Linuxでは最新版のソフトウェアパッケージをインストールすることは容易ですが、特定のバージョンをインストールする場面も多々あります。旧バージョンが必要な理由は様々で、互換性や安定性、テスト環境の設定などが考えられます。本記事では、Linux上でパッケージの過去のバージョンをインストールする方法とその詳細な解説、さらに応用例を5つ提供します。
目次
基本的な手法
Linuxでは、主に`apt`や`yum`といったパッケージマネージャを使用してパッケージを管理します。特定のバージョンのパッケージをインストールする基本的なコマンドは以下のとおりです。
aptを使用する場合
# MySQL 5.7をインストールする例
sudo apt-get install mysql-server=5.7.32-1ubuntu18.04 # 特定バージョンの指定
yumを使用する場合
# MySQL 5.7をインストールする例
sudo yum install mysql-server-5.7.32-1.el7 # 特定バージョンの指定
コードの詳細解説
`apt`や`yum`のコマンドにおいて、`=`や`-`を使用してバージョンを指定します。これによってパッケージマネージャは指定されたバージョンのパッケージをリポジトリから探し、インストールします。
バージョンを調べる
旧バージョンのパッケージをインストールする前に、利用可能なバージョンを確認する方法です。
apt-cache madison [パッケージ名] # aptで利用可能なバージョンをリストする
応用例
特定のリポジトリからインストール
sudo add-apt-repository ppa:some/ppa # 特定のPPAを追加
sudo apt-get update # リポジトリを更新
sudo apt-get install [パッケージ名]=[バージョン] # 特定のバージョンをインストール
依存関係を手動で解決
sudo apt-get install [依存パッケージ名]=[バージョン] # 依存パッケージを先にインストール
sudo apt-get install [パッケージ名]=[バージョン] # メインのパッケージをインストール
ローカルファイルからインストール
sudo dpkg -i [ファイル名].deb # Debian系でのローカルファイルからのインストール
ソースからビルド
./configure # 設定
make # コンパイル
sudo make install # インストール
特定のバージョンにダウングレード
sudo apt-get install [パッケージ名]=[バージョン] # バージョンを指定してインストール
sudo apt-mark hold [パッケージ名] # そのバージョンに固定
まとめ
Linuxでパッケージの特定のバージョンをインストールする方法は多々ありますが、適切な手法を選ぶことが重要です。状況に応じて、リポジトリの変更、依存関係の手動解決、ローカルファイルからのインストール、ソースからのビルドなどが考えられます。今回提供した応用例を参考に、具体的なニーズに適した方法で進めてください。
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