Viva Engageで会社独自のロゴやテーマカラーを使いたくても、これまでは設定できる範囲が限られていました。Microsoftはこの課題に対応するため、テナント共通のカスタムブランドを管理する「Brand Center」をViva Engage管理センターへ追加する予定です。
Roadmap ID 568364によると、Engage管理者はブランド名、大ロゴ、小ロゴ、テーマカラーを設定でき、Web、iOS、Androidの全ユーザーへ共通のデザインを適用できるようになります。2026年8月にWorldwide向けの一般提供が予定されていますが、2026年8月5日時点のステータスは「In development」です。現段階では、正確な画面構成や画像サイズなどはまだ公開されていません。
Viva Engageのテナント共通カスタムブランドとは
Viva Engageのテナント共通カスタムブランドは、組織全体のViva Engageに共通のブランドデザインを設定する機能です。
Microsoft 365 Roadmapでは、Viva Engage管理センター内に新しい「Brand Center」が追加され、次の項目を管理できると説明されています。
| 設定項目 | 設定できる内容 | 管理者が準備しておくもの |
|---|---|---|
| ブランド名 | Viva Engageで使用する組織のブランド名 | 社内で承認された正式名称 |
| 大ロゴ | 大きく表示する場面で使用するロゴ | 高解像度のロゴデータ |
| 小ロゴ | コンパクトな表示領域で使用するロゴ | 縮小しても判別できる簡略版ロゴ |
| テーマカラー | Viva Engage全体で使用するブランドカラー | コーポレートカラーのカラーコード |
| 適用範囲 | テナント内の全ユーザー | Web、iOS、Androidでの確認環境 |
大ロゴと小ロゴを分けて登録できるため、単に同じ画像を縮小するのではなく、表示サイズに合ったロゴを用意できます。
たとえば、小ロゴに長い社名や細かなキャッチコピーを含めると、スマートフォンでは文字がつぶれてしまいます。小ロゴにはシンボルマーク、大ロゴにはシンボルマークと社名を組み合わせるなど、用途を分けて準備するとよいでしょう。
Roadmap 568364の公開予定と対象環境
Roadmap 568364に登録されている予定は次のとおりです。
| 項目 | 公式Roadmapの情報 |
|---|---|
| 機能名 | Microsoft Viva: Rolling out Custom branding in Engage |
| Roadmap ID | 568364 |
| ステータス | In development |
| 一般提供予定 | 2026年8月 |
| リリース区分 | General Availability |
| 対象クラウド | Worldwide(Standard Multi-Tenant) |
| 対象プラットフォーム | Web、iOS、Android |
| 最終更新日時 | 2026年7月29日23時7分頃(UTC) |
最終更新日時を日本時間に換算すると、2026年7月30日8時7分頃です。対象クラウドとして記載されているのはWorldwideの標準マルチテナント環境であり、政府機関向けクラウドなどは現在のRoadmap項目には含まれていません。
「2026年8月GA」は、8月1日にすべてのテナントへ一斉に表示されることを意味するわけではありません。Microsoft 365 Roadmapの日付は予定であり、変更される場合があります。また、機能が段階的に展開されると、同じ地域でもテナントごとに利用開始時期が異なることがあります。(Microsoft)
既存のロゴ設定との違い
Viva Engageには、以前からテナントロゴを登録する設定があります。しかし、新しいBrand Centerは、既存設定よりも広い範囲をカスタマイズする計画です。
Microsoft Learnによると、既存のテナント設定では1つのロゴをアップロードでき、そのロゴはユーザーのホームフィードとLeadership cornerのヘッダーに表示されます。(Microsoft Learn)
| 設定方法 | 主な設定項目 | 影響する範囲 |
|---|---|---|
| 既存のテナントロゴ | 1つのロゴ画像 | ホームフィード、Leadership cornerのヘッダー |
| Teamsアプリのカスタマイズ | アプリ名、説明、アイコン、アクセントカラー | Teamsアプリストアなどのアプリ表示 |
| 新しいBrand Center | ブランド名、大ロゴ、小ロゴ、テーマカラー | Viva EngageのWeb、iOS、Androidにテナント共通で適用 |
Teams管理センターでもViva Engageアプリの名称、説明、アイコン、アクセントカラーを変更できます。ただし、Microsoftの現行ドキュメントでは、このカスタマイズはViva Engage内部のブランド表示には影響しないと説明されています。新しいBrand Centerは、Teamsアプリの外枠だけでなく、Viva Engageの利用画面に組織のブランドを反映するための機能と考えると分かりやすいでしょう。(Microsoft Learn)
なお、Roadmapの対象プラットフォームにはTeamsが明記されていません。Teams内のViva Engageアプリにどの程度反映されるかは、一般提供後に実際の画面で確認する必要があります。
Viva Engageに会社ロゴとテーマカラーを設定する方法
現時点ではBrand Centerの公開待ち
2026年8月5日時点では、Roadmap 568364のステータスは「In development」です。そのため、すべてのテナントでBrand Centerを利用できる状態とは限りません。
Microsoftはまだ次の詳細を公開していません。
- ロゴ画像の推奨サイズ
- 対応する画像形式
- ファイル容量の上限
- テーマカラーの入力形式
- プレビュー機能の有無
- 設定変更が反映されるまでの時間
- 設定を編集できる管理者ロールの詳細
- Teams内での適用範囲
したがって、現段階で画像を特定のピクセル数に加工したり、社内手順書へ画面操作を確定事項として記載したりするのは避けた方が安全です。
GA後に行う設定の流れ
一般提供後は、次の流れで設定することになります。ただし、Brand Center内の正確なメニュー名や保存ボタンなどは、公開後の公式ドキュメントで確認してください。
管理者ロールを確認する
Roadmapでは、ブランド設定を行う主体を「Engage-level admins」と説明しています。Viva Engageの正式な管理者ロールでは、Engage Administratorがテナント設定、コア機能、プレミアム機能、コンプライアンスなどを管理します。
Engage Administratorロールは、Microsoft 365グローバル管理者がMicrosoft Entra IDまたはPrivileged Identity Managementから割り当てられます。Brand Centerの編集権限については、一般提供後の権限表も確認しましょう。(Microsoft Learn)
Viva Engage管理センターを開く
Web版のViva Engageでは、上部にある歯車アイコンから「管理センター」を選択します。
Teams内のViva Engageでは、上部ナビゲーションの省略記号から管理センターを開けます。Viva Engage管理センター自体には、グローバル管理者、Engage管理者、Answers管理者、ネットワーク管理者、検証済み管理者、企業コミュニケーターなどがアクセスできます。(Microsoft Learn)
ただし、管理センターへアクセスできることと、Brand Centerを編集できることは同じではありません。閲覧できてもブランド設定を変更できない場合は、Engage Administratorロールの有無を確認してください。
Brand Centerが追加されているか確認する
Viva Engage管理センター内で「Brand Center」を探します。
Brand Centerが表示されない場合は、次の可能性があります。
- まだ自社テナントへ展開されていない
- 必要な管理者ロールが割り当てられていない
- Roadmapの提供予定が変更された
- 機能が段階的にロールアウトされている
- 管理センターの画面が更新前の状態になっている
メニューが見つからないからといって、ライセンス不足と即断しないことが重要です。まずRoadmapとMicrosoft 365管理センターのメッセージセンターを確認しましょう。
メッセージセンターは、Microsoft 365管理センターの「正常性」から開くことができ、機能の展開予定、組織への影響、必要な管理作業などを確認するために使用できます。(Microsoft Learn)
ブランド情報を登録する
Brand Centerが利用可能になったら、Roadmapで示されている次の情報を登録します。
- ブランド名
- 大ロゴ
- 小ロゴ
- テーマカラー
ブランド名については、登記上の法人名、一般的な会社名、サービスブランド名のどれを使用するかを事前に決めておきます。
たとえば、正式名称が「株式会社サンプルホールディングス」でも、社内で普段使用している名称が「サンプルグループ」であれば、どちらをViva Engageへ表示するかについて、広報部門やブランド管理部門の確認が必要です。
Webとモバイルで表示を確認する
設定後は、少なくとも次の環境で確認します。
- PCのWebブラウザー
- iPhoneまたはiPadのiOS版
- Androidスマートフォンまたはタブレット
- 大きな画面と小さな画面
- 一般ユーザーと管理者ユーザー
特に確認したいのは、小ロゴの視認性、背景色とのコントラスト、社名の切れ方、テーマカラーと文字の読みやすさです。
モバイル版だけ表示が変わらない場合は、アプリの更新、再起動、再サインインなどを行い、アプリ側の状態とテナント側の展開状況を切り分けます。
導入前に準備しておくべき項目
Brand Centerが表示されてから素材を集め始めると、公開までに時間がかかります。一般提供前に、次の項目を整理しておくとスムーズです。
| 準備項目 | 判断基準 | よくある失敗 |
|---|---|---|
| ブランド名 | 社内で正式に使用している表記か | 法人名とサービス名が混在する |
| 大ロゴ | 大きく表示しても粗くならないか | Webサイトから低解像度画像を保存する |
| 小ロゴ | 縮小しても形を判別できるか | 細かな文字やキャッチコピーを入れる |
| テーマカラー | 文字やアイコンを読みやすいか | ブランドカラーだけを優先して視認性を下げる |
| 管理責任者 | 誰が変更を承認するか決まっているか | IT部門だけでデザインを決定する |
| テスト環境 | Web、iOS、Androidを確認できるか | PCだけ確認して公開する |
| 変更前の記録 | 元のロゴや設定値を保存しているか | 元に戻したくても素材が見つからない |
| ユーザー案内 | 変更日と変更内容を周知できるか | 突然デザインが変わり問い合わせが増える |
ロゴは元データをそのまま保管し、公式仕様が公開された後に指定サイズへ書き出す方法がおすすめです。画像を何度も拡大・縮小すると、輪郭がぼやける場合があります。
テナント共通ブランドを設定するときの注意点
部門ごとのブランド切り替えは明記されていない
Roadmapでは「tenant-wide visual identity」および「all users in the tenant」と説明されています。現時点では、部門、グループ、地域、コミュニティごとに異なるブランドを割り当てる機能は示されていません。
複数ブランドを運営する企業グループでは、次のいずれを共通ブランドとして採用するか決める必要があります。
- 親会社のブランド
- グループ共通ブランド
- 社内コミュニケーション専用ブランド
- Viva Engageを主に利用する事業会社のブランド
特定のコミュニティだけデザインを変えたい場合は、テナント共通のBrand Centerではなく、コミュニティ単位で利用できる設定との役割分担を検討します。
Microsoft 365全体の組織名変更とは別に考える
Roadmap 568364が対象としているのは、Viva EngageのWebおよびモバイルアプリにおける視覚的なブランド設定です。Microsoft 365テナント名、Microsoft Entra IDの会社ブランド、サインイン画面、メール送信者名などが同時に変更されるとは記載されていません。
Viva Engageのブランド名を変更しても、Microsoft 365全体の組織情報が書き換わるとは限りません。それぞれ別の管理項目として扱いましょう。
テーマカラーが画面全体へ使われるとは限らない
Roadmapでは、テーマカラーがすべてのユーザーへ一貫して適用されると説明されています。一方で、ボタン、リンク、ヘッダー、背景など、どのUI要素へ反映されるかは公開されていません。
「すべての画面をコーポレートカラーへ変更できる」と決めつけず、一般提供後のプレビューや実機画面を確認してから社内へ説明する必要があります。
突然の変更はユーザーに不安を与える
会社ロゴや配色が突然変わると、利用者が偽サイトや不正アプリではないかと疑う場合があります。
変更前には、次のような内容を案内すると問い合わせを減らせます。
○月○日から、Viva Engageのロゴと配色を当社ブランドに統一します。画面の一部は変わりますが、通常どおりViva Engageをご利用ください。
サインイン方法やURLに変更がない場合は、その点も案内文へ加えると安心感につながります。
Brand Centerが表示されない場合の確認方法
2026年8月になってもBrand Centerが表示されない場合は、次の順番で確認します。
- Microsoft 365 RoadmapでID「568364」のステータスを確認する
- Microsoft 365管理センターのメッセージセンターを検索する
- 自分にEngage Administratorロールが割り当てられているか確認する
- 別のEngage管理者でも同じ状態か確認する
- ブラウザーを更新し、再サインインする
- Microsoftの公式ドキュメントで設定場所が変更されていないか確認する
- 必要に応じてMicrosoft 365サポートへ問い合わせる
Roadmapの月表示だけを根拠に障害と判断しないことが重要です。ロードマップの日付は予定であり、テナントへの展開開始日や完了日と一致しない場合があります。(Microsoft)
Viva Engageのカスタムブランドに関するよくある疑問
いつから利用できますか
Worldwideの標準マルチテナント環境では、2026年8月の一般提供が予定されています。2026年8月5日時点ではIn developmentであり、正確な提供開始日や展開完了日は公開されていません。
誰が設定できますか
Roadmapでは「Engage-level admins」が設定すると説明されています。Engage AdministratorはViva Engageのテナント設定や機能全般を管理するロールですが、Brand Centerに関する最終的な権限範囲は一般提供後の公式ドキュメントで確認する必要があります。
すべてのユーザーに適用されますか
Roadmapでは、テナント内の全ユーザーへ一貫して適用すると明記されています。対象プラットフォームはWeb、iOS、Androidです。
ユーザーごとにテーマを選べますか
ユーザーごとのテーマ選択や、管理者が対象ユーザーを指定する機能はRoadmapに記載されていません。現時点では、テナント共通の単一ブランドを設定する機能として考えるのが適切です。
追加ライセンスは必要ですか
Roadmap 568364には、追加ライセンスの要否が記載されていません。
Microsoftの現行ドキュメントでは、Engage AdministratorがViva Engage管理センターへアクセスして管理作業を行うために、Viva Engage Coreまたはプレミアムライセンスを管理者本人へ割り当てる必要はないとされています。ただし、Brand Center自体がどのサービスプランに含まれるかは、一般提供時のライセンス情報を確認してください。(Microsoft Learn)
既存のテナントロゴは自動的に引き継がれますか
既存ロゴをBrand Centerへ自動移行するかどうかは、Roadmapに記載されていません。現在使用しているロゴファイルを手元に保存し、一般提供後にBrand Centerの初期値を確認するのが安全です。
今から行うべき対応
Viva Engageのテナント共通カスタムブランドでは、ブランド名、大ロゴ、小ロゴ、テーマカラーを新しいBrand Centerから設定し、Web、iOS、Androidの全ユーザーへ統一して適用できる予定です。
ただし、2026年8月5日時点では開発中です。管理者は、まだ表示されていないBrand Centerを探し続けるのではなく、次の準備を先に進めましょう。
- Engage Administratorの担当者を決める
- 正式なブランド名を確定する
- 大表示用と小表示用のロゴ原稿を用意する
- テーマカラーの候補を決める
- Web、iOS、Androidのテスト担当者を決める
- 変更前後のユーザー向け案内を作成する
- Roadmap 568364とメッセージセンターを継続確認する
Brand Centerが自社テナントへ展開されたら、画像仕様と権限を公式ドキュメントで再確認し、3つの対象プラットフォームで表示を検証してから本格運用へ進むことが重要です。

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