を判断する | 入力遅延、引っかかり、フレームタイムも確認する |
| 異なる場所や画質設定で比較する | 同じ場面、解像度、画質で比較する |
| DirectX 12やVulkanのゲームにも同じ効果を期待する | DirectX 10・11のウィンドウ表示が主な対象と理解する |
| GPU設定と最適化設定を同時に変更する | 一項目ずつ変更して原因を切り分ける |
| ボーダーレスと排他フルスクリーンを混同する | ゲーム内の表示モードを確認する |
オンとオフの判断基準
基本的には、対応するゲーム全体で最適化をオンにし、問題があるゲームだけオフにする運用が分かりやすいでしょう。
| 状況 | 推奨する設定 |
|---|---|
| DirectX 10・11のウィンドウ表示が重い | 全体設定をオンにして比較 |
| オンにして操作感が改善した | オンのまま使用 |
| 特定のゲームだけ不安定になった | そのゲームだけオフ |
| すべての対象ゲームで問題が出る | 全体設定を元へ戻して確認 |
| 最適化をオフにできない | Auto HDRを先に確認 |
| 設定を変えても差がない | DirectXの種類と表示モードを再確認 |
| 対象外のゲームだった | ゲーム側の表示設定やGPU割り当てを別に確認 |
ウィンドウ表示のゲームだけ動きが悪い場合は、最初からグラフィックスドライバーの再インストールやWindowsの初期化へ進むのではなく、まず「ウィンドウ ゲームの最適化」のオン・オフを比較してください。
全体設定をオンにしてゲームを再起動し、同じ場面で挙動を確認します。特定のゲームだけ問題が出る場合は、アプリのカスタムオプションからそのゲームだけ最適化をオフにします。設定を変更できない場合は、Auto HDRとの連動を確認するのが適切な順序です。
[1]: https://support.microsoft.com/ja-jp/windows/hardware/display-graphics/optimizations-for-windowed-games-in-windows-11 “Windows 11でのウィンドウ ゲームの最適化 | Microsoft Support”
[2]: https://support.microsoft.com/ja-jp/windows/windows-11%E3%81%A7%E3%81%AE%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%83%89%E3%82%A6-%E3%82%B2%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%81%AE%E6%9C%80%E9%81%A9%E5%8C%96-3f006843-2c7e-4ed0-9a5e-f9389e535952?utm_source=chatgpt.com “Windows 11でのウィンドウ ゲームの最適化 – Microsoft サポート”
[3]: https://support.microsoft.com/ja-jp/windows/ai/ai-features/automatic-super-resolution?utm_source=chatgpt.com “自動スーパー解像度 | Microsoft Support”

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