GPOでGoogle Chromeの起動ページを指定する中心設定はRestoreOnStartupです。現行ポリシーには「新しいタブページを開く=5」「前回のセッションを復元=1」「URLリストを開く=4」「URLリストと前回セッションを開く=6」の四つがあります。URLを使う4または6ではRestoreOnStartupURLsを対で設定します。ホームボタンのHomepageLocationや新しいタブ自体を置換するNewTabPageLocationは別設定です。公式Chrome Enterprise ADMX/ADMLを使い、検証OUでchrome://policyの値・Source・Scopeを確認し、通常終了、クラッシュ、複数プロファイルを実動作テストします。
起動・ホーム・新しいタブを別要件にする
「Chromeを開いたとき」「ホームボタンを押したとき」「新しいタブを追加したとき」は別イベントです。起動はRestoreOnStartupとRestoreOnStartupURLs、ホームはHomepageLocation/HomepageIsNewTabPage/ShowHomeButton、新規タブの置換はNewTabPageLocationで管理します。起動URLだけを求める記事で三つを同時に固定すると、利用者の作業復元や検索導線へ不要な影響が出ます。
要件を「毎回新しいタブ」「前回作業を復元」「固定ポータルだけ」「復元に加えて必須ポータル」のどれかにします。固定URLは所有者、可用性、認証、VPN外からの到達、データ分類を確認します。利用者が選べる初期値にするか管理者が固定するかも決めます。Chrome起動とWindowsサインイン時のChrome自動起動は別機能なので、スタートアップアプリまで無断で有効化しません。
対象Chromeと管理元を棚卸しする
Windows版Chrome Stable/Beta/Dev/Canary、32/64ビット、インストール方式、バージョン、プロファイルを確認します。本記事は企業管理Windows上のGoogle Chromeを対象にし、ChromeOSの「Restore apps on startup」やデスク同期とは挙動が異なります。ChromeOSでは別のOS側復元設定が起動ページへ影響するため、Windows GPOの結果をそのまま適用しません。
管理元は端末GPO、ユーザーGPO、Chrome Enterprise Coreのクラウドマシン、管理Googleアカウントのクラウドユーザー、ローカル初期設定に分かれます。端末ポリシーはサインインに関係なく全プロファイルへ及ぶ場合があり、クラウドユーザーは管理アカウントへ従います。同じRestoreOnStartupを複数面から違う値で配らず、管理元、対象、優先度、例外を台帳化します。
公式ADMX/ADMLを同じ版で配置する
Google公式Chrome Enterprise Bundleまたはテンプレート配布物を取得し、Configuration/admxのgoogle.admxとchrome.admx、対象言語のgoogle.admlとchrome.admlを確認します。配布元、版、取得日を記録し、非公式ADM、ブログ添付レジストリ、古いテンプレートを混在させません。googleとchromeの親子ファイルを両方、同じ配布物と同じ言語で扱います。
ドメインでセントラルストアを使う場合はSYSVOL内PolicyDefinitionsを世代バックアップし、ADMXと各言語ADMLを対で追加します。管理端末ローカルだけへコピーしてもドメインGPMCには反映されません。DFSR複製、GPMC再起動後に「管理用テンプレート」「Google」「Google Chrome」へ起動設定が表示され、ヘルプに四つの動作があることを確認します。
新しいタブページを開く値5を選ぶ
毎回クリーンな起動を求める場合はRestoreOnStartupを「Open New Tab Page」にします。公式値は5です。GPMCの選択肢を使えば数値を直接入力する必要はありません。新しいタブページはChrome既定またはNewTabPageLocationの設定に従うため、値5だけで社内ポータルを開くわけではありません。固定ポータルが必要なら後述のURLリスト4を使います。
値5は前回開いていたタブを自動復元しないため、作業中タブを期待する利用者へ影響します。ブラウザーのクラッシュ後に復元確認が表示される場合も含め、通常終了と異常終了を分けて試します。利用者が必要なページをブックマークやホームから開けるか、キオスク、共有端末、VDIで新しいタブに何が表示されるかを確認します。
前回のセッションを復元する値1を選ぶ
継続作業を優先する場合はRestoreOnStartupを「Restore the last session」にし、公式値1を使います。前回終了時のタブとウィンドウが復元されます。機密システム、共有端末、画面共有、離席時のプライバシーを考慮し、Windowsの画面ロック、Chromeプロファイル分離、セッション終了手順と合わせます。保存していないWeb入力の復旧を保証する機能ではありません。
Googleは値1または値6を使うと、終了時の閲覧データ消去やセッションのみCookieなど、セッション/終了処理に依存する一部設定が無効になると説明しています。「終了時にCookieを消す」と「必ず前回セッション復元」を同時に期待せず、ポリシーリファレンスで相互作用を確認します。規制要件で終了時消去が必須なら、復元を採用する前にセキュリティ担当と設計を見直します。
URLリストを開く値4を選ぶ
社内ポータルや勤怠など固定ページを開く場合はRestoreOnStartupを「Open a list of URLs」、公式値4にします。続いてRestoreOnStartupURLsへHTTPSの正規URLを一覧登録します。例はhttps://portal.example.com/のようにスキーム、FQDN、必要なパスを明示します。値4だけ設定してURL一覧を空にすると要件を満たさないため、二つを一つの変更として検証します。
起動URLを多数登録すると、Chrome起動時に通信、SSO、MFA、メモリ、サーバー負荷が集中します。必要最小限の1〜3ページにし、重いダッシュボードや外部広告ページを全利用者へ同時起動しません。HTTP、短縮URL、IPアドレス、認証情報入りURL、個人識別クエリを避けます。ページ障害、証明書エラー、VPN外、オフライン、プロキシ障害時にもChrome自体が使えることを確認します。
URLリストと復元を併用する値6を慎重に使う
業務必須URLを毎回開きつつ前回タブも戻す場合は値6「Open a list of URLs and restore the last session」を使います。公式説明では、復元セッションとは別ウィンドウにRestoreOnStartupURLsのページが開きます。利用者がそのURLウィンドウを開いたまま終了すると、次回は復元対象にも含まれ、固定URLと重複して増える可能性があります。代表操作で重複を確認します。
値6は最も多くのタブを開き、値1と同様に終了時データ消去やセッションCookie設定との相互作用があります。必須URLをホームボタン、管理ブックマーク、社内ランチャーで提供できないか先に検討します。採用する場合はURL数、ウィンドウ数、前回クラッシュ、複数モニター、VDI再接続、低メモリ端末をテストし、利用者へ閉じ方と期待動作を説明します。
GPOをユーザー/コンピューターの適切な範囲へ設定する
検証専用GPOを作り、「ポリシー」「管理用テンプレート」「Google」「Google Chrome」「起動、ホームページ、新しいタブページ」相当のカテゴリでRestoreOnStartupと、必要ならRestoreOnStartupURLsを構成します。端末全利用者へ統一するならコンピューター構成、利用者ロールで分けるならユーザー構成を検討します。Default Domain Policyへ追加しません。
管理必須と推奨テンプレートのどちらを使うかを要件で決めます。利用者変更を認める初期値ならRecommended、監査上固定が必要ならMandatoryを検討します。同じキーを両ノードやクラウドから違う値で設定しません。IT、代表部門、限定OUの順に広げ、Windowsのショートカット引数にURLや--restore-last-sessionなどが付いていないかも確認します。
chrome://policyで四つの状態を確認する
対象端末で通常のGPO更新後、Chromeを完全終了して再起動し、chrome://policyでReload policiesを押します。RestoreOnStartupを検索し、値が1、4、5、6の期待どおりか、Level、Scope、Source、Statusを確認します。URL方式ならRestoreOnStartupURLsを展開し、順序、URL、エラーを確認します。SourceがPlatformならGPO、Cloudならクラウド管理です。
Googleの確認手順ではApplies toがMachineまたはCurrent user、SourceがPlatform/Cloud/Enterprise defaultで表示されます。gpresultで対象GPOと拒否理由を照合し、別管理元の競合を見つけます。Not set、Invalid、Deprecated、Errorをレジストリ直書きで隠しません。診断画面に内部URLが含まれるため、外部問い合わせへ無加工のスクリーンショットを貼らないようにします。
実起動・更新・ロールバックを検証する
Chromeを通常終了して再起動、タスクマネージャーで全プロセス終了後に再起動、クラッシュ相当から再起動、Windows再起動後、プロファイル切替、ゲスト/シークレット、社内外ネットワークを試します。値4/6ではURL一覧、値1/6では復元タブ、値5では新しいタブを別々に確認します。Chromeの更新後も同じテストを行い、起動時間と重複タブを監視します。
ロールバックはRestoreOnStartupとRestoreOnStartupURLsを直前値または未構成へ同時に戻します。未構成では利用者設定や別のクラウドポリシーが有効になるため、以前の画面へ自動的に戻るとは限りません。GPO複製、通常更新、Chrome再起動、chrome://policy、実起動を再確認します。利用者プロファイルやセッションデータを削除して戻さず、GPOバックアップ、URL所有者、変更日、検証結果を保管します。
確認チェックリスト
- 起動、ホームボタン、新しいタブを別要件にした
- 公式Chrome Enterprise ADMX/ADMLを同じ版で配置した
- RestoreOnStartupの1/4/5/6と目的を一致させた
- 値4/6ではRestoreOnStartupURLsをHTTPS最小一覧にした
- 値1/6と終了時データ消去/Cookie設定の相互作用を確認した
- Mandatory/Recommendedとユーザー/端末範囲を決めた
- chrome://policyで値・Source・Scope・Statusを確認した
- 通常終了/クラッシュ/複数プロファイルと同時ロールバックを検証した
公式情報・参考資料

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