WordのAlt+F9で隠せない{PRIVATE}フィールドを非表示にする方法

近年、さまざまな種類のフィールドコードを駆使してWord文書を整えたいというケースが増えています。ただ、いざフィールドのコードを非表示にしようと思ったときに「Alt+F9でも隠せない!」という問題に直面すると困りますよね。本記事では、そんなレガシーフィールドを上手に扱うコツをご紹介します。

Wordで{PRIVATE}フィールドがAlt+F9で隠せない?

Word文書で通常のTOC(目次)やREF、IFなどのフィールドは、WindowsならAlt+F9、MacならOpt+F9を使って表示/非表示を簡単に切り替えることができます。ところが、{PRIVATE}や{XE}、{TA}、{TC}などの“レガシーフィールド”のコードは、同じ操作で非表示にできません。文書上に「{PRIVATE}」という表示が残り続けると、人によっては「誤って挿入された不要な文字かな?」と勘違いされてしまうこともあるため厄介です。

実はこれらのレガシーフィールドはWord内部で「非表示テキスト」として扱われるため、Alt+F9ではなく、非表示テキストの設定を切り替えて表示・非表示をコントロールする必要があります。以下で詳しい対策と、Wordバージョンに応じた注意点などを見ていきましょう。

Alt+F9とは?通常のフィールドとレガシーフィールドの違い

Alt+F9の役割

Wordのフィールドには、ユーザーが挿入する「標準的なフィールドコード」が存在します。例えば以下のようなものです。

  • TOC(目次): { TOC \o "1-3" \h \z \u }
  • REF(参照): { REF refBookmark }
  • IF(条件分岐): { IF 1=1 "真" "偽" }

これらのフィールドは、Windows版Wordの場合「Alt+F9」でコード表示と結果表示を切り替えられます。Mac版Wordなら「Opt+F9」が該当します。
「Alt+F9」が一般的なフィールドコードを操作するのは便利なのですが、すべてのフィールドが対象になるわけではありません。

レガシーフィールドとは何か

Wordには初期の頃から存在する古い仕様のフィールド、いわゆる「レガシーフィールド」がいくつかあります。代表例として以下のようなものがあります。

  • { PRIVATE }
  • { XE }
  • { TA }
  • { TC }

これらは目次や参照などとは異なる特別な用途で、インデックスや隠し情報を埋め込むために用いられるケースが多いです。こうしたフィールドは、Wordが比較的レガシーな形式で内部処理を行っているとされ、Alt+F9による表示切り替えの対象外とされています。

{PRIVATE}や{XE}などを非表示にする方法

非表示テキストをオフにして隠す

このようなレガシーフィールドを隠したい場合には、Wordの「非表示テキストの表示」設定をコントロールします。具体的には以下の手順で行います。

  1. リボンの「ホーム」タブを開きます。
  2. 「段落記号の表示/非表示」(¶マーク)のボタンをクリックし、非表示文字を表示するかどうかを切り替えます。
  3. 必要に応じて、「ファイル」 > 「オプション」 > 「表示」の画面を開きます。
  4. 「常にこれらの書式を表示する」というチェックボックスの中にある「非表示文字」の項目のチェックを外します。

こうすることで、文書内にある{PRIVATE}や{XE}などのフィールドコードが非表示扱いとなり、文字列として見えなくなります。段落記号だけを表示したいけれど{PRIVATE}などのコードは隠したい場合は、上記の設定を細かく切り替えてみるとよいでしょう。

挿入時に勝手に表示がオンになる現象

特に索引用のフィールド({XE}や{TA}、{TC}など)は、フィールドを新たに挿入したときにWordが自動的に「非表示文字」をオンにしてしまう場合があります。その結果、せっかく隠していたフィールドコードが再び表示されてしまい、驚くことがあります。
一方、{PRIVATE}フィールドを挿入した場合は、この自動切り替えが起こりにくいとの報告もありますが、Wordのバージョンや環境によって挙動が異なる場合があるため、気になる場合は同じく「非表示文字」のチェックを都度確認するクセをつけましょう。

よくある疑問とトラブルシューティング

なぜ{PRIVATE}や{XE}は隠せないのか?

これらレガシーフィールドは、Wordの機能の根幹である「検索インデックス」や「外部オブジェクトとの連携」といった箇所に深く組み込まれています。そのため、後から追加された「Alt+F9による表示切り替え」の仕組みとは別の制御が適用されています。
Wordは内部的に「非表示テキスト」として扱うことで、ユーザーが通常使う文書画面には出したくない情報を保護している形です。したがって、Wordのデザイン上、非表示テキスト設定をオフにしない限り常に見えてしまうというわけです。

段落記号(¶)は表示したいが{PRIVATE}だけ隠したい

Wordの「常にこれらの書式を表示する」オプションを細かく制御することで、段落記号はオンにしたまま非表示文字のみをオフにすることが可能です。
ただし、実際の挙動はWordのバージョンやそのほかの設定状況によって微妙に異なることがあります。特定の表示だけを切り替えたいときは、「表示」タブや「校閲」タブなども含め、オプションを複数調整してみてください。

フィールドコードの色や下線の変更は可能?

Wordでは、フィールドコードを表示するときに自動的にグレーのシェーディングがかかります。これは「フィールドのシェーディング」設定によるものです。標準の設定では「常に表示」になっている場合が多いですが、「選択時のみ」や「表示しない」を選択可能です。
ただし、{PRIVATE}などは「非表示文字」がオンの場合にしか見えないため、シェーディングの適用を切り替えても、そもそも「表示される/されない」の問題とは別に扱われることになります。

具体的な操作例:表で見る非表示設定手順

以下の表は、Wordのオプションを使用して非表示テキストを切り替える際の手順をまとめたものです。バージョンによって画面構成やメニュー名がやや異なることがありますが、大まかな流れは共通しています。

操作内容詳細
1. Wordを起動し文書を開く対象となる文書を用意し、編集画面を表示します。
2. [ファイル] > [オプション]を開くWordの詳細設定画面へアクセスするため、左上の[ファイル]から[オプション]へ進みます。
3. [表示]タブを選択Wordの表示に関するオプションが一覧表示されます。
4. [常にこれらの書式を表示する]「タブ文字」「スペース」「段落記号」などの項目が並ぶ部分です。「非表示文字」のチェックが外れているか確認します。
5. [OK]をクリックし画面を閉じる設定を適用すると、Word上で{PRIVATE}や{XE}などが非表示となります。

キーボード操作の注意点

WindowsでAlt+F9が効かない場合

多くのノートPCでは、機能キー(F1、F2…F12)に別のメディア操作や明るさ調整が割り当てられています。そのため、単に「Alt+F9」と押してもWordではなくシステム側の機能が働いてしまうことがあります。
その場合は、Fnキーを同時に押しながらAlt+F9(Fn+Alt+F9)を試してみてください。ノートPCによってはBIOSやUEFIで機能キーの動作モードを切り替えられる場合もあるため、キーボード設定を確認しておくと便利です。

MacでのOpt+F9

Mac版Wordでは、Optionキー(Opt)+F9での表示切り替えが標準です。ただしMacのキーボードでもファンクションキーがメディア操作などと兼用されていることがあるため、Fn+Opt+F9を押す必要があるかもしれません。
また、Mac版WordはWindows版とショートカットの挙動が異なる部分がいくつかあるため、同じ設定手順やショートカットが通用しない場合は公式ドキュメントなども参照してみてください。

高度な活用:マクロや検索置換を使ったフィールド管理

フィールドコードをまとめて制御したい場合

WordにはVBA(Visual Basic for Applications)を使ったマクロ機能が用意されています。大量のフィールドコードを含む文書を一括で操作したい場合、マクロを組むことで効率化が図れます。
例えば、すべての{PRIVATE}フィールドを検出して、特定の処理(削除、タグの付加など)を行うといったことが可能です。以下は簡単な例です。

Sub RemovePrivateFields()
    Dim f As Field
    For Each f In ActiveDocument.Fields
        If InStr(1, f.Code.Text, "PRIVATE") > 0 Then
            f.Delete
        End If
    Next f
End Sub

上記のマクロを実行すると、文書内のすべての{PRIVATE}フィールドを削除できます。ただし、実際の運用ではバックアップをとるなど慎重に扱いましょう。

検索と置換ダイアログで非表示文字を狙い撃ち

Wordの「検索と置換」機能を使うと、特殊文字や書式を指定して検出できます。ただし{PRIVATE}などのフィールドが非表示文字として認識されている場合は、通常の検索ワードではヒットしないこともあります。
そこで、ワイルドカード検索や書式オプションを活用すると、「非表示テキスト」をターゲットにした検索が可能になる場合があります。文書全体からレガシーフィールドを洗い出したいときなどに使ってみると便利です。

レガシーフィールドを扱うメリットとデメリット

メリット

  • 索引作成が簡単: {XE}{TC}フィールドを適切に設定すれば、複雑な索引を効率的に作成できる。
  • 文書内へのメタ情報埋め込み: {PRIVATE}を使うと、他のシステムやアドインと連携して秘密情報を埋め込んだり、独自の処理を施すことが可能。
  • 古いバージョンとの互換性: レガシーフィールドは初期のWordから存在しており、旧バージョンとの互換性が比較的保たれている。

デメリット

  • Alt+F9で隠せない: この記事で紹介しているように、非表示テキスト設定をオフにしないと常に表示されてしまう。
  • 初心者に分かりづらい: 非表示テキストとしての扱いが意外と知られておらず、誤って削除されたり、編集ミスが起こる可能性がある。
  • 自動的に設定が戻ることも: 索引フィールドを追加するとWordが勝手に非表示文字をオンにしてしまうなど、操作感に一貫性がない場面がある。

まとめ:{PRIVATE}などを上手に扱って快適Wordライフを

Alt+F9(MacならOpt+F9)でフィールドコードを切り替える機能は非常に便利ですが、{PRIVATE}や{XE}などのレガシーフィールドは対象外であるという点が大きな落とし穴になりがちです。しかし非表示テキストの切り替えを覚えておくと、これらのレガシーフィールドも簡単に隠すことができます。

また、索引作成や独自情報の埋め込みなど、レガシーフィールドが威力を発揮するシーンも多々あります。使いこなせばWordをさらに便利にする手段として重宝するはずです。ぜひ本記事の手法を活用して、見栄えの良い文書制作や高度な文書管理に役立ててください。

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