最近、「Minecraft Launcher」からBedrock版を起動する際に、特定のMicrosoftアカウントだけサインインに失敗してしまい、エラーが表示されるといったトラブルを経験している方が増えてきています。サブアカウントでは問題なくログインできるのに、メインアカウントでだけはエラーになる、というようなケースは非常にストレスフルですよね。本記事では、Windows環境でMinecraft Bedrockにログインできない場合の具体的な原因や対処法を、大きく解説していきます。
サインイン失敗の主な原因とは?
サインインがうまくいかない原因は多岐にわたりますが、代表的なトラブルの発生源には以下のようなものが挙げられます。
Microsoft Store関連の不具合
Windows版のMinecraft Bedrockは、Xbox LiveとMicrosoft Storeのアカウント情報を利用します。Microsoft Store側のキャッシュやライセンス情報に何らかの問題があると、サインインに失敗する可能性があります。
Xboxアプリの破損
「Xboxアプリ」はWindows 10以降のPC環境で、Microsoftアカウントを認証する際に重要な役割を担います。Xboxアプリ自体のファイルが破損している、あるいは古いバージョンを使っている場合、エラーが発生することがあります。
ネットワークやセキュリティソフトの制限
セキュリティソフトやネットワーク環境(ファイアウォール、VPN設定など)が通信をブロックしていると、サインイン手順が途中で阻害される場合があります。特に、Xbox Liveの特定ポートやサービスのブロックが原因となるケースが報告されています。
アカウントの不整合やライセンス問題
Minecraft Bedrockの購入履歴やライセンスが、Microsoftアカウントと正常に紐づけされていない場合も珍しくありません。別アカウントでログインすると問題ないのに、メインアカウントのみエラーが出るときは、アカウント側のライセンス認証に問題がある可能性があります。
よくあるエラーコードと考えられる原因
下記のようなエラーコードやメッセージに遭遇することがあります。原因と簡単な対処方法を表にまとめてみました。
エラーコード・メッセージ | 原因の例 | 対処例 |
---|---|---|
We couldn’t sign you in to Xbox Live | Microsoftアカウント情報の認証エラー、キャッシュ問題など | アカウントの再ログイン、WSReset、Xboxアプリの修復 |
0x803F8001 | ライセンス情報が見つからない、または破損している | Microsoft Storeのキャッシュクリア、ライセンス再取得 |
0x8007042c | Windowsのサービスが停止中または妨害されている | 必要なサービスの起動(Xbox Live Auth Managerなど)、再起動 |
0x80073D0A | Xboxアプリ・ゲームサービス関連のインストールエラー | Xboxアプリの修復&リセット、Game Servicesの再インストール |
WSResetでMicrosoft Storeをリセット
Minecraft Bedrockのサインイン問題を引き起こす一因として、Microsoft Storeのキャッシュが破損しているケースはかなり多いです。WSReset.exeを使ったキャッシュリセットで、ストア関連の不具合が解消されることが期待できます。
WSReset.exeの実行手順
- キーボードの「Windowsキー + R」を押して「ファイル名を指定して実行」ダイアログを開きます。
WSReset.exe
と入力し、Enterキーを押します。- 黒いコマンドプロンプトのウィンドウが自動的に表示され、キャッシュクリアの処理が実行されます。
- コマンドが完了するとMicrosoft Storeが起動する場合があります。
- 念のためPCを再起動し、再度Minecraftを起動してサインインをお試しください。
注意点
- WSResetではユーザーデータが消失するわけではありませんが、エラー状態が長期間続いている場合など、念のためバックアップ(OneDriveにデータを保存するなど)をとっておくことをおすすめします。
- WSResetを実行後、Storeのキャッシュがリフレッシュされることで、ライセンス情報も再度取得されやすくなる可能性があります。
Xboxアプリの修復・リセットで再構築
Minecraft Bedrock版は、Xboxアプリと強く連携しています。アプリ自体の動作不良が起きている場合には、修復とリセットを試すことで問題を解決できることが多いです。
Xboxアプリ修復・リセットのやり方
- キーボードの「Windowsキー + X」を押してメニューを開き、「アプリと機能」をクリックします。
- 検索フォームなどで「Xbox」を入力し、Xboxアプリを探します。
- 見つかったらアプリ名をクリックし、「詳細オプション」を選択します。
- まず「修復」を実行し、修復完了後に同じ画面で「リセット」を実行します。
- 処理が完了したらPCを再起動し、再度Minecraftを起動してみましょう。
Game Services関連のトラブルもチェック
Xboxアプリを修復しても問題が解消しない場合は、Game Servicesの破損やバージョン不整合なども考えられます。Microsoft Store内で「Game Services」や「Xbox Identity Provider」がインストールされているかを確認し、最新バージョンにアップデートするか、一度アンインストールのうえ再インストールしてみてください。
追加で試すとよい対策
上記の方法で解決しない場合や、別の視点からアプローチしたい場合の対策をまとめます。
Windows Updateを最新に適用する
OSが古いビルドバージョンのままだと、XboxサービスやMicrosoft Storeとの互換性で不具合を引き起こす場合があります。Windows Updateを実行して、最新の状態にアップデートすることを推奨します。
Microsoftアカウントの再サインイン
XboxアプリやMicrosoft Storeでアカウントをいったんサインアウトし、再びメインアカウントで正しくサインインし直します。複数アカウントを扱っている方は、一時的に他のアカウントを削除してメインアカウントのみを使ってみるのも手です。
ネットワーク設定やセキュリティソフトの見直し
Windows Defenderやサードパーティーのセキュリティソフト、あるいはVPNやProxyなどのネットワーク設定がXbox Liveの通信を妨げている可能性があります。特に企業や学校のネットワークを利用している場合は、管理者の設定によって接続が制限されていないかを確認しましょう。
ポート設定の確認
Xbox Liveの接続には以下のポートなどが必要とされています。セキュリティソフトやルーターのファイアウォール設定でブロックされていないかを確認するとよいでしょう。
- TCP: 3074
- UDP: 88, 3074, 53, 500, 3544, 4500
Minecraft本体の再インストール
他の対策を色々と試しても解決しない場合、思い切ってMinecraft Bedrock版を再インストールする方法が残されています。インストールファイルやGame Servicesが破損していると、サインイン情報が正しく読み込まれずエラーとなることがあります。
再インストールの流れ
- スタートメニューから「設定」→「アプリ」を開く。
- Minecraft Bedrock版を探し、アンインストールを実行。
- Microsoft StoreまたはXboxアプリを使い、再度Minecraft Bedrock版をインストール。
- 正しいMicrosoftアカウントでサインインし直す。
ワールドデータのバックアップ
重要なワールドデータやセーブデータがある場合は、事前にバックアップを取っておきましょう。再インストール時にデータを失う可能性もあるため、別ドライブやクラウドサービスなどにコピーしておくと安心です。
より高度なトラブルシューティング
上記の標準的な手法を試しても依然として改善しない、という場合は、WindowsやXboxサービスそのものの不具合が疑われます。以下のような高度な手段を検討してみてもよいでしょう。
Windowsのクリーンブート実行
クリーンブートとは、Windowsを最小限のドライバとスタートアップアプリケーションのみで起動する方法です。他の常駐アプリやサービスとの競合が原因かどうかを見極めるのに有効です。
- 「Windowsキー + R」を押して「msconfig」と入力。
- 「サービス」タブで「Microsoftのサービスをすべて隠す」にチェックを入れ、「すべて無効」をクリック。
- 「スタートアップ」タブから「タスクマネージャーを開く」を選び、不要なスタートアップアプリを無効にする。
- PCを再起動。
- クリーンブート状態でMinecraftを起動し、サインインを試す。
Windowsの組み込みトラブルシューティングツール利用
Windowsには「ストアアプリ」や「Xboxネットワーク」に関するトラブルシューティングツールが用意されています。
- スタートメニュー → 「設定」 → 「更新とセキュリティ」
- 「トラブルシューティング」 → 「追加のトラブルシューティング」
- 「Windowsストアアプリ」や「Xboxネットワーク接続」などを実行し、問題の自動診断と修正を試す。
Event Viewer(イベントビューア)のログ確認
サインインエラーが発生した際には、Windowsのイベントビューアに詳細なエラーコードや警告メッセージが記録されている場合があります。
- スタートメニューの検索バーで「イベントビューア」と入力し、起動。
- 左ペインの「Windowsログ」→「アプリケーション」や「システム」で、MinecraftやXboxアプリ関連のエラーをチェック。
エラーコードがわかれば、Microsoftサポートページやコミュニティフォーラムで検索することで、さらに具体的な解決策が見つかることもあります。
対処しても改善しない場合の最終手段
ここまでの対策を試しても改善しない場合、以下のような最終手段も視野に入れてみてください。
Windowsのリセットまたは再インストール
大掛かりな方法にはなりますが、Windows自体に深刻な不具合がある場合は、OSの初期化や再インストールを行うことで解決する場合があります。作業前には必ずデータのバックアップを行い、ライセンス情報や重要ファイルの保管場所を確認しておきましょう。
Microsoft公式サポートやXboxサポートへの問い合わせ
どうしても原因が特定できないケースや、ライセンス情報が紐づいていない可能性がある場合には、Microsoft公式サポートやXboxサポートに直接問い合わせを行うのが確実です。Microsoftアカウントのトラブルシューティングは、公式サポートページにも多数の情報が掲載されているので、一読してみると新たなヒントが得られることもあります。
まとめ:できる範囲から順番に対策しよう
Minecraft Bedrockのサインインエラーは、Microsoft StoreやXboxアプリの不具合、アカウントの設定ミス、ネットワーク環境、ライセンスの紐づけの問題など多彩な原因が考えられます。具体的なトラブルシューティングとしては、まずはWSResetによるストアのキャッシュクリアや、Xboxアプリの修復・リセットを試すところから始めるのが王道です。さらに、Windows Updateの適用やネットワーク設定の見直し、Minecraft本体の再インストールなどを段階的に実施すると、多くの場合は問題が解決します。
それでも改善しない場合は、OSレベルの不具合を疑ってクリーンブートやWindowsのトラブルシューティングツールを活用する、最終的にはサポートに問い合わせるなど、多角的なアプローチが大切です。快適にMinecraftをプレイできるよう、この記事でご紹介した方法を試してみてください。
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