Windowsサインイン時にアプリを自動起動する方法(レジストリ編)

WindowsのレジストリにあるRunキーへアプリを登録すると、ユーザーがWindowsにサインインしたときの自動起動を設定できます。OSが起動した瞬間や、サインイン前にアプリを「強制起動」する仕組みではありません。起動の順序・タイミングは保証されず、管理者権限を自動付与したり、UACを回避したりする機能でもありません。

本記事では、自分のアカウントだけを対象にするHKEY_CURRENT_USER(HKCU)での登録方法と、元に戻す方法を解説します。

目次

レジストリを編集する前に確認すること

まずは、次の方法で設定できないか確認してください。レジストリを直接編集せずに済みます。

  • アプリ自身の設定に「ログイン時に起動」などの項目があれば、その設定を使います。
  • Windowsの「設定」→「アプリ」→「スタートアップ」に対象アプリがあれば、オンにします。タスクマネージャーからも有効・無効を切り替えられます。
  • 一覧にない場合は、「Windowsキー」+「Rキー」で shell:startup を開き、アプリのショートカットを置く方法があります。これは現在のユーザー用です。全ユーザー用の shell:common startup とは区別してください。

同じアプリを複数の方法で重複登録しないようにしましょう。設定・ショートカットの方法は、Microsoftのスタートアップ設定の案内でも確認できます。

HKCUとHKLMの違い、掲載画像について

  • HKCUのRunキー:そのユーザー向けの自動起動設定です。本記事はこちらを使います。
  • HKEY_LOCAL_MACHINE(HKLM)のRunキー:PCの全ユーザーを対象にする設定です。変更には通常、管理者権限が必要です。共用PCや会社・学校のPCでは、管理者に設定を依頼してください。

以下の6枚の画像は、2021年に掲載した旧手順の参考画像です。レジストリ画面はHKLMを使用しており、今回の手順とは対象が異なります。画像のパスや値をそのまま写さず、本文のHKCUのパスを確認して操作してください。

自分のアカウントに自動起動を登録する

1.レジストリ エディターを開く

自動起動させたいユーザーでWindowsにサインインします。「Windowsキー」+「Rキー」で「ファイル名を指定して実行」を開き、regedit と入力します。

UACで別ユーザーの管理者資格情報を求められた場合は、ここで中止してください。別アカウントで開くと、HKCUが意図したユーザーの設定を指さない場合があります。先述の設定・ショートカットの方法を使うか、管理者に相談しましょう。UACやレジストリのアクセス権を変更する必要はありません。

2021年の旧手順:ファイル名を指定して実行からregeditを開く画面

旧画像1:レジストリ エディターを開く操作の参考です。

2.HKCUのRunキーを開き、変更前にバックアップする

レジストリ エディターのアドレスバーに、次のパスを入力してEnterキーを押します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run

先頭がHKEY_CURRENT_USERで、末尾がRunであることを確認します。RunOnceは別の用途なので選びません。Runが見つからない、または編集を制限されている場合は、無理にキーや権限を変更せず、先述の別の方法を使ってください。

左側で対象のRunキーを選択し、「ファイル」→「エクスポート」を開きます。エクスポート範囲が「選択された部分」で、上記のHKCUのRunキーを指していることを確認し、日付が分かる名前で保存します。保存先と、これから追加する値の名前も控えてください。Microsoftのバックアップ手順も参照できます。

2021年の旧手順:HKLMのRunキーを表示した参考画像。今回の対象はHKCU

旧画像2:表示先はHKLMです。今回は本文のHKCUのパスを使います。

3.文字列値を新規作成する

右側の何もない場所を右クリックし、「新規」→「文字列値」を選択します。種類はREG_SZです。既存の値や「(既定)」は変更しません。

2021年の旧HKLM手順:新規の文字列値を選ぶ操作例

旧画像3:メニュー操作の参考です。操作先はHKCUのRunキーにしてください。

4.自分で追加したと分かる名前を付ける

値の名前には、例えば MyStartup_Chrome のように、自分で登録したと分かる名前を付けます。同じ名前の値が既にある場合は上書きせず、別の名前にしてください。この名前は識別用で、アプリの実行ファイル名と一致させる必要はありません。

2021年の旧HKLM手順:Chromeという文字列値を作成した例

旧画像4:旧例の名前は「Chrome」です。今回は既存値と重複しない名前を付けます。

5.実際の実行ファイルのパスを登録する

作成した値をダブルクリックし、「値のデータ」にアプリの実行ファイルのフルパスを入力します。まずエクスプローラーなどでファイルの実在を確認し、そのアプリが通常の操作で起動できることを確かめてください。登録するのは、入手元と用途を確認できるアプリに限ります。

実行ファイルのパスは半角の二重引用符 " で囲みます。特に空白を含むパスでは、引用符による区切りが重要です。次はChromeがこの場所にインストールされている場合だけ使える例です。実際の保存場所が違う場合は、そのパスに置き換えてください。

"C:\Program Files\Google\Chrome\Application\chrome.exe"

「値のデータ」はコマンドラインです。引数が必要なアプリでは、実行ファイルの引用符を閉じた後に追加しますが、アプリの公式説明で確認できるものだけを使ってください。Runキーに指定するコマンドラインは260文字以内です。入力内容を確認して「OK」を押します。

2021年の旧HKLM手順:文字列値の編集画面。パスは自分の環境で確認する

旧画像5:編集画面の参考です。画像のパスを流用せず、実際のパスを二重引用符で囲んで登録してください。

6.登録内容とサインイン後の動作を確認する

HKCUのRunキーに、追加した値の名前・種類・データが正しく表示されることを確認します。値が表示されただけでは、自動起動の成功までは確認できません。

2021年の旧HKLM手順:値の登録後の一覧。実際の自動起動は別途確認が必要

旧画像6:HKLMでの登録例です。今回はHKCUで登録内容を確認します。

作業中のファイルを保存し、対象アプリを終了してから、Windowsをサインアウトして同じユーザーで再度サインインします。再起動する場合も、その後のサインインまで行って確認してください。Runの実行は遅れることがあり、複数アプリの起動順序も一定ではありません。セーフモードでは通常、この自動起動は行われません。仕様の詳細はMicrosoftのRun/RunOnceの説明を参照してください。

自動起動しない場合の確認点

  • パス:実行ファイルを移動・削除していないか、引用符や入力に誤りがないかを確認します。USBメモリやネットワーク上のファイルは、サインイン時に利用できない場合があります。
  • 有効・無効:設定やタスクマネージャーのスタートアップ一覧に対象が表示される場合は、無効になっていないか確認します。
  • 対象ユーザー:登録したHKCUが、自動起動させたいユーザーのものか確認します。
  • 権限・管理方針:管理者権限が必要なアプリや、会社・学校の管理対象PCでは、Runへの登録だけで起動できるとは限りません。UACや組織の制限を解除せず、アプリの公式案内や管理者に確認してください。

元に戻すには、今回追加した値だけを削除する

同じユーザーでレジストリ エディターを開き、上記のHKCUのRunキーへ移動します。右側で今回自分が作成した値(例:MyStartup_Chrome)だけを選び、名前とデータを確認して削除します。

左側のRunキー全体や、他のアプリの値、「(既定)」は削除しないでください。次のサインインで、この登録による自動起動が止まるか確認します。まだ起動する場合は、アプリ自身の設定やスタートアップフォルダーなど、別の登録が残っていないか調べます。バックアップは保管し、解除のために無関係な値まで一括で変更しないようにしてください。

公式資料の確認日:2026年10月20日。画像は2021年当時のもので、現在のWindowsとは表示が異なる場合があります。HKCUの対象と権限については、Microsoftの定義済みキーの説明およびUACの仕組みも参照しています。

この記事を書いた人

実務の現場で詰まりがちなポイントを地図にするITブログ「IT trip」を運営。Windows/Office(Teams・Excel)からSQL、サーバ運用、ガジェットまで、再現性のある手順と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ試せること、そして迷った人の次の一歩が見えることを大切にしています。

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